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サステナブル

実は宝の山!? 未利用魚の可能性【食品企業のためのサステナブル経営(第25回)】

前回の記事を読む:対岸の火事ではない水不足【食品企業のためのサステナブル経営(第24回)】未利用魚(みりようぎょ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 未利用とは、捕獲したのに利用されていないということです。一般的な「食ロス」のように加工や消費の途中で廃棄されたのではなく、そもそも流通にすら乗らないという大変もったいないものです。しかも驚くのはその量です。一般には漁獲量の約3割が未利用魚と言われます。これはまったく利用されずに「廃棄される」量で、そんなに無駄になっているのかと驚きます。けれども本当に驚くにはまだ早いのです。漁獲されたのに、食用には使われず、ペットフードや飼料用などに回される広義の未利用魚も含めると、実際には日本の漁獲量のなんと半分以上が未利用魚で、本来の価値を発揮できていない可能性があるというのです。これは本当にもったいない話ですし、水産資源の持続可能性を考えると、非常に深刻な問題です。こんなやり方を続けていたら、将来の漁業に大きなツケを残すことになるでしょう。魚種を問わず、最近は水産資源量が恐ろしく減ってしまっているというのに、とてつもない無駄であり、とても「持続可能」とは言えない状況です。第一に魚の獲り方を見直すべきであることは言うまでもありませんが、それは水産業の課題です。今回はそうは言っても発生してしまっている「未利用魚」をどう活用するかという、消費側の話をしたいと思います。なぜなら、これは食品メーカーにとっては大きなチャンスだからです。未利用魚の有効活用は、食品ロス削減やコスト削減だけでなく、新たな商品開発やブランド価値の向上にもつながるのです。そもそも未利用魚とは?ひとくちに未利用魚といっても、実はさまざまなタイプがあります。まず一つは、小さすぎたり、形が不揃いだったり、あるいは傷があるなどの「規格外魚」です。そうなると高い価格はつきませんので、漁師にとってはコストをかけて市場に出すよりも、そのまま廃棄する方が合理的である場合すらあるのです。次は、消費者に馴染みがなく、需要が少ないために売れない、「市場価値が低い」という場合です。マグロ、サーモン、ブリなどは誰でも知っていて人気もあるのですが、ホウボウやイラ、アイゴ、カナガシラといった魚はとても美味しいのに、一般の消費者にはほとんど知られていません。当然、あまり売れませんので、市場価格は安くなってしまうのです。他には、「足が速く」(鮮度が落ちやすく)て傷みやすかったり、漁獲量が不安定で一定量が確保できない「流通困難魚」もあります。そして、底引き網や巻き網漁では、ターゲット魚種以外に獲ってしまう「混獲魚」が大量に発生してしまいます。これらは選別に手間がかかるため、漁獲後にそのまま海に捨てられることも少なくないのです。本当に残念なことです。いろいろある活用方法このようにいろいろな理由で発生してしまった未利用魚はどうしたらいいのでしょうか? あまり知られていなかったり、捌き方を含めて扱いが難しい魚種の場合には、それを逆手にとってその地域でしか食べられない魚、専門店でしか食べられない魚として売り出して成功している場合もあります。たとえばウツボは見た目の印象や、捌くのも簡単ではないため、一般にはほとんど消費されていません。高知では以前は漁師飯として消費されていましたが、最近は県を挙げて「新名物料理」としてブランド化し、観光客向けのメニューを開発し、飲食店と連携してPRを展開して人気となっています。未利用魚には、実はこうしたご当地名物になる可能性もあるほど、魅力的な魚も少なくないのです。それでは食品会社は、この問題にどのように取り組むことができるのでしょうか?食品業界が果たせる役割「扱いづらい」と思われがちな未利用魚ですが、だからこそ、食品メーカーがその強みを活かせる分野です。新たな市場開拓や付加価値の創出につながる素材として、私は今こそ積極的に活用すべき時だと思います。なぜなら、そもそも価格が安いことに加え、新規性があるからです。そして、未利用魚を有効活用しているということで、サステナブルな食に積極的であることのアピールにもなり、会社のブランド価値向上にもつながります。つまり、コスト削減、競争力向上、ブランド価値アップと良いこと尽くしなのです。もちろん最初は若干手間がかかる部分がありますが、だからこそ個人の消費に任せるのではなく食品メーカーが取り組む意味があるのです。すでに未利用魚をうまく活用している例として、まずはすり身・練り製品があげられます。足の速い魚や骨が多く扱いにくい魚でも、すり身にすれば問題なく利用できます。昔ながらのはんぺん、蒲鉾のような練り物はもちろん、魚肉ソーセージやフィッシュバーガーに加工すれば、新たな市場を開拓できるでしょう。捌くのが難しい、流通が難しいという場合には、下処理をしたり、加工してから冷凍食品やレトルト食品にすれば良いでしょう。先ほど紹介したウツボは家庭で捌くのは大変ですが、唐揚げや鍋用の冷凍食品にすれば、手軽に楽しんでもらうことができるでしょう。また、スープストックやフィッシュカレーのレトルトなど、出汁を楽しむ食品にすることも考えられます。私の知り合いの料理人の方は、サイズのために利用されていなかった小さなアジを使って「鯵わいドレッシング」を開発し、注目されています。さらに、未利用魚をまとまった量で消費するためには、学校給食や社員食堂、居酒屋チェーンなどの業務用ルートを活用するのも良い方法です。実際、横浜市では未利用魚を学校給食に取り入れる取り組みを行い、食品ロス削減と魚食文化の普及を両立させています。未利用魚は魅了魚大切な水産資源が「未利用魚」になってしまったのは、あくまで市場や消費者の嗜好など、人間の都合です。本来そんな無駄なことがあってはいけませんし、そんなことをしていては水産資源はますます持続不可能になってしまいます。けれども今までの発想を少し変えて、一手間加えることで、水産資源の有効利用、食品ロス削減、漁業者の収益向上、そして新たな市場の開拓という、何重ものチャンスを手にすることができるのです。未利用魚は実は魅了魚、食品メーカーにとっては大きな宝の山かもしれません。実際に未利用魚を活用してみたいと思った方は、ぜひご連絡ください。一緒にその可能性を探っていきましょう。

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食品原料

【2月度】注目の原料商品 月間閲覧ランキング|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている987点(2025年2月末日時点)のうち、2025年2月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

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行政情報

3月4日更新|行政情報【厚生労働省・農林水産省・消費者庁】

厚生労働省「輸入食品違反事例速報(令和7年2月分)」が更新されました。(令和7年2月27日)インドネシア産コーヒー豆の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸検査命令が発令されました。(健生食輸発0226第1号、令和7年2月26日)農林水産省「ベーコン類」、「ハム類」、「プレスハム」等の日本農林規格が一部改正されました。(令和7年2月28日)消費者庁「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和7年2月26日)

