
アップサイクルで新たな販促! 食品残渣物を活かした新発想のノベルティグッズ製作【YSC】
企業の販促活動などで使われる各種のノベルティグッズ。その原料に、食品メーカーで生じた食品残渣物を活用する取り組みがあることをご存じですか? 今回は、食品のアップサイクルから生まれる新しい企業ブランディングのかたちをご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。食品残渣物を、価値あるノベルティグッズに変える食品メーカーで日々廃棄される食品残渣物を、ノベルティグッズの原料に活かす。日本初ともいえる画期的な取り組みを始めたのは、東京都文京区湯島に拠点を置く株式会社YSCです。原点は廃棄米を再利用したグッズ製作株式会社YSCが手がけた、廃棄米を原料とするバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」製品。もともと一般的なノベルティ・キャラクターグッズ製作を幅広く手がけてきた株式会社YSCが、食品アップサイクルによるノベルティ事業を始めたのは2020年のこと。廃棄米を原料としたバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を、文房具などのノベルティグッズの原料として活用したことに始まります。この時に、SDGsに取り組む企業のノベルティとして大きな反響を得たことから、同社ではサステナブルな視点を取り入れたノベルティグッズ事業を拡大させていきました。満を持して始めた「循環型ノベルティ」「ライスレジン(R)」によるグッズ製作のノウハウを活かして2024年11月より同社が本格化させたのが、食品残渣物を活かした「循環型ノベルティ」の製作。食品メーカーの製造工程や調理過程でやむを得ず生じる残渣物や調理くずを回収し、ノベルティグッズの原料にアップサイクルさせる試みです。企業から回収した食品残渣物を加工同社では、まずメーカーから回収した食品残渣物(回収量は別途相談)とノベルティ原料の相性を精査した上で、残渣物の加工を進めます。たとえばプラスチック製品の場合、食品残渣物を10~70%配合したプラスチックペレットを作成します。石油由来のプラスチックと強度はほぼ同等。CO2排出抑制、石油資源の節約、フードロス削減などを期待できる製品です。カカオハスク残渣を用いたアップサイクル例他にも、粉砕・抽出・灰釉など、各製品に合わせた加工を経て、さまざまな食品残渣物をノベルティグッズの原料としてアップサイクルさせています。食品残渣物の加工例アップサイクル可能な食品残渣物の一例

対岸の火事ではない水不足【食品企業のためのサステナブル経営(第24回)】
前回の記事を読む:2025年は行動の年に【食品企業のためのサステナブル経営(第23回)】今年はお正月早々、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で大規模な山火事が発生、住宅街にも被害が及び、セレブを含めて多くの住民が避難するというニュースが報じられました。少なくとも25人が死亡し、数千棟の建物が被害を受け、被害総額は1350億ドル(約21兆円)を超えるとの報道(※)もあります。その原因として、今年は降水量が例年の半分程度と少なく、空気が極端に乾燥していることが指摘されています。※朝日新聞 2025年1月10日カリフォルニア州での大規模山火事とその影響カリフォルニア州では近年、山火事の頻度と規模が増えています。例えば2017年と2020年にはナパバレーやソノマバレーなどのワイン産地が影響を受け、多くのワイナリーが被害を受けました。こうした山火事の頻発と規模の拡大にともない、最近では火災保険料が高騰したり、そもそも保険を引き受けてもらえないという事態まで発生しているようです。日本でも2021年に北海道で大規模な干ばつが発生し、玉ねぎやジャガイモの生産量が減少するなどの影響がありましたが、むしろ集中豪雨の増加による洪水等の被害の方が目立っているかもしれません。いずれにしろ、極端な気象現象が起きやすくなっており、農業被害も水害も増加しています。カリフォルニアの山火事はけっして「対岸の火事」ではありません。この連載でこれまでに取り上げてきたカカオやオレンジジュースの価格高騰、さらには「2050年問題」として知られるコーヒー生産地の減少などの問題の背後にも、降水量の低下や降水パターンの変化が大きく関与しているのです。気候危機を通じて水リスクが増大していると言えるでしょう。そもそも世界の食料システムは、淡水資源をもっとも消費する産業なのです。特に農業は世界の淡水資源の7割を使用しているとも言われます。ただし、この中には食品以外の綿花のような作物ものも含まれますので、食品だけに限定するともうちょっと少なくなるでしょう。それでも、農業以外にも加工や調理のプロセスでも大量の水を使いますので、食料システムが莫大な水を使っていることには間違いありません。深刻化する水リスク恐ろしいことに、こうした状況が続けば、今後10年以内に世界の淡水需要が供給を40%上回ると予測されています。これは2024年10月に水の経済学に関するグローバル・コミッション(The Global Commission on the Economics of Water)という専門家グループが出した報告書「水の経済学」の中で指摘されています。同書によれば、既に世界人口の約半数が水不足に直面しており、抜本的な対策を講じなければ、今後25年以内に世界の食料生産の半分以上が危機に瀕するといいます。過去数十年間の不適切な土地利用や水管理の失敗により、世界の水循環のバランスが崩壊しつつあるというのです。さらにその後、2024年12月にリヤドで開催された国連砂漠化対処条約(UNCCD)の第16回締約国会議(COP16)でも同様の報告がなされています。すなわち、過去30年で地球の陸地の4分の3以上が乾燥化しており、今世紀末までに世界人口の最大50億人が乾燥地帯に居住することになる可能性が高いというのです。やはり農業の仕方や、無闇に農地を増やすことが大きな原因と指摘されています。日本では今までのところこれほどの大規模な水不足は発生していませんので実感はしにくいところですが、これから降水パターンがどう変化するかは予測が難しく、降水量の減少による水不足のリスクも考慮する必要があります。実際、積雪量の減少により春の融雪水が減り、農業用水が不足する事例が報告されています。さらに、日本の食料自給率は極端に低く、私たちが利用する食材の多くは海外から輸入していますので、実は私たちはその生産地の水に依存しており、私たちの食料供給は、原料生産地の水リスクに大きく影響されるということなのです。食品会社としての打ち手こうした状況に対処するためには、農業の手法を改善し、水資源の持続可能な利用を推進することがもっとも重要です。具体的には、原料の生産地における水リスクを評価し、リスクが存在する場合はその管理・改善策を講じる必要があります。リスクの少ない生産地を選んだり、生産地を分散化することもリスク管理になります。もっとも良いのは、生産地と協力して問題解決に取り組むことです。調達規模の問題などでそこまではできないという場合でも、自社工場の製造プロセスにおいて、節水や水の再利用を積極的に進めることは可能でしょう。製造工程では上水を使用する場合が多いと思いますが、可能な範囲で雨水の利用や循環利用を検討することも有効です。さらに、自社の排水はもちろん、周辺の工事や農業活動による地下水脈の破壊や汚染を防止するための配慮も必要です。私が住む京都はもともと良い地下水に恵まれているとされ、そのおかげで日本料理や酒造りが発達し、豆腐もおいしいと言われます。しかし近年では上流の農地などの影響による水質悪化が起きていますし、さらには北陸新幹線の延伸に伴う地下水脈への悪影響が大きな社会問題となっています。最近のおもしろい事例としては、日清食品の関西工場で、水処理にAIを導入して水使用量を削減している例があります。これまでは水処理装置の洗浄回数や洗浄時間は人間が決めていたのですが、AIで判定するようにしたことで、水使用量を必要最低限に抑えられるようになったそうです。水道料金だけでなく、電気料金も抑制できて、メリットは大きそうです。日本では古くは「水と安全はタダ」と言われてきましたが、安全がもはやタダとは言えなくなったように、水も無制限に安く利用できる資源ではなくなりつつあります。しかし、水は利用方法を工夫することで、問題の深刻化を防ぐことは可能です。自社の工場が水不足の直接的な影響を受けないよう、あるいは問題源とならないように、今のうちから対策を考えることがサステナブル経営のためには必要です。

