食ビジネスの課題解決に! 200種類以上の食の資格者が集う「食オタワークス」
SNSやイベントを通じて商品をPRしたい、新商品に向けて有益なヒアリングを行いたいけれど、どこに頼めばいいかわからない……。そんな食品業界のマーケティングや商品開発の悩みに応えるサービスが「食オタワークス」です。多彩なジャンルの「食の資格者」が集うコミュニティを通じて、食品や食材の魅力を効果的に伝えてみませんか?※こちらの記事は株式会社ヴァカボの提供で、シェアシマ編集部が制作しています。「食オタワークス」とは?「食オタワークス」は、多様な食育サービスを展開する株式会社ヴァカボ(本社:東京都中央区)が運営する、食の資格者と企業や自治体をつなげるマッチングサービスです。「食の資格者がスキルを活かせる場を増やす」という取り組みの一環として、2024年より本格的に始動しました。「食の資格者」に特化した食ビジネス向けコミュニティ「食オタワークス」は、同社が運営する食の資格者コミュニティ「食オタ」と連携したサービスです。ここで「食オタ」と呼ばれる登録メンバーは、全員が何らかの食の資格保有者。食に関するプロ級の知識をもち、フードロスなどの社会問題や一次産業にも関心があり、新しい食の話題も大好き。つまり、食ビジネスとの親和性がこの上なく高い、食のプロ兼食への興味関心が高い消費者の集まりなのです。
タンパク質摂取の新スタンダード! 大豆ペプチドの優れた機能で差別化を【不二製油】
疲労回復や脳機能の維持増進など、多くの健康効果が注目されている大豆ペプチド。大豆に含まれる良質なタンパク質を効率よく吸収できることから、さまざまな健康食品への活用が期待されています。今回は、さまざまな栄養生理機能をもつ大豆素材に早くから着目して研究・開発を続けてきた、不二製油株式会社の大豆ペプチドをご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。なぜ大豆ペプチドが注目される?じわじわと関連商品が増えつつある大豆ペプチド。大豆の優れた栄養機能を維持しながら、消化吸収性が高いという利点をもつ食品素材です。まずは大豆ペプチドの基本的な特長をご紹介しましょう。特長は「すばやく・効率的に吸収」大豆ペプチドは、大豆に含まれる大豆タンパクやアミノ酸に比べて吸収性に優れていることが特長です。大豆に豊富に含まれるタンパク質が、私たちの体にとって重要な栄養素であることは周知の事実。しかしタンパク質は、複数のアミノ酸がつながって形成された複雑で大きな物質のため、体内に吸収するにはまず胃や腸で消化し、タンパク質を小さくバラバラに分解する必要があります。ペプチドは、このようにタンパク質を分解する過程で生じる、アミノ酸が複数つながった状態を指します。タンパク質よりも小ぶりで吸収性に優れ、単体のアミノ酸よりも一度で多くの栄養を腸から吸収できる、いわば「栄養吸収の理想形」といえます。大豆から生まれた大豆ペプチドは、大豆タンパクを製造工程内で事前に分解して「小さなタンパク質」にした状態です。そのため、体内でより効率的に吸収できるのです。左からタンパク質⇒ペプチド⇒アミノ酸の形態を比較すると、ペプチドはタンパク質よりも分解が進んだ状態で、かつ単体のアミノ酸よりも多くの栄養が腸から吸収できることが分かる。現代人の多様な健康ニーズに応える食品素材吸収性に優れた大豆ペプチドは、「体と脳」で素早く機能を発揮するのが最大の利点です。その結果、さまざまな健康効果が期待されています。【効果1】肉体疲労の回復運動前後に大豆ペプチドを摂取することで、運動後の疲労をすばやく回復。豊富に含まれるアミノ酸が、運動時に消費されるアミノ酸量を瞬時に補います。疲労回復に有効とされるアミノ酸であるアルギニンも、大豆ペプチドには多く含まれています。また、日常的な「疲れにくい体づくり」や免疫力の向上にも貢献します。※参考:不二製油株式会社「大豆ペプチドの肉体への効果」運動などによる肉体疲労の回復に重要な役割を果たす成長ホルモンには、筋肉細胞へのアミノ酸輸送を増加させ、タンパク質合成を促す働きがある。グラフでは、大豆ペプチド摂取によって成長ホルモンの分泌促進が確認できる。※参考文献より抜粋(一部改編)。運動負荷:フルスクワット(25回×4), 試験飲料:運動直後に摂取, 採血:運動負荷前、30分後、18時間後, 被験者:健常男子16名, 年齢:20歳, BMI: 20.9±0.3, 運動履歴:定期的運動習慣なし大豆タンパク質、大豆ペプチド、およびプラセボ摂取後の成長ホルモン濃度変化。各値は初期値に対する変化量として表す。異なる文字間で有意差あり。【効果2】筋肉損傷の抑制大豆ペプチドの優れた吸収性は、運動後の筋肉損傷に対する抑制効果も期待できます。運動後の筋修復を促し、筋肉痛の予防にも効果的です。慣れない運動の数日後に多くの人が体験する遅発性筋肉痛。筋肉が損傷すると、骨格筋などに含まれるクレアチンキナーゼ(CK)が血液中に漏れ出すが、大豆ペプチド摂取後に運動した際には血中CK活性の上昇が抑えられている。※参考文献より抜粋(一部改編)。試験条件は「大豆ペプチド摂取による成長ホルモン分泌促進」グラフと同じ。大豆タンパク質、大豆ペプチド、およびプラセボ摂取後の成長ホルモン濃度変化。各値は初期値に対する変化量として表す。異なる文字間で有意差あり。【効果3】脳機能の維持増進ヒト試験を通じ、大豆ペプチドの摂取が記憶力の維持増進、集中力の維持やストレスの緩和につながることが明らかになりました。また、その機能性成分がセリルチロシン(Ser-Tyr、SY)であることも確認されています。※参考:不二製油株式会社「ブレインフードとしての大豆ペプチド」【効果4】肌質の改善コラーゲン単独よりも大豆ペプチドと併用することで、コラーゲンの効果が最大限に引き出され、肌の弾力性アップや肌の水分量保持につながる結果が確認されています。※参考:不二製油株式会社「大豆ペプチド」の美容効果大豆を原料とした素材開発をリードする不二製油今回ご紹介する大豆ペプチドを開発・製造する不二製油株式会社(本社:大阪府泉佐野市)は、幅広い食品素材を手がける会社です。なかでも栄養に優れた大豆に早くから着目して、物性や生理機能などの研究・開発を続けてきた企業でもあります。水への分散性に優れた不二製油の大豆ペプチド不二製油が製造する大豆ペプチド「ハイニュート」シリーズは、大豆タンパクを酵素分解して乾燥させた粉末タイプの製品です。水に溶かすと透き通ったようになる「透明タイプ」と、白く不透明になる「白濁タイプ」があります。