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食品原料

特集|続々商品化!脳機能を高めるヌートロピックとは?具体的な成分や食品例をご紹介

仕事や勉強、家事などの日常生活において、作業能率をいかに高めるか、ということに注力している人も多いのではないでしょうか? そうした中、注目を集めているのが脳機能を高める効果が期待される「ヌートロピック」です。この記事では、脳の機能を高めることで日常の作業能率の改善に役立つ成分や、それらの種類、海外・国内の市場動向のほか、関連商品をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。シェアシマ掲載の「脳機能」関連商品をチェックする >関連セミナー:【受付中】シニアを中心に市場拡大!脳機能素材の選び方とエビデンスを知ろう(3/12)ヌートロピックとは「頭がよくなる(賢くなる)」「集中力が高まる」などのように、脳の機能向上効果を謳った健康食品のことを「ヌートロピック(Nootropic:向知性薬という意味)」や「ヌートロピクス(複数形)」と呼びます。海外では、健康食品だけでなく医薬品も含め、脳機能に効果が期待できる成分を含んだものをまとめて「ヌートロピック」と表現することもあります。一方、国内では「スマートドラッグ」や、その略称である「スマドラ」と呼ばれることが多くなっています。また、「向知性薬」「脳機能調整薬」「認知機能増強物質」と紹介されることもあり、近年SNSなどを中心にその効果が注目されています。なお、脳に良い影響を与える成分が含まれた「ブレインフード」や「ブレインサプリメント」などの名称でメディアに取り上げられたり、市場に出回ることもありますが、これらもヌートロピックに当たります。※参考:厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)令和元年度 分担研究報告書「脳機能調整薬の使用実態等に関する SNS 調査」※参考:ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト「頭がよくなる魔法の薬『ヌートロピック』って何?」ヌートロピックの具体的な効果ヌートロピックには、成分ごとに異なる効果が期待できるとされています。主な効果に、次のようなものがあります。モチベーションの向上疲労感や倦怠感の軽減注意力、集中力の向上記憶力向上認知機能の維持気分や幸福感の改善不安やストレスの軽減睡眠の質の向上 これらのことからわかるように、ヌートロピックは健常人の集中力・記憶力の強化に留まらず、高齢者の認知機能の維持、ストレスや睡眠障害に悩む人など、幅広いニーズに対応することが期待されています。すでに欧米諸国では、集中力が必要な職種(研究者、ビジネスマン、アスリートなど)における作業効率や能力向上、試験前の学生の学習能力向上など、脳のパフォーマンスを高める目的での需要が高まっています。※参考:IWASE COSFA「サプリメント市場が今注目するヌートロピックとは?」ヌートロピックの種類アメリカのヌートロピックを紹介するサイト内では、130以上もの成分が紹介されています。その中には、ADHD(周囲欠如・多動性障害)治療薬などの医薬品成分、サプリメント、ビタミンB類なども含まれています。国内においては、指定成分(※)や抗うつ薬のほか、主に次のような成分が紹介されています。DHA、EPAGABA(γ-アミノ酪酸)イチョウ葉、イチョウ葉エキスカフェインコリン大豆レシチンチロシンブルーベリーエキス など※指定成分とは、食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物を指します。※参考:東京都保健医療局「指定成分等含有食品」海外・国内で需要増すヌートロピックの市場動向世界的に需要が増大しているヌートロピック市場(脳の健康補助食品市場)。さまざまな業界の市場調査を行う「Fortune Business Insights」によると、世界の市場規模は、2024年で62億9,000万米ドルに達していて、2032年までに115億5,000米ドルまで成長すると予測されています。特に、欧米での伸びが顕著で、精神的な鋭敏さと集中力の向上を求めるアスリートに特化した製品を提供する企業が増えており、急速に消費が拡大しているとも言われています。※参考:フォーチュン ビジネス インサイト「脳の健康サプリメント市場規模、シェアおよび業界分析、製品タイプ別(向知性サプリメント{栄養補助食品、ハーブエキスなど)、ビタミンおよびミネラル)、剤形別(錠剤、カプセルなど)、用途別(認知)機能、ストレスと不安、その他)、流通チャネル別 (病院の薬局、ドラッグ ストアと小売薬局、オンライン)チャネル、その他)、および地域予測、2025~2032年海外|アメリカ、西ヨーロッパで消費拡大アメリカの市場規模は、2014年以降から前年比10%を超える急激な成長を遂げています(※1)。その背景として、アメリカの成人人口うち5,930万人(2022年時点)に相当する人が精神疾患を抱えていると報告されている(※2)ことや、人口の高齢化、認知健康に対する意識の高まり、技術の進歩などの要因が挙げられています(※3)。また、ヨーロッパでは、多くの人が脳の健康に高い関心を抱いていることが明らかになっています。消費者市場調査を専門とするグローバル企業MMR Research社によれば、フランス、ドイツ、オランダの消費者1,657人を対象とした「健康問題で重要と思う箇所」の調査で、いずれの国においても、心臓、脳、免疫の健康がトップ3に入るという結果になりました。中でも、オランダの消費者はブレインヘルスをトップに挙げていることがわかりました。同時に、オランダで48%、ドイツで59%、フランスでは67%の人が、QOL(生活の質)を高める商品を進んで選んでいることから、経済的圧力があったとしても認知機能を含む脳の健康に対してメリットのある商品に金額を費やすことをいとわない、という考え方の人が多くいることがわかっています(※4)。※1参考:ウェルネス総研レポートonline「【マーケティングレポート①前編】健康な人の認知機能やパフォーマンスを向上する「ヌートロピック」の可能性」※2参考:フォーチュン ビジネス インサイト「米国行動ヘルス市場規模、シェアおよび業界分析、タイプ別(行動およびメンタルヘルス、薬物乱用、摂食障害、トラウマ/PTSDなど)、支払者別(公的健康保険および民間健康保険/自己負担)、および国別予測、2024~2032 年」※3参考:Global Infomation「ブレインヘルスサプリメント市場の2030年までの予測:製品別、サプリメント形態別、年齢層別、用途別、流通チャネル別、地域別の世界分析」※4参考:ウェルネス総研レポートonline「【マーケット】欧州の消費者は脳の健康を最優先」日本|高齢化を背景に消費拡大の見込み海外の動向を受け、日本国内においても各企業でヌートロピックに関連した製品が近年増加傾向にあります。とりわけ、日本では認知症対策などの予防的な目的での導入が多くなっています。実際に、「脳機能をサポート」「記憶力を維持する」などの表記とともに、商品化された機能性食品やサプリメントを店頭やインターネットで見かけることができます。日本は諸外国に比べて高齢化のスピードが速く、世界でトップクラスの長寿国となっています。年々平均寿命が延び、100歳以上の人口の割合も増加している日本において、今や「人生100年時代」を迎える事態に直面しているのです。ところが、長寿であっても健康を維持できないことが、医療費や介護施設の圧迫として社会的な問題として挙げられています。いかに介護や病気の心配なく過ごせるか、健康寿命の延伸が社会命題となっているからこそ、国内でのニーズもますます高まっていくことが考えられるでしょう。【管理栄養士監修】脳機能をサポートする成分と食品例ここからは、実際に商品化されている具体的な成分と食品をご紹介します。1.パラチノースパラチノースとは、蜂蜜に微量に含まれている天然の糖質です。イソマルツロースという成分ですが、欧米ではパラチノースの呼称が定着しています。パラチノースの甘さは砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)の半分ほどですが、見た目や味わいは似ています。現在は、甜菜糖を発酵処理したものから作られることが多くなっています。体内では分解に時間がかかることから、ショ糖の5分の1ほどの吸収速度と言われています。そのため、血糖値の急激な変動を抑えたり、体脂肪の蓄積を防いだり、脂肪の燃焼促進にも役立つことがわかっています。また、脳への血糖供給持続によって注意力の向上や眠気低減作用も期待できます。食品例:ゼリー飲料、菓子(クッキー、羊羹など)、サプリメント※参考:DM三井製糖株式会社「持続するエネルギー源『パラチノース®』」※参考:医療・介護関係者の方へ向けた専門情報サイト meiji Nutrition Info「パラチノース」シェアシマ掲載の「パラチノース」をチェックする >2.DHA、EPADHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、魚の脂に多く含まれる成分です。特に、脂のりのよい魚種や青魚の含有量が高くなっています。もともと私たちの脳や神経などに存在する成分でもありますが、体内で作られる量が少ないため、食品などから取り入れる必要があるのです。不飽和脂肪酸に分類され、健康効果の高いことで知られるω-3脂肪酸(n-3系脂肪酸)でもあります。体内の免疫反応の調整、生活習慣病や炎症の予防・改善、記憶力や言語能力などの認知機能と行動能力の向上などにも役立つと言われています。食品例:ジュース、ヨーグルト、魚肉練り製品、サプリメント※参考:不二製油株式会社「不二製油の革新」※参考:大塚製薬「栄養の基本を知ろう!栄養教養学部」シェアシマ掲載の「DHA」をチェックする >3.シチコリンCDP-コリンとも呼ばれる成分で、体内にも存在している成分です。もともとは脳梗塞、脳卒中、外傷性の脳機能障害や、緑内障などを治療するための医薬品として使われていましたが、脳や神経細胞にある細胞膜を維持する働きも期待できることがわかっています。日本では医薬品としての使用しか認められていませんが、欧米では記憶力・注意力の向上などを目的として健康食品などの原料に使われています。食品例:エナジードリンク、スポーツドリンク、プロテインバー、サプリメント※参考:キリンの研究開発「脳機能素材『シチコリン』を海外主力商材に押し上げた女性研究者の挑戦」※参考:協和発酵バイオ株式会社「シチコリン」4.L-テアニンL-テアニンとは、アミノ酸の一種であり、緑茶に含まれるうま味や甘味の元となる成分です。茶葉に日光が当たることで、渋みのあるカテキンへと変化する性質があります。そのため、玉露や抹茶など、収穫の前に日光を遮って栽培される高級な茶葉ほど多く含まれる傾向があります。リラックス感の向上や抗ストレス作用をはじめ、睡眠の質を高めて目覚めた時の疲労感や満足感の改善などにも役立つとされています。食品例:ゼリー、ジュース、アイスクリーム、サプリメント※参考:森下仁丹「テアニン・ゼリー」※参考:太陽化学株式会社「テアニンのおはなし」シェアシマ掲載の「テアニン」をチェックする >5.イミダゾールジペプチドイミダゾールジペプチドとは、アミノ酸が2つ結合した物質の中で、主にアンセリンとカルノシンのことを指します。イミダペプチドやイミダゾールペプチド、と呼ばれることもあります。筋肉や脳内に多く存在しており、食品としては鶏むね肉に高濃度に含まれています。以前から知られている抗酸化作用や抗疲労作用に加え、最近の研究では認知機能や記憶の改善作用があることも報告されています。食品例:スープ、ゼリー、サプリメント※参考:日本予防医薬株式会社「イミダペプチドスープ(コーン・コンソメ)」※参考:独立行政法人 農畜産業振興機構「鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドとその機能性について」※参考:日本ハム株式会社「期待集まる動物性食品由来の『イミダゾールジペプチド』炎症を抑えて脳の老化改善に可能性が」シェアシマ掲載の「イミダゾールジペプチド」をチェックする >6.GABAGABA(ギャバ)とは、正式名称は「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」で、そのアルファベットの頭文字をとった略称で呼ばれています。アミノ酸の一種であり、植物性食品を中心に幅広く含まれる成分です。人間の脳にも存在し、交感神経の働きを抑え、脳の興奮を鎮める、睡眠の質を高める、高めの血圧を下げるなどの効果が知られています。医薬品としても利用され、脳血流量や脳酸素供給量などを増加させる脳代謝促進作用を持っています。食品例:菓子(チョコレート、キャンディーなど)、ヨーグルト、サプリメント※参考:ヤクルト中央研究所「GABA(γ-アミノ酪酸)」※参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : ガンマロン」シェアシマ掲載の「GABA」をチェックする >シェアシマ掲載の「ヌートロピック」素材をチェックする効率重視、ストレス過多、高齢化といった社会的背景から、今後も世界的にヌートロピックの需要は高まっていくと思われます。それに伴い、次々と研究開発が進められ、今まであまり注目されていなかった食品や成分も登場していくようになるでしょう。ご紹介した内容を参考に、ヌートロピックを使った商品開発を考えている人や商材をお探しの方に役立ててもらえれば幸いです。さっそくシェアシマで「脳機能」関連商品を調べるこちらからシェアシマサイトへ > (初めてのご利用の場合、こちらから会員登録をお願いします)ご希望の商品が見つからない方は、シェアシマ事務局までお問い合わせください。皆さまの原料探しを全力でサポートをさせていただきます。

