酸化防止剤のご紹介〜食品の風味や色、保存性を長持ちさせる添加物〜
食品の品質劣化の主な原因の一つが、食品に含まれる成分の「酸化」です。酸化が進むと、食品は色や風味が損なわれるだけでなく、栄養価が減少したり、酸化によって発生した過酸化物が原因となり、吐き気や嘔吐などの中毒症状を引き起こすこともあります。今回は、食品の酸化を防ぐための「酸化防止剤」の活用法やそのメリット、さらに世界規模でのニーズや動向についても紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。酸化防止剤とは酸化防止剤は、食品の酸化を防ぐために使われる添加物です。食品が空気に触れることで酸化が進むと、色や風味が変化し、栄養価も低下します。酸化防止剤は、こうした劣化を防ぎ、食品の品質を保つために使用されます。つまり、酸化防止剤は、食品の成分に代わって自ら酸化されることによって、食品の品質の低下を防ぎます。代表的な酸化防止剤酸化防止剤は、大きく分けて「脂溶性」と「水溶性」の2つに分類されます。食品に含まれる成分に適した酸化防止剤を適切に使用することが大切です。脂溶性酸化防止剤油に溶けやすく、主に油脂の過酸化物の発生を抑える目的で利用されることが多いです。
11月19日更新|行政情報【農林水産省・消費者庁】
農林水産省「風味調味料の日本農林規格」が一部改正されました。(令和6年11月15日)「マカロニ類の日本農林規格」が一部改正されました。(マカロニ類についての検査方法)(令和6年11月12日)消費者庁「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和6年11月14日)
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【受付中】スポーツとシニア向け栄養素材の商品開発~日常の食事とスポーツ前後の栄養補給~(12/4)
当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2024年12月4日(水)に予定しています、第55回のテーマは、「スポーツとシニア向け栄養素材の商品開発~日常の食事とスポーツ前後の栄養補給~」です。本セミナーでは、アスリートのための栄養強化が期待できる「スポーツニュートリション」で注目される原料として、パラチノース、鶏由来ペプチド、大豆由来ペプチドをご紹介します。スポーツ前後だけでなく日常の食事にも取り入れられる素材で、シニア向け食品にもご活用いただけます。持久力や疲労感軽減を求めるアクティブシニアへの訴求をお考えの食品開発・企画担当者も必見!最新トレンドの知見や開発のためのインスピレーションが得られます。開催概要テーマ:スポーツとシニア向け栄養素材の商品開発~日常の食事とスポーツ前後の栄養補給~日時:2024年12月4日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込方法:https://shareshima.com/seminars/20241204※ こちらでお申し込みを受け付けた後、メールにて参加URLをお送りします。申込締切:2024年12月4日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介1.「持続性エネルギーパラチノース®から考えるスポーツ補給食への糖質利用」DM三井製糖株式会社(20分)パラチノース®は吸収が緩やかだが全量エネルギーとなる特異な糖です。持続性エネルギーとしてスポーツシーンでの活用が増えています。スポーツパフォーマンスに関するエビデンスだけではなく、実際の使用事例や競技者の体感の声についても紹介します。2. 「健やかな長寿の秘訣! イミダゾールジペプチド」東海物産株式会社(20分)時速100km近くで泳ぎ続けるカツオやマグロ、数千キロも不眠不休で飛び続ける渡り鳥の驚異的な運動能力を支えているのがイミダゾールジペプチドと考えられています。東海物産の天然エキス由来イミダゾールジペプチドのアクティブシニア向け食品やスポーツニュートリションに対する可能性についてお届けします。3. 「即効吸収!運動後のカラダのメンテナンスに”筋肉損傷”を抑える大豆ペプチド」不二製油株式会社(20分)大豆ペプチドは即効吸収され、筋肉損傷抑制効果があるスポーツニュートリション素材で、プロテイン商品の差別化や、高齢者向け健康食品作りに最適です。本セミナーでは大豆ペプチドの生理機能と素材の活用方法などをご紹介します。参加者限定で大豆ペプチド配合商品をプレゼント!3.その他次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。
特集|フェムケア素材〜女性特有の健康課題を身体の内側からサポート
女性特有の健康に関する悩みを解決する商品やサービスのことを「フェムケア」、「フェムテック」といいます。近年では、新ブランドが続々と誕生したり、女性誌で特集が組まれたりと、商品開発においても注目のテーマのひとつとなっています。この記事では、フェムケア・フェムテックの概念や市場規模、女性特有の不調に伴う経済損失を解説するとともに、食品開発に役立つ関連商品をご紹介します。女性の社会進出とともに顕在化した「女性の悩み」に、社会全体で向き合う動きが広がりつつある今、食品開発によって貢献できるアプローチを考えます。フェムケア素材のご紹介サンアクティブFe-P80LKP|太陽化学株式会社還元NMN|炭プラスラボ株式会社ヒマラヤ松樹皮抽出物|株式会社ニゾナサフラン|株式会社Bollardエクオール乳酸菌プレミアム™|炭プラスラボ株式会社エクオール乳酸菌™️|炭プラスラボ株式会社【抗糖化素材】ヒシエキス【機能性表示届出中】|林兼産業株式会社納豆菌培養エキスNSK-SD|株式会社日本生物.