【1月度】注目の原料商品 月間閲覧ランキング|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている970点(2025年1月末日時点)のうち、2025年1月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

2月4日更新|行政情報【厚生労働省・農林水産省・消費者庁】
厚生労働省「輸入食品違反事例速報(令和7年1月分)」が更新されました。(令和7年1月28日)「『食べ残し持ち帰り促進ガイドライン~SDGs 目標達成に向けて~』の周知について」が公表されました。(令和7年1月27日消教推第42号・健生食監発0127第3号)農林水産省「地理的表示 登録産品一覧」が更新されました。(令和7年1月30日)かづの牛をはじめとする農畜産物・加工品6産品が、地理的表示(GI)として登録されました。(令和7年1月30日)「乾燥スープ」の日本農林規格が一部改正されました。(令和7年1月29日分)参考資料 「地理的表示保護制度について」が公表されました。(令和7年1月版)消費者庁「食品表示基準について」が一部改正されました。(令和7年1月23日消食表第77号、第37次改正)「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和7年1月30日)

フードテックで変わる日本の食未来~農林水産省の取り組みと事業者が目指す方向性~
近年、食産業が直面する課題は複雑化しています。人口減少や気候変動、労働力不足に加え、消費者の健康志向や多様な価値観への対応も求められています。これらの課題に挑むカギとして注目されているのが「フードテック」。農林水産省の飯田さんに、その現状と未来像、そして事業者への支援について伺いました。革新的な技術が食卓にもたらす変革の可能性を探ります。お話を伺った方農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 新事業・国際グループ長飯田 明子さん2001年厚生労働省入省。薬事、国民健康保険、医師法等の保健・衛生行政や労働組合、ジェンダー平等などの国際労働行政に従事。 2023年より、フードテックの推進や食品産業の環境・人権・栄養、外国人労働等の国際業務を担当している。日本の食卓に忍び寄る危機、その原因と解決策とは?フードテックとは、食(フード)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語です。当省では、生産、加工、流通、消費に至るまでの食分野全般に関する新しい技術や、それを活用したビジネスモデルとして広く捉えています。この技術分野に注目し、支援をすることが私たちの役割です。現在、日本の食産業はさまざまな課題に直面しています。例えば、地球規模では人口増加と気候変動が大きな問題です。食料となる作物や水産物の確保が難しくなってきていて、特にタンパク質源の安定供給は喫緊の課題です。一方、日本国内では人口減少と高齢化が進む中、労働力不足が顕著で、生産から流通、販売に至るまでの効率化が求められています。同時に、消費者の健康志向や価値観の多様化も進行していて、それに対応する食品産業の変革が必要です。代替肉からAIロボットまで、食産業の最前線フードテックは、これらの課題に対して技術を活用して解決策を提供します。私たちはフードテックの取り組みを、以下の三つの視点で分類しています。どういった技術なのか、それぞれ具体的な事例を一部ご紹介します。1. 持続可能な食料供給を実現する技術植物性食品: 植物性タンパク質を用いた代替肉等の開発が進んでいます。例えば、株式会社DAIZは、大豆を原料とした「ミラクルミート」を開発し、植物由来の代替肉市場で注目を集めています。細胞性食品: 動物や植物の細胞を培養して食用肉を生産する技術も注目されています。インテグリカルチャー株式会社は、細胞培養技術を用いてアヒル肝臓由来のペースト食品の研究開発を進めています。2. 生産性の向上を促進する技術AI調理ロボット: 労働力不足への対応として、AI調理ロボットの導入が進んでいます。TechMagic株式会社は、自動で食材を用意して調理、盛り付け、洗浄までを行うロボットを開発し、既に外食産業で導入が始まっています。次世代植物工場: 限られたスペースや水資源で最大効率を追求する植物工場も注目されています。株式会社プランテックスは、完全人工光型の植物工場でレタス等の生産を行い、安定供給と品質向上の実現を目指しています。3. 豊かで健康な食生活を提供する技術アレルギー低減卵: 個々のニーズに応じた健康志向食品の開発が進んでいます。プラチナバイオ株式会社は、ゲノム編集技術を用いてアレルゲンを低減した卵を開発し、食のバリアフリーの実現を目指しています。塩味増強スプーン: おいしく生活習慣の改善ができる豊かな食生活の実現が注目されています。キリンホールディングス株式会社では、微弱な電流を用いて減塩食品の塩味を増強するスプーンを開発しました。以上は一例ですが、どれも技術革新を通じて日本の食産業の課題解決に取り組んでいて、フードテックの分野で注目される取り組みです。官民が一丸となり進める食の未来プロジェクトこれらのフードテック技術の創出に向けて、農水省では以下のような取り組みを行っています。技術開発とビジネス実証の支援 新規技術の大規模実証を支援するSBIR基金や、フードテックビジネス実証事業を通じたビジネス化の支援があります。これにより、フードテックがビジネスとして成立するための後押しをしています。コミュニティの形成支援オープンイノベーションを推進するための場として、フードテック官民協議会を運営しています。テーマごとにコミュニティ形成をして、知識や技術を共有するプラットフォームとして活用されています。フードテック官民協議会には、現在、約1,400名が参加しています。地域企業への支援地方イベントを通じた情報発信や連携支援を行っています。イベント開催を通じて地方の中小企業が持つ技術が、世界的な動きとの接点を生む機会を提供しています。環境と倫理を守る、フードテックの新常識フードテック創出の背景として、環境負荷の低減や人権尊重といった世界のビジネスを取り巻く視点も欠かせません。これらは食品産業が持続可能であるための重要な課題です。環境面では、温室効果ガス排出の削減やサプライチェーン全体の見える化に注力しています。農水省では、脱炭素化の取り組みを支援しています。例えば、食品製造業のエネルギー効率化や資源の再利用を推進しています。人権面では、食品産業におけるサプライチェーンの透明性を高めるための取り組みを進めています。例えば、外国人労働者の適切な雇用管理や、原材料調達時の強制労働・児童労働に焦点を当てています。2023年末に公表された「食品企業向け人権尊重の取組のための手引き」は、食品産業全体での人権尊重を促進するためのガイダンスとして活用されています。これらの企業の取組みは国内外の投資家からも注目を集めていて、企業の競争力向上にも寄与します。2050年に向けた食卓のビジョン2050年を見据えたとき、フードテックは持続可能な食供給の基盤を築くだけでなく、消費者にとって豊かで楽しい食生活を実現する手段となります。日本の食の多様性と質の高さ、技術力の高さを活かし、個々のニーズに応じた食品を提供することで、心身ともに豊かな食生活が実現できると考えています。食品事業者の皆様には、この挑戦にぜひ加わっていただきたいと考えています。フードテックの可能性を活用し、新たな技術やアイデアを生み出し、取り入れることで、共に未来の食卓を作り上げていきましょう。フードテックは、技術革新を通じて食産業の課題解決に大きく貢献しています。持続可能で豊かな未来を実現するためには、官民連携のもと、新たな技術やビジネスモデルに積極的に取組むことが不可欠です。この記事が、食産業に携わる皆様にとってフードテックの可能性を深く考えるきっかけとなれば幸いです。