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製品・サービス

米価は上がっても農家はラクにならない、中山間地の稲作事情【社長コラム#2】

私の今の住まいは、長野県長野市の中山間地に位置しています。中山間地に広がる田畑での米作りは、機械化が進む現代においても、いまだに手作業や重労働が残る世界です。高齢化や後継者不足など、地方の農業が抱える課題を見据えながら「これからの稲作と地域の未来」について、お話できればと思います。関連記事:米高騰はいつまで続く?原因と政府の取り組みをわかりやすく解説!受け継がれる農地と変化する米作り我が家の農地は、長野県長野市の中山間地にあります。約10反の広さを持つこの土地には、栗の木が多く、それ以外に、きゅうりやトマトなどのハウス、夏はナス、冬は白菜などを収穫する畑、そして稲作。稲作については一反程度なので、決して広大な土地での稲作ではありません。また、山あいのため急傾斜が多く、大型の農機を導入しづらい場所であるがゆえに、唯一の農機具は、運搬具や耕運機などです。かつて、稲作は人の手がすべてを支えていたのは周知のとおりです。田起こしから田植え、稲刈り、脱穀にいたるまで、多くの時間と労力を要していました。今では機械化が進み、農家の負担は大きく軽減されましたが、傾斜地や小規模な田畑では、機械だけに頼れないのが現状です。さらに、中山間地の稲作には「景観を守る」というもう一つの使命があります。山々に囲まれた棚田の風景は、その地域ならではの文化や観光資源としても大切です。しかし、現実はそう美しい話ばかりではなく、稲作をしなくなった荒廃地が広がる事で、害獣である「いのしし」や「鹿」、なかには「熊」などが増え続け、近くの田んぼを荒らす事も多々あります。そのため、稲作を続けなくなったとしても、近所の皆さんの田んぼにご迷惑をおかけしない事を目的に、田んぼの草刈りなどの作業をしなくてはならないのが現状です。引用:内閣府「農地・耕作放棄地面積の推移」もちろん、これらの土地を再生利用する動きも年々広がっていることも事実です。農地バンクを通じた貸し出し制度の整備や、企業の農業参入、スマート農業技術の活用などにより、荒廃農地の再活用も一方で進んでいます。米価の高騰と生産者の現状近年、米の価格が高騰しているというニュースを耳にする機会が増えました。消費者にとっては家計への負担が大きくなる一方、生産者にとってはどうなのでしょうか。一見すると「米価が上昇すれば収益が増える」と考えがちですが、農業経営の実態はそう単純ではありません。引用:農林水産省 米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等資料「米の相対取引価格の推移(平成24年産〜令和6年産)」まず、稲作には種もみや肥料、農薬、さらには農機具のメンテナンス費用といった多くのコストがかかります。米価が上昇しても、これらのコスト増が収益を圧迫し、生産者の手取りが必ずしも増えるわけではありません。特に、中山間地の小規模農家では、大規模農家に比べて効率が悪く、収量も限られてしまいます。また、高齢化や後継者不足の問題も無視できません。急な斜面の田んぼでは、機械を使って作業するにも限度があり、年齢的な負担の大きさから「いつまで続けられるだろうか」と不安を抱える農家も多く存在します。米価の高騰が一時的に生産者を潤したとしても、こうした構造的な問題を解決しない限り、地域の農業が健全に存続していくのは難しいと考えています。持続可能な米作りでは、私たちはこの現状をどのように受け止め、どう行動していくべきなのでしょうか。まずは、消費者の皆さんに「米作りの現場を知っていただく」ことが欠かせません。例えば、中山間地では険しい地形の中で、どのような手間やコストをかけ、どんな想いでお米を育てているのかなど、理解してもらうことで、「米の値段」だけでは測れない価値が共有されると考えています。一方で、生産者側もできる限りの工夫をする事が必要と考えています。例えば、ドローンなどの新技術を活用した農薬散布や管理の効率化、消費者と直接つながるオンライン販売や情報発信の強化など、それぞれの地域や特性に合った方法を模索する事も大切だと思います。とはいえ、そんなに簡単ではない事も重々承知しておりますが…。その中で、私たちシェアシマは、アグリテックやフードテックといったスタートアップの皆さんと多く接する機会があるため、新しい技術や先進的な取り組みなどを、多くの生産者の皆さんに情報として届けられるメディアになりたいと考えています。また、消費者の皆さんに向けて、生産者の努力や技術が伝わるようなメディアになりたいと考えています。シェアシマがメディアとしてできること持続可能な社会の実現には、生産者と消費者が互いを支え合う関係づくりが欠かせません。特に日本は、歴史ある農耕民族であり、手間ひまをかけて育てられた農産物などの一次産品には、自然の恵みと伝統の知恵が詰まっています。そして、米のみならず、家業を継いで農業を続ける生産者、新規就農者、畜産業、漁業など一次生産者の皆さんや、それを活用して加工を行う二次産業の企業の皆さん。さらには、その生産品などを活用する食品メーカーの皆さん。こういった、一連のサプライチェーンに携わる皆さまには、各地にある特産品や、ストーリーのある新商品開発など、我々シェアシマを活用いただく事、このネットワークを構築していく事が、弊社の存在意義と考えています。小池祥悟プロフィール食品メーカーに約20年勤務し、商品企画、開発、営業、品質管理、原料調達、新規事業、海外取引に至るまで、食品開発に関わるあらゆる業務を経験。労働生産性の低い食品開発のスキームは、深刻な問題であり、進まない業界の構造変革には、デジタル化、情報のオープン化と一元化が必要であると考え、 ICS-net株式会社(シェアシマ事業運営)を創業。食品開発にフォーカスしたWebプラットフォームの構築に邁進している。お問い合わせ原料の調達や食品OEM、販路拡大などの食品開発にまつわるお困りごとがございましたら、ぜひシェアシマにご相談ください。資料請求はこちら >お問い合わせはこちら >

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サステナブル

実は宝の山!? 未利用魚の可能性【食品企業のためのサステナブル経営(第25回)】

前回の記事を読む:対岸の火事ではない水不足【食品企業のためのサステナブル経営(第24回)】未利用魚(みりようぎょ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 未利用とは、捕獲したのに利用されていないということです。一般的な「食ロス」のように加工や消費の途中で廃棄されたのではなく、そもそも流通にすら乗らないという大変もったいないものです。しかも驚くのはその量です。一般には漁獲量の約3割が未利用魚と言われます。これはまったく利用されずに「廃棄される」量で、そんなに無駄になっているのかと驚きます。けれども本当に驚くにはまだ早いのです。漁獲されたのに、食用には使われず、ペットフードや飼料用などに回される広義の未利用魚も含めると、実際には日本の漁獲量のなんと半分以上が未利用魚で、本来の価値を発揮できていない可能性があるというのです。これは本当にもったいない話ですし、水産資源の持続可能性を考えると、非常に深刻な問題です。こんなやり方を続けていたら、将来の漁業に大きなツケを残すことになるでしょう。魚種を問わず、最近は水産資源量が恐ろしく減ってしまっているというのに、とてつもない無駄であり、とても「持続可能」とは言えない状況です。第一に魚の獲り方を見直すべきであることは言うまでもありませんが、それは水産業の課題です。今回はそうは言っても発生してしまっている「未利用魚」をどう活用するかという、消費側の話をしたいと思います。なぜなら、これは食品メーカーにとっては大きなチャンスだからです。未利用魚の有効活用は、食品ロス削減やコスト削減だけでなく、新たな商品開発やブランド価値の向上にもつながるのです。そもそも未利用魚とは?ひとくちに未利用魚といっても、実はさまざまなタイプがあります。まず一つは、小さすぎたり、形が不揃いだったり、あるいは傷があるなどの「規格外魚」です。そうなると高い価格はつきませんので、漁師にとってはコストをかけて市場に出すよりも、そのまま廃棄する方が合理的である場合すらあるのです。次は、消費者に馴染みがなく、需要が少ないために売れない、「市場価値が低い」という場合です。マグロ、サーモン、ブリなどは誰でも知っていて人気もあるのですが、ホウボウやイラ、アイゴ、カナガシラといった魚はとても美味しいのに、一般の消費者にはほとんど知られていません。当然、あまり売れませんので、市場価格は安くなってしまうのです。他には、「足が速く」(鮮度が落ちやすく)て傷みやすかったり、漁獲量が不安定で一定量が確保できない「流通困難魚」もあります。そして、底引き網や巻き網漁では、ターゲット魚種以外に獲ってしまう「混獲魚」が大量に発生してしまいます。これらは選別に手間がかかるため、漁獲後にそのまま海に捨てられることも少なくないのです。本当に残念なことです。いろいろある活用方法このようにいろいろな理由で発生してしまった未利用魚はどうしたらいいのでしょうか? あまり知られていなかったり、捌き方を含めて扱いが難しい魚種の場合には、それを逆手にとってその地域でしか食べられない魚、専門店でしか食べられない魚として売り出して成功している場合もあります。たとえばウツボは見た目の印象や、捌くのも簡単ではないため、一般にはほとんど消費されていません。高知では以前は漁師飯として消費されていましたが、最近は県を挙げて「新名物料理」としてブランド化し、観光客向けのメニューを開発し、飲食店と連携してPRを展開して人気となっています。未利用魚には、実はこうしたご当地名物になる可能性もあるほど、魅力的な魚も少なくないのです。それでは食品会社は、この問題にどのように取り組むことができるのでしょうか?食品業界が果たせる役割「扱いづらい」と思われがちな未利用魚ですが、だからこそ、食品メーカーがその強みを活かせる分野です。新たな市場開拓や付加価値の創出につながる素材として、私は今こそ積極的に活用すべき時だと思います。なぜなら、そもそも価格が安いことに加え、新規性があるからです。そして、未利用魚を有効活用しているということで、サステナブルな食に積極的であることのアピールにもなり、会社のブランド価値向上にもつながります。つまり、コスト削減、競争力向上、ブランド価値アップと良いこと尽くしなのです。もちろん最初は若干手間がかかる部分がありますが、だからこそ個人の消費に任せるのではなく食品メーカーが取り組む意味があるのです。すでに未利用魚をうまく活用している例として、まずはすり身・練り製品があげられます。足の速い魚や骨が多く扱いにくい魚でも、すり身にすれば問題なく利用できます。昔ながらのはんぺん、蒲鉾のような練り物はもちろん、魚肉ソーセージやフィッシュバーガーに加工すれば、新たな市場を開拓できるでしょう。捌くのが難しい、流通が難しいという場合には、下処理をしたり、加工してから冷凍食品やレトルト食品にすれば良いでしょう。先ほど紹介したウツボは家庭で捌くのは大変ですが、唐揚げや鍋用の冷凍食品にすれば、手軽に楽しんでもらうことができるでしょう。また、スープストックやフィッシュカレーのレトルトなど、出汁を楽しむ食品にすることも考えられます。私の知り合いの料理人の方は、サイズのために利用されていなかった小さなアジを使って「鯵わいドレッシング」を開発し、注目されています。さらに、未利用魚をまとまった量で消費するためには、学校給食や社員食堂、居酒屋チェーンなどの業務用ルートを活用するのも良い方法です。実際、横浜市では未利用魚を学校給食に取り入れる取り組みを行い、食品ロス削減と魚食文化の普及を両立させています。未利用魚は魅了魚大切な水産資源が「未利用魚」になってしまったのは、あくまで市場や消費者の嗜好など、人間の都合です。本来そんな無駄なことがあってはいけませんし、そんなことをしていては水産資源はますます持続不可能になってしまいます。けれども今までの発想を少し変えて、一手間加えることで、水産資源の有効利用、食品ロス削減、漁業者の収益向上、そして新たな市場の開拓という、何重ものチャンスを手にすることができるのです。未利用魚は実は魅了魚、食品メーカーにとっては大きな宝の山かもしれません。実際に未利用魚を活用してみたいと思った方は、ぜひご連絡ください。一緒にその可能性を探っていきましょう。

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行政情報

3月4日更新|行政情報【厚生労働省・農林水産省・消費者庁】

厚生労働省「輸入食品違反事例速報(令和7年2月分)」が更新されました。(令和7年2月27日)インドネシア産コーヒー豆の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸検査命令が発令されました。(健生食輸発0226第1号、令和7年2月26日)農林水産省「ベーコン類」、「ハム類」、「プレスハム」等の日本農林規格が一部改正されました。(令和7年2月28日)消費者庁「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和7年2月26日)