科学研究所PHENIXUN SHIELD|株式会社マツモト交商シャタバリ|株式会社サビンサジャパンコーポレーションETAPEO|株式会社マツモト交商有機JASマカ乾燥粉末|株式会社マツモト交商クリスパタス菌KT-11(KT-11HP)|株式会社キティーミヨシ亜麻仁油パウダー|ミヨシ油脂株式会社オメガヴィーパウダー100|ミヨシ油脂株式会社ヘンププロテインパウダー 50%|株式会社ニューエイジトレーディング麻の実ナッツ|株式会社ニューエイジトレーディング発酵黒マカエキス末|株式会社光健フェムケア・フェムテックとは女性のライフステージには、さまざまな健康課題が存在します。それらの解決に役立つフェムケア・フェムテックには、それぞれ次のような違いがあります。フェムテックフェムテック(Femtech)は、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を合わせた造語です。月経、妊娠・不妊・産後ケア・更年期といった女性のライフステージにおける悩みや、婦人科系疾患・セクシャルウェルネスに対して、AI(人工知能)やアプリなど先進的なテクノロジーの力を使って解決することを指します。フェムケアフェムケア(Femcare)は、Feminine(女性の)とCare(ケア)を合わせた造語です。フェムテックとの違いは、テクノロジーに頼らないことです。フェムケアは、生理用品やサプリメント、食品、衣類など多岐にわたり、女性のウェルビーイング(※)を向上させるための幅広いケアを含みます。※身体的、精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的、経済的に良好で満たされている状態にあること女性特有の健康課題による経済損失は3.4兆円経済産業省は、2024年2月「女性特有の健康課題による社会全体の経済損失」を公表し、経済損失は3.4兆円に上ると試算しました。働く女性の多くが、月経やPMSによる心身の不調(情緒不安定、抑うつ、集中力の低下、めまい、腹痛、頭痛など)で、仕事のパフォーマンス低下を経験していますが、有効な対処を行う女性の割合は少なく、特に効き目があるとされる低容量ピルの服用率は0.9%にとどまっています。また、不妊治療と仕事の両立ができずに「仕事を辞めた又は雇用形態を変えた」ことがある女性の割合は32.9%、さらに、更年期症状の影響で「昇進を辞退したことがある」が50%、「仕事を辞めたことがある」が17%と、女性特有の健康課題がキャリアにも影響していることがわかります。※参考:経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と 健康経営の必要性について」、「フェムテックに関する経済産業省の取組 ~フェムテックで企業が変わる、社会が変わる~」、「経済産業省のフェムテック推進について」フェムケア・フェムテックによる経済効果は2兆円フェムテックによる経済効果は、2025年時点で年間約2兆円とも予測されており、ライフステージの変化に対する女性の健康サポートや望まない離職を防ぐ仕組みづくりの重要性が見直されています。経済産業省では、「女性が働きやすい環境整備を進め、より多様な人材の活躍を推進することが、持続的な企業価値の創造の観点から重要」としてフェムテックを推進。「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」などの補助事業を通して、ウェルビーイング実現に向けた積極的な導入・開発を呼びかけています。参考:株式会社 日立コンサルティング「令和2年度産業経済研究委託事業 働き方、暮らし方の変化のあり方が将来の日本経済に 与える効果と課題に関する調査 報告書 (概要版)」フェムテックの市場2016年ごろからの新興市場であるフェムテック。2019年時点の世界の市場規模は820億円、2025年には5.5兆円に達すると予測されています。国内市場は、2019年の579億円から2022年は695億円と、政府の後押しもあって順調な成長を見せています。全人口の半分をターゲットとする産業として、今後さまざまな製品・サービスの開発・投入を通じて市場の拡大が期待されています。※参考:株式会社矢野経済研究所「フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2023年)」フェムケアのために取り入れたい栄養素・食品医薬品に頼る以外にも、日々の食事で必要な栄養素を補うことで、心身のバランスを整えることに繋がります。フェムケアのために取り入れたい栄養素と食品例をご紹介します。鉄分月経のある女性は、貧血になりやすい傾向にあります。鉄分を補給することで、貧血による疲れやめまい、頭痛などの貧血症状のほか、鉄分不足によるメンタル不調の軽減につながります。例)レバー、アサリ、ほうれんそう、小松菜などビタミンE女性ホルモンの分泌や代謝を助け、更年期の症状を緩和する効果が期待されています。例)アーモンド、アボカド、かぼちゃ、ひまわり油マグネシウム月経前症候群(PMS)の予防や症状の緩和に役立つとされ、子宮の収縮を抑えることで生理痛を緩和する、神経の高ぶりを抑え、イライラを鎮める効果があるとされています。例)わかめ、ひじき、魚介類、そばなど大豆イソフラボン大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)と似た構造を持ち、加齢によるエストロゲンの不足を補い、月経不順や更年期症状の緩和、自律神経の安定に役立つとされています。例)豆乳、豆腐、きなこなどオメガ3脂肪酸更年期の女性が積極的に摂取することで、情緒のコントロールやホルモンのバランスの改善、動脈硬化の予防などに効果が期待できます。例)サーモン、イワシ、えごま油、ナッツなどハーブハーブには、ゆらぎがちな女性リズムを整え、不安やストレスの緩和、ホルモンバランスを整えるのに役立つものが多数あります。ハーブティーやサプリメントなどが人気です。症状に適した用法・用量を守ることが大切です。例)シャタバリ、ローズ、セージ、レッドクローバーなどシェアシマ掲載の「フェムケア」素材をチェックするフェムケア・フェムテックによって、女性が生き生きと最大限能力を発揮できることは、社会全体の利益に繋がっていきます。この記事を参考に、フェムケアに役立つ食品を開発しませんか。食品の企画開発をサポートする「シェアシマ」では、無料の会員登録で、商品ページの【規格書・商品情報をダウンロード】【サンプル依頼・問い合わせ】機能がご利用いただけます。
