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マスキング原料のご紹介〜不快な匂いを抑え、おいしさを実現

食品における「マスキング」とは、食品の不快なにおいや苦味、酸味、渋味などを抑えることです。食品のおいしさに関わる重要な要素となるため、商品のラインナップも豊富です。こちらの記事では、マスキング原料の特徴や代表的な使い方を紹介すると共に、関連商品をまとめてご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。



マスキング原料とは

マスキング原料は、食品や化粧品、料理などさまざまな分野で使用されています。

食品分野でのマスキング原料は、食品の不快なにおいや風味を打ち消す目的のほか、「塩カド・酢カドを取る」「塩分控えめの商品の物足りなさを補う」など、おいしさを維持・向上できることから利用が進んでいます。

また、加工や長期保存などによって発生する食品の劣化臭などをマスキングすることもでき、コストダウンの面からも注目されています。


 

マスキング原料で食品の不快なにおいや風味を抑える3つの方法

食品の不快なにおいや風味の原因は複数あります。ここでは、不快なにおいや風味に対する解決策として、代表的な3つの方法を紹介します。

ポイントは「素材や性質にあったマスキング原料を選ぶ」ということです。それぞれの状況に応じて判断する必要があるため、困ったときは専門のメーカーなどに相談するようにしましょう。

①化学的方法

化学的方法とは、においの原因物質を化学反応によって低減する方法です。

たとえば、魚の生臭さの原因物質「トリメチルアミン(TMA)」はアルカリ性なので、酸性の物質と組み合わせて「中和」させることで、においを減らすことができます。魚の下処理や調理時に、お酢や清酒などの有機酸を含む液体を使うと、臭み消しになるのはこのためです。

この他、プラントベースフード商品のレシピ開発において、大豆臭マスキングする原料も登場しています。大豆の青臭さの原因物質「ヘキサナール」に対して化学的に作用させ、別の物質に変換することで不快臭を抑えるというもので、コストダウン対策としても注目を集めています。


②物理的方法

物理的方法とは、発生したにおいの物質を「蒸発」や「吸着」することで食材から取り除く方法です。

たとえば、アルコールが揮発する際に、他のにおい物質も一緒に揮発させる作用があります。魚の生臭さの原因物質「トリメチルアミン(TMA)」は揮発性が高く、この作用によって除去することができます。


③感覚的方法

感覚的方法とは、別の香りを加えることで不快なにおいを感じにくくする方法です。これまでの方法では除去できなかったにおいを軽減する手段として用いられています。

たとえば、ハーブやスパイスなどの香辛料や、ワインや清酒などの調味料が利用されています。料理の風味に応じて、適切なものを選ぶようにしましょう。


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マスキング原料のご紹介

シェアシマでは、商品開発に役立つ「マスキング原料」の情報を数多く取り揃えております。シェアシマ会員様は、商品の規格書をダウンロードしたり、企業の担当者様に直接問い合わせをすることができます。ぜひご活用ください。

マスキング原料は大豆ミート等プラントベースフードの原料としても広く活用されている


有機アガベイヌリン|株式会社アルマテラ

メキシコで栽培された植物「ブルーアガベ」の根茎から抽出された天然のイヌリンです。アガベ由来のイヌリンは、唯一オーガニックのイヌリンになります。ほんのりとした甘さで、コク・脂肪感・ボディ感の付与、雑味等のマスキングにも活用できます。

トレハ®|ナガセヴィータ株式会社

でん粉から作られた多機能糖質トレハロースです。トレハ®を食品素材に少量配合すると幅広い矯味・矯臭作用を示すため、各種食品に有効に利用できます。例えば、ピープロテインを配合したプラントベースアイスの砂糖の⼀部をトレハ®に置換(全体の2%配合)することで、⾖臭さと後味(えぐみ)が抑えられ、⾵味よく仕上がります。