透明タイプは飲料やゼリーなど、仕上がりの透明性が求められる商品に適しています。不二製油の独自技術でペプチド特有の苦みを低減し、水にも溶けやすいため、優れたハンドリング特性を発揮します。大豆ペプチド「ハイニュートAM」のシェアシマ掲載ページはこちら >>信頼の品質で海外輸出商品にも対応大豆タンパク質を原料とする不二製油の大豆ペプチドは、動物由来原料が不使用なのはもちろんのこと、ハラル/コーシャの基準にも対応し、食品安全システムの認証(FSSC 22000)を取得した工場で製造しています。長年の大豆研究に基づいた信頼性・安全性も、不二製油の大豆ペプチドならではの魅力。さまざまな食品に安心して活用できます。 大豆ペプチドで健康食品に付加価値を栄養面だけではなく、さまざまな生理機能面にも優れた大豆ペプチドは、多様な健康食品やスポーツニュートリション製品に活用できます。胃腸への消化負担が少なく効率的にアミノ酸を吸収できる特長は、とりわけスポーツ時に最適な機能といえるでしょう。大豆ペプチドのおもな用途例スポーツ飲料、ゼリー飲料、ゼリー、グミ、タブレット、サプリメント など実際に、不二製油が自社商品として販売する大豆ペプチド配合の健康ドリンク「カラダメンテ(R)プラス」は、日常的に体を動かす機会が多いユーザーのリピート率が高い定番商品だとか。魚や乳などのタンパク質から生成されるペプチドに比べて、環境負荷の少なさやサステナブル性からも注目される大豆ペプチド。大豆の研究・開発・製品化と長年向き合ってきた不二製油の技術を、新たな健康食品開発に活かしてみませんか?※参考文献:グラフ「大豆ペプチド摂取による成長ホルモン分泌促進」、グラフ「筋肉の損傷に対する大豆ペプチドの効果」Masuda K., Maebuchi M., Samoto M., Ushijima Y., Uchida Y., Kohno M., Ito R., Hirotsuka M.: Effect of soy-peptide intake on exercise-induced muscle damage. Jpn. J. Clin. Sports Med., 15, 228-235 (2007).
特集|ペットフード対応原料〜市場動向と犬・猫の健康を守る栄養基準やパッケージ表示も解説
愛らしいペットの存在は、私たちの暮らしに多くの喜びと癒しを与えてくれます。日本では、犬・猫の飼育数が子どもの人口を上回り、さらに、飼い主の健康意識の向上やペットの平均寿命も延びていることから、近年、ペット関連商品の売れ行きが好調です。なかでもペットフードは、「ヒューマングレード」と呼ばれる高品質な商品や冷凍食品も登場し、食品業界においても注目の市場となっています。そこで今回は、ペットフード開発に役立つ原料をご紹介します。あわせて、ペット関連市場の最新動向やペットフードの種類とトレンド、必要な栄養素のほか、ペットフードを開発するうえで押さえておきたいポイントについても解説します。ぜひ、商品開発の参考にしてください。ペットフード開発に役立つ原料のご紹介【ビタミン強化パン酵母】イーストパウダー・ビオチン|オリエンタル酵母工業株式会社ミネラル酵母シリーズ(亜鉛・銅・鉄・マンガン・ヨウ素・モリブデン・クロム・セレン)|オリエンタル酵母工業株式会社【アンセリン】SA-10(IK)LF|東海物産株式会社【アンセリン】SA-30(IK)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-10(ST)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-20(ST)SD|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-10(IK)LF|東海物産株式会社【イミダゾールジペプチド】AC-50(IK)SD|東海物産株式会社鶏ムネ肉プラズマローゲン(粉末タイプ)|丸大食品株式会社イキゲンコラーゲンペプチドPCAG-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCJ-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCC-1|株式会社ニゾナイキゲンコラーゲンペプチドSCAG-1|株式会社ニゾナヤギホエイプロテイン(WPC50)|株式会社ナチュラリンクヤギ脱脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンクヤギ全脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンク【免疫賦活】アスコフィランHS【海藻由来】|林兼産業株式会社植物発酵エキスビオチームMCパウダー|株式会社日本生物.科学研究所胡麻ミネラル乳酸体パウダー|株式会社日本生物.科学研究所有機あした葉パウダー|株式会社日本生物.科学研究所あした葉ポリフェノールCHALSAP-P8|株式会社日本生物.科学研究所納豆菌培養エキスNSK-SD|株式会社日本生物.科学研究所エンドウタンパク|リンクフード株式会社北海道産 菊芋粉末|赤坂T・M株式会社乾燥納豆|有限会社川口納豆ABM植物由来乳酸菌(殺菌)|株式会社JBBMファクトリーABM植物由来乳酸菌(生菌)|株式会社JBBMファクトリービフィスリム菌KMH001|株式会社キティークリスパタス菌KT-11(KT-11HP)|株式会社キティークリケットパウダー(脱脂)|サントレック株式会社オメガヴィーパウダー100|ミヨシ油脂株式会社【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーSH(大豆配合品)|株式会社エコロギー【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーW(コーンスターチ配合品)|株式会社エコロギーグリルイーストB/H|株式会社樋口商会
1月14日更新|行政情報【厚生労働省・消費者庁】
厚生労働省「輸入食品違反事例速報(令和7年1月分)」が更新されました。(令和7年1月9日)消費者庁「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和7年1月9日)
【開催レポート】ローソン元商品部長に学ぶ!ヒット商品の裏側にあるブランド戦略スキルアップセミナー