食品開発展2024|シェアシマ合同ブースの取り組みと成果
食品の開発・品質保証・製造技術に関する専門展示会「食品開発展2024」が、10月23日から25日まで東京ビッグサイト西ホール(1・2・4)他で開催されました。650社以上が出展し、来場者数3.8万人以上と、盛況のうちに幕を閉じました。同展示会の主催はインフォーママーケッツジャパン株式会社で、国内外から食品業界のさまざまな企業が集結する場となりました。今回シェアシマは、「シェアシマ合同ブース」を初企画し、6つの会員企業が出展しました。出展者と来場者が直接交流する場を設けたことで、来場者が商品やサービスの理解を一層深められる機会を提供しました。(シェアシマ編集部)シェアシマの情報発信力を活かした多彩なプランとブース展開シェアシマ合同ブースは、過去セミナーにご登壇、もしくはシェアシマに原料掲載されている企業様が対象です。各企業に対して専用テーブルスペース・社名看板を設けるほか、展示会告知記事の上位表示やメールマガジンでの紹介といった、事前告知サポートが含まれます。またオプション機能として、ポスターやアニメ動画、オリジナルチラシデザイン制作といったメニューも用意。シェアシマの情報発信力をフル活用した、PRプランをご用意しました。合同ブースが引き出した効果と来場者の反応 展示会当日は、シェアシマ合同ブースにも多くのお客様が訪れました。各出展企業が自社商品はもちろん、他の会員企業の商品を紹介し合うことにより、相互送客効果が見られたことが特徴的でした。また、ブースデザインや動画・チラシといったビジュアルプロモーションが来場者の関心を引き、参加企業のサービスや製品の認知度向上に寄与しました。そのほか、シェアシマで制作したアニメーション動画の放映やチラシの配布も行われ、ブースを訪れる来場者の興味を引くきっかけとなりました。なお、出展企業からの事後アンケートでは、以下のような声が届いています。将来的な出展を見据える中での”お試し的”な参加であったが、収穫が多かったです。他出展社様との協力もあり、一体感のある展示会になりました。サンプルも多く配布できました。スタッフの皆さんの準備段階から当日までの熱心な対応に感謝しています。来場者の中には、かなり熱心に説明を聞いてくださった方もいらっしゃいました。展示会後のフォローをしっかりとしていきたいです。商品の今後の拡販戦略を考えるうえで、参考になるものが得られました。今回の学びを次に活かす、今後の展開シェアシマとしても、普段オンラインのやり取りがメインの会員様と、共に肩を並べて商品・サービスのPRができたことは大変貴重な機会となりました。次年度の展示会では、合同ブース出展企業のさらなるプロモーション支援や、顧客の声を反映した新たなサービス展開も検討中です。また、シェアシマの強みであるオンライン施策を効果的に組み合わせることで、より多角的なアプローチで顧客のニーズに応えてまいります。食品開発展2024でのシェアシマ合同ブースは、企業間の自然な連携と来場者へのプロモーションの場として、非常に価値ある場となりました。今回得られた成果と課題をもとに、次回の出展計画やマーケティング戦略に活かし、食品業界における新たな可能性を広げていきます。▽関連の記事を読む過去最大級!食品開発の最新技術が集う「食品開発展2024」の見所を紹介特集|食品開発展2024に出展する注目企業一覧 <シェアシマの合同ブースも!>
食料自給率の意味を考える【食品企業のためのサステナブル経営(第21回)】
前回の記事を読む:崖っぷちの水産業と食品業【食品企業のためのサステナブル経営(第20回)】前回は水産業に関わる方が高齢化で減少しているため、日本の水産業は危機的だという話をしました。しかしこれは水産業に限った話ではありません。農業も同様です。しかも、農業に関してはもともと食料自給率が非常に低いという問題があります。日本の食料自給率は38%前後で先進国の中でも最も低いのです。先進国の中できわめて低い、日本の食料自給率引用:農林水産省「世界の食料自給率」自給率は低くても、食材は海外から輸入した方が安いのだからそれで問題ないじゃないか。コストを抑えるのが一番のポイントだ。そう考える方も多いと思うのですが、そんなやり方がいつまで続けられるのでしょうか。最近の輸入食品原料価格の高騰を見て、不安に感じ始められた方も多いはずです。そうは言っても日本は国土が狭いし、賃金は高いし、食料自給率を高くすることは無理だ、そう考える方も多いでしょう。しかし、それは必ずしも正しくないのです。なぜなら日本の自給率は、他の先進国と比べてもきわめて低いからです。先進国の中でもカナダ、オーストラリア、アメリカ、フランスは、自給率が100%を超えています。土地が広く、人口密度も低い国なので、当然と思われるかもしれません。けれども日本と似たような条件であるはずのドイツ、イギリス、イタリアでも、自給率は60〜80%台です。自給率が、面積や賃金だけで決まってしまうわけではなさそうです。人口減でも下がり続ける食料自給率、なぜ?そういう日本も、1960年頃の自給率は80%近くありました。人口は今の3/4でしたが、国土面積はもちろん同じです。その頃とまったく同じというわけにはいかなくとも、今よりずっと高い自給率は可能なはずです。けれども、日本の自給率は一貫して下がり続けているのです。なぜなのでしょうか?日本の自給率がわずか60年の間に半分以下に減ってしまった理由は複合的なものです。