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【2月度】注目の原料商品 月間閲覧ランキング|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている987点(2025年2月末日時点)のうち、2025年2月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

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特集|続々商品化!脳機能を高めるヌートロピックとは?具体的な成分や食品例をご紹介

仕事や勉強、家事などの日常生活において、作業能率をいかに高めるか、ということに注力している人も多いのではないでしょうか? そうした中、注目を集めているのが脳機能を高める効果が期待される「ヌートロピック」です。この記事では、脳の機能を高めることで日常の作業能率の改善に役立つ成分や、それらの種類、海外・国内の市場動向のほか、関連商品をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。シェアシマ掲載の「脳機能」関連商品をチェックする >関連セミナー:【受付中】シニアを中心に市場拡大!脳機能素材の選び方とエビデンスを知ろう(3/12)ヌートロピックとは「頭がよくなる(賢くなる)」「集中力が高まる」などのように、脳の機能向上効果を謳った健康食品のことを「ヌートロピック(Nootropic:向知性薬という意味)」や「ヌートロピクス(複数形)」と呼びます。海外では、健康食品だけでなく医薬品も含め、脳機能に効果が期待できる成分を含んだものをまとめて「ヌートロピック」と表現することもあります。一方、国内では「スマートドラッグ」や、その略称である「スマドラ」と呼ばれることが多くなっています。また、「向知性薬」「脳機能調整薬」「認知機能増強物質」と紹介されることもあり、近年SNSなどを中心にその効果が注目されています。なお、脳に良い影響を与える成分が含まれた「ブレインフード」や「ブレインサプリメント」などの名称でメディアに取り上げられたり、市場に出回ることもありますが、これらもヌートロピックに当たります。※参考:厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)令和元年度 分担研究報告書「脳機能調整薬の使用実態等に関する SNS 調査」※参考:ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト「頭がよくなる魔法の薬『ヌートロピック』って何?」ヌートロピックの具体的な効果ヌートロピックには、成分ごとに異なる効果が期待できるとされています。主な効果に、次のようなものがあります。モチベーションの向上疲労感や倦怠感の軽減注意力、集中力の向上記憶力向上認知機能の維持気分や幸福感の改善不安やストレスの軽減睡眠の質の向上 これらのことからわかるように、ヌートロピックは健常人の集中力・記憶力の強化に留まらず、高齢者の認知機能の維持、ストレスや睡眠障害に悩む人など、幅広いニーズに対応することが期待されています。すでに欧米諸国では、集中力が必要な職種(研究者、ビジネスマン、アスリートなど)における作業効率や能力向上、試験前の学生の学習能力向上など、脳のパフォーマンスを高める目的での需要が高まっています。※参考:IWASE COSFA「サプリメント市場が今注目するヌートロピックとは?」ヌートロピックの種類アメリカのヌートロピックを紹介するサイト内では、130以上もの成分が紹介されています。その中には、ADHD(周囲欠如・多動性障害)治療薬などの医薬品成分、サプリメント、ビタミンB類なども含まれています。国内においては、指定成分(※)や抗うつ薬のほか、主に次のような成分が紹介されています。DHA、EPAGABA(γ-アミノ酪酸)イチョウ葉、イチョウ葉エキスカフェインコリン大豆レシチンチロシンブルーベリーエキス など※指定成分とは、食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物を指します。※参考:東京都保健医療局「指定成分等含有食品」海外・国内で需要増すヌートロピックの市場動向世界的に需要が増大しているヌートロピック市場(脳の健康補助食品市場)。さまざまな業界の市場調査を行う「Fortune Business Insights」によると、世界の市場規模は、2024年で62億9,000万米ドルに達していて、2032年までに115億5,000米ドルまで成長すると予測されています。特に、欧米での伸びが顕著で、精神的な鋭敏さと集中力の向上を求めるアスリートに特化した製品を提供する企業が増えており、急速に消費が拡大しているとも言われています。※参考:フォーチュン ビジネス インサイト「脳の健康サプリメント市場規模、シェアおよび業界分析、製品タイプ別(向知性サプリメント{栄養補助食品、ハーブエキスなど)、ビタミンおよびミネラル)、剤形別(錠剤、カプセルなど)、用途別(認知)機能、ストレスと不安、その他)、流通チャネル別 (病院の薬局、ドラッグ ストアと小売薬局、オンライン)チャネル、その他)、および地域予測、2025~2032年海外|アメリカ、西ヨーロッパで消費拡大アメリカの市場規模は、2014年以降から前年比10%を超える急激な成長を遂げています(※1)。その背景として、アメリカの成人人口うち5,930万人(2022年時点)に相当する人が精神疾患を抱えていると報告されている(※2)ことや、人口の高齢化、認知健康に対する意識の高まり、技術の進歩などの要因が挙げられています(※3)。また、ヨーロッパでは、多くの人が脳の健康に高い関心を抱いていることが明らかになっています。消費者市場調査を専門とするグローバル企業MMR Research社によれば、フランス、ドイツ、オランダの消費者1,657人を対象とした「健康問題で重要と思う箇所」の調査で、いずれの国においても、心臓、脳、免疫の健康がトップ3に入るという結果になりました。中でも、オランダの消費者はブレインヘルスをトップに挙げていることがわかりました。同時に、オランダで48%、ドイツで59%、フランスでは67%の人が、QOL(生活の質)を高める商品を進んで選んでいることから、経済的圧力があったとしても認知機能を含む脳の健康に対してメリットのある商品に金額を費やすことをいとわない、という考え方の人が多くいることがわかっています(※4)。※1参考:ウェルネス総研レポートonline「【マーケティングレポート①前編】健康な人の認知機能やパフォーマンスを向上する「ヌートロピック」の可能性」※2参考:フォーチュン ビジネス インサイト「米国行動ヘルス市場規模、シェアおよび業界分析、タイプ別(行動およびメンタルヘルス、薬物乱用、摂食障害、トラウマ/PTSDなど)、支払者別(公的健康保険および民間健康保険/自己負担)、および国別予測、2024~2032 年」※3参考:Global Infomation「ブレインヘルスサプリメント市場の2030年までの予測:製品別、サプリメント形態別、年齢層別、用途別、流通チャネル別、地域別の世界分析」※4参考:ウェルネス総研レポートonline「【マーケット】欧州の消費者は脳の健康を最優先」日本|高齢化を背景に消費拡大の見込み海外の動向を受け、日本国内においても各企業でヌートロピックに関連した製品が近年増加傾向にあります。とりわけ、日本では認知症対策などの予防的な目的での導入が多くなっています。実際に、「脳機能をサポート」「記憶力を維持する」などの表記とともに、商品化された機能性食品やサプリメントを店頭やインターネットで見かけることができます。日本は諸外国に比べて高齢化のスピードが速く、世界でトップクラスの長寿国となっています。年々平均寿命が延び、100歳以上の人口の割合も増加している日本において、今や「人生100年時代」を迎える事態に直面しているのです。ところが、長寿であっても健康を維持できないことが、医療費や介護施設の圧迫として社会的な問題として挙げられています。いかに介護や病気の心配なく過ごせるか、健康寿命の延伸が社会命題となっているからこそ、国内でのニーズもますます高まっていくことが考えられるでしょう。【管理栄養士監修】脳機能をサポートする成分と食品例ここからは、実際に商品化されている具体的な成分と食品をご紹介します。1.パラチノースパラチノースとは、蜂蜜に微量に含まれている天然の糖質です。イソマルツロースという成分ですが、欧米ではパラチノースの呼称が定着しています。パラチノースの甘さは砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)の半分ほどですが、見た目や味わいは似ています。現在は、甜菜糖を発酵処理したものから作られることが多くなっています。体内では分解に時間がかかることから、ショ糖の5分の1ほどの吸収速度と言われています。そのため、血糖値の急激な変動を抑えたり、体脂肪の蓄積を防いだり、脂肪の燃焼促進にも役立つことがわかっています。また、脳への血糖供給持続によって注意力の向上や眠気低減作用も期待できます。食品例:ゼリー飲料、菓子(クッキー、羊羹など)、サプリメント※参考:DM三井製糖株式会社「持続するエネルギー源『パラチノース®』」※参考:医療・介護関係者の方へ向けた専門情報サイト meiji Nutrition Info「パラチノース」シェアシマ掲載の「パラチノース」をチェックする >2.DHA、EPADHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、魚の脂に多く含まれる成分です。特に、脂のりのよい魚種や青魚の含有量が高くなっています。もともと私たちの脳や神経などに存在する成分でもありますが、体内で作られる量が少ないため、食品などから取り入れる必要があるのです。不飽和脂肪酸に分類され、健康効果の高いことで知られるω-3脂肪酸(n-3系脂肪酸)でもあります。体内の免疫反応の調整、生活習慣病や炎症の予防・改善、記憶力や言語能力などの認知機能と行動能力の向上などにも役立つと言われています。食品例:ジュース、ヨーグルト、魚肉練り製品、サプリメント※参考:不二製油株式会社「不二製油の革新」※参考:大塚製薬「栄養の基本を知ろう!栄養教養学部」シェアシマ掲載の「DHA」をチェックする >3.シチコリンCDP-コリンとも呼ばれる成分で、体内にも存在している成分です。もともとは脳梗塞、脳卒中、外傷性の脳機能障害や、緑内障などを治療するための医薬品として使われていましたが、脳や神経細胞にある細胞膜を維持する働きも期待できることがわかっています。日本では医薬品としての使用しか認められていませんが、欧米では記憶力・注意力の向上などを目的として健康食品などの原料に使われています。食品例:エナジードリンク、スポーツドリンク、プロテインバー、サプリメント※参考:キリンの研究開発「脳機能素材『シチコリン』を海外主力商材に押し上げた女性研究者の挑戦」※参考:協和発酵バイオ株式会社「シチコリン」4.L-テアニンL-テアニンとは、アミノ酸の一種であり、緑茶に含まれるうま味や甘味の元となる成分です。茶葉に日光が当たることで、渋みのあるカテキンへと変化する性質があります。そのため、玉露や抹茶など、収穫の前に日光を遮って栽培される高級な茶葉ほど多く含まれる傾向があります。リラックス感の向上や抗ストレス作用をはじめ、睡眠の質を高めて目覚めた時の疲労感や満足感の改善などにも役立つとされています。食品例:ゼリー、ジュース、アイスクリーム、サプリメント※参考:森下仁丹「テアニン・ゼリー」※参考:太陽化学株式会社「テアニンのおはなし」シェアシマ掲載の「テアニン」をチェックする >5.イミダゾールジペプチドイミダゾールジペプチドとは、アミノ酸が2つ結合した物質の中で、主にアンセリンとカルノシンのことを指します。イミダペプチドやイミダゾールペプチド、と呼ばれることもあります。筋肉や脳内に多く存在しており、食品としては鶏むね肉に高濃度に含まれています。以前から知られている抗酸化作用や抗疲労作用に加え、最近の研究では認知機能や記憶の改善作用があることも報告されています。食品例:スープ、ゼリー、サプリメント※参考:日本予防医薬株式会社「イミダペプチドスープ(コーン・コンソメ)」※参考:独立行政法人 農畜産業振興機構「鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドとその機能性について」※参考:日本ハム株式会社「期待集まる動物性食品由来の『イミダゾールジペプチド』炎症を抑えて脳の老化改善に可能性が」シェアシマ掲載の「イミダゾールジペプチド」をチェックする >6.GABAGABA(ギャバ)とは、正式名称は「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」で、そのアルファベットの頭文字をとった略称で呼ばれています。アミノ酸の一種であり、植物性食品を中心に幅広く含まれる成分です。人間の脳にも存在し、交感神経の働きを抑え、脳の興奮を鎮める、睡眠の質を高める、高めの血圧を下げるなどの効果が知られています。医薬品としても利用され、脳血流量や脳酸素供給量などを増加させる脳代謝促進作用を持っています。食品例:菓子(チョコレート、キャンディーなど)、ヨーグルト、サプリメント※参考:ヤクルト中央研究所「GABA(γ-アミノ酪酸)」※参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : ガンマロン」シェアシマ掲載の「GABA」をチェックする >シェアシマ掲載の「ヌートロピック」素材をチェックする効率重視、ストレス過多、高齢化といった社会的背景から、今後も世界的にヌートロピックの需要は高まっていくと思われます。それに伴い、次々と研究開発が進められ、今まであまり注目されていなかった食品や成分も登場していくようになるでしょう。ご紹介した内容を参考に、ヌートロピックを使った商品開発を考えている人や商材をお探しの方に役立ててもらえれば幸いです。さっそくシェアシマで「脳機能」関連商品を調べるこちらからシェアシマサイトへ > (初めてのご利用の場合、こちらから会員登録をお願いします)ご希望の商品が見つからない方は、シェアシマ事務局までお問い合わせください。皆さまの原料探しを全力でサポートをさせていただきます。