2024年10月から12月にかけて、「ローソン元商品部長に学ぶ!ヒット商品の裏側にあるブランド戦略スキルアップセミナー」が開催されました。全3回のシリーズ形式で行われた本セミナーでは、ローソンで「プレミアムロールケーキ」やナチュラルローソンのリ・ブランディングを手掛けた稲葉潤一氏を講師に迎え、消費者ニーズの分析や差別化戦略、新商品の発想法などが具体的な事例を基に解説されました。稲葉氏は数々のブランド戦略を手掛けた経験を持つ業界の第一人者で、その豊富な経験を基にした実践的な内容は、多くの参加者から高い評価を得ました。マーケットインの重要性を実感!ヒット商品を生むプロセスを徹底解明第1回では「プレミアムロールケーキ」誕生の背景を深掘りし、商品開発のプロセスや消費者ニーズを捉える重要性について学びました。第2回では「ナチュラルローソン」のリ・ブランディングをテーマに、差別化と市場分析のポイントを具体例を交えて紹介。最終回となる第3回では、稲葉氏が商品開発支援で得た本質的課題について講義し、活発な意見交換が行われました。セミナー参加者から集めたアンケートでは「実例が豊富でわかりやすい」「具体的で業務に直結する内容だった」といったポジティブな声が多く寄せられました。また第3回は、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催。参加者同士の交流も活発化し、研修を超えたつながりが生まれました。参加者の声今回のテーマ、ローソンのプレミアムロールケーキの裏話、事情は具体性のある話で分かりやすかったです。考えや行動の原点となる言動や思考を学ぶための書籍や具体的行動を例示してもらえるのは、非常にありがたいです。どんな分析をするにしても、市場を明確にすることの重要性を再認識しました。社内の一部がマーケットインの考え方に消極的な中、長らく実践されて成果を出してこられた講師の方と出会えてうれしかったです。今回のように、シリーズ形式で体系的に学ぶスタイルも好評で、次回開催への期待が高まっています。シェアシマでは引き続き、食品業界の現場で役立つセミナーを企画し、皆様のスキルアップを支援してまいります。<今回開催されたセミナーの概要>シェアシマでは、食品業界に携わる方のためのスキルアップセミナーを不定期開催しております。このたび、ローソンの「プレミアムロールケーキ」やナチュラルローソンのリ・ブランディングに携わり、業界で多くの成功事例を持つ、株式会社日本ツナガル総合研究所 稲葉潤一氏をお迎えし、10月30日から全3回の特別セミナ―を開催することにいたしました。稲葉氏の豊富な経験をもとに、消費者ニーズの分析から商品開発のプロセス、さらには差別化戦略の重要性までを解説します。広い視点でマーケティングに触れ、実践的なスキルを伸ばすためのチャンスです。商品開発やマーケティングの初心者から中級者、さらには現場で活躍中のベテランまで、どなたにもお勧めできるテーマを取り揃えました。全3回の参加で、あなたのビジネスに新しい価値を創造する力を養いましょう!こんな方におすすめです新商品開発やブランド構築におけるマーケティングに関わる方消費者ニーズの分析やクリエイティブな発想に興味がある方企業や店舗のリブランディングに関わる方開催概要テーマ:【ローソン元商品部長に学ぶ!】ヒット商品の裏側にあるブランド戦略 スキルアップセミナー(全3回)日時:第1回:10/30(水) 、第2回:11/20(水)、第3回:12/11(水)参加方法: オフライン (※オンライン対応も可能)場所:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア参加料:1回あたり 20,000円(税抜)講師のご紹介株式会社日本ツナガル総合研究所 代表取締役 稲葉潤一氏株式会社ローソンにて広告宣伝、マーケティング、商品開発に従事。代表的な実績には「プレミアムロールケーキ」「Lチキバンズ」の商品開発や「ローソンクルーのあきこちゃん」などのプロモーション、さらには「ナチュラルローソン」のリ・ブランディングがあります。2020年に独立し、株式会社日本ツナガル総合研究所を設立。商品開発を中心に地域企業のブランディングや事業再構築を支援するなど、業界内で多くの実績を持っています。プログラム第1回 10/30(水)13時30分~15時00分「プレミアムロールケーキは何故生まれたのか?~商品開発のリアルに迫る~」第2回 11/20(水)13時30分~15時00分「ナチュラルローソンブランドの深化と進化~成城石井とのシナジーと差別化~」第3回 12/11(水)13時30分~15時00分「”キレ”がある商品開発とは!?〜 20社以上の商品開発支援で気づいた本質的課題〜」【シェアシマの「スキルアップセミナー」とは】食品原料のプラットフォームを運営するICS-net株式会社は、シェアシマ会員の自己啓発を後押しすることを目的に、「スキルアップセミナー」を開講いたします。当セミナーでは食品業界に携わる方を対象に、業務を遂行する上で必要なスキルの習得、今後目指すキャリアをより強固するために、必要となる講座を幅広いジャンルでお届けします。当セミナーを通じて、シェアシマ会員同士が企業の枠を超えて知識・ノウハウをシェアし合い、食品業界全体の発展に寄与することを目指してまいります。
2025年は行動の年に【食品企業のためのサステナブル経営(第23回)】
前回の記事を読む:食料自給率は企業の力で上げられる【食品企業のためのサステナブル経営(第22回)】あけましておめでとうございます。新年を迎え、今回は2025年最初の記事ですので、食品企業が持続可能な未来を築くために何をすべきかを考えてみたいと思います。気候変動がもたらす現実昨年2024年は、観測記録上最も暑い年だったようです。今月末ぐらいには正式な発表があると思いますが、産業革命前と比べて世界の平均気温が1.5℃を超えた可能性が非常に高いとされています。しかしこれは、私たちがパリ協定の目標を守れなかったということではありませんし(難しくなりつつあるのは事実ですが)、ましてや、世界が直ちに終わってしまうわけでもありません。けれども昨年は、日本国内でも台風や豪雨といった気象災害が多発し、農作物の収穫や価格にも大きな影響を与えました。コーヒーやオレンジといった多くの輸入農産物の価格が高騰し、皆様もその影響を実感されたことでしょう。さらに重要なのは、これが一時的な現象ではなく、今後も続くと予測されている点です。