まず一つには、食事の内容が洋風化したことがあげられます。伝統的な和食から、肉や乳製品、油脂を多用した食事に変化したため、国内だけでは賄うのが難しくなってしまったのです。ただし、これには新たなマーケットを作るために食生活を変化させたという面もあったはずですし、そのことで潤った企業もあるでしょう。そして一番大きな原因は、農業から製造業へと経済構造を政策的に変化させたことでしょう。製造業で外貨を稼ぎ、食料はそのお金で買った方が「効率が良い」と国が考え、そのために様々な政策が取られたのです。実際、日本の製造業が大きな成功を収めていた時代、すなわち1980年代ぐらいは、この戦略は大変うまく機能していました。しかし1990年代のバブル崩壊以降、日本経済が停滞すると、その後はデフレの嵐だったのは皆さんよくご存じの通りです。それでも当初はまだ海外、特に途上地域に生産をシフトすることでコストを下げる余地があったので、デフレ競争を続けることができました。しかし、その間に日本の生産者はますます苦境に立たされます。そして最近では海外で生産してもこれ以上のコスト削減は難しくなり、また気候変動や国際紛争などにより、輸入食材の価格が急上昇、ついに国内でも食品価格の値上げラッシュとなったというわけです。輸入頼みのリスクを、無視できない時代にこのように経済的な要因から、もっと言えば、どうすればコストを下げられるのか、儲かるのかという経済的な理由で日本の食のシステムは大きく変化させられ、特に国内の原材料生産の現場は傷つけられて来たのです。しかし、今や「海外から安い食品を買ってくれば良い」という考え方の前提条件は完全に崩れてしまっています。さらに最近の世界情勢を見ると、政情不安は簡単に解消しそうにはありませんし、気候危機の緩和は十分には進まず、影響は大きくなるばかりです。つまり、もしお金が十分にあったとしても、海外からの輸入に大きく頼る構造ではリスクが高いことがはっきりしてきました。そう考えると、日本も本気で自給率を高めることを考えるべき時代になっていると私は考えますが、いかがでしょうか。皆さん方の会社がいくらおいしくて魅力的な商品を作る能力をお持ちだとしても、原材料が入手できなくなったり、原材料価格が高騰してしまったら、商売は続かないからです。何がなんでも自給率100%を目指す必要はないかもしれませんが、まずはイギリスやイタリアと同じ60%ぐらいを目指すのが現実的なのではないでしょうか。平時からこの程度の自給率を維持できていれば、いざという時にもギリギリなんとかできる可能性があるからです。ではどうしたらいいのか? 一企業が自給率を上げることができるのか? については、次回詳しくお話いたします。今回は、この自給率の低さが食品会社の事業を今や不安定にしているのだ、ということをまずご理解いただければと思います。
【受付中】素材で差をつける、フェムケア商品開発|女性の健康を支える原料特集第二弾(11/27)
当社では、商品開発に役立つオンラインセミナーを毎月開催しております。2024年11月27日(水)に予定しています、第54回のテーマは、「素材で差をつける、フェムケア商品開発|女性の健康を支える原料特集第二弾」です。本セミナーでは、冷えや肌・髪の悩み、月経に伴う不調などの改善に資する、選りすぐりのフェムケア素材をご紹介します。ナットウキナーゼやヒシエキス、オーガニックヘンプ精油、ラフマ葉抽出物など、今まさに求められている食品の開発・企画に役立つ情報を提供します。開催概要テーマ:素材で差をつける、フェムケア商品開発|女性の健康を支える原料特集第二弾日時:2024年11月27日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込方法:https://shareshima.com/seminars/20241127※ こちらでお申し込みを受け付けた後、メールにて参加URLをお送りします。申込締切:2024年11月27日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介1.「ナットウキナーゼの女性向け最新データのご紹介」株式会社日本生物.科学研究所 (20分)ナットウキナーゼは、2019年12月から血圧の機能性表示食品に対応しており、年配の方向け製品で多く採用されてきましたが、今回女性にうれしい冷え改善の機能が確認され、2024年6月から機能性表示食品に対応しております。ナットウキナーゼとは?といった基本情報から最新の機能性やオススメの処方など、様々ご紹介させていただきます。2. 「市場屈指の抗糖化素材!ヒシエキスでフェムケア提案!!」林兼産業株式会社 (20分)強力な抗糖化素材「ヒシエキス」をご紹介いたします。テレビでも取り上げられた話題の植物【ヒシ】から熱水抽出した粉末素材です。林兼では、10年以上前からヒシの抗糖化に注目し研究開発を行ってきました。中高年女性が気になる肌や髪の悩みを抗糖化の側面からサポートし、フェムケア商品への配合素材としてご提案します。3. 「南仏プロヴァンス産オーガニックヘンプ精油で実現するナチュラルケア〜女性特有の健康課題に応える持続可能なソリューション〜」HSI JAPAN株式会社 (20分)南仏プロヴァンス産のオーガニックヘンプ精油は、女性特有の健康課題に応えるための自然な解決策を提供します。冷え性や月経に伴う不調の緩和をサポートするこの精油は、リラックス効果や抗炎症作用を持ち、革新的なアプローチとして注目されています。さらに、EUオーガニック認証と同等の基準をクリアしたアルプスコントロール認証を取得。信頼性と持続可能性のある製品として、女性の健康とウェルネスをナチュラルに支援します。4. 「【月経×睡眠】で女性を救え!『体感抜群』フェムケア素材ラフマ」株式会社常磐植物化学研究所 (20分)「べネトロン®」(ラフマ葉抽出物)はtokiwaオリジナルのフェムケア素材です。臨床試験にて睡眠の質向上や月経に伴う不調改善の効果が認められています。機能性表示食品に対応しており、少量摂取で高い体感性を持つことが特長です。フェムケアの市場情報やエビデンスを通して、「べネトロン®」の魅力をたっぷりとお伝えします!3.その他次回のご案内など15時40分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。