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製品・サービス

米価は上がっても農家はラクにならない、中山間地の稲作事情【社長コラム#2】

私の今の住まいは、長野県長野市の中山間地に位置しています。中山間地に広がる田畑での米作りは、機械化が進む現代においても、いまだに手作業や重労働が残る世界です。高齢化や後継者不足など、地方の農業が抱える課題を見据えながら「これからの稲作と地域の未来」について、お話できればと思います。関連記事:米高騰はいつまで続く?原因と政府の取り組みをわかりやすく解説!受け継がれる農地と変化する米作り我が家の農地は、長野県長野市の中山間地にあります。約10反の広さを持つこの土地には、栗の木が多く、それ以外に、きゅうりやトマトなどのハウス、夏はナス、冬は白菜などを収穫する畑、そして稲作。稲作については一反程度なので、決して広大な土地での稲作ではありません。また、山あいのため急傾斜が多く、大型の農機を導入しづらい場所であるがゆえに、唯一の農機具は、運搬具や耕運機などです。かつて、稲作は人の手がすべてを支えていたのは周知のとおりです。田起こしから田植え、稲刈り、脱穀にいたるまで、多くの時間と労力を要していました。今では機械化が進み、農家の負担は大きく軽減されましたが、傾斜地や小規模な田畑では、機械だけに頼れないのが現状です。さらに、中山間地の稲作には「景観を守る」というもう一つの使命があります。山々に囲まれた棚田の風景は、その地域ならではの文化や観光資源としても大切です。しかし、現実はそう美しい話ばかりではなく、稲作をしなくなった荒廃地が広がる事で、害獣である「いのしし」や「鹿」、なかには「熊」などが増え続け、近くの田んぼを荒らす事も多々あります。そのため、稲作を続けなくなったとしても、近所の皆さんの田んぼにご迷惑をおかけしない事を目的に、田んぼの草刈りなどの作業をしなくてはならないのが現状です。引用:内閣府「農地・耕作放棄地面積の推移」もちろん、これらの土地を再生利用する動きも年々広がっていることも事実です。農地バンクを通じた貸し出し制度の整備や、企業の農業参入、スマート農業技術の活用などにより、荒廃農地の再活用も一方で進んでいます。米価の高騰と生産者の現状近年、米の価格が高騰しているというニュースを耳にする機会が増えました。消費者にとっては家計への負担が大きくなる一方、生産者にとってはどうなのでしょうか。一見すると「米価が上昇すれば収益が増える」と考えがちですが、農業経営の実態はそう単純ではありません。引用:農林水産省 米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等資料「米の相対取引価格の推移(平成24年産〜令和6年産)」まず、稲作には種もみや肥料、農薬、さらには農機具のメンテナンス費用といった多くのコストがかかります。米価が上昇しても、これらのコスト増が収益を圧迫し、生産者の手取りが必ずしも増えるわけではありません。特に、中山間地の小規模農家では、大規模農家に比べて効率が悪く、収量も限られてしまいます。また、高齢化や後継者不足の問題も無視できません。急な斜面の田んぼでは、機械を使って作業するにも限度があり、年齢的な負担の大きさから「いつまで続けられるだろうか」と不安を抱える農家も多く存在します。米価の高騰が一時的に生産者を潤したとしても、こうした構造的な問題を解決しない限り、地域の農業が健全に存続していくのは難しいと考えています。持続可能な米作りでは、私たちはこの現状をどのように受け止め、どう行動していくべきなのでしょうか。まずは、消費者の皆さんに「米作りの現場を知っていただく」ことが欠かせません。例えば、中山間地では険しい地形の中で、どのような手間やコストをかけ、どんな想いでお米を育てているのかなど、理解してもらうことで、「米の値段」だけでは測れない価値が共有されると考えています。一方で、生産者側もできる限りの工夫をする事が必要と考えています。例えば、ドローンなどの新技術を活用した農薬散布や管理の効率化、消費者と直接つながるオンライン販売や情報発信の強化など、それぞれの地域や特性に合った方法を模索する事も大切だと思います。とはいえ、そんなに簡単ではない事も重々承知しておりますが…。その中で、私たちシェアシマは、アグリテックやフードテックといったスタートアップの皆さんと多く接する機会があるため、新しい技術や先進的な取り組みなどを、多くの生産者の皆さんに情報として届けられるメディアになりたいと考えています。また、消費者の皆さんに向けて、生産者の努力や技術が伝わるようなメディアになりたいと考えています。シェアシマがメディアとしてできること持続可能な社会の実現には、生産者と消費者が互いを支え合う関係づくりが欠かせません。特に日本は、歴史ある農耕民族であり、手間ひまをかけて育てられた農産物などの一次産品には、自然の恵みと伝統の知恵が詰まっています。そして、米のみならず、家業を継いで農業を続ける生産者、新規就農者、畜産業、漁業など一次生産者の皆さんや、それを活用して加工を行う二次産業の企業の皆さん。さらには、その生産品などを活用する食品メーカーの皆さん。こういった、一連のサプライチェーンに携わる皆さまには、各地にある特産品や、ストーリーのある新商品開発など、我々シェアシマを活用いただく事、このネットワークを構築していく事が、弊社の存在意義と考えています。小池祥悟プロフィール食品メーカーに約20年勤務し、商品企画、開発、営業、品質管理、原料調達、新規事業、海外取引に至るまで、食品開発に関わるあらゆる業務を経験。労働生産性の低い食品開発のスキームは、深刻な問題であり、進まない業界の構造変革には、デジタル化、情報のオープン化と一元化が必要であると考え、 ICS-net株式会社(シェアシマ事業運営)を創業。食品開発にフォーカスしたWebプラットフォームの構築に邁進している。お問い合わせ原料の調達や食品OEM、販路拡大などの食品開発にまつわるお困りごとがございましたら、ぜひシェアシマにご相談ください。資料請求はこちら >お問い合わせはこちら >

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食品原料

米高騰はいつまで続く?原因と政府の取り組みをわかりやすく解説!

近年、米の価格上昇が続き、消費者や食品業界に大きな影響を及ぼしています。特に、異常気象や需要の変化が、米の供給と価格に影響を与えています。本記事では、米の価格高騰の原因と今後の見通し、政府の対応策について詳しく解説します。関連記事:米価は上がっても農家はラクにならない、中山間地の稲作事情【社長コラム#2】

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セミナー・展示会

【受付中】シニアを中心に市場拡大!脳機能素材の選び方とエビデンスを知ろう(3/12)

当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2025年3月12日(水)に予定しています、第59回のテーマは「シニアを中心に市場拡大!脳機能素材の選び方とエビデンスを知ろう」です。脳機能を高める素材を取り入れることは、シニア世代の未来のリスク予防だけでなく、記憶力・集中力を高め、働く世代の日々の業務におけるパフォーマンス向上にも繋がります。脳機能素材を活用した商品開発における新たな視点を得たい方に最適なセミナーです。リアルタイムで質問できるQ&Aコーナーもございます。疑問や課題を直接解消できる絶好の機会です。ぜひこの機会に、商品開発の新たな可能性を探ってみませんか?開催概要テーマ:シニアを中心に市場拡大!脳機能素材の選び方とエビデンスを知ろう日時:2025年3月12日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込方法:https://shareshima.com/seminars/20250312※ こちらでお申し込みを受け付けた後、メールにて参加URLをお送りします。申込締切:2025年3月12日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介1. 「脳のエネルギー源“糖”についてと持続エネルギーパラチノース」DM三井製糖株式会社(20分)脳にとっての必須エネルギー源である糖。脳と糖の関係全般の話と、パフォーマンスをあげるための糖の選択として持続エネルギー源パラチノースを紹介します。2. 「脳の健康をサポートするDHA:革新的技術でDHAの力を食品に」不二製油株式会社(20分)脳機能の向上や記憶力の改善効果で注目される「DHA」。しかし、酸化しやすく、食品への添加が難しいのが課題でした。本セミナーでは、脳機能を中心としたDHAの健康効果と、酸化を抑え食品に添加できるようにした安定化DHA含有油脂素材「プロレア®」をご紹介します。参加者限定で「プロレア®」配合の「かける油MOIL」をプレゼント!3. 「日本でも動き出したヌートロピック市場と素材」株式会社サビンサジャパンコーポレーション(20分)ヌートロピックは脳機能を向上させる物質、又は向知性薬とも呼ばれ、記憶力、集中力、学習能力を改善し、脳疲労やリラックス効果があり、欧米では急速に人気を集めています。バコパ、ムクナなど様々な植物素材だけでなく、アミノ酸、ビタミン類、糖質など様々な素材が注目されています。3.次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。