デフィ|ミヨシ油脂株式会社

デフィは、パンや菓子のおいしさアップを可能にする焙煎風味のマーガリンです。香ばしい焙煎感、コク、甘味を付与することができます。 発酵による酸味や、パンや菓子の生地原料由来のにおいをマスキングすることができます。特有のにおいのあるふすまや大豆粉などの低糖質素材との併用にも適しています。

豚コクアップパウダーA|東海物産株式会社

畜肉原料との相乗効果により肉のうま味、コク味を引き出します。少量添加で効果を発揮します。また、植物性たん白の臭みをマスキングする効果があります。
同社では、このほかにもマスキング効果を有する原料商品を取り扱っています。


こうじ調味料 味しるべマスキング-4白麹|宝酒造株式会社

消臭効果に特化したこうじ調味料です。白麹由来のクエン酸や固形分により、臭みの強い肉、魚介類の不快臭抑制に効果を発揮します。ペーストタイプで、米こうじ由来のコクやうまみも付与します。
同社では、このほかにもマスキングや風味付与に適した原料商品を多数取り扱っています。


ハイパーミーストHG-Ps|アサヒグループ食品株式会社

ペーストタイプのグルタミン酸高含有酵母エキスです。グルタミン酸を多く含有しているため、旨味やコクをエンハンスします。それだけでなく、スパイス感、柑橘系・果汁感、乳感、塩味をエンハンスし、逆に、植物たん白臭やお酢などの酸味は、マスキングする効果があります。
同社では、このほかにもマスキングや風味付与に適した原料商品を多数取り扱っています。


【食品素材/発酵調味料】極旨パウダー|オリエンタル酵母工業株式会社

粉末タイプの発酵調味料です。中味から後味にかけての旨味をプラスできます。肉や魚料理、プラントベースフードの臭みの軽減や日持向上剤による酸味・酸臭の低減におすすめです。
使い勝手の良い液体タイプの発酵調味料もございます。


アルゼンチン産レモン透明濃縮果汁|片岡物産株式会社

世界最大の加工用レモン生産国であるアルゼンチン最大手のレモン濃縮果汁製造会社であるCitromaxが作るレモン果汁です。自社農園比率が非常に高く、トレーサビリティが完備されたポストハーベスト不使用の安心・安全なレモンを使用しております。魚の臭み消しなどにも。

フレバランサー™VS|扶桑化学工業株式会社

化学的マスキングにより、レトルト臭の主要原因物質である硫黄化合物を特異的に補足、マスキングする粉末製剤です。缶詰・レトルトパウチ食品の他、アブラナ科野菜(大根、ブロッコリー等)の加熱臭にも効果を発揮します。
このほかにも豆臭・穀物臭のマスキングに役立つ商品もあります。


生姜パウダー(高知県産)|株式会社あさの

高知県産生姜をじっくり乾燥させて、無添加・無着色のきめ細かなパウダーに仕上げました。 パウダー10kgを製造するために約200kgの生鮮生姜を使用しています。生姜の風味を生かしたマスキングに活用できます。
からあげの下味として、魚や肉などのマスキングとして多彩に使用できる生姜汁もあります。


MaCSIE Amanatsu|愛媛製紙株式会社

廃棄されていた柑橘搾汁残渣である甘夏の内皮を原料とした天然アップサイクル原料です。 チクソトロピー性、乳化能などの物理的特性を持ち、柑橘果皮由来の有効成分による生理活性機能も持っています。柑橘の香りを活かした製品に使えます。
イヨカンの外皮を原料とした製品もあります。


アミシンクリスタル (たん白加水分解物・アミノ酸液)|株式会社新進

植物性たん白原料から作られた総合アミノ酸液です。各種アミノ酸を含みグルタミン酸含量も高いので、先味が強くパンチのある味に仕上げることができます。マスキング効果も期待できます。
淡口のラインナップもあります。