もはや気候変動は単なる「環境問題」ではなく、企業活動の基盤そのものを揺るがす経営課題です。このような状況において、気候変動への対策を怠ることは、企業の持続可能性を危うくします。サステナブルな経営、すなわち自社を存続させる経営のためには、こうした課題に積極的に取り組んでいく必要があります。世界的な動きと食品業界の役割昨年11月にアゼルバイジャンで開催された国連気候変動枠組条約のCOP29(第29回締約国会議)では、気候変動と農業・フードシステムの関係性が大きく取り上げられました。FAO(国連食糧農業機関)は、農業・フードシステムが気候変動の大きな原因の一つであると同時に、その影響を最も受けやすい分野であると指摘しています。たとえ世界が今すぐにすべての化石燃料の使用を完全に停止したとしても、農業や畜産業からの温室効果ガス(GHG)の排出を大幅に削減しない限り、気温上昇を1.5℃以内に抑えることは難しいのです。多くの国がこの現実を受け止め、NDC(各国が決定する気候変動への貢献)において農業・フードシステムの改革を重要課題に位置付けています。しかし、日本国内ではまだこうした認識が一般に十分に浸透しているとは言えません。もちろん食品業界もその例外ではありません。いえむしろ、取り組みも認識も遅れている業界と言ってもいいぐらいです。具体的なアクションは?では食品会社は、どのような行動を取ったらいいのでしょうか。まずは自社での再生可能エネルギーの利用や省エネの推進が挙げられますが、重要なのはサプライチェーン全体での脱炭素化です。特に原料生産者との協力が鍵となります。これに加え業界特有の課題として、食品ロスや廃棄物を減らす取り組みも不可欠です。どうしても発生する廃棄食品は、それを堆肥化やバイオエネルギー化することでリサイクルを促進することが求められます。また、環境に配慮した食材や食事を選んでもらえるよう、消費者に向けた啓発活動やキャンペーンを行うことも重要です。未来の消費者である子どもたちへの教育も欠かせません。お客様からのニーズがないではなく、お客様がそれを求めるように変えていく必要があるのです。さらに、地産地消を推進することで、輸送に伴う環境負荷を軽減し、同時に地域の農家との連携を深めていくことが期待されます。近隣の農家や地域の農産物を優先的に調達することは、持続可能なサプライチェーンの構築にもつながり、経営の安定化にもつながるでしょう。行動の年に以上は決して特別なことではなく、これまでに何度も議論されてきた内容です。この連載をお読みいただいている皆様にとってはもう馴染みのある話ばかりかもしれません。しかし、重要なのは、これらをどこまで実行できているかという点です。私たちが行動を怠れば、原材料の調達がますます困難になり、気象災害による工場や店舗への影響も増加し、最終的には経営そのものが揺らぐことになります。地球規模の大きな問題だから自分たちだけでは何もできない、ではなくて、対応の仕方はいくらでもあるし、対応したところだけが生き残れるのです。もちろんそんなことはもう何度も聞いてきたと思います。ですから2025年は、こうした課題に対して実際に行動を起こす年にしていきましょう。巳年は脱皮する蛇のように、新たな成長と変化のチャンスの年だそうです。これまでのやり方から脱皮し、新たな未来を切り開く一歩を踏み出しましょう。この一年が皆様にとって素晴らしい一年となることを心よりお祈り申し上げます。
【2024年度】注目の原料商品 年間閲覧ランキングTOP20|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている976点(12月末日時点)のうち、2024年1月1日〜12月31日に注目を集めた原料商品トップ20をご紹介します。
【新発売】減塩・減糖効果にも貢献!「豊かなコク」を生む麹発酵調味料【興和】
食べ物の味を表現する際に使う「コク」という言葉。このたび、大豆の麹発酵により生じたペプチド類を含有して、食品に「コク」をプラスする麹発酵調味料「SavorK S(セイバー・ケー・エス)」が新登場しました。味のプロファイルを変えずに少量の添加でおいしさをアップし、減塩や減糖効果も期待できる「コク」を生む調味料を、食品開発にかしこく活用してみませんか?※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。食べ物の「コク」とは何なのか?私たちが「コクのある味わい」と言う時、実際にはどのような味わいを指しているのでしょうか。まずは、意外と正しく知られていない「コク」の正体をご紹介します。コクを支える3つの要素「コク」を国語辞典で引くと「酒などの、深みのある濃厚なうまみ(『日本国語大辞典』)」とありますが、コクは甘味・塩味・苦味・酸味・うま味から成る基本五味とは異なります。コクを構成する要素には明確な定義があり、食べ物を口にして感じた味・香り・食感の刺激に関して、「複雑さ」「口の中での広がり」「持続性」の3つを得られた時に感じられるものがコクとされています。近年ではコクを「KOKU」と表記して海外に紹介する論文も登場しています。コクが食べ物に与える効果それ自体は特有の味をもつわけではない「コク」ですが、味や香りといった食べ物から得る刺激に対して、次のような効果をもたらすとされています。味わいに重厚感や熟成感をプラスする味や香りを持続させる食品の五味をバランスよく増強するいずれもコクがもつ「複雑さ・広がり・持続性」が発揮された結果です。「コクの増強」に特化した麹発酵調味料が登場麹発酵が生むコクを活かした「SavorK S」こうしたコクに着目して誕生した麹発酵調味料が、興和株式会社(以下、「興和」)から発売された「SavorK S(セイバー・ケー・エス)」です。「SavorK S」は、大豆を麹で発酵した粉末タイプの調味料です。麹発酵によって生成したペプチド類を豊富に含んでおり、少量の添加で食品に「コク」を付与・増強する効果に優れています。このペプチド類は、味噌や醤油といった日本の伝統的な発酵食品にも含まれているおなじみの成分でもあります。
“知ってもらうが第一歩” 新製品展開の鍵は認知から【扶桑化学工業】