【10月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている968点(10月末日時点)のうち、2024年10月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。
【受付終了】美容ニーズを満たす、注目インナービューティ素材|女性の健康を支える原料特集第一弾(11/13)
<こちらのセミナーの受付は終了しました>本セミナーでは、女性の美容と健康を支える最新のインナービューティ素材を紹介します。オートミルク発酵物、還元ビタミンC、クルクミンと、保湿や抗酸化、美白などの効果を持つ素材が、次世代の商品開発にどのように役立つかという視点で、新しい市場の可能性を見出すための有益情報をお届けします。開催概要テーマ:美容ニーズを満たす、注目インナービューティ素材|女性の健康を支える原料特集第一弾日時:2024年11月13日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込締切:2024年11月13日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介①「これまでにない新生ビタミンC『還元ビタミンC®』」炭プラスラボ株式会社 (20分)還元ビタミンC®は 特許出願済技術によりビタミンCパウダーに水素を大量に担持させることで還元力は既存原料の5倍以上!酸化して還元力を失ったビタミンCを水素の力で復活させるので高い還元力を維持できます。サプリメントなどの健康食品に還元ビタミンC®を取り入れてみませんか?関連記事:ビタミンCの機能を強化|新発売「還元ビタミンC」を徹底解説【炭プラスラボ】②「アーユルヴェーダ素材でインナービューティーのご紹介」株式会社サビンサ・ジャパン・コーポレーション(20分)インドで製造した植物エキスを取り扱うサビンサジャパンが、アーユルヴェーダに基づく製品を中心に美白、若返り、腸活等の美容に関する素材をご紹介します。ご紹介する製品の一例として、若返りの果実のアムラ、美白からフェムケアまで万能なクルクミン、腸活素材の乳酸菌、最近流行のCICAエキスやザクロ抽出物等をご紹介します。③「乳酸菌のチカラで保湿・抗糖化 オートミルク発酵物 『プラミス』のご紹介」株式会社キティー(20分)次世代の植物性ミルクとして注目を集める「オートミルク」を、桜由来の乳酸菌で発酵させた新しい食品素材です。腸内環境を整え、肌の保湿効果・糖化物質の減少・毛細血管の状態を良好にします。オールプラントベースで地球にも優しい、美容のための食品素材です。関連記事:原料紹介|プラミス(オーツ麦糖化液発酵粉末)とは3.その他次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。
抗酸化素材のご紹介〜アンチエイジングを意識した食品開発のヒント〜
人生100年時代と言われる今、年齢や性別を超えたテーマとなっているのが「アンチエイジング」です。アンチエイジングとは、加齢による身体の老化を可能な限り小さくすること。そのために効果が期待されているのが「抗酸化素材」です。そこで今回は、身体の酸化を抑制して老化を防ぐ「抗酸化素材」をご紹介するとともに、代表的な抗酸化物質とそれを含む食品、抗酸化力を高める食品開発のヒントをご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください“サビない身体”をつくる「抗酸化」とは私たちの身体は年齢とともに老化していきますが、それは細胞の「酸化」、つまり“身体がサビていく”ことに起因しています。この、身体の酸化を抑制する働きのことを「抗酸化」といいます。身体の酸化は、体内に生成される「活性酸素」によって起こります。私たちは、生きるために呼吸をして酸素を体内に取り込んでいますが、そのうち数パーセントが活性酸素に変化するとされています。活性酸素は、細胞内での情報伝達や免疫、代謝の調節など重要な役割を果たす一方で、過剰に産生されると細胞を傷つけて、疲労や老化、動脈硬化、ガンなどの原因になります。活性酸素から身体を守る「抗酸化酵素」と「抗酸化物質」身体には本来、活性酸素から身体を守る「抗酸化防御機構」が備わっています。抗酸化防御機構というのは、体内で合成される内因性の「抗酸化酵素」と、食事から取り入れられる外因性の「抗酸化物質」の働きにより、活性酸素のバランスが保たれる仕組みのこと。抗酸化酵素にはスーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼ、抗酸化物質はビタミン類、ポリフェノール類などがあります。抗酸化酵素と抗酸化物質の作用によって、無害化するのを助けたり、活性酸素によって受けたダメージの修復をサポートしたりしています。体内で合成される抗酸化酵素は、加齢によって次第に減少してしまいます。そのため、食事によって抗酸化物質を補うことがアンチエイジングに役立つといわれています。※参考 健康長寿ネット「抗酸化による老化防止の効果」代表的な抗酸化物質と食品例“サビない身体”をつくるための抗酸化物質には次のような役目があります。活性酸素の発生を抑えるもの活性酸素の酸化力を抑えるもの活性酸素で受けた被害を修復するもの体内で合成される抗酸化酵素の働きを補助するためにも、日々の食事から複数の抗酸化物質を取り入れる必要があります。ここでは、代表的な抗酸化物質の特徴と、その物質が含まれる食品例をご紹介します。