シェアシマ小池、コラムはじめます【社長コラム#1】
ICS-net株式会社を創業して8年。長くもあり、短かったような8年が経過しました。私がシェアシマを立ち上げようと思ったのは、今から遡る事10年前の2014年の出来事です。まだ、その頃の想像していた未来には辿り着いていませんが、シェアシマに会員登録されている会社数は2000社を超え、多くの商品開発者の方々にご利用いただき、これからますます広がっていくサービスであると確信しています。このコラムでは、私の感じた事、思っている事をできるだけ多くの皆さまに知っていただけるように書いていければと思っております。よろしくお願いします。食品メーカー勤務から「シェアシマ」起業へ皆さま、初めまして。ICS-net株式会社ファウンダーの小池祥悟です。私は、長野県長野市出身。農家の跡継ぎで、現在も10反近くの農地があり、稲作、栗、野菜を年老いた両親と共に栽培する、地方の農地を守る一人です。1998年にマルコメ株式会社に入社。食品メーカー勤務からキャリアをスタートさせました。食品メーカーというのは、仕入⇒加工⇒製造⇒販売という一連のサプライチェーンを自社内に備え、一つの商品がユーザーの手元に届くまでを「会社」という組織体が実現させています。当然ですが、一連のサプライチェーンのみでは商品にはならず、新商品開発をするための商品開発多くのユーザーに自社、商品を知っていただくためのマーケティング品質を保証し、再購入していただくための品質管理総務・経理・財務・情報システムなどの経営機能出来上がった商品をユーザーにお届けするための物流これらの多くの機能と雇用によって、今も私たちの口に入る食品が作られています。一つの会社には多くの役割と雇用があり、食品を届けるために日夜努力している方々が全国にいるのです。私は、その食品メーカーに約20年間勤務する中で、多く事を経験させていただき、今があります。なぜ、「シェアシマ」をローンチしようと思ったのかきっかけは食品メーカー勤務時代の苦い経験から前述の通り、食品メーカーは多くの業務があり、一人ひとりが、お客様の満足のいく商品を作るために、努力しています。メーカー勤務当時、即席みそ汁をより多くのお客様に安価で提供するために、即席みそ汁の具材でもある「乾燥ネギ」の調達を新しい産地で試みました(原価の中で「乾燥ネギ」は高価という事もあり)。それが、タイです。2カ月に1〜2回訪問し、自社商品を説明し、協力いただける会社を一社ずつ当たりました。結果、計画してから1年半後に、日本への輸入を成功させ、いよいよ製品に使う算段になった際に問題が起こります。それまでに何度も試験を繰り返し、異物除去や目視検査、フリーズドライ工程での温度や乾燥時間の調整試験などを経て、ようやく製品化し日本へ輸入しました。しかし、いざ使用する段階になった際、生産工場から連絡が入りました。「いくつかのケースの中に茶色く褐変したネギが混入している」の一報でした。乾燥ネギはどうなったのか私は、この連絡を品質管理責任者から聞くなり、すぐに生産工場へ向かいました。そこから長い会議を行いますが、結果的には、使う事を断念。現地タイ工場の皆さん、ネギを生産している農業法人の皆さん、また、輸出の手配をしていただいた方々の事を思い浮かべながら、当社の為に作ってくれたこの商品を使えないという現実が突きつけられます。当然ですが、この原料を使えないという事は、生産計画に穴が空いてしまうため、すぐに代替の乾燥ネギを用意するのも当時の私の仕事でした。使用を断念した乾燥ネギは、正味2t。生鮮原料でいうと、約200tのネギに相当します。原価の問題もさることながら、これをどのように再活用するのかについて、社内で検討を重ね、検品・選別をして多くを利活用しましたが、一部廃棄が出たことも事実です。原料を有効活用し、必要とする企業へ届けたいこれは、一例ではあるものの、今の日本において食料自給率が下降線をたどっている中で、他にも廃棄せざるを得ない原料はいくつもあります。発注ミスにより、使用期限が迫ってしまった在庫品最終商品の終売に伴う、使用できなかった在庫品の処分店頭回収により、使用予定だった原料が使用不可になるケースなどなどです。私は、この一連の出来事を通じて、食品加工における原料廃棄というのは、日本国内の企業間のネットワークが構築されれば、必ずしも避けられないものではないと考えるようになりました。廃棄せざるを得ない原料でも、必要としている企業へ融通する事で、有効活用の道があるのではないか、と考えるようになります。原料プラットフォーム「シェアシマ」の誕生2019年にローンチし、2023年にリニューアルしたシェアシマのロゴ食品メーカーにおいて、原料、副原料は命綱です。その品質や価格によって、末端ユーザーの満足のいく品質・味・価格が決まると言っても過言ではありません。そのため各社、自社の専用仕入ルートを作ったり、他社との差別化を図るためにも、契約農家との年間契約を行ったりと、経営判断をされている会社も多くあります。その中で、致し方なく廃棄をせざるを得ない原料に関しては、当時、販売するルートも仕入れるルートも存在しませんでした。そこで考えたのが「その原料をシェアしませんか?」というアイデアです。食品メーカーのネットワークを構築し、その中で、各社が困っている事、特に原料について特化したプラットフォームを作ろうというのが、このICS-net株式会社が始まるきっかけになります。時は2014年。まだおぼろげながら、イメージのみ先行していた頃でした。小池祥悟プロフィール食品メーカーに約20年勤務し、商品企画、開発、営業、品質管理、原料調達、新規事業、海外取引に至るまで、食品開発に関わるあらゆる業務を経験。労働生産性の低い食品開発のスキームは、深刻な問題であり、進まない業界の構造変革には、デジタル化、情報のオープン化と一元化が必要であると考え、 ICS-net株式会社(シェアシマ事業運営)を創業。食品開発にフォーカスしたWebプラットフォームの構築に邁進している。お問い合わせ原料の調達や食品OEM、販路拡大などの食品開発にまつわるお困りごとがございましたら、ぜひシェアシマにご相談ください。資料請求はこちら >お問い合わせはこちら >

ミネラルを活用した食品開発~不足しがちな栄養を強化して商品の価値向上を~
現代人の食生活は便利になる一方で、栄養の偏りや不足が深刻化しています。最近では、特定のミネラルの不足が指摘されていて、体のさまざまな不調として現れるケースも多いです。こうした背景から、健康志向が高まる今、ミネラルを活用することは商品の付加価値を高める鍵となります。この記事では、ミネラルの基本知識から不足がもたらす影響、さらにミネラルを活用した食品開発のメリットまで、詳しく解説します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。シェアシマ掲載の「ミネラル類」をチェックする >>