扶桑化学工業株式会社は、食品や医薬品、電子材料など幅広い分野で活躍する化学メーカーです。クエン酸やリンゴ酸といった有機酸製品を通じて、食品加工の課題解決や品質向上に貢献してきました。同社はこれまでの実績にとどまらず、新たな製品展開や顧客層の開拓に積極的に取り組んでいます。その中で、シェアシマを活用した販路開拓や認知向上の取り組みについて、詳しくお話をうかがいました。話を聞いた相手(左)ライフサイエンス事業部 営業開発本部 営業開発部 営業開発課 係長代理兼 企画開発室 事業開発部 川﨑 悠里子さん(右)ライフサイエンス事業部営業開発本部 商品開発部 係長代理 松本悠暉さん
ダイエットに役立つ食品素材のご紹介〜バランスのとれた食事と運動習慣をサポート〜
健康的にダイエットをするには、バランスの取れた食事と適度な運動が基本です。しかし、忙しい現代人が、これらをしっかり実践するのは容易ではありません。そうした中、食事で不足しがちな栄養素を補ったり、運動をサポートしたりするために消費者の関心を集めているのが「ダイエット食品」です。今回は、健康的なダイエットの基礎知識のほか、ダイエットに関連する機能性表示(ヘルスクレーム)と主な成分・商品例、ダイエット食品開発に役立つ原料をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。健康的なダイエットの基礎知識|肥満の定義と改善ポイント健康的なダイエットのためには、バランスのとれた食事と適度な運動、十分な睡眠など、基本的な生活習慣の改善が不可欠です。ここでは、肥満とは何かについて解説した後、食事・運動・睡眠の改善ポイントを紹介します。「肥満」や「やせ」の状態・程度をチェックするとき、「BMI(Body Mass Index)」が参考になります。BMIは「 体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)」という計算式で算出できます。一般的には、BMIの値が「18.5未満」は低体重、「18.5〜25.0」は普通、「25.0以上」を肥満としています。注意点としては、BMIによる肥満ややせの判断は、14歳以下には適用できません。また、スポーツ選手など、筋肉や骨の割合が多い人は、BMIが大きくても肥満とはいえないケースが多いです。食事・運動・睡眠の改善ポイント食事は、主食や主菜、副菜を組み合わせた食事を基本とし、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。また、夜遅い時間の食事や、食べた後にすぐに寝る習慣があると、太りやすくなります。 運動は、週150分程度を目安に、ウォーキングやラジオ体操、筋力トレーニングを継続的に取り組むことが推奨されています。また、睡眠とダイエットは一見関係がなさそうに見えますが、ダイエットを成功させる上では睡眠は大切な要素です。良質な睡眠をとることで、ホルモンの分泌量が安定・増加して、代謝の向上や食欲の抑制などの効果が期待できます。極端な食事制限や過度な運動は、長続きしにくいだけでなく健康を害してしまう危険性があります。無理な減量のために、身体を壊してしまっては元も子もありません。健康的に美しくあるためには、「BMI」を参考にしながら、適正体重を維持することが大切です。※参考:農林水産省「健康的な毎日を過ごすために」
【受付中】美味しさづくりの幅を広げる商品開発のポイント ~総菜・製菓製パン・スイーツ商品の魅力をグレードアップ~(1/29)
当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2025年1月29日(水)に予定しています、第56回のテーマは、「美味しさづくりの幅を広げる商品開発のポイント~総菜・製菓製パン・スイーツ商品の魅力をグレードアップ~」です。本セミナーでは、味に厚みやコクを加える原料や、既存素材の代替として活用可能な原料を詳しくご紹介します。これらは美味しさのグレードアップだけでなく、コスト削減にも貢献。特に、総菜・製菓製パン・スイーツの開発をお考えの方に最適です。リアルタイムで質問できるQ&Aセッションもご用意しています。現場の疑問や課題を直接解消できる絶好の機会です。ぜひこの機会にご参加いただき、商品開発の新たな可能性を探ってみませんか?開催概要テーマ:美味しさづくりの幅を広げる商品開発のポイント~総菜・製菓製パン・スイーツ商品の魅力をグレードアップ~日時:2025年1月29日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込方法:https://shareshima.com/seminars/20250129※ こちらでお申し込みを受け付けた後、メールにて参加URLをお送りします。申込締切:2025年1月29日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介1.「米飯用品質改良剤『デリシャリ』と発酵調味料『クレム・レブール』のご紹介」オリエンタル酵母工業株式会社(20分)「デリシャリ」は米飯の老化抑制、割れ潰れ防止、歩留り向上を付与する品質改良剤です。「クレム・レブール」は乳特有の香りや甘味、後引くコクを食品に付与する発酵調味料です。美味しさづくりの幅を広げる活用方法をご紹介します。2. 「昆布の香りを強化した新商品「だししるべL-濃昆」のご紹介」宝酒造株式会社(20分)独自製法により、良質な昆布の香りと味わいを高めた昆布調味料「だししるべL-濃昆」をご紹介します。北海道産日高昆布を使用し、醤油などのベースの調味料に負けない昆布感を実現しました。少量でも昆布の風味を感じられる高力価タイプの商品です。 3.「コストダウン・美味しさ向上・ロングライフ化の三位一体!製菓製パン向け「オキシナジー」「コート果実酸」のご紹介」 扶桑化学工業株式会社(20分)菓子製品において油脂の酸化による風味劣化の抑制、光による色素退色の抑制に少量添加で高い効果を発揮する「オキシナジー」、パン製品において製造中のイースト活性を阻害することなく防カビ性と老化耐性を向上させる「コート果実酸G80」のご紹介です。消費者満足度向上とロングライフ化による販売機会損失の最小化をサポートします。3.その他次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。
品質改良剤のご紹介〜風味や栄養、保存性を高めて食品に付加価値を〜