【受付終了】最新購買データに基づく栄養強化商品開発のヒント〜鉄分・タンパク質強化メニューによる課題解決〜(11/6)
<こちらのセミナーの受付は終了しました>商品開発の方向性を決める上で、生活者の購買データは重要な道しるべになります。今回は、フェリカネットワークス様を基調講演に迎え、「IDレシートデータ」を活用した栄養強化商品の開発について具体的なアプローチを掘り下げます。消費者ニーズに応える商品開発のヒントとは。開催概要テーマ:最新購買データに基づく栄養強化商品開発のヒント〜鉄分・タンパク質強化メニューによる課題解決〜日時:2024年11月6日(水)13時30分~参加方法: オンライン(EventHub)定員:200名(先着順)参加料:無料申込締切:2024年11月6日(水)13時主催:ICS-net株式会社プログラム1.シェアシマ事務局より (13時30分〜)セミナーの注意事項など2.基調講演「生活者の購買データが明かす、栄養強化の食ニーズとターゲットの特徴」フェリカネットワークス株式会社(20分)生活者の健康意識の高まりに伴い、店頭に並ぶ商品にも様々な栄養素が訴求されています。どんな商品が、どんな人に、どんなシーンで選ばれているのか?店舗横断での顧客の買いまわりが見える購買データ『IDレシートデータ』を使い、商品開発のヒントにつながる、健康ニーズの『今』を分析します。3.製品・サービス紹介①「生活者は欲している⁉不足ミネラル鉄 ~重要性とメニュー開発のヒント」太陽化学株式会社(20分)健康メニューはお客様の心をつかむのが難しい?と感じていらっしゃいませんか。消費者調査から今求められている健康・栄養の興味関心を紐解き、不足ミネラル鉄の訴求で課題解決と顧客開拓をご提案。さまざまな食品、メニューに利用できる鉄素材サンアクティブシリーズを使った健康メニュー開発のヒントをお届けします。②「油脂で叶えるおいしいタンパク質強化 ~粉末油脂の応用~」ミヨシ油脂株式会社(20分)タンパク質市場では、タンパク質を手軽に摂れる「飲料」を筆頭に、近年では「パン」や「ゼリー」など様々なアイテムでタンパク質量の訴求が伸びています。需要が高まる一方、タンパク質を多く含む製品の開発では風味や食感に課題があるのではないでしょうか。本セミナーでは弊社の粉末油脂による解決方法を、アイテム毎にご紹介いたします。4.その他次回のご案内など15時10分終了予定※プログラムは都合により変更になる場合がございます。時間は目安ですので多少前後します。あらかじめご了承ください。
睡眠の質を改善する原料のご紹介〜健康な毎日を左右する要として
健康づくりにおいて、睡眠の質を高めることの重要性が再認識されてきています。睡眠不足は、心身の不調や作業効率の低下などの影響があるほか、慢性化することで肥満や高血圧、心疾患などにつながるリスクも明らかになっています。健やかな成長と健康寿命を延伸して心身ともに豊かな生活を送るために、厚生労働省は、2032年までに「睡眠で休養がとれている人の割合」を80%まで増やすことを目指し、推進していく方針を示しています。この記事では、健康づくりにおける睡眠の重要性について解説するとともに、良質な睡眠のために役立つ栄養素や食習慣、関連商品をまとめてご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料探しの参考にしてください。健康づくりにおける「眠り」の重要性私たちの健康を保つ上で、十分な睡眠をとることは極めて重要です。睡眠不足が身体に及ぼす影響と、年代別の適切な睡眠時間、睡眠時間の現状について解説します。睡眠不足が身体に及ぼす影響睡眠が不足すると、日中の眠気や疲労感だけでなく、頭痛などの心身愁訴の増加、情動不安定、注意力や判断力の低下にもつながります。また、作業効率や学業成績の低下、うつ病など多岐にわたる悪影響が懸念されていて、場合によっては、事故などを引き起こすリスクもあります。また、睡眠不足には、睡眠時間の不足だけでなく、睡眠の質の低下による睡眠障害も含まれます。こうした睡眠の問題が慢性化すると、肥満や高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇や症状の悪化に関連し、死亡率の上昇にも関与することが明らかになっています。ライフステージに合わせた「適正な睡眠」とは適正な睡眠時間は、ライフステージ(こども・成人・高齢者)によって異なり、生活習慣などによる個人差もあります。たとえば、高齢者の場合、長い睡眠時間は健康リスクにつながる場合があるので、8時間以内におさえる必要があります。一方で、こどもの場合、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間を目安に睡眠時間を確保するのが理想です。また、適切な睡眠時間の確保だけでなく、日頃の生活習慣や睡眠環境を整えることも大切です。<睡眠の推奨事項一覧>全体の方向性:個人差を踏まえつつ、日常的に質・量ともに十分な睡眠を確保し、心身の健康を保持する
【受付中】ローソン元商品部長に学ぶ!ヒット商品の裏側にあるブランド戦略 スキルアップセミナー(全3回)
シェアシマでは、食品業界に携わる方のためのスキルアップセミナーを不定期開催しております。このたび、ローソンの「プレミアムロールケーキ」やナチュラルローソンのリ・ブランディングに携わり、業界で多くの成功事例を持つ、株式会社日本ツナガル総合研究所 稲葉潤一氏をお迎えし、10月30日から全3回の特別セミナ―を開催することにいたしました。稲葉氏の豊富な経験をもとに、消費者ニーズの分析から商品開発のプロセス、さらには差別化戦略の重要性までを解説します。広い視点でマーケティングに触れ、実践的なスキルを伸ばすためのチャンスです。商品開発やマーケティングの初心者から中級者、さらには現場で活躍中のベテランまで、どなたにもお勧めできるテーマを取り揃えました。全3回の参加で、あなたのビジネスに新しい価値を創造する力を養いましょう!