チューニャン|角光化成株式会社

お米を米麹で糖化させた甘味のある発酵調味料です。 中国では古くから一般的にも使用されている調味料で、複雑味のある甘みと旨味を付与できます。野菜や肉の旨みを引き出したり、尖った酸味をまろやかにします。酢酸系のpH調整剤のマスキングにも役立ちます。 
旨みや調理感を付与できる香味油も取り扱っています。


mzチキンコラーゲンペプチド|丸善食品工業株式会社

トレース管理された国産の鶏足を熱水抽出した、ハンドリングの良い液体タイプのコラーゲンペプチドです(分子量2000以下) 。コク味・調理感の付与、塩カドを低減するのにも役立ちます。 

柿皮エキス|テクノマックス喬木株式会社

南信州特産の「市田柿」の果皮を色差分解処理(熱水処理)をし、柿本来の特性を生かした抽出を行っています。 柿由来ポリフェノール(柿タンニン)をはじめβカロテンなどを豊富に含みます。 臭みのマスキングや賞味期限の延長、糖質の削減などが確認できています。

無調整豆乳原液 白目大豆|マルサンアイ株式会社

大豆のみを使用した豆乳で、940kg(ロジスティックスコンテナ)の原料用豆乳です。賞味期限30日でチルドでお届けさせていただきます。タンパク質強化、マスキング効果、味覚変化(マイルド) コレステロールを下げるなどの効果効能も報告されています。
カナダ大豆を使用した製品もあります。


イヌリア|帝人株式会社

「イヌリア」はヨーロッパで栽培された野菜「チコリ」の根から抽出された天然のイヌリンです。イヌリンは、何世紀にもわたって人類が摂取してきた食経験豊富な食材です。味の改善ではナチュラルな甘さ付与、脂肪感付与、ボディ感の付与、コクの付与、雑味、金属味等のマスキング、様々な食感の実現、フレーバーサポートが可能です。

グリルイーストB/H|株式会社樋口商会

スモーク風味を有した自己消化酵母粉末です。 くん液等の食品添加物を使用せず、食品素材のみで存在感のあるスモーク風味を実現しています。 マスキングでは、植物性タンパク(豆臭)、ペットフード(獣肉臭)などに効果が期待できます。

【発酵調味料】TasteNrich Solution B5|CJジャパン株式会社

クリーンラベルに対応しています。呈味向上作用を最大限に高めたSolutionシリーズのフラッグシップ商品です。うま味の付与やエンハンス効果(塩味、醤油、スパイス、畜肉加工品など)や、マスキング効果(植物性タンパクや食品の苦味など)があります。

酵母エキス Soy Masker|セティ株式会社

大豆由来のたんぱく質、又はその濃縮物が有する独特の風味を抑えるためにお使いいただけます。 コーシャ、ハラル対応。

糖蜜フレーバーMSX-1MF|DM三井製糖株式会社

さとうきび由来のマスキング原料。異味異臭が特に強いものと相性が良く、少量でも優れたマスキング効果を発揮します。こちらのタイプは食品添加物「香料」表示となります。




シェアシマ掲載の「マスキング原料」をチェックする

マスキング原料を上手に活用することは、食品の不快な匂いや風味を抑える上で非常に有効です。

食品の企画開発をサポートする「シェアシマ」では、無料の会員登録で、商品ページの【規格書・商品情報をダウンロード】【サンプル依頼・問い合わせ】機能がご利用いただけます。

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執筆者プロフ
シェアシマ編集部

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、累計記事執筆2,500以上の元新聞記者等々、30〜40代の編集メンバーを中心に運営中

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業務用野菜ペーストのご紹介〜離乳食や介護食にも!メリットから活用法まで

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豪州シェアNo.1|新時代プラントベースミート「v2」の魅力を徹底解説【オザックス】