特集|カカオ代替原料〜価格高騰の背景と、栄養価・健康効果も紹介〜
チョコレートやココアの原料として知られる「カカオ」は、いまや化粧品や食器など幅広い製品に使用されています。ところが、近年ではさまざまな理由から価格が高騰しているのをご存じでしょうか?この記事では、カカオの栄養素を含めた利用価値や、カカオ原料高騰の背景、商品開発時におけるコスト削減のヒントについてご紹介します。すでにカカオ原料を使用している企業様だけではなく、これから導入を検討してる企業様にも役立つ情報となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。【管理栄養士監修】カカオとは?|さまざまな呼称や栄養価も解説カカオとは、高温多湿の地域で栽培されるアオイ科(アオギリ科)の熱帯植物で、西アフリカ・東南アジア・中南米などの平均気温27度以上で、年間を通じて気温の上下幅が狭い限られた地域で栽培されています。枝や幹に白い花(品種によっては、桃色、赤色、黄色)を咲かせ、受粉後6カ月ほどかけて実が成熟し、だいたい直径10cm、長さ20cm前後のものが収穫され、その種子が、チョコレートやココアなどの主原料として利用されます。昔は王や貴族といった位の高い人しか口にできなかったことから、「テオブロマ(=ギリシャ語で神様の食べ物)・カカオ」という学名がついています。そんなカカオは、さまざまな加工を経て食品として利用されています。※参考:日本チョコレート・ココア協会「栽培地域と品種」「結実から出荷まで」いくつもあるカカオの呼称カカオポッドまず、カカオの実そのものは、カカオポッドと呼ばれます。一般的に知られているラグビーボール型に限らず、品種によっては歪んだ形や三角形に近いものもあります。また、外皮の色も赤色、黄色、緑色などカラフルという特徴があります。カカオポッドを割ると、中から白っぽい果肉に包まれた種が20個以上も姿を現します。これがカカオ豆(カカオビーンズ)であり、果肉部分はパルプと呼ばれます。これらは1週間ほどの発酵・乾燥を経て、各地へ出荷されて食品に加工されていきます。カカオニブカカオ豆を焙煎して砕くと、硬い殻の部分とその中身に分かれます。殻はカカオハスク(外皮)、それ以外をカカオニブと呼びます。カカオニブに甘味はなく、苦味や酸味が強く感じられます。チョコレートを作る際は、このカカオニブをすり潰して液状にしたものに砂糖を加えて練り上げ、冷やし固めて作られています。なお、チョコレートのパッケージに表記される「カカオ〇%」は、製品中に含まれるカカオニブの割合を指します。そのため、カカオニブの含有量が高いほど、甘味が少なく、苦味や酸味のある味わいに仕上がるのです。※参考:森永製菓株式会社「カカオは日本で育つのか? 栽培編」※参考:Dandelion Chocolate 公式サイト「スーパーフード「カカオニブ」とは?」カカオマスカカオニブは粗く砕かれた形状をしていますが、これを滑らかにすり潰したものはカカオマスと呼ばれます。カカオマスに含まれる脂肪分は50%以上もあり、それらはカカオバター(ココアバター)として分離され、脂肪が除かれたものを乾燥・粉砕したものがココアパウダーとなります。カカオバターは、チョコレートに加えることで滑らかな口どけを生み出すのに役立ちます。また、体温より低い温度で溶ける性質などを生かし、食品以外にも化粧品や薬剤などに使われています。

進化するグミ市場【食品製品情報トレンドウォッチ】
日本では近年、グミの人気が急速に高まっており、各メーカーが新商品を次々と投入しています。多様なフレーバー、形状、食感を持つ製品が増加し、消費者の興味を引き続けており、食べやすさや持ち運びの便利さ、手軽に楽しめるお菓子として、今後もグミの人気は続くと予想されています。この記事では、2025年1月にシェアシマ製品情報サーチで新規公開した123製品(うち「ガム・キャンディ・グミ」55製品)の中から、選りすぐりの5品を対象にトレンドウォッチします。今回の対象商品もちきゅあ みたらし団子味|三幸製菓株式会社ザ・ストロング 神濃ハードグミ ソーダ味|カンロ株式会社タフグミ キウイスパーク|カバヤ食品会社名セブンプレミアム グミまる 巨峰味/白桃味|株式会社セブン&アイ・ホールディングスサニーサイドアップグミ|株式会社エイム記者の目|進化するグミ市場米菓を中心に展開している三幸製菓が、グミの分野に進出し話題となった「もちきゅあ」シリーズの新しいフレーバー、みたらし団子味。米粉を使用したもちもち食感のグミで、米菓を専門に扱う企業ならではのお米製品の進化と新触感が注目されています。「もちきゅあ」シリーズの新しいフレーバー、みたらし団子味(撮影:シェアシマ編集部)「もち」の名前の通り、食感はモチモチです。形状がお米のように見えるのも米菓メーカーのこだわりを感じます。表面はサラサラの質感。和風味の代表、みたらし団子の風味がしっかり感じられ、醤油の風味、甘じょっぱさが絶妙です。米菓メーカーのこだわりを感じるモチモチ食感が魅力(撮影:シェアシマ編集部)グミの人気を支える一因には、食感のバラエティの豊富さがありますが、「ザ・ストロング 神濃ハードグミ ソーダ味 (カンロ)」、「タフグミ キウイスパーク(カバヤ食品)」といったハード系食感の製品も、人気の定番食感を全面に出し、継続的に市場に投入されています。各社PBからも積極的に展開されており、セブン-イレブンのプライベートブランド「セブンプレミアム」から発売されている「グミまる」も新作フレーバーが続々と登場しています。また、海外製品「トローリ プラネットグミ(Trolli)」(通称:地球グミ)がSNSで話題になったことも記憶に新しいところですが、「サニーサイドアップグミ(エイム)」など、SNS映えするユニークなデザインにも注目です。1月の新規登録情報123製品を新たに公開しましたガム・キャンディ・グミ:55製品ふりかけ:15製品お吸い物、みそ汁など即席スープ:13製品果汁、ラテ、炭酸等の飲料:10製品など、その他のカテゴリ含む計123製品を新たに公開しました。シェアシマ製品情報サーチでは、220分類以上、計23,160点(2025年1月時点)の製品情報を掲載しています。食品開発の情報収集に、ぜひご活用ください。※シェアシマ製品情報サーチの利用には、有料会員の登録が必要です。シェアシマ製品情報サーチとはシェアシマ製品情報サーチは、⾷品情報専⾨のデータベースです。他社の製品パッケージ・デザイン・裏⾯情報を⼀括検索。参考資料となる情報を、効率よく集めることができます。サービスについて詳しく見る >>資料ダウンロード・お問い合わせ >>