特集|食品ロス削減に貢献する原料〜フードサプライチェーンでできること〜
10月は「食品ロス削減月間」、そして、10月30日は「食品ロス削減の日」です。本来食べられるはずの食品がさまざまな理由で捨てられてしまうことを「食品ロス」といいます。日本では、2022年度の推計で472万トンもの食品ロスが発生しており、そのうち半分は事業系食品ロスが占めています。飲食店での食べ残しやスーパー・コンビニでの売れ残り、製造・流通段階での廃棄、家庭での賞味期限切れなど、食品ロス削減には、一人ひとりの理解と心がけが必要不可欠です。この記事では、食品ロス削減に貢献する原料と関連記事をご紹介するとともに、日本の食品ロスの発生状況と、フードサプライチェーンの各段階で実践できる具体策をご紹介します。食品ロス削減に貢献する原料のご紹介アップサイクル原料本来廃棄されていた食材や食料を加工して、新たな価値ある商品へと生まれ変わらせた「アップサイクル原料」は、こちらの記事でご紹介しています。
食品ロスのアップサイクル支援を静岡県が開始。参加企業を募集中!
食品ロス削減対策で注目される、規格外品や製造工程で生じた端材などの「未利用食材」を活用して新たな商品を生む「アップサイクル」の取り組み。循環型社会を目指す社会的意義に加え、新たな商品開発や収益改善の機会としても注目されています。2024年度より、国内でもとりわけ食品産業が盛んな静岡県で、未利用食材を「供給したい/使いたい」企業をつなぐマッチング支援事業が始まりました。自治体ならではの支援体制が充実した内容をご紹介します。食材の宝庫・静岡県によるアップサイクル支援静岡県が2024年度より本格始動させた、未利用食材(食品ロス)のアップサイクル支援。静岡県産業振興財団のフーズ・ヘルスケア オープンイノベーションセンター(静岡県静岡市)を相談窓口として、未利用食材の供給企業と活用企業をつないで新たな価値を生み出すことや企業の収益改善、および食に関する社会課題の解決を目的としたマッチング支援事業です。食品ロス対策をビジネスの形で実現食品産業における「食品ロス削減」は、SDGsの観点から企業努力を求められる社会課題。加えて昨今では、原材料・燃料の価格高騰などにより、企業の収益改善という観点から未利用食材の有効活用に新たなビジネスチャンスも生まれています。社会的意義とビジネス創出という双方の観点から注目を浴びるのが、未利用食材を活用したアップサイクル事業なのです。静岡県の多彩な未利用食材今回アップサイクル支援を始めた静岡県は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、もともと食品産業が盛んな地域。県内の食品製造額と食品・飲料などの付加価値額は、いずれも全国トップクラスを誇ります。それゆえ静岡県で発生する未利用食材も種類豊富。たとえば日本茶の粉、魚のアラやウナギの骨、サツマイモ(静岡県は干し芋発祥の地)や果実(みかん等)の規格外品や端材などが挙げられます。まさに海の幸から山の幸まで揃う静岡県は、アップサイクルによる食品開発のポテンシャルが高い地域でもあるのです。静岡県の未利用食材を活用した食品開発例。左)バター製造時の副産物(バターミルク)を使った焼き菓子。右)摘果された青みかんを活用したドリンク。食材供給企業を「シェアシマ」がマッチングシェアシマは静岡県による支援事業に、未利用食材をもつ供給企業のマッチング登録という形で協力しています。「未利用食材を供給したい」とお考えの静岡県内の食品企業がシェアシマに食材を登録することで、食材の活用先となる製造企業との最適なマッチングを支援します。※静岡県内の企業様は、2025年3月まで原料登録を無料で受け付けております。こちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。食材の活用企業や一次加工企業も募集中また「未利用食材を活用したい」とお考えの食品製造企業は、静岡県外からも幅広く募集中とのこと。この他、食材を粉末状やペースト状などに一次加工できる企業や、食材の輸送・保管に関わる企業のニーズも高く、こちらも県内外から参画が可能です。まずは無料で!「シェアシマ」への会員登録はこちら>>自治体ならではの手厚いサポート体制本支援事業の特長のひとつが、自治体による取り組みならではの充実したサポート体制です。静岡県産業振興財団のフーズ・ヘルスケア オープンイノベーションセンター(静岡県静岡市)に相談窓口を設置し、Eメールや電話、オンライン会議ツールなどで幅広く問い合わせを受け付けています。製品開発から販路開拓までトータル支援また、食材の提供/活用企業のマッチングにとどまらず、その後の製品開発から販路開拓まで全行程を通じてコーディネーターが伴走して支援します。未利用食材の活用が初めての企業でも安心してトライできる体制が整っています。
崖っぷちの水産業と食品業【食品企業のためのサステナブル経営(第20回)】