食品の品質は、安全性や味、風味、見た目、食感、栄養価、保存性など、さまざまな要素によって評価されます。消費者が求めるのは、おいしく安全で栄養価の高い食品です。食品業界では、これらを向上させるためにさまざまな取り組みが行われています。品質の高い食品は、消費者の満足度を高めるだけでなく、企業のブランド価値を向上させることにもつながります。今回は、品質改良剤の特徴や活用のメリットを解説すると共に、関連商品をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。
静岡県内食品関連事業者100名超が参加!大盛況となった未利用食材活用セミナー&交流会
公益財団法人 静岡県産業振興財団 フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターは、11月19日(火)に「未利用食材活用セミナー&マッチング交流会~アップサイクルで創る 持続可能な食の未来~」を開催しました。フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターは、2024年度より未利用食材を活用した食のアップサイクルに取り組む企業を支援する新たな事業をスタート。ICS-net株式会社(以下、弊社)はともに静岡県内の未利用食品の調査委託を今年度進めてきました。その調査内容や明らかになった課題について、弊社代表小池祥悟より「食品ロスから価値へ 未利用食品アップサイクルの実践」と題して講演を実施しました。60名の定員をはるかに上回る100名超が参加、大盛況となったセミナーと交流会の様子をレポートします。(シェアシマ編集部)静岡県一帯のビジネスチャンスやサステナブルな商品作りの推進を支援セミナーは、フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンター長の望月誠様の挨拶からスタートしました。望月様からは、世界中でエネルギー・食糧に関する技術革新が目覚ましい一方、今後くる食糧危機にどの様に対応するかがグローバルな視点では大きな課題であり、2030年の世界人口100億人突破を目前にますます食糧不足が深刻になるのではないか、という問題提起がありました。その問題解決のために、食品ロスを1%でも2%でも減らしていけば人口増に対応する手立てとなること、新しい技術を生かし未活用素材の研究開発も進めていく必要があることを指摘しました。望月様は「事業者間のアップサイクルは簡単に実現できるものではない」とした上で、「マッチング事例や情報があれば、フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターまで寄せていただくように」と呼び掛けました。「相談をもとに支援策を考えていきたい」と今後も意欲的に事業を展開していく姿勢が印象的でした。続いて、プロジェクト推進部長・丸山幸治様からは、フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターの活動背景や静岡県での調査実態について発表がありました。フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターでは「サスティナブルな仕組み、製品作り」の一環として「未利用食品の活用事業」を推進しています。現状として静岡県では、食品加工製造業が他府県よりも多く立地していることから、全体17万トンの食品ロスのうち7割が事業者系の食品ロスとなっています。これは他府県の5割程度よりも多い数字ということです。実態を把握すべく、フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターでは2024年に静岡県内2000事業者にアンケート配布を実施。453件から回答を得ました(回収率22.7%)。そのうち、具体的な未利用食材の提供・活用に関する回答は196件に上りました。この調査で、未利用食材の種類や活用方法が明らかになったことに加え、さまざまな課題が浮かび上がりました。例えば、発生時期や品質が不安定であること、規格外の仕分けコストが生じること、対応できる人手が足りないこと、生鮮品は腐敗しやすく保管が困難であること、またその衛生管理、物流問題など、内容は多岐に渡りました。丸山様は、会場に足を運んだ来場者の他、中間加工・物流などの関連企業が協力し合うことで「課題解決が実現できるはずだ」とお話しされました。フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターでは2024年10月より、食に関するマッチングを活性化させる相談窓口をオープンさせており、随時相談を受け付けているとのことです。丸山様からは最後に、業務用原料を全国に向け掲載・販売拡大するためにシェアシマを活用してほしいと、弊社サービスをご紹介いただき、「未利用食材を生かしたアップサイクルを一層活性化させていくために、会場で交流を深めていただきたい」と呼び掛けました。もっと食品ロスの無くなる静岡県へ!出口先の確保とまずは小さく動かしてみることへの重要性弊社小池は「食品ロスから価値へ 未利用食品アップサイクルの実践」と題して、長野市での未利用原料の調査・アップサイクル商品企画開発の取り組み、宝島社様との米粉パン・ホエイパンの取り組みについて、さらにはこの度の静岡県との調査について、講演しました。静岡県は、食品・飲料製造業が非常に盛んな県です。今回の実態調査では、「未利用原料としてお茶の茶葉、うなぎの頭・骨、カツオ・まぐろを中心とした魚の端材、加工にはコストがかかる小さなサイズのさつまいもなど再利用可能性があるものが一定数存在していた」と報告しました。一方で、調査から見えた課題として、余剰在庫や端材などのマッチングが困難であり、その理由として、大きく3点を指摘。情報不足と連携の欠如品質や賞味期限の制約が生じていることコストと利益のバランスとし、地域が一体となり検討していく必要があることなどに触れました。続いて、県内ですでに生まれているマッチング事例として、酒粕を使ったケーキの開発や練製品端材が惣菜製造業に引き取られた事例を紹介し、さらなるマッチングを加速させるために、県内流通だけでなく県外にも届くよう、問屋卸業・商社含む販売会社と未利用食品の発生元との連携が不可欠であることを指摘しました。最後に、来場者に向けたメッセージとして「県内アップサイクルを実現させる」という静岡県の熱い思いや、全国都道府県が同様の取り組みを模索する中での実行力や先進性を強調しました。