世界的に拡大を続けるプラントベース市場。なかでも2019年にオーストラリアで誕生して以来、急成長しているプラントベースミートが「v2」です。「ひき肉状で加工しやすい」「冷めても肉のような旨味と食感が残る」など、食材としても優れている「v2」の特徴をご紹介します。優れた加工性と「まるで肉」の旨味と食感通常のひき肉と同じ感覚で導入できるオージー・ビーフの国オーストラリアで誕生した「v2」。同国の国立科学機関CSIROが開発に携わり、ジューシーな肉のリアルな旨味が再現された植物性原料100%のプラントベースミートです。「v2」はひき肉状のため、通常の牛・豚ひき肉などと同じ感覚で調理できるのが大きな特徴。水で戻すなどの工程も不要です。そのため、既存の製品メニューや製造工程を大きく変更することなく、自社商品にプラントベースミートを導入できるのです。冷めてもジューシー、2種類の味わい肉汁がにじみ出るような味わいと食感。「v2」が「肉そのもの」のようなおいしさを再現できる理由は、その優れた保水性にあります。そのため、加工後に再冷凍しても食品がパサパサとした仕上がりにならず、肉らしい食感が損なわれません。まさに次世代のプラントベースミートとも呼べる「v2」は、調理メニューに合わせて2種類がラインナップ。ミートソースや牛そぼろなど牛肉の代わりとして利用できる「ビーフ味」と、餃子やシュウマイなど豚肉の代わりとして利用できる「ジューシー味」、そしてハンバーガー用パテとしてそのまま使える「v2バーガー」がそろっています。牛ひき肉と同様に調理できる「ビーフ味」、豚肉のようなコクが味わえる「ジューシー味」、100%植物性原料のバーガーパテとして使える「バーガー」がそろう「v2」シリーズ。メニュー開発の可能性がさらに広がるひき肉と混ぜ、既存メニューに付加価値を「v2」はそのまま利用するのはもちろん、通常の牛・豚ひき肉と混ぜる「ハイブリッド加工」も容易に行えます。配合量のバランスによって製品メニューの栄養価や価格を調整しやすい点も、ひき肉状の「v2」ならではの強みといえるでしょう。栄養価の面でも優秀で、「v2」は牛肉と同等の高い栄養価(鉄分・ミネラル・ビタミン類)と豊富な食物繊維を含み、しかも低脂質でコレステロールはゼロ。加工の手間を抑えながら栄養価を向上させ、そのうえ肉本来の味わいを保ったメニュー開発を可能にします。増量剤として一般的な植物たんぱく質とは一線を画す、新たな価値を生むハイブリッド加工が実現できます。需要が高まるハラル認証にも対応近年、食品の輸出展開において無視できないハラルやビーガン需要。植物性原料100%で加工性に優れた「v2」は、ハラル認証商品に向けた食品開発でも真価を発揮します。また、遺伝子組み換え原料不使用、合成着色料・香料・防腐剤など天然由来以外の原料も不使用なため、食品の安全性、健康配慮へのニーズにもしっかりと応えています。すでに「v2」のオフィシャル小売商品である「v2プラントベース餃子」はシンガポールへの輸出展開が始まっており、今後の拡大が期待されています。v2プラントベース餃子(12個入り)豪州では「v2」の小売商品が充実「v2」の本場オーストラリアでは、ソーセージやナゲット、パスタソースなどに「v2」を使用した小売商品が続々登場しています。肉のおいしさや安全基準に厳しいオーストラリアで、「v2」が幅広い支持を受けていることがうかがえます。消費者の多様な嗜好に応えたい、あるいは自社製品とSDGsの関連性をアピールしたい……さまざまな理由から注目を集めるプラントベースミート。とはいえ肉の代替品としてのメニュー開発にハードルを感じる。そんな企業の悩みやニーズに応えられる食品原料が「v2」です。現在すでに複数の食品メーカーで、既存のひき肉を「v2」に置き換える動きが高まっているとのこと。今後も新時代のプラントベースミート「v2」に要注目です。【シェアシマ】で「v2」(ビーフ味)の情報を見る<この食品素材にも注目:セレンピア>オザックス株式会社では、日本製紙株式会社が開発した食用バイオマス素材「セレンピア」も取り扱っています。木材繊維を微細化して作られたセレンピアは、食品添加物として高い保水性を発揮し、食感を損なわずに成形後の形状を保持できる点が最大のメリットです。また、パンなどに添加すると生地の気泡が安定し、焼き上がりを一定に保てるため、製造時のロス率軽減にもつながります。