前回の記事を読む:経済的にもサステナブルにするには【食品企業のためのサステナブル経営(第19回)】少し前になりますが、8月30日に農林水産省が「2023年漁業センサス」の結果を発表しました。センサスとは一般には国勢調査のことですが、漁業センサスは、漁業者(漁業経営体等)の数を全国一斉に調べるものです。1949年(昭和24年)から5年おきに実施されており、今回で15回目となります。今回の結果によると、日本の漁業経営体数は6万5,652経営体で、5年前に比べて17.0%の減少、10年前に比べるとなんと30.5%も減少しています。海面養殖の経営体数は12.8%の減少ですが、沿岸漁業では18.1%減とより減少が顕著でした。想像を超える速さで進む、水産業の衰退実は私は、近年の水産資源の減少により沿岸漁業は減少しても、これを補うために海面養殖はむしろ増加しているのではないかと思っていました。しかし、現実は私の予想とは異なり、海面養殖においても大きな減少が見られたのです。そしてさらに驚いたのは、トラフグやクルマエビ、ノリ、真珠といった価格が高く、需要も旺盛であろうものの養殖の経営体数は減少していることです。こうした付加価値の高い水産物でさえ、事業の存続が厳しい状況に直面しているということであり、日本の水産業全体の衰退を示唆するものです。もう少し詳しく、経営組織別で見てみると、個人経営体で17.0%減、共同経営は21.2%減、漁業協同組合が5.5%減となっています。一方で、企業経営による漁業事業体は、5年前の2,548社から2,646社へと3.8%ですが増加しています。最近の漁業法改正により、企業による漁業への参入が促進されたものと思われます。それでも、個人経営体などの減少を補い水産業の縮小を食い止めるにはまだ不十分です。水産業にも押し寄せる高齢化の波個人経営体が急速に減少している理由はいくつか考えられますが、やはり大きな要因は漁業関係者の高齢化でしょう。今回のセンサスによれば、実際に過去1年の間に漁業を行った方(漁業従事世帯員・役員)の総数は102,190人で、5年前に比べて32,276人、つまり24%も減少しています。そして漁業従事世帯員のうち過半数の50.7%の方が65歳以上なのです。少し定義が異なるのですが、漁業就業者数で見てみると、現在の人数は121,239人で、5年前に比べて20.1%の減少です。こちらについては年齢階層別の数も示されているのですが、全年齢階層において減少しているものの、もっとも大きく減少したのは65〜69歳の階層、それ以外でも50歳以上の減少が目立ちます。そもそも漁業従事者の過半数は既に高齢者であり、若年層の参入が極めて少ないのですから、今後、漁業従事者がさらに減少してしまうことは明らかです。こうして数字で見ると、あらためて日本の水産業が置かれた危機的な状況が浮かび上がってきます。漁業従事者の減少は、そもそも水産業全体が停滞、あるいは縮小しているから故でしょう。その背景には水産資源量の減少(十分に獲れない)、消費者の魚離れ(売れない)が重なり、漁業経営が難しくなっているという現実があります。少子高齢化の日本において、そういう事業をわざわざ継承したり参入しようという方は多くはないでしょう。新規参入者がいないのですから、あとは時間の問題です。そしてこのことがさらに水産業を停滞、縮小させてしまうでしょう。安定的な食料システムへ、漁業センサスが示すことさて、今回長々と漁業センサスの話をしたのは、単に日本の水産業の窮状をお伝えしたいからではありません。もちろんかつて「水産王国」と呼ばれた日本の水産業が、わずか40年でここまで崖っぷちに追い込まれているのはショッキングで由々しきことですが、これは水産業に限ったことではないのです。農業でもやはり同様のことが起きています。5年後さらには10年後、今の水産業や農業を辛うじて支えている方々が仕事を続けられなくなったとき、私たちの食を一体誰が、どう支えるのかという問題を考えなくてはなりません。その時は海外から輸入すれば良いではないかという意見もありますが、そんなに簡単な話ではないことは、これまでの連載をお読みくださっている方ならもうお分かりでしょう。今後さまざまなリスク要因が増えたり、大きくなる中、安定的に原料を調達し、商品を作るためには、もっと安定的な食料システムを目指す必要があります。そもそも食は、単に原料を買ってきて作ればいいと言うものではありません。原料を調達することは、原料を提供してくださる方々の生活を私たちが経済的に支えているということです。また私たちが作った商品を消費者の方々が買ってくださるので、私たちのビジネスも支えられているのです。この支え合いの構造をいかに強くしていくか、いかに持続可能なものにしていくかということこそ、サステナブル経営の真髄と言っていいでしょう。未来を見通して、足元の生産地を支えるこれまで私たちは利便性や経済性にばかり目が行きがちでした。安い原料、目新しい原料を探すことに注力し過ぎたが故に、私たちは足元の生産地を支えることを忘れてしまい、今その生産現場が崩れ落ちようとしているのです。前回も述べましたが、安さを追求し続けることは、結局は経営のサステナビリティを危うくしますし、社会の成長の機会と安定性を損ないかねません。おいしさ、安さ、安全性、健康… 消費者の方々にこうした志向をあるのはたしかですが、だからと言って単にそれに対応しているだけではサステナブルにはなりません。現にこのままでは、水産業の現場は、次の漁業センサスのときには今以上に深刻な状況になっているでしょう。その未来は既にほぼ見えており、それを予見して手を打つのがサステナブルな経営です。これは水産業だけの問題ではないのです。次回の記事を読む:食料自給率の意味を考える【食品企業のためのサステナブル経営(第21回)】
【9月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている942点(9月末日時点)のうち、2024年9月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。