次世代のタンパク源にも! 食品市場のニーズを先取りする「豆乳パウダー」【マルサンアイ】
豊富なタンパク源として、また最近では、世界規模の食糧問題を解決に導く食品原料としても注目される大豆。これからの食品市場に求められる「大豆の活用」に向けた可能性を一気に広げる、マルサンアイ株式会社の「豆乳パウダー」をご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。いま改めて「大豆」が注目される理由日本では、味噌やしょうゆなどの原料として古くから親しまれてきた「大豆」。いま、世界の食糧問題を解決する可能性を秘めた存在として、改めて注目されています。2050年の世界に迫る「タンパク質危機」日本でもたびたび報道されてきた、世界の「タンパク質危機(プロテインクライシス)」。地球の人口増加や環境問題によって、食肉などのタンパク源が不足する問題を指します。世界の人口は2050年に100億人を突破するといわれる中、それだけの需要を満たす牛・豚・鶏などのタンパク源の供給は、現在の畜産業では環境負荷や生産効率の面から困難になっています。現在のペースでは早ければ2030年、遅くても2050年までには世界のタンパク源の需要と供給のバランスが崩れると予測されています。出典:OECD(経済協力開発機構)とFAO(国連食糧農業機関)が発行する「OECD-FAO Agricultural Outlook」より。次世代のタンパク源としての大豆従来の畜産の問題点は、環境負荷の大きさにあります。家畜を育てるには大量な穀物・水・土地が必要となり、それに伴う森林破壊や、家畜から発生する温室効果ガスは地球温暖化の要因となっています。そこで注目されているのが植物性タンパク源で、大豆はその代表格です。大豆は畜産に比べて面積単位当たりのタンパク質・エネルギー生産量が高く、一方で生産時の水消費量を抑えられます。持続可能なタンパク源の生産と供給を実現する作物といえるのです。出典:マルサンアイ株式会社「マルサングループのSDGs取り組み」「大豆のプロ」マルサンアイの挑戦今回ご紹介するマルサンアイ株式会社(本社:愛知県岡崎市)は、1952年の創業以来、味噌や豆乳といった大豆製品の開発・製造を一貫して続けてきた企業です。創業時よりタンパク源としての大豆に着目豆乳や味噌、飲料で数々の定番商品をもつ同社は、創業当時より大豆がもつタンパク源としての潜在能力に着目。大豆の有効利用法や品種開発、加工法などを各種研究機関と共同で長く研究してきた歴史があります。そして、世界のタンパク質危機が現実味を帯びてきた現在、タンパク源としての栄養価に優れた食品原料として、マルサンアイは新たに豆乳パウダーの開発に着手しました。「おいしさ・加工しやすさ」を追求した豆乳パウダー以前より乳アレルギー対応の需要などを背景に、伸び続けていた豆乳市場。一方で食品開発の現場からは、豆乳原料の味や使い勝手に関する要望も寄せられていました。マルサンアイでは、豆乳の抽出・濃縮・乾燥などのあらゆる工程において独自の工夫と技術を活かし、豆乳を最適な状態でパウダー化することに成功しました。「豆乳パウダー」のメリットとは(1)溶けやすさマルサンアイの「豆乳パウダー」は、独自の技術によって溶けやすくダマになりにくいのが大きな特長。液体状の豆乳原料に比べて、自由度が高い配合が可能になります。(2)優れた保存性パウダー状だから賞味期間を長く設定でき、常温での流通・保管も可能。輸送と保存コストの低減につながります。(3)豆乳本来のおいしさマルサンアイが長年培った豆乳加工技術により、豆乳本来の深みのある味わいや、ほんのりとした自然な甘みと旨味をパウダーで再現。幅広い用途に活用できる、青臭さや雑味を抑えた「豆乳感」が実現しました。「乳フリー商品」原料としての豆乳パウダーマルサンアイの豆乳パウダーは、乳原料(脱脂/全脂粉乳など)の代替原料としての可能性を秘めています。持続可能なサステナブルな原料として、またタンパク質の補強を目的として、さまざまな観点から今後の食品市場に求められる「乳フリー」食品の原料になり得る存在といえるでしょう。「2025 モバックショウ(第29回国際製パン製菓関連産業展)」に出展します!マルサンアイ株式会社は、2月に開催される「2025 モバックショウ(第29回国際製パン製菓関連産業展)」に出展します。出展ブースでは、豆乳パウダーの製パンへの活用を提案します。※会場では濃厚な豆乳ホットラテなども提供する予定です。展示会名:2025 モバックショウ(第29回国際製パン製菓関連産業展)日時:2025年2月18日(火)~ 2月21日(金)場所:インテックス大阪公式サイト:https://www.mobacshow.com/マルサンアイ株式会社の出品者情報はこちら >>「2025モバックショウ」への来場事前登録はこちら >>

【受付中】脱属人化!生産性を上げる工場DX化ツールと注目の法令改正(2/19)
当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2025年2月19日(水)に予定しています、第57回のテーマは「脱属人化!生産性を上げる工場DX化ツールと注目の法令改正」です。「属人化」の解消や業務効率の向上は、製造業においても欠かせないテーマとなっています。また、最新の法令改正が企業に求める対応も、業務フローやシステムの見直しを迫る重要な要素です。本セミナーでは、工場運営における生産性向上を実現するDXツールの活用事例や、食の安全性に関する法令改正に備えるための具体的なポイントをご紹介します。「どこから手をつければ良いかわからない」「法令改正についていくのが大変」といった課題に対し、具体的な解決策と学びを提供いたします。セミナーではリアルタイムで質問できるQ&Aセッションもご用意しています。生産性向上とリスク回避を両立させるヒントを、ぜひこのセミナーでお持ち帰りください!開催概要テーマ:脱属人化!生産性を上げる工場DX化ツールと注目の法令改正日時:2025年2月19日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込方法:https://shareshima.com/seminars/20250219※ こちらでお申し込みを受け付けた後、メールにて参加URLをお送りします。申込締切:2025年2月19日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.基調講演『食品製造に係る法規制の変更点』一般財団法人食品環境検査協会(20分)「最近の食中毒事例からわかる問題点」について自社に置き換えて問題ないといえますか。また、「食品用器具・容器包装の衛生規制の改正(ポジティブリスト制度)について食品メーカー側で把握すべきこと、「2025年3月31日までの経過措置期間となっているアレルゲン表示」についての対応は間に合っていますか。3.製品・サービス紹介1. 「DXはペーパーレスで終わりじゃない。紙のデジタル化が食品工場で浸透しない理由」Tebiki株式会社(20分)昨今のDXの流れで「現場の紙をペーパーレスした」という企業様も多くいると思いますが、実は”した”だけではうまくいかないことが多々あります。本セミナーでは、「tebiki現場分析」の事例をもとに、ペーパーレスのつまづきやすいポイントを解説しつつ、現場カイゼンに繋がるデジタル化の方法をお伝えします。2. 「スマートフォン用アプリ「ムシレコ」を利用したモニタリング頻度の見直し」富士フレーバー株式会社(20分)「ムシレコ」は、弊社モニタリング用フェロモントラップに捕虫された虫の数をAIでカウントし、その情報を共有できるスマートフォン用アプリです。より効果的な害虫管理を実施する為には、害虫の生活環を考慮したモニタリング頻度の設定がポイントになります。ムシレコを利用し、モニタリング頻度を見直すプロセスについてご説明します。次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。

食ビジネスの課題解決に! 200種類以上の食の資格者が集う「食オタワークス」
SNSやイベントを通じて商品をPRしたい、新商品に向けて有益なヒアリングを行いたいけれど、どこに頼めばいいかわからない……。そんな食品業界のマーケティングや商品開発の悩みに応えるサービスが「食オタワークス」です。多彩なジャンルの「食の資格者」が集うコミュニティを通じて、食品や食材の魅力を効果的に伝えてみませんか?※こちらの記事は株式会社ヴァカボの提供で、シェアシマ編集部が制作しています。「食オタワークス」とは?「食オタワークス」は、多様な食育サービスを展開する株式会社ヴァカボ(本社:東京都中央区)が運営する、食の資格者と企業や自治体をつなげるマッチングサービスです。「食の資格者がスキルを活かせる場を増やす」という取り組みの一環として、2024年より本格的に始動しました。「食の資格者」に特化した食ビジネス向けコミュニティ「食オタワークス」は、同社が運営する食の資格者コミュニティ「食オタ」と連携したサービスです。ここで「食オタ」と呼ばれる登録メンバーは、全員が何らかの食の資格保有者。食に関するプロ級の知識をもち、フードロスなどの社会問題や一次産業にも関心があり、新しい食の話題も大好き。つまり、食ビジネスとの親和性がこの上なく高い、食のプロ兼食への興味関心が高い消費者の集まりなのです。