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製品・サービス

海鮮のコクや旨味がポイントの「塩ラーメン」に今年も注目!【外食トレンドニュース】

累計100万件以上のおいしい一皿が集まるグルメコミュニティサービス「SARAH」を運営する株式会社SARAHから、2025年最新の「外食トレンドニュース」をお届けします。ユーザーの投稿情報を外食ビッグデータ分析サービス「FoodDataBank」で分析したところ、外食メニューの中でも不動の人気を誇るラーメンは、近年、日本を訪れる外国人観光客にも根強い支持が広がるメニューの1つです。そのラーメンにおける消費者の直近の注目ポイントを分析すると「素材」と「調味料」への注目が高まっていることがわかりました。塩ラーメンの投稿が増加中!まず、調味料に着目したところ、定番の「醤油(ラーメン)」人気に変わりはないものの、「塩(ラーメン)」に関する投稿が増加しており、トレンドの兆しが垣間見えます。塩ラーメンで注目される『素材』キーワード「塩ラーメン」の投稿における「素材」キーワードについて分析すると、直近では海鮮素材への注目が高まっており、その中でも「牡蠣」や「ホタテガイ」などの貝類は消費者の評価が高いだけでなく、ラーメンの1品としての価格的価値を高める重要なキーワードに位置付けられています。物価高騰が続き、消費者が外食に際にしての付加価値を求める風潮が強まる中、“海鮮素材を使った”「塩ラーメン」はその消費者ニーズを反映したメニューとなっており、本年も注目が必要です。お問い合わせ【食品メーカーや飲食店の方へ】外食ビッグデータ分析サービス「FoodDataBank」では、SARAHやもぐナビのユーザーの口コミ投稿から、メニューのトレンドや人気の要因の分析が可能です。またFoodDataBankに蓄積されたデータは今後のトレンド予測にも活用していくことができます。 FoodDataBankを活用して新メニュー開発・企画、マーケティングに役立てる事に、興味がある方はお気軽にお問い合わせお待ちしております。「FoodDataBank」に関するお問い合わせはこちら >

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食品原料

唐辛子のニーズに特化! 辛味や色味をオーダーメイド加工【アスタ】

さまざまな食品に活用される香辛料。なかでも唐辛子は、幅広い食品のシーズニングなどでおなじみの香辛料原料です。今回は唐辛子の輸入と卸売で30年以上の実績をもち、用途に合わせた柔軟な対応とフットワークの軽さが強みの有限会社アスタをご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。香辛料の輸入・卸売を独自ルートで開拓兵庫県加古川市に本社を置く有限会社アスタは、1991年の創業以来、香辛料原料の輸入と卸売を手がけてきた企業です。特に乾燥唐辛子の輸入に長年関わり、現地の工場で唐辛子の選別や加工指導も長年行ってきた、まさに「唐辛子のプロフェッショナル」といえる存在です。用途に合わせたオーダーメイド加工今でこそ多様な品種や辛さのレベルが知られている唐辛子ですが、アスタの代表・中川正博氏が創業した当時、唐辛子の種類やその使い分けに対する認知度は日本でも原産地の中国でも低く、中川氏が自ら中国現地の工場で唐辛子の選別や加工工程の手ほどきを行ったとか。このように長年培われた唐辛子の取り扱いノウハウは、同社の大きな特長でもあります。現在は主に中国から乾燥唐辛子を輸入するアスタの大きな強みは、用途やニーズに合わせて唐辛子の細かいオーダーが可能なこと。おもに次の3つの要素に関して、唐辛子のきめ細かい注文や相談に応じています。数百キロ単位の小ロットからの注文も可能です。【1】辛味唐辛子の辛味は、辛さの単純な強弱だけではなく、そこに含まれる苦味やクセ、風味なども複雑に絡み合って成立しています。アスタでは、用途に最適な唐辛子の辛味を提案・選定できます。【2】色味唐辛子の色味は、よく知られる赤唐辛子や青唐辛子の他にも、オレンジや黄色などさまざま。こちらも辛味と同様、用途や希望に合った色味を提案可能です。【3】カット(メッシュ)サイズたとえばキムチに、調味料に、スープ類の材料に、菓子類などのシーズニング用に……。用途によって、唐辛子の最適な加工形状はさまざまです。アスタでは、乾燥唐辛子のカットサイズがミリ単位から調整可能です。現地工場との強いパイプを活かすアスタが提携する唐辛子の加工工場は、中国の山東省にあります。世界最大級の唐辛子市場が数カ所ある山東省には、唐辛子の加工工場も多く、各産地の唐辛子原料を入手しやすい環境だといいます。収穫された唐辛子は、現地の工場で厳格な衛生管理のもと、乾燥やカットなどの加工を経て輸入されます。唐辛子の他にも、わさびやショウガ、花椒など、さまざまな香辛料輸入を手がけるアスタ。自社製品にぴったりの唐辛子を探したい、こだわりの香辛料を少量だけ輸入したい、などのご要望がある方は、ぜひお問い合わせください。

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セミナー・展示会

【受付中】免疫力を高める発酵食品素材 ~エビデンスを武器にした商品開発・売上拡大戦略~(3/5)

<こちらのセミナーの受付は終了しました>当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2025年3月5日(水)に予定しています、第58回のテーマは、「免疫力を高める発酵食品素材 ~エビデンスを武器にした商品開発・売上拡大戦略~」です。コロナ禍以降も市場拡大を続け、これからも拡大が見込まれる免疫市場。その中でも豊富な栄養素と健康効果により免疫力を高める発酵食品素材は、消費者からの関心が高まっています。様々な素材が上市される中、新しい素材を知ることで商品開発の選択肢を広げていただけます。また今回は、開発した商品のPR戦略も併せてご紹介いたします。登壇者にリアルタイムで質問できるQ&Aコーナーでは、疑問や課題を直接解消できる絶好の機会です。ぜひこの機会に、商品開発の新たな可能性を探ってみませんか?開催概要テーマ:免疫力を高める発酵食品素材 ~エビデンスを武器にした商品開発・売上拡大戦略~日時:2025年3月5日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込締切:2025年3月5日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介1. 「商品の価値を正しく消費者へ伝える“AskDoctors”」エムスリー株式会社(20分)免疫力向上をはじめ、健康機能を訴求する製品が市場に溢れる中、製品のもつ機能性は正しく生活者に伝わっているでしょうか。また、エビデンスは取得したもののプロモーションに活用することが難しいと感じることはありませんか。本パートでは、87%の企業で売り上げが向上したヘルスケアのマーケティング手法について事例と共にご説明します。2. 「酢酸菌がしっかりとれるコクと旨みのお酢『にごり酢』」キユーピー醸造株式会社(20分)「にごり酢」は、その名の通り透明感のない濁ったお酢です。旨味や甘みがしっかり残り、お酢特有のツンとした刺激も少ない、味わい深いお酢です。惣菜、加工食品、飲料など様々な食品にお使い頂けます。今回はキユーピー醸造の技術のこだわりが詰まった「にごり酢」の魅力を最新のデータと併せてご紹介します。3. 「乳酸菌のススメ」東京食品株式会社(20分)当社では、腸内環境が変われば人々の生活をより豊かに変えることができると考えます。腸内細菌はお腹だけでなく、免疫や精神面でも深い関連があることが報告され、乳酸菌等の摂食が大切であることがわかっています。検証データをもとに効率の良い摂取方法の提案や、皆様の新しい商品規格のお役に立てればと願っております。3.次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。

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食品原料

DHA、もっと手軽に!鮮度キープの秘密技術【不二製油】

サバやイワシなどの青魚などに多く含まれるDHA。サプリメントでおなじみの成分ですが、「酸化しやすく特有の劣化臭(魚臭)が生じる」という側面があり、食品への活用が難しい状況でした。不二製油株式会社では、独自の技術でDHAの酸化を抑え、食品のおいしさを損なわずにDHAの効能をプラスできる安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」を開発。食品開発の可能性を広げる、その特長をご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。DHAの健康効果とは?DHAは、人の健康と切り離せない不飽和脂肪酸のひとつです。DHAをはじめとするω-3系多価不飽和脂肪酸は、私たちの正常な身体機能に必要な脂肪酸であることから「必須脂肪酸」とも呼ばれるほど重要な成分でもあります。「脂質(油)は太る」というマイナスな印象が語られがちですが、DHAを適量摂取することは健康維持のためにも欠かせません。赤ちゃんから高齢期まで、全世代で重要な役割を担うDHADHAの一般的な効能として知られるのは「記憶力や学習能力の向上」などですが、じつは子どもから成人、高齢者まで、全世代に対して各年代に沿った幅広い健康機能が確認されています。全世代で幅広い健康機能を示すDHA・EPAこれだけ重要な成分であるDHAですが、ヒトの体内ではほとんど作られないため、食事で摂取することが重要です。近年では、食の欧米化で日本人の魚の摂取量が低下しており、現代人に不足しがちな成分でもあります。DHAの難点は「酸化しやすさ」と「特有の劣化臭」DHAを手軽に摂取する方法として、サプリメントが多く流通しているのは周知のとおり。一方、食品や飲料に添加しようとする際に問題となるのが「酸化しやすい」という特徴でした。DHAは一般的な油脂に比べて非常に酸化しやすく、それに伴って生じる特有の劣化臭(魚臭)が食品のおいしさを損ね、さらには食品工場においてラインの着香汚染も引き起こしてしまうのです。世界初、不二製油がDHAの大幅な酸化抑制に成功DHAの酸化を抑制できれば、食品への活用の幅がもっと広がる。この課題に取り組んだのが、植物性油脂などの供給メーカーとして知られる不二製油株式会社(本社:大阪府泉佐野市)です。安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」の誕生本来、油脂の酸化防止(抗酸化)には、油に溶けやすいビタミンEなどの油溶性抗酸化成分を用いるのが一般的です。しかし酸化スピードが速いDHAの場合、それらの成分では酸化抑制が追いつかないことが確認されました。そこで、不二製油の研究チームが数千パターンもの実験による試行錯誤の末に考案したのが、ビタミンCやポリフェノールといった「油に溶けにくい」成分を活用したDHAの酸化抑制でした。不二製油は“油に溶けにくい成分がDHAの酸化安定性を高めること”と“油脂中に油に溶けにくい成分を安定分散させる技術(Fuji Stabilization Technology、FST)”を掛け合わせることで、世界で初めてDHAの酸化劣化を大幅に抑制することに成功 。酸化しにくく鮮度を維持できる安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」が誕生しました。市販DHA油に比べ、酸化による臭気成分が大幅に減少した「プロレア(R)」*1 油脂の二次酸化物であり、酸化劣化指標となるプロパナールを対象とし、LC-MS分析を実施した。サンプルは、加熱劣化(60℃、遮光、120時間保存)した市販魚油とプロレア(R)とした。*2 当社分析酸化による劣化臭を抑え、食品から手軽においしくDHAを摂取する機会の提供を可能にする安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」は、2016年より業務用として販売をスタート。その酸化安定性が評価され、幅広い食品メーカーで採用されています。植物性(藻類)由来で安心安全・サステナブルなDHA安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」のもうひとつの特長は、よく知られる魚由来ではなく、植物性(藻類)由来のDHAを採用している点です。じつは魚に含まれるDHAも、魚が藻類を食べることによって体内に蓄積されたもの。プロレア(R)の原料となる藻類由来のDHAは、管理された環境の中で培養生産されるため水銀などの有害物質の含有量が極めて少なく、妊娠中の女性でも安心して摂取することができます。こうした人体への安全性に加え、海洋資源保護の観点から、サステナビリティにおいても優れたDHA素材であるといえます。「プロレア(R)」で広がるDHA配合食品の可能性食品のおいしさを損なわずに添加可能な安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」は、サプリメントはもちろん、多彩な食品や飲料に活用できます。中高年向けに記憶機能の維持増進を謳う食品や、子ども向けにDHAを添加したおやつなど、幅広い年齢層に向けた食品の開発にも大いに活用できる油脂素材といえるでしょう。

