【2024年版】食品開発担当者必見!シェアシマ編集部注目の原料5選
毎年変わっていく食品業界でのトレンド。変化の激しい食の市場において、食品開発者のための専門メディア「シェアシマ」編集部では、2024年に注目したい最新の食品原料を5つ選定しました。
社会背景や消費者のニーズ・動向を踏まえた本記事を活用することで、新たな食品の可能性を発見することができるでしょう。開発担当の方は必見です。
1.ピープロテイン
ピープロテインとは、主に黄えんどう豆から作られたプロテインを指します。ピープロテインは、タンパク質・ビタミンB・ビタミンEを豊富に含んでいます。また、筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸が多く含まれているのも特徴です。
ピープロテインは、牛肉等の動物性たんぱく質と比較すると、生育に必要な水の量が少なく、環境面に優しい食材としても注目を集めています。環境に配慮したエシカルな食生活を目指す人に最適な食材のひとつです。
※関連記事:ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)とは|効果とデメリットを解説
2.そばの実(そば米)
そばの実は、収穫したそばの実から黒い殻を取り除いた薄緑の実です。そばは穀類の中で、タンパク質と食物繊維が豊富に含まれています。ニューヨークタイムズ紙も2024年の注目食品のひとつとして挙げています。
そばの栄養価が高いのは実の皮の部分とされています。しかし、そば粉にされる過程で皮の部分は失われてしまいます。そばの実をまるごと摂取することで、栄養を取り逃しません。
※1参考:The New York Times「9 Predictions for How We’ll Eat in 2024」
3.アムラ(グーズベリーエキス)
アムラとは、インドで食べられているライトグリーンの果物で、別名「若返りの果実」と呼ばれています。アムラの成分の約25%がポリフェノールだといわれています。ポリフェノールを摂取することで体内でコラーゲンが生成されやすくなります。これにより、肌の明るさや透明度、水分量・弾力のアップや、メラニン色素減少といった効果が期待されます。
アムラエキスの全世界の市場規模は、2023年には39,500,000米ドル(約60億円)でした。それが10年後の2033年には、76,600,000米ドル(約115億円)にまで拡大するといった予想もあり、市場規模の拡大が期待されています。
※関連記事:若返りの果実「アムラ」の効果とは|食べ方や注意点も解説
4.カカオハスク
チョコレートの原料となるカカオ豆。カカオハスクは、カカオの種の外皮です。カカオハスクは繊維質で、チョコレート製造時には使われることなく捨てられてしまいます。
カカオの種の部分と比較しても、カカオハスクにはポリフェノール、フラボノイド、カテキン、エピカテキンなどの栄養が含まれています。これらの成分には、強力な抗酸化作用があり、体内のフリーラジカルによる酸化ストレスから身体を守ることが期待されます。
この栄養豊富なカカオハスクを「アップサイクル商品」として利用しようとする動きが進んでいます。「アップサイクル」とは、本来ならば廃棄されてしまうものを加工し、新たな価値あるものへと生まれ変わらせる取り組みのことです。アップサイクルの認知度は3割程度ですが、これからの認知拡大が期待されるキーワードです。こうした動きに伴い、カカオハスクについても注目が高まっています。
※関連記事:アップサイクルとは?SDGs・食品ロスとの関係性を解説
5.プラントベースシーフード
従来の代替食品は主に食肉が中心でしたが、健康志向の高まりや環境保護への意識から、プラントベースフードという言葉をよく見かけるようになってきました。
また、途上国では、タンパク質を多く含む肉・魚を中心とした食事へと食生活の移行が進んでいて、水産資源の消費量は過去半世紀で2倍に達したというデータもあります(※)。需要の増加に伴い、乱獲も起こりサンマなどの漁獲量が減少傾向にあります。
そこで、今年注目したいのは「プラントベースシーフード」です。健康ブームや環境保護への意識の高まりに対応できるだけでなく、寿司を楽しみに来日した欧米に多いヴィ―ガンへの需要も期待できます。水産物の価格高騰に伴い、プラントベースシーフードへの需要は