タンパク質摂取の新スタンダード! 大豆ペプチドの優れた機能で差別化を【不二製油】
疲労回復や脳機能の維持増進など、多くの健康効果が注目されている大豆ペプチド。大豆に含まれる良質なタンパク質を効率よく吸収できることから、さまざまな健康食品への活用が期待されています。今回は、さまざまな栄養生理機能をもつ大豆素材に早くから着目して研究・開発を続けてきた、不二製油株式会社の大豆ペプチドをご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。なぜ大豆ペプチドが注目される?じわじわと関連商品が増えつつある大豆ペプチド。大豆の優れた栄養機能を維持しながら、消化吸収性が高いという利点をもつ食品素材です。まずは大豆ペプチドの基本的な特長をご紹介しましょう。特長は「すばやく・効率的に吸収」大豆ペプチドは、大豆に含まれる大豆タンパクやアミノ酸に比べて吸収性に優れていることが特長です。大豆に豊富に含まれるタンパク質が、私たちの体にとって重要な栄養素であることは周知の事実。しかしタンパク質は、複数のアミノ酸がつながって形成された複雑で大きな物質のため、体内に吸収するにはまず胃や腸で消化し、タンパク質を小さくバラバラに分解する必要があります。ペプチドは、このようにタンパク質を分解する過程で生じる、アミノ酸が複数つながった状態を指します。タンパク質よりも小ぶりで吸収性に優れ、単体のアミノ酸よりも一度で多くの栄養を腸から吸収できる、いわば「栄養吸収の理想形」といえます。大豆から生まれた大豆ペプチドは、大豆タンパクを製造工程内で事前に分解して「小さなタンパク質」にした状態です。そのため、体内でより効率的に吸収できるのです。左からタンパク質⇒ペプチド⇒アミノ酸の形態を比較すると、ペプチドはタンパク質よりも分解が進んだ状態で、かつ単体のアミノ酸よりも多くの栄養が腸から吸収できることが分かる。現代人の多様な健康ニーズに応える食品素材吸収性に優れた大豆ペプチドは、「体と脳」で素早く機能を発揮するのが最大の利点です。その結果、さまざまな健康効果が期待されています。【効果1】肉体疲労の回復運動前後に大豆ペプチドを摂取することで、運動後の疲労をすばやく回復。豊富に含まれるアミノ酸が、運動時に消費されるアミノ酸量を瞬時に補います。疲労回復に有効とされるアミノ酸であるアルギニンも、大豆ペプチドには多く含まれています。また、日常的な「疲れにくい体づくり」や免疫力の向上にも貢献します。※参考:不二製油株式会社「大豆ペプチドの肉体への効果」運動などによる肉体疲労の回復に重要な役割を果たす成長ホルモンには、筋肉細胞へのアミノ酸輸送を増加させ、タンパク質合成を促す働きがある。グラフでは、大豆ペプチド摂取によって成長ホルモンの分泌促進が確認できる。※参考文献より抜粋(一部改編)。運動負荷:フルスクワット(25回×4), 試験飲料:運動直後に摂取, 採血:運動負荷前、30分後、18時間後, 被験者:健常男子16名, 年齢:20歳, BMI: 20.9±0.3, 運動履歴:定期的運動習慣なし大豆タンパク質、大豆ペプチド、およびプラセボ摂取後の成長ホルモン濃度変化。各値は初期値に対する変化量として表す。異なる文字間で有意差あり。【効果2】筋肉損傷の抑制大豆ペプチドの優れた吸収性は、運動後の筋肉損傷に対する抑制効果も期待できます。運動後の筋修復を促し、筋肉痛の予防にも効果的です。慣れない運動の数日後に多くの人が体験する遅発性筋肉痛。筋肉が損傷すると、骨格筋などに含まれるクレアチンキナーゼ(CK)が血液中に漏れ出すが、大豆ペプチド摂取後に運動した際には血中CK活性の上昇が抑えられている。※参考文献より抜粋(一部改編)。試験条件は「大豆ペプチド摂取による成長ホルモン分泌促進」グラフと同じ。大豆タンパク質、大豆ペプチド、およびプラセボ摂取後の成長ホルモン濃度変化。各値は初期値に対する変化量として表す。異なる文字間で有意差あり。【効果3】脳機能の維持増進ヒト試験を通じ、大豆ペプチドの摂取が記憶力の維持増進、集中力の維持やストレスの緩和につながることが明らかになりました。また、その機能性成分がセリルチロシン(Ser-Tyr、SY)であることも確認されています。※参考:不二製油株式会社「ブレインフードとしての大豆ペプチド」【効果4】肌質の改善コラーゲン単独よりも大豆ペプチドと併用することで、コラーゲンの効果が最大限に引き出され、肌の弾力性アップや肌の水分量保持につながる結果が確認されています。※参考:不二製油株式会社「大豆ペプチド」の美容効果大豆を原料とした素材開発をリードする不二製油今回ご紹介する大豆ペプチドを開発・製造する不二製油株式会社(本社:大阪府泉佐野市)は、幅広い食品素材を手がける会社です。なかでも栄養に優れた大豆に早くから着目して、物性や生理機能などの研究・開発を続けてきた企業でもあります。水への分散性に優れた不二製油の大豆ペプチド不二製油が製造する大豆ペプチド「ハイニュート」シリーズは、大豆タンパクを酵素分解して乾燥させた粉末タイプの製品です。水に溶かすと透き通ったようになる「透明タイプ」と、白く不透明になる「白濁タイプ」があります。透明タイプは飲料やゼリーなど、仕上がりの透明性が求められる商品に適しています。不二製油の独自技術でペプチド特有の苦みを低減し、水にも溶けやすいため、優れたハンドリング特性を発揮します。大豆ペプチド「ハイニュートAM」のシェアシマ掲載ページはこちら >>信頼の品質で海外輸出商品にも対応大豆タンパク質を原料とする不二製油の大豆ペプチドは、動物由来原料が不使用なのはもちろんのこと、ハラル/コーシャの基準にも対応し、食品安全システムの認証(FSSC 22000)を取得した工場で製造しています。長年の大豆研究に基づいた信頼性・安全性も、不二製油の大豆ペプチドならではの魅力。さまざまな食品に安心して活用できます。 大豆ペプチドで健康食品に付加価値を栄養面だけではなく、さまざまな生理機能面にも優れた大豆ペプチドは、多様な健康食品やスポーツニュートリション製品に活用できます。胃腸への消化負担が少なく効率的にアミノ酸を吸収できる特長は、とりわけスポーツ時に最適な機能といえるでしょう。大豆ペプチドのおもな用途例スポーツ飲料、ゼリー飲料、ゼリー、グミ、タブレット、サプリメント など実際に、不二製油が自社商品として販売する大豆ペプチド配合の健康ドリンク「カラダメンテ(R)プラス」は、日常的に体を動かす機会が多いユーザーのリピート率が高い定番商品だとか。魚や乳などのタンパク質から生成されるペプチドに比べて、環境負荷の少なさやサステナブル性からも注目される大豆ペプチド。大豆の研究・開発・製品化と長年向き合ってきた不二製油の技術を、新たな健康食品開発に活かしてみませんか?※参考文献:グラフ「大豆ペプチド摂取による成長ホルモン分泌促進」、グラフ「筋肉の損傷に対する大豆ペプチドの効果」Masuda K., Maebuchi M., Samoto M., Ushijima Y., Uchida Y., Kohno M., Ito R., Hirotsuka M.: Effect of soy-peptide intake on exercise-induced muscle damage. Jpn. J. Clin. Sports Med., 15, 228-235 (2007).