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製品・サービス

「第43回食品ヒット大賞」発表!【食品製品情報トレンドウォッチ】

「第43回食品ヒット大賞」(日本食糧新聞社制定)の受賞商品が先日発表されました。食品ヒット大賞には「キリンビール 晴れ風」が受賞。その名の通り、爽やかな色のパッケージが棚の中でもひときわ目を引きます。飲みやすさとうまみを両立した味わいも支持され、一時は出荷調整をかけるほどの好調な売り上げを記録しました。優秀ヒット賞には、「フライパンひとつでできる」、「お湯をそそぐだけ」といった時短ニーズに応えた製品や、「サビないオイル」や「カロリーハーフ」など健康面に配慮したヘルシー志向の製品が選ばれました。今回は、2025年2月にシェアシマ製品情報サーチで新規公開した133製品の中から、「第43回食品ヒット大賞・優秀ヒット賞」の受賞商品をご紹介するとともに、シェアシマ編集部がトレンドウォッチします。受賞商品■食品ヒット賞キリンビール 晴れ風|キリンビール■優秀ヒット賞  <一般加工食品部門>  パスタキューブ|味の素ドライキーマカレー 中辛|エスビー食品キユーピー 深煎りごまドレッシング カロリーハーフ|キユーピーもう揚げない!!焼き天ぷらの素|昭和産業  カップ入りお茶づけ|永谷園  日清ヘルシークリア|日清オイリオグループ「日清ラ王 3食パック」シリーズ|日清食品 オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ 1.5mm/1.8mm|ニップン 休日のシチュー|ハウス食品しげき|三島食品 割るだけスープ|理研ビタミン<酒類部門>  未来のレモンサワー|アサヒビール月桂冠 アルゴ 日本酒5.0|月桂冠ヱビス クリエイティブブリュー 燻(いぶし)|サッポロビール<チルド食品・フローズン食品部門>  井村屋謹製 たい焼き(つぶあん)|井村屋白子のようなビヨンドとうふ|相模屋食料本当に旨い担々麺|ニチレイフーズシャウスライス|日本ハム<菓子・パン部門>  じゅるる|カンロラングレイス|ブルボン「薄皮グルメ」シリーズ|山崎製パン忍者めし 鉄の鎧 グレープ味|UHA味覚糖■ロングセラー賞(発売年)  オールレーズン(昭和47年)|東ハトサッポロ一番 カップスター(昭和50年)|サンヨー食品雪印北海道100 さけるチーズ(昭和55年)|雪印メグミルクコアラのマーチ(昭和59年)|ロッテ■昭和100年記念ロングセラー特別賞  三ツ矢サイダー(明治17年)|アサヒ飲料※参照:日本食糧新聞社「第43回食品ヒット大賞」シェアシマ製品情報サーチでは、上記全ての製品を収録しております。記者の目|誰もが驚いた!蓋を開けると浮き上がるレモン優秀ヒット賞を受賞した、アサヒビールの缶チューハイ「未来のレモンサワー」の斬新なアイディアとその技術には誰もが驚かされたのではないでしょうか。アサヒビールの缶チューハイ「未来のレモンサワー」(撮影:シェアシマ編集部)フルオープン缶を「パカッ」と気持ち良く開けると、炭酸の音とともに本物のレモンの輪切りが浮き上がってきます。「見てみたい!」という好奇心をくすぐられ、大きな話題になりました。開発に3年半をかけたという総勢80名の開発者(※)の皆様の情熱や、実現可能とした技術力の高さには頭が下がります。※参考:アサヒビール ハレの日、アサヒ「世界初の『未来のレモンサワー』、担当者に聞く開発の舞台裏」より2月の新規登録情報133製品を新たに公開しましたガム・キャンディ・グミ:31製品チョコレート:29製品果汁、ラテ、炭酸等の飲料:14製品即席めん:9製品など、その他のカテゴリ含む計133製品を新たに公開しました。シェアシマ製品情報サーチでは、220分類以上、計23,295点(2025年2月時点)の製品情報を掲載しています。食品開発の情報収集に、ぜひご活用ください。※シェアシマ製品情報サーチの利用には、有料会員の登録が必要です。シェアシマ製品情報サーチとはシェアシマ製品情報サーチは、⾷品情報専⾨のデータベースです。他社の製品パッケージ・デザイン・裏⾯情報を⼀括検索。参考資料となる情報を、効率よく集めることができます。サービスについて詳しく見る >>資料ダウンロード・お問い合わせ >>

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行政情報

2月12日更新|行政情報【厚生労働省・消費者庁】

厚生労働省「輸入食品違反事例速報(令和7年1月分)」が更新されました。(令和7年1月31日)消費者庁「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度のQ&A」が 更新されました。(令和7年2月6日)「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和7年2月5日)

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食品原料

アップサイクルで新たな販促! 食品残渣物を活かした新発想のノベルティグッズ製作【YSC】

企業の販促活動などで使われる各種のノベルティグッズ。その原料に、食品メーカーで生じた食品残渣物を活用する取り組みがあることをご存じですか? 今回は、食品のアップサイクルから生まれる新しい企業ブランディングのかたちをご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。食品残渣物を、価値あるノベルティグッズに変える食品メーカーで日々廃棄される食品残渣物を、ノベルティグッズの原料に活かす。日本初ともいえる画期的な取り組みを始めたのは、東京都文京区湯島に拠点を置く株式会社YSCです。原点は廃棄米を再利用したグッズ製作株式会社YSCが手がけた、廃棄米を原料とするバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」製品。もともと一般的なノベルティ・キャラクターグッズ製作を幅広く手がけてきた株式会社YSCが、食品アップサイクルによるノベルティ事業を始めたのは2020年のこと。廃棄米を原料としたバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を、文房具などのノベルティグッズの原料として活用したことに始まります。この時に、SDGsに取り組む企業のノベルティとして大きな反響を得たことから、同社ではサステナブルな視点を取り入れたノベルティグッズ事業を拡大させていきました。満を持して始めた「循環型ノベルティ」「ライスレジン(R)」によるグッズ製作のノウハウを活かして2024年11月より同社が本格化させたのが、食品残渣物を活かした「循環型ノベルティ」の製作。食品メーカーの製造工程や調理過程でやむを得ず生じる残渣物や調理くずを回収し、ノベルティグッズの原料にアップサイクルさせる試みです。企業から回収した食品残渣物を加工同社では、まずメーカーから回収した食品残渣物(回収量は別途相談)とノベルティ原料の相性を精査した上で、残渣物の加工を進めます。たとえばプラスチック製品の場合、食品残渣物を10~70%配合したプラスチックペレットを作成します。石油由来のプラスチックと強度はほぼ同等。CO2排出抑制、石油資源の節約、フードロス削減などを期待できる製品です。カカオハスク残渣を用いたアップサイクル例他にも、粉砕・抽出・灰釉など、各製品に合わせた加工を経て、さまざまな食品残渣物をノベルティグッズの原料としてアップサイクルさせています。食品残渣物の加工例アップサイクル可能な食品残渣物の一例

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食品原料

食物繊維「イヌリン」とは|効果と多い食べ物をわかりやすく解説!

食物繊維は別名「第6の栄養素」とも呼ばれ、健康志向が高まる中で注目を浴びています。その中でも水溶性食物繊維の一種「イヌリン」は、腸内環境や血糖値の急上昇を抑える効果が話題となり、食品業界や消費者の間で広がりを見せています。この記事では、「イヌリン」の基本情報から、その効果や摂取方法、多く含まれる食品などをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。シェアシマ掲載の「イヌリン」をチェックする >

