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輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性

【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.11】

前回の記事を読む:健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。先日トルコ、シリアで未曾有の大地震が起きました。地震大国の日本も他人事ではありません。東日本大震災2011年から12年、記憶がよみがえります。まだ復興はみち半ばですが、この知恵とノウハウを有した日本が今回の災害、震災からの復興支援等のお手伝いができると思います。トルコ、シリアはイスラムの国です、ハラル(ハラール)ビジネスはこんなところでも役立つと思います。

今回は「輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性」ということで解説していきます。ガンバレ!トルコ・シリアの皆様!!

販売、輸出(貿易)、ハラル認証は各国で違うため確認を!


皆さんはハラル認証を取得すればその他はなにも問題なくイスラム教国に輸出できると思っていませんか?実はノーです。また貿易ができたとしても、その国の販売ルールと適合していない場合は販売することができません。イスラム教国は世界中で50か国程度ありますが、ハラル認証を取得したからどの国にも輸出できる訳ではないため、それぞれ国ごとにリサーチすることが必要になります。通常はJETRO等への問い合わせをベースに、自社でリサーチ、そして専門コンサルティング会社に頼む、といった方法でまずは下準備しておくことがいいと考えます。まずは貿易や販売ルール(国内法)を調べ、すべてOKとなってから初めてハラル認証を取得する準備をすべきです。食品、健康食品(サプリ)、化粧品、生活用品、医薬品などの分類によってもルールは違います。

すでに輸出実績があるのであれば、ハラル認証等のルールを確認するだけでいいと考えます。食品・健康食品の原材料の輸出は特に需要が増えると考えられますが、新規だけでなくこれまで取引のあった商品にもハラル性、ハラル認証が要求されることが増えています。皆様も、ある日突然取引先から「この商品ってハラル?」「豚や動物性の原材料は入っていませんか?」などと聞かれても慌てないように、今一度自社商品の原材料の把握をするなどの準備が必要になるかもしれません。

ハラル認証の有効性は国と商品で決まる!?


ハラル認証(ハラル性)と貿易(輸出)のルールが一元化している国もあります。していない国もあります。イスラム教の本家!?サウジアラビアなどの中東では「輸出できる=ハラル性、またはハラル認証があるので輸出可能」と考えるのが一般的ですので、まず自社原材料がハラル性かあるかどうか?をエビデンスベースで確認することが重要になります。当会でもエビデンス事業(原産地証明とは違います)をお手伝いしています。

あとは商品(モノ)で厳格度が変わります。例えば肉由来がメインの原材料などは要注意です。これらはむしろハラル認証がないと輸出できない場合が多いと考えられます。最悪輸出できないことも・・・。

もう一つの事例国はインドネシアで、来年2024年10月から新しい法律に完全移行すると言われています。「輸出許可=ハラル品は指定するハラル認証(※インドネシアBPJPH)の取得」と紐づきになると言われています。インドネシアはハラル貿易がとても難しい国の1つです。
この2つ国の事例の基本ルールを学べばイスラム教国への輸出・進出などアウトバウンドはそんなに怖くないと思います。まずは対象国を決めて、ハラル性を調べ、チャレンジしてください。

次回の12回目の「ハラルビジネス進化論のまとめ」を解説したいと考えます。3月第4金曜日を楽しみにしてください。一度1年間の総括をしたいと考えます。引き続きよろしくお願いいたします。

(佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)


次回の記事を読む:ハラルビジネス進化論まとめ【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.12】

執筆者プロフ
シェアシマ編集部

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、累計記事執筆2,500以上の元新聞記者等々、30〜40代の編集メンバーを中心に運営中

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