特集|ペットフード対応原料〜市場動向と犬・猫の健康を守る栄養基準やパッケージ表示も解説
愛らしいペットの存在は、私たちの暮らしに多くの喜びと癒しを与えてくれます。日本では、犬・猫の飼育数が子どもの人口を上回り、さらに、飼い主の健康意識の向上やペットの平均寿命も延びていることから、近年、ペット関連商品の売れ行きが好調です。なかでもペットフードは、「ヒューマングレード」と呼ばれる高品質な商品や冷凍食品も登場し、食品業界においても注目の市場となっています。そこで今回は、ペットフード開発に役立つ原料をご紹介します。あわせて、ペット関連市場の最新動向やペットフードの種類とトレンド、必要な栄養素のほか、ペットフードを開発するうえで押さえておきたいポイントについても解説します。ぜひ、商品開発の参考にしてください。ペットフード開発に役立つ原料のご紹介【ビタミン強化パン酵母】イーストパウダー・ビオチン|オリエンタル酵母工業株式会社ミネラル酵母シリーズ(亜鉛・銅・鉄・マンガン・ヨウ素・モリブデン・クロム・セレン)|オリエンタル酵母工業株式会社【アンセリン】SA-10(IK)LF|東海物産株式会社【アンセリン】SA-30(IK)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-10(ST)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-20(ST)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-10(IK)LF|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-50(IK)SD|東海物産株式会社鶏ムネ肉プラズマローゲン(粉末タイプ)|丸大食品株式会社イキゲンコラーゲンペプチドPCAG-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCJ-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCC-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCAG-1|株式会社ニゾナヤギホエイプロテイン(WPC50)|株式会社ナチュラリンクヤギ脱脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンクヤギ全脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンク【免疫賦活】アスコフィランHS【海藻由来】|林兼産業株式会社植物発酵エキスビオチームMCパウダー|株式会社日本生物.科学研究所胡麻ミネラル乳酸体パウダー|株式会社日本生物.科学研究所有機あした葉パウダー|株式会社日本生物.科学研究所あした葉ポリフェノールCHALSAP-P8|株式会社日本生物.科学研究所納豆菌培養エキスNSK-SD|株式会社日本生物.科学研究所エンドウタンパク|リンクフード株式会社北海道産 菊芋粉末|赤坂T・M株式会社乾燥納豆|有限会社川口納豆ABM植物由来乳酸菌(殺菌)|株式会社JBBMファクトリーABM植物由来乳酸菌(生菌)|株式会社JBBMファクトリービフィスリム菌KMH001|株式会社キティークリスパタス菌KT-11(KT-11HP)|株式会社キティークリケットパウダー(脱脂)|サントレック株式会社オメガヴィーパウダー100|ミヨシ油脂株式会社【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーSH(大豆配合品)|株式会社エコロギー【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーW(コーンスターチ配合品)|株式会社エコロギーグリルイーストB/H|株式会社樋口商会
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【開催レポート】ローソン元商品部長に学ぶ!ヒット商品の裏側にあるブランド戦略スキルアップセミナー
2024年10月から12月にかけて、「ローソン元商品部長に学ぶ!ヒット商品の裏側にあるブランド戦略スキルアップセミナー」が開催されました。全3回のシリーズ形式で行われた本セミナーでは、ローソンで「プレミアムロールケーキ」やナチュラルローソンのリ・ブランディングを手掛けた稲葉潤一氏を講師に迎え、消費者ニーズの分析や差別化戦略、新商品の発想法などが具体的な事例を基に解説されました。稲葉氏は数々のブランド戦略を手掛けた経験を持つ業界の第一人者で、その豊富な経験を基にした実践的な内容は、多くの参加者から高い評価を得ました。マーケットインの重要性を実感!ヒット商品を生むプロセスを徹底解明第1回では「プレミアムロールケーキ」誕生の背景を深掘りし、商品開発のプロセスや消費者ニーズを捉える重要性について学びました。第2回では「ナチュラルローソン」のリ・ブランディングをテーマに、差別化と市場分析のポイントを具体例を交えて紹介。最終回となる第3回では、稲葉氏が商品開発支援で得た本質的課題について講義し、活発な意見交換が行われました。セミナー参加者から集めたアンケートでは「実例が豊富でわかりやすい」「具体的で業務に直結する内容だった」といったポジティブな声が多く寄せられました。また第3回は、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催。参加者同士の交流も活発化し、研修を超えたつながりが生まれました。参加者の声今回のテーマ、ローソンのプレミアムロールケーキの裏話、事情は具体性のある話で分かりやすかったです。考えや行動の原点となる言動や思考を学ぶための書籍や具体的行動を例示してもらえるのは、非常にありがたいです。どんな分析をするにしても、市場を明確にすることの重要性を再認識しました。社内の一部がマーケットインの考え方に消極的な中、長らく実践されて成果を出してこられた講師の方と出会えてうれしかったです。今回のように、シリーズ形式で体系的に学ぶスタイルも好評で、次回開催への期待が高まっています。シェアシマでは引き続き、食品業界の現場で役立つセミナーを企画し、皆様のスキルアップを支援してまいります。<今回開催されたセミナーの概要>シェアシマでは、食品業界に携わる方のためのスキルアップセミナーを不定期開催しております。このたび、ローソンの「プレミアムロールケーキ」やナチュラルローソンのリ・ブランディングに携わり、業界で多くの成功事例を持つ、株式会社日本ツナガル総合研究所 稲葉潤一氏をお迎えし、10月30日から全3回の特別セミナ―を開催することにいたしました。稲葉氏の豊富な経験をもとに、消費者ニーズの分析から商品開発のプロセス、さらには差別化戦略の重要性までを解説します。広い視点でマーケティングに触れ、実践的なスキルを伸ばすためのチャンスです。商品開発やマーケティングの初心者から中級者、さらには現場で活躍中のベテランまで、どなたにもお勧めできるテーマを取り揃えました。全3回の参加で、あなたのビジネスに新しい価値を創造する力を養いましょう!こんな方におすすめです新商品開発やブランド構築におけるマーケティングに関わる方消費者ニーズの分析やクリエイティブな発想に興味がある方企業や店舗のリブランディングに関わる方開催概要テーマ:【ローソン元商品部長に学ぶ!】ヒット商品の裏側にあるブランド戦略 スキルアップセミナー(全3回)日時:第1回:10/30(水) 、第2回:11/20(水)、第3回:12/11(水)参加方法: オフライン (※オンライン対応も可能)場所:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア参加料:1回あたり 20,000円(税抜)講師のご紹介株式会社日本ツナガル総合研究所 代表取締役 稲葉潤一氏株式会社ローソンにて広告宣伝、マーケティング、商品開発に従事。代表的な実績には「プレミアムロールケーキ」「Lチキバンズ」の商品開発や「ローソンクルーのあきこちゃん」などのプロモーション、さらには「ナチュラルローソン」のリ・ブランディングがあります。2020年に独立し、株式会社日本ツナガル総合研究所を設立。商品開発を中心に地域企業のブランディングや事業再構築を支援するなど、業界内で多くの実績を持っています。プログラム第1回 10/30(水)13時30分~15時00分「プレミアムロールケーキは何故生まれたのか?~商品開発のリアルに迫る~」第2回 11/20(水)13時30分~15時00分「ナチュラルローソンブランドの深化と進化~成城石井とのシナジーと差別化~」第3回 12/11(水)13時30分~15時00分「”キレ”がある商品開発とは!?〜 20社以上の商品開発支援で気づいた本質的課題〜」【シェアシマの「スキルアップセミナー」とは】食品原料のプラットフォームを運営するICS-net株式会社は、シェアシマ会員の自己啓発を後押しすることを目的に、「スキルアップセミナー」を開講いたします。当セミナーでは食品業界に携わる方を対象に、業務を遂行する上で必要なスキルの習得、今後目指すキャリアをより強固するために、必要となる講座を幅広いジャンルでお届けします。当セミナーを通じて、シェアシマ会員同士が企業の枠を超えて知識・ノウハウをシェアし合い、食品業界全体の発展に寄与することを目指してまいります。