同時に、今回のセミナー交流会の実施も非常に大きな出来事として捉えていること、県内の事業者がフーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターをハブとして有効活用し「もっと食品ロスが少ない静岡県」になることに期待を寄せました。会場から寄せられた質問には、実施できる小さなビジネスサイズから挑戦することを推奨したいことや、補助金を有効活用すること、販売出口をしっかりと確保することの重要性を説明しました。新たなバリューチェーン構築には、一次産業・加工現場との相互理解が不可欠続いて、株式会社良品計画(東京都文京区)の食品部事業統括担当部長の向田宗敬様より、食品製造業会と小売業のマッチングの重要性や今後の交流への期待について講演がありました。MUJIブランド食品部として、今後店舗と地域の消費者の心との「つながり」を重要視した店づくり・商品化を担っていきたいことから、地域課題へ目を向け、地域の活性化につながる取り組みを推進していく事業方針について説明があり、ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス))を重要視した事業活動のうち「地域食材の地産多消による地域貢献」の事例として、すでに実装されているブラウンチーズの商品・外食メニュー展開、豊島レモンの衣食住への商品化の事例共有がありました。向田様は最後に、小売側は加工会社・バリューチェーンのマッチングに悩んできたことから、「交流会では情報交換をぜひお願いしたい」と伝えました。その上、ぜひこの機会に一次産業・加工現場の原料状況や課題を共有し、生産者にも小売側の現状を知ってもらいたいと、相互理解が大切であることを示していました。静岡県内のパイオニア企業の取組発表フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションセンターと弊社による調査成果として、静岡県内にて先進的な未利用原料の活用の取り組みを行う企業が数多く存在することが明らかになったことから、4つの県内事業者から事例発表がありました。まず、静岡市に支店がある株式会社オカラテクノロジズ(宮崎市)から、未利用原料としてのおからの可能性とターゲットに基づいた勢いある販売店開拓についての報告がありました。続いて、業務用食品卸問屋である株式会社濱村屋(静岡市)は、給食・外食向けの未利用原料を活用した30品以上の業務用商品開発の実績や今後も積極的に商品開発をおこなっていくことを説明しました。清水地区の商社・フジ物産株式会社(静岡市)は、マグロの尾の身の有効活用を通じて目指すものや、「静岡といえば、マグロの尾と言われるようになりたい」との志を中心に推進してきた地域での取り組みについて、また今後はマグロ船の課題解決に取り組んでいく展望について発表しました。最後に、株式会社平出章商店(静岡県浜松市)は、製菓製パンの機会材料を扱う専門商社として、静岡の一次産品・農産物の未利用品を加工する仕組みづくりとして工場を設立、地域関係者を巻き込んで加工場のビジネス拡大を測っていく事業方針について話しました。交流会では県内事業者100名超が名刺交換を実施セミナーの最後には、マッチング交流会がありました。配られた参加者名簿をもとに、情報交換を行いたい事業者同士が、名刺交換をしました。積極的に名刺を交わす様子が見られ、互いのニーズや課題を共有し合う中で、他にマッチングしそうな企業を推薦・紹介し合う姿もありました。自社のサンプルやチラシを持参しながら複数の会社が同時に商談の約束を取り付けている場面も見受けられ、各社間で活発な情報交換が行われました。大変盛況であった本会合に続き、全国の自治体で同様の活動が活発化し、食品事業者、関連企業様の繋がりが強まるよう、ICS-netでは各方面にてご支援を続けてまいります。
食感分析のパイオニア|「おいしい食感の数値化」を独自技術で追究【タケトモ電機】
歯ごたえ、舌触り、弾力などのさまざまな「食感」は、味や香りと同様においしさを支える大きな要素。一方で、食品の開発現場では「職人の勘」などの主観に頼りがちな部分でもあります。今回は、人が食べる時に感じる「食感」の違いを物理的に測定し、正確な再現化を実現する「食感分析」のパイオニア、タケトモ電機をご紹介します。※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。なぜ「おいしさ」に食感が必要なのか?サクサク、もっちり、ツルツル……日本語にみられる食感を表す表現の多彩さからも、私達が食事する時には、無意識に食感を重要視していることがわかります。食品のおいしさと食感には、じつは密接なつながりがあるのです。「食感」がおいしさを決める食品ジャンルとは人が何かを食べて「おいしい」と感じる時、舌では「味」を、鼻では「香り」を感じています。こうした化学的要素に加え、食べ物を口の中で咀嚼した時に感じる「食感(テクスチャー)」という物理的要素も、おいしさを支える大きな要素になります。以下の研究結果からも、液体よりも固形の食品ほど、おいしさを感じる要因に食感(物理的要素)が大きく関与していることがわかります。※参考:食肉科学技術研究所「食品の物理的性質を反映する「テクスチャー」について」食生活の多様化にも「食感」がカギを握る近年ではチルド食品の普及などにより、「冷めてもおいしい」「時間が経ってもおいしい」食品への消費者ニーズが高まっています。ボソボソと硬いご飯を誰もが「まずい」と感じるように、冷めたり一定の時間が経過したりという条件下での「おいしさ」こそ、食感に大きく左右されます。現代の「飽きられないおいしさ」を追求するため、食感の重要度はますます上がっているといえます。食感分析機器のパイオニア「タケトモ電機」約60年前に世界初の食感分析器を製品化株式会社タケトモ電機(本社:埼玉県川越市)は、1963年に創業した分析機器の開発・製造会社。1966年に世界初の食感分析器を製品化した、この分野の先駆的メーカーです。現在では主に食品関連のメーカーや研究所、教育機関などに向けて、独自の食感分析器を開発・製品化しています。食感分析器のロングセラー「テンシプレッサー」タケトモ電機の主力製品「テンシプレッサー(TENSIPRESSER)」は、1976年に発売されたPC制御タイプの食品分析器です。その最大の特長は、人が口の中で「咀嚼する」感覚をよりリアルに再現して物理的に計測し、数値化できる点にあります。「テンシプレッサー」の特徴や機器の動きを、動画でぜひご覧ください。
機能性表示食品とは〜特定保健用食品(トクホ)との違いとメリットも解説!