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サステナブル

対岸の火事ではない水不足【食品企業のためのサステナブル経営(第24回)】

前回の記事を読む:2025年は行動の年に【食品企業のためのサステナブル経営(第23回)】今年はお正月早々、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で大規模な山火事が発生、住宅街にも被害が及び、セレブを含めて多くの住民が避難するというニュースが報じられました。少なくとも25人が死亡し、数千棟の建物が被害を受け、被害総額は1350億ドル(約21兆円)を超えるとの報道(※)もあります。その原因として、今年は降水量が例年の半分程度と少なく、空気が極端に乾燥していることが指摘されています。※朝日新聞 2025年1月10日カリフォルニア州での大規模山火事とその影響カリフォルニア州では近年、山火事の頻度と規模が増えています。例えば2017年と2020年にはナパバレーやソノマバレーなどのワイン産地が影響を受け、多くのワイナリーが被害を受けました。こうした山火事の頻発と規模の拡大にともない、最近では火災保険料が高騰したり、そもそも保険を引き受けてもらえないという事態まで発生しているようです。日本でも2021年に北海道で大規模な干ばつが発生し、玉ねぎやジャガイモの生産量が減少するなどの影響がありましたが、むしろ集中豪雨の増加による洪水等の被害の方が目立っているかもしれません。いずれにしろ、極端な気象現象が起きやすくなっており、農業被害も水害も増加しています。カリフォルニアの山火事はけっして「対岸の火事」ではありません。この連載でこれまでに取り上げてきたカカオやオレンジジュースの価格高騰、さらには「2050年問題」として知られるコーヒー生産地の減少などの問題の背後にも、降水量の低下や降水パターンの変化が大きく関与しているのです。気候危機を通じて水リスクが増大していると言えるでしょう。そもそも世界の食料システムは、淡水資源をもっとも消費する産業なのです。特に農業は世界の淡水資源の7割を使用しているとも言われます。ただし、この中には食品以外の綿花のような作物ものも含まれますので、食品だけに限定するともうちょっと少なくなるでしょう。それでも、農業以外にも加工や調理のプロセスでも大量の水を使いますので、食料システムが莫大な水を使っていることには間違いありません。深刻化する水リスク恐ろしいことに、こうした状況が続けば、今後10年以内に世界の淡水需要が供給を40%上回ると予測されています。これは2024年10月に水の経済学に関するグローバル・コミッション(The Global Commission on the Economics of Water)という専門家グループが出した報告書「水の経済学」の中で指摘されています。同書によれば、既に世界人口の約半数が水不足に直面しており、抜本的な対策を講じなければ、今後25年以内に世界の食料生産の半分以上が危機に瀕するといいます。過去数十年間の不適切な土地利用や水管理の失敗により、世界の水循環のバランスが崩壊しつつあるというのです。さらにその後、2024年12月にリヤドで開催された国連砂漠化対処条約(UNCCD)の第16回締約国会議(COP16)でも同様の報告がなされています。すなわち、過去30年で地球の陸地の4分の3以上が乾燥化しており、今世紀末までに世界人口の最大50億人が乾燥地帯に居住することになる可能性が高いというのです。やはり農業の仕方や、無闇に農地を増やすことが大きな原因と指摘されています。日本では今までのところこれほどの大規模な水不足は発生していませんので実感はしにくいところですが、これから降水パターンがどう変化するかは予測が難しく、降水量の減少による水不足のリスクも考慮する必要があります。実際、積雪量の減少により春の融雪水が減り、農業用水が不足する事例が報告されています。さらに、日本の食料自給率は極端に低く、私たちが利用する食材の多くは海外から輸入していますので、実は私たちはその生産地の水に依存しており、私たちの食料供給は、原料生産地の水リスクに大きく影響されるということなのです。食品会社としての打ち手こうした状況に対処するためには、農業の手法を改善し、水資源の持続可能な利用を推進することがもっとも重要です。具体的には、原料の生産地における水リスクを評価し、リスクが存在する場合はその管理・改善策を講じる必要があります。リスクの少ない生産地を選んだり、生産地を分散化することもリスク管理になります。もっとも良いのは、生産地と協力して問題解決に取り組むことです。調達規模の問題などでそこまではできないという場合でも、自社工場の製造プロセスにおいて、節水や水の再利用を積極的に進めることは可能でしょう。製造工程では上水を使用する場合が多いと思いますが、可能な範囲で雨水の利用や循環利用を検討することも有効です。さらに、自社の排水はもちろん、周辺の工事や農業活動による地下水脈の破壊や汚染を防止するための配慮も必要です。私が住む京都はもともと良い地下水に恵まれているとされ、そのおかげで日本料理や酒造りが発達し、豆腐もおいしいと言われます。しかし近年では上流の農地などの影響による水質悪化が起きていますし、さらには北陸新幹線の延伸に伴う地下水脈への悪影響が大きな社会問題となっています。最近のおもしろい事例としては、日清食品の関西工場で、水処理にAIを導入して水使用量を削減している例があります。これまでは水処理装置の洗浄回数や洗浄時間は人間が決めていたのですが、AIで判定するようにしたことで、水使用量を必要最低限に抑えられるようになったそうです。水道料金だけでなく、電気料金も抑制できて、メリットは大きそうです。日本では古くは「水と安全はタダ」と言われてきましたが、安全がもはやタダとは言えなくなったように、水も無制限に安く利用できる資源ではなくなりつつあります。しかし、水は利用方法を工夫することで、問題の深刻化を防ぐことは可能です。自社の工場が水不足の直接的な影響を受けないよう、あるいは問題源とならないように、今のうちから対策を考えることがサステナブル経営のためには必要です。

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食品原料

【1月度】注目の原料商品 月間閲覧ランキング|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている970点(2025年1月末日時点)のうち、2025年1月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

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行政情報

フードテックで変わる日本の食未来~農林水産省の取り組みと事業者が目指す方向性~

近年、食産業が直面する課題は複雑化しています。人口減少や気候変動、労働力不足に加え、消費者の健康志向や多様な価値観への対応も求められています。これらの課題に挑むカギとして注目されているのが「フードテック」。農林水産省の飯田さんに、その現状と未来像、そして事業者への支援について伺いました。革新的な技術が食卓にもたらす変革の可能性を探ります。お話を伺った方農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 新事業・国際グループ長飯田 明子さん2001年厚生労働省入省。薬事、国民健康保険、医師法等の保健・衛生行政や労働組合、ジェンダー平等などの国際労働行政に従事。 2023年より、フードテックの推進や食品産業の環境・人権・栄養、外国人労働等の国際業務を担当している。日本の食卓に忍び寄る危機、その原因と解決策とは?フードテックとは、食(フード)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語です。当省では、生産、加工、流通、消費に至るまでの食分野全般に関する新しい技術や、それを活用したビジネスモデルとして広く捉えています。この技術分野に注目し、支援をすることが私たちの役割です。現在、日本の食産業はさまざまな課題に直面しています。例えば、地球規模では人口増加と気候変動が大きな問題です。食料となる作物や水産物の確保が難しくなってきていて、特にタンパク質源の安定供給は喫緊の課題です。一方、日本国内では人口減少と高齢化が進む中、労働力不足が顕著で、生産から流通、販売に至るまでの効率化が求められています。同時に、消費者の健康志向や価値観の多様化も進行していて、それに対応する食品産業の変革が必要です。代替肉からAIロボットまで、食産業の最前線フードテックは、これらの課題に対して技術を活用して解決策を提供します。私たちはフードテックの取り組みを、以下の三つの視点で分類しています。どういった技術なのか、それぞれ具体的な事例を一部ご紹介します。1. 持続可能な食料供給を実現する技術植物性食品: 植物性タンパク質を用いた代替肉等の開発が進んでいます。例えば、株式会社DAIZは、大豆を原料とした「ミラクルミート」を開発し、植物由来の代替肉市場で注目を集めています。細胞性食品: 動物や植物の細胞を培養して食用肉を生産する技術も注目されています。インテグリカルチャー株式会社は、細胞培養技術を用いてアヒル肝臓由来のペースト食品の研究開発を進めています。2. 生産性の向上を促進する技術AI調理ロボット: 労働力不足への対応として、AI調理ロボットの導入が進んでいます。TechMagic株式会社は、自動で食材を用意して調理、盛り付け、洗浄までを行うロボットを開発し、既に外食産業で導入が始まっています。次世代植物工場: 限られたスペースや水資源で最大効率を追求する植物工場も注目されています。株式会社プランテックスは、完全人工光型の植物工場でレタス等の生産を行い、安定供給と品質向上の実現を目指しています。3. 豊かで健康な食生活を提供する技術アレルギー低減卵: 個々のニーズに応じた健康志向食品の開発が進んでいます。プラチナバイオ株式会社は、ゲノム編集技術を用いてアレルゲンを低減した卵を開発し、食のバリアフリーの実現を目指しています。塩味増強スプーン: おいしく生活習慣の改善ができる豊かな食生活の実現が注目されています。キリンホールディングス株式会社では、微弱な電流を用いて減塩食品の塩味を増強するスプーンを開発しました。以上は一例ですが、どれも技術革新を通じて日本の食産業の課題解決に取り組んでいて、フードテックの分野で注目される取り組みです。官民が一丸となり進める食の未来プロジェクトこれらのフードテック技術の創出に向けて、農水省では以下のような取り組みを行っています。技術開発とビジネス実証の支援 新規技術の大規模実証を支援するSBIR基金や、フードテックビジネス実証事業を通じたビジネス化の支援があります。これにより、フードテックがビジネスとして成立するための後押しをしています。コミュニティの形成支援オープンイノベーションを推進するための場として、フードテック官民協議会を運営しています。テーマごとにコミュニティ形成をして、知識や技術を共有するプラットフォームとして活用されています。フードテック官民協議会には、現在、約1,400名が参加しています。地域企業への支援地方イベントを通じた情報発信や連携支援を行っています。イベント開催を通じて地方の中小企業が持つ技術が、世界的な動きとの接点を生む機会を提供しています。環境と倫理を守る、フードテックの新常識フードテック創出の背景として、環境負荷の低減や人権尊重といった世界のビジネスを取り巻く視点も欠かせません。これらは食品産業が持続可能であるための重要な課題です。環境面では、温室効果ガス排出の削減やサプライチェーン全体の見える化に注力しています。農水省では、脱炭素化の取り組みを支援しています。例えば、食品製造業のエネルギー効率化や資源の再利用を推進しています。人権面では、食品産業におけるサプライチェーンの透明性を高めるための取り組みを進めています。例えば、外国人労働者の適切な雇用管理や、原材料調達時の強制労働・児童労働に焦点を当てています。2023年末に公表された「食品企業向け人権尊重の取組のための手引き」は、食品産業全体での人権尊重を促進するためのガイダンスとして活用されています。これらの企業の取組みは国内外の投資家からも注目を集めていて、企業の競争力向上にも寄与します。2050年に向けた食卓のビジョン2050年を見据えたとき、フードテックは持続可能な食供給の基盤を築くだけでなく、消費者にとって豊かで楽しい食生活を実現する手段となります。日本の食の多様性と質の高さ、技術力の高さを活かし、個々のニーズに応じた食品を提供することで、心身ともに豊かな食生活が実現できると考えています。食品事業者の皆様には、この挑戦にぜひ加わっていただきたいと考えています。フードテックの可能性を活用し、新たな技術やアイデアを生み出し、取り入れることで、共に未来の食卓を作り上げていきましょう。フードテックは、技術革新を通じて食産業の課題解決に大きく貢献しています。持続可能で豊かな未来を実現するためには、官民連携のもと、新たな技術やビジネスモデルに積極的に取組むことが不可欠です。この記事が、食産業に携わる皆様にとってフードテックの可能性を深く考えるきっかけとなれば幸いです。