2025年は行動の年に【食品企業のためのサステナブル経営(第23回)】
前回の記事を読む:食料自給率は企業の力で上げられる【食品企業のためのサステナブル経営(第22回)】あけましておめでとうございます。新年を迎え、今回は2025年最初の記事ですので、食品企業が持続可能な未来を築くために何をすべきかを考えてみたいと思います。気候変動がもたらす現実昨年2024年は、観測記録上最も暑い年だったようです。今月末ぐらいには正式な発表があると思いますが、産業革命前と比べて世界の平均気温が1.5℃を超えた可能性が非常に高いとされています。しかしこれは、私たちがパリ協定の目標を守れなかったということではありませんし(難しくなりつつあるのは事実ですが)、ましてや、世界が直ちに終わってしまうわけでもありません。けれども昨年は、日本国内でも台風や豪雨といった気象災害が多発し、農作物の収穫や価格にも大きな影響を与えました。コーヒーやオレンジといった多くの輸入農産物の価格が高騰し、皆様もその影響を実感されたことでしょう。さらに重要なのは、これが一時的な現象ではなく、今後も続くと予測されている点です。もはや気候変動は単なる「環境問題」ではなく、企業活動の基盤そのものを揺るがす経営課題です。このような状況において、気候変動への対策を怠ることは、企業の持続可能性を危うくします。サステナブルな経営、すなわち自社を存続させる経営のためには、こうした課題に積極的に取り組んでいく必要があります。世界的な動きと食品業界の役割昨年11月にアゼルバイジャンで開催された国連気候変動枠組条約のCOP29(第29回締約国会議)では、気候変動と農業・フードシステムの関係性が大きく取り上げられました。FAO(国連食糧農業機関)は、農業・フードシステムが気候変動の大きな原因の一つであると同時に、その影響を最も受けやすい分野であると指摘しています。たとえ世界が今すぐにすべての化石燃料の使用を完全に停止したとしても、農業や畜産業からの温室効果ガス(GHG)の排出を大幅に削減しない限り、気温上昇を1.5℃以内に抑えることは難しいのです。多くの国がこの現実を受け止め、NDC(各国が決定する気候変動への貢献)において農業・フードシステムの改革を重要課題に位置付けています。しかし、日本国内ではまだこうした認識が一般に十分に浸透しているとは言えません。もちろん食品業界もその例外ではありません。いえむしろ、取り組みも認識も遅れている業界と言ってもいいぐらいです。具体的なアクションは?では食品会社は、どのような行動を取ったらいいのでしょうか。まずは自社での再生可能エネルギーの利用や省エネの推進が挙げられますが、重要なのはサプライチェーン全体での脱炭素化です。特に原料生産者との協力が鍵となります。これに加え業界特有の課題として、食品ロスや廃棄物を減らす取り組みも不可欠です。どうしても発生する廃棄食品は、それを堆肥化やバイオエネルギー化することでリサイクルを促進することが求められます。また、環境に配慮した食材や食事を選んでもらえるよう、消費者に向けた啓発活動やキャンペーンを行うことも重要です。未来の消費者である子どもたちへの教育も欠かせません。お客様からのニーズがないではなく、お客様がそれを求めるように変えていく必要があるのです。さらに、地産地消を推進することで、輸送に伴う環境負荷を軽減し、同時に地域の農家との連携を深めていくことが期待されます。近隣の農家や地域の農産物を優先的に調達することは、持続可能なサプライチェーンの構築にもつながり、経営の安定化にもつながるでしょう。行動の年に以上は決して特別なことではなく、これまでに何度も議論されてきた内容です。この連載をお読みいただいている皆様にとってはもう馴染みのある話ばかりかもしれません。しかし、重要なのは、これらをどこまで実行できているかという点です。私たちが行動を怠れば、原材料の調達がますます困難になり、気象災害による工場や店舗への影響も増加し、最終的には経営そのものが揺らぐことになります。地球規模の大きな問題だから自分たちだけでは何もできない、ではなくて、対応の仕方はいくらでもあるし、対応したところだけが生き残れるのです。もちろんそんなことはもう何度も聞いてきたと思います。ですから2025年は、こうした課題に対して実際に行動を起こす年にしていきましょう。巳年は脱皮する蛇のように、新たな成長と変化のチャンスの年だそうです。これまでのやり方から脱皮し、新たな未来を切り開く一歩を踏み出しましょう。この一年が皆様にとって素晴らしい一年となることを心よりお祈り申し上げます。次回の記事を読む:対岸の火事ではない水不足【食品企業のためのサステナブル経営(第24回)】

【2024年度】注目の原料商品 年間閲覧ランキングTOP20|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている976点(12月末日時点)のうち、2024年1月1日〜12月31日に注目を集めた原料商品トップ20をご紹介します。

【新発売】減塩・減糖効果にも貢献!「豊かなコク」を生む麹発酵調味料【興和】
食べ物の味を表現する際に使う「コク」という言葉。このたび、大豆の麹発酵により生じたペプチド類を含有して、食品に「コク」をプラスする麹発酵調味料「SavorK S(セイバー・ケー・エス)」が新登場しました。味のプロファイルを変えずに少量の添加でおいしさをアップし、減塩や減糖効果も期待できる「コク」を生む調味料を、食品開発にかしこく活用してみませんか?※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。食べ物の「コク」とは何なのか?私たちが「コクのある味わい」と言う時、実際にはどのような味わいを指しているのでしょうか。まずは、意外と正しく知られていない「コク」の正体をご紹介します。コクを支える3つの要素「コク」を国語辞典で引くと「酒などの、深みのある濃厚なうまみ(『日本国語大辞典』)」とありますが、コクは甘味・塩味・苦味・酸味・うま味から成る基本五味とは異なります。コクを構成する要素には明確な定義があり、食べ物を口にして感じた味・香り・食感の刺激に関して、「複雑さ」「口の中での広がり」「持続性」の3つを得られた時に感じられるものがコクとされています。近年ではコクを「KOKU」と表記して海外に紹介する論文も登場しています。コクが食べ物に与える効果それ自体は特有の味をもつわけではない「コク」ですが、味や香りといった食べ物から得る刺激に対して、次のような効果をもたらすとされています。味わいに重厚感や熟成感をプラスする味や香りを持続させる食品の五味をバランスよく増強するいずれもコクがもつ「複雑さ・広がり・持続性」が発揮された結果です。「コクの増強」に特化した麹発酵調味料が登場麹発酵が生むコクを活かした「SavorK S」こうしたコクに着目して誕生した麹発酵調味料が、興和株式会社(以下、「興和」)から発売された「SavorK S(セイバー・ケー・エス)」です。「SavorK S」は、大豆を麹で発酵した粉末タイプの調味料です。麹発酵によって生成したペプチド類を豊富に含んでおり、少量の添加で食品に「コク」を付与・増強する効果に優れています。このペプチド類は、味噌や醤油といった日本の伝統的な発酵食品にも含まれているおなじみの成分でもあります。