消費者の健康志向の高まりから、健康増進に役立つ食品の需要拡大が続く中、特に注目の的となっているのが「機能性表示食品」です。この記事では、機能性表示食品の概要から、特定保健用食品(トクホ)・栄養機能食品との違い、国内の市場規模、機能性表示食品を開発するメリットまでをわかりやすく解説します。シェアシマ掲載の「機能性表示食品対応原料」は、次の記事でご紹介しています。
特集|機能性表示食品対応原料〜人気成分&ヘルスクレーム別おすすめ商品のご紹介
食品業界で注目を集める「機能性表示食品」。その市場は、消費者の健康志向の高まりを受けて急速に拡大しています。事業者の責任で、科学的根拠に基づく機能性を表示できるこの制度は、企業にとって競争力を高めるための手段となっています。本記事では、機能性表示食品対応原料を人気成分とヘルスクレーム別にご紹介します。ぜひ参考にしてください。機能性表示食品とは何か、特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品との違いのほか、機能性表示食品を開発するメリットについては、次の関連記事で解説しています。
食料自給率は企業の力で上げられる【食品企業のためのサステナブル経営(第22回)】
前回の記事を読む:食料自給率の意味を考える【食品企業のためのサステナブル経営(第21回)】前回は、日本の食料自給率は38%と先進国の中でも際立って低いこと、そして、実はこれが戦後に「作られた」低さであり、それが食品会社の事業を不安定にしている現実をお話ししました。今回はその続編として、一企業が自給率を上げることができるのか?についてお話ししたいと思います。本当はもっと低い、日本の食料自給率現在の日本の自給率の38%という値ですが、実はこの値すらかなりの過大評価であり、本当の自給率はもっと低いという指摘もあります。なぜなら通常農業を行うためには肥料が必要ですが、日本は化学肥料の原料をほぼ100%輸入しているからです。新型コロナやロシアのウクライナ侵攻で、2022年には肥料価格が一年間でなんと2倍近くに跳ね上がりましたが、このことは消費者以上に日本の農家を傷つけました。さらには、リン酸アンモニウムは90%を、尿素も37%を中国から輸入しており、今後の大きなリスク要因として気になるところです。万一こうした輸入肥料が使えなくなったとしたら、現在の農法では、国内生産量は半減してしまうと予測されます。さらに自給率が比較的高い野菜においても、種子の9割は海外から輸入しています。もちろん国内の種苗会社もあるのですが、採種の畑はほとんど海外にあるのです。東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授は、こうした現状を踏まえると、日本の本当の自給率は10%にも満たないと試算しています。「国産」はリスク回避のための選択肢いや、まぁそれはたしかに重要な話だけれど、うちの会社一社でどうにかできる問題ではない。国が政策として取り組むべき課題だろう、そういう声が聞こえてきそうです。たしかに国に一番頑張っていただきたいところなのですが、これは食品会社にとっての死活問題でもあるのです。そのリスク対策として個社でも対策をすべきですし、できることもあります。それは第一に、なるべく国産の原材料を使うことです。近隣で生産された原材料を使うのが一番ですが、すべてのものが近隣で賄えるわけではないでしょうから、その場合にはまずは国産で良いでしょう。これは国際紛争などのリスクや円安の影響を回避するだけでなく、国内生産者を支援し、そうした問題を将来的に発生しにくくするという効果があります。また輸送距離が短くなるので、いわゆるフードマイレージも小さくなり、温室効果ガスの発生のほか、輸送にまつわる環境負荷を減らすことができます。使用する原材料の種類によってはどうしても国産では無理、海外からの原材料を使わざるを得ないというケースもあるでしょう。そんな場合でも、それがどこから来ているのかを確認し、調達地を分散させることはリスク回避になりますし、できれば調達地と直接つながっておくとさらに安心です。どこ産でも構わないからとにかく一番安い原料を使うというやり方では、何か起きたときに対応ができなくなってしまいますし、そうした考え方は次第に消費者からも支持されなくなりつつあります。付加価値を作ることが経営の本質しかし、近場や国産の原材料にこだわると、原材料コストがかさんでしまう。そんなことは無理だ、という意見の方もいらっしゃるでしょう。たしかにそういう点は否定できません。ただし、今後、輸入原材料の価格が高騰した場合には、国産原材料の方が価格が安くなったり、少なくとも価格差が小さくなっていくことは十分に考えられます。そして何より、コストや価格のみを競争優位性とすることのリスクを理解して欲しいと思います。国産の原材料を使って若干コストが高くなったとしても、それを上回る付加価値を作ればいいのです。もっと言えば、そうした付加価値を作ることがサステナブル経営、いえあらゆる経営の本質なのです。価格で競争するのは、けっして持続可能ではありません。自給率向上のための政策提言の意義もちろんそのようなやり方がすべての商品にいきなり適用できるわけではないかもしれません。また、やはり一社でできることには限界はあるでしょう。ですから、次のステップは、そうした国産原材料を使うことを重視する食品メーカーが集まり、自給率を高めようという世論を喚起し、自治体や国に支援策を求めることです。ちなみにアメリカを含めて多くの国では生産者に莫大な補助金を支払い、そのことで高い自給率を維持しています。こうした政策提言は特定企業の利益のためではなく、地域や日本という国全体の安全と持続可能性のために役立つことですので、多くの消費者や関係者から支持されるでしょう。そして、そのような声を上げた企業は、消費者を含めて国全体のことを考える企業として、評判を高めることができます。つまり、これはブランディングにもつながるのです。このように問題の本質を捉え、それを解決することを自ら実践し、またその意義を広くアピールすることは、サステナブル経営の本道と言えるでしょう。ピンチは次のチャンスのきっかけでもあるのです。次回の記事を読む:2025年は行動の年に【食品企業のためのサステナブル経営(第23回)】
【11月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている972点(11月末日時点)のうち、2024年11月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。