青いバナナの効能|下処理方法とおいしい食べ方・レシピを紹介
通常、バナナは皮が緑色の状態で日本に輸入され、熟成プロセスを経て黄色くなってから販売されます。近頃は、熟成前の「青いバナナ」を店頭で見かけるようになりました。「黄色いバナナとどのような点が異なるのだろうか」と気になっている人も多いでしょう。
そこで、今回は、青いバナナが出回るようになった理由・背景と共に、栄養成分・効能を詳しく解説します。下処理方法やおいしい食べ方・レシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
★青いバナナを含めて食品のアップサイクルが進んでいます。摘果みかんなど他の事例については、こちらの記事をご覧ください。
青いバナナはどこで売っている?
青いバナナとは、「皮が緑色の熟成前のバナナ」のことです。2023年8月頃から市場に出回るようになりました。
流通するようになった背景には、「これまで生産地で廃棄されていた規格外バナナを流通させ、食品ロスを減らそう」という気運の高まりがあります。
従来、傷などが原因で「規格外」とされた青いバナナは、熟成させずに廃棄されてきました。
バナナの生産・販売事業を展開している株式会社ドールでは、こうしたバナナを有効活用するために「Doleグリーンバナナ」というブランド名で市場に供給していて、消費者はスーパーなどの店頭で購入できます。
青いバナナの栄養成分・効能
青いバナナには、熟成後の黄色いバナナよりも多くの「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」が含まれています。熟成が進むにつれて、難消化性デンプンが分解されて糖化されるため、甘みが増していきます(※1)。
難消化性デンプンは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の働きを兼ね備えています。青いバナナには、血糖値上昇の抑制や空腹感の抑制、整腸効果が期待できます。
また、発酵青バナナ粉末(青バナナの果実部から調製した粉末を酵素・発酵処理したもの)には、免疫機能(サイトカイン産生能)を向上させる効果があることが示唆されています(※2)。
※1参考:野呂哲ほか(2011年)「バナナの澱粉」弘前大学教育学部紀要、第105号、pp.75-79
※2参考:金有宏ほか(2018年)「発酵青バナナ末(バナファイン®)経口摂取による免疫賦活効果の検討」公益社団法人日本農芸化学会大会講演要旨集、p.1856
青いバナナの下処理方法
青いバナナを生の状態で食べると「えぐみ」を感じることが多く、基本的には生食には不向きです。加熱して食べるか、追熟させて甘くしてから食べることをおすすめします。
青いバナナで「マッシュドバナナ」を作る場合は、下処理として、皮をむいてから、水に浸しておきましょう。マッシュドバナナは、コロッケやスムージーの具材として利用可能です。
青いバナナを甘くする方法|レンジを使うと簡単!
青いバナナを加熱すると、栗やジャガイモのような食感に変わり、食べやすくなります。両端を切断し、数秒間、水にさらした上でラップに包み、電子レンジで2~3分加熱してから皮をむきましょう。なお、追熟させて甘くなった状態であれば、通常の黄色いバナナと同様に、加熱せずに食べてもおいしいでしょう。
また、下処理した青いバナナをつぶして、マッシュドバナナに加工して食べる方法もあります。
青いバナナのおいしい食べ方・レシピ
青いバナナのおいしい食べ方・レシピを3つ紹介します。材料や作り方は、お好みにあわせてアレンジしてみてください。
青いバナナの炒めもの
ホクホクとした食感の青バナナを人参や玉ねぎ、豚肉と炒めた料理で、おかずとして美味しくいただけます。
<材料>(2皿分)
- 青いバナナ 1本
- 人参 30g
- 玉ねぎ 1/4個
- 豚肉 75g
- サラダ油 大さじ1/2
- 塩 ひとつまみ
<作り方>
- 青いバナナの上下を切り落とし、水にくぐらせてからラップで巻く。
- 電子レンジ(600W)で2分30秒~3分加熱する(皮に裂け目が入ったら完了)。
- 加熱した青いバナナの皮をむき、乱切りにする。
- 人参は厚さ5mm程度のいちょう切りにし、玉ねぎは幅1cm程度のくし形切りにし、豚肉は4cm程度の大きさにカットする。
- フライパンにサラダ油を入れて熱し、豚肉・玉ねぎ・人参・青いバナナの順番で炒め、適量の塩をふる。
- 火が通ったら、器に盛り付ける。
青いバナナの天ぷら(揚げスイーツ)
青いバナナを油で揚げてチョコレートソースをかけたスイーツで、デザートに適しています。
<材料>(作りやすい分量)
- 青いバナナ 1本
- 揚げ油 適量
- 天ぷら粉 青いバナナをコーティングできる程度の分量
- チョコレートソース 適量
- ココアパウダー 適量
- スライスアーモンド 適量
<作り方>
- 青いバナナの上下を切り落とし、水にくぐらせてからラップで巻く。
- 電子レンジ(600W)で2分30秒~3分加熱する(皮に裂け目が入ったら完了)。
- 皮をむき、お好みの大きさにカットする。
- 天ぷら粉を水で溶く。
- カットした青いバナナを天ぷら衣にくぐらせ、180℃の油で90秒程度揚げる。
- 器に盛って、チョコレートソースやココアパウダー、スライスアーモンドをトッピングする。
青いバナナのサラダ
青いバナナときゅうりという食感の異なる食材を組み合わせ、ヨーグルトで和えたサラダで、さっぱりとした味わいを楽しめます。
<材料>(1人分)
- 青いバナナ 1/2本
- きゅうり 1/2本
- プレーンヨーグルト 50g
- レモンのしぼり汁 小さじ1/2
- 香菜 ひとつかみ
- オリーブオイル 小さじ1
- 塩 ひとつまみ
- こしょう 適量
<作り方>
- ザルにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを入れて包む。
- 重しを乗せてラップをし、水受け用のボウルを下に置いて冷蔵庫で1時間程度水切りする。
- きゅうりを1口大の乱切りにし、塩をふって30分ほどおき、水気をしぼる。
- 青いバナナの上下を切り落とし、水にくぐらせてからラップで巻く。
- 電子レンジ(600W)で2分30秒~3分加熱する(皮に裂け目が入ったら完了)。
- 皮をむいて、2cm程度の厚さの輪切りにする。
- 香菜をみじん切りにする。
- 水切りヨーグルト・レモンのしぼり汁・オリーブオイルをボウルに入れて混ぜ、塩とこしょうで味を調えてから、器に盛る。
まとめ
近年、青いバナナをスーパーなどの店頭で見かける機会が増加しました。その背景には、「これまで生産地で廃棄されていた規格外バナナを流通させ、食品ロスを減らそう」という気運の高まりがあります。
青いバナナには熟成後の黄色いバナナよりも多くの難消化性デンプン(レジスタントスターチ)が含まれていて、血糖値上昇の抑制や空腹感の抑制、整腸効果が期待できます。
なお、今回紹介したレシピ以外にも、多様な食べ方・使い方が可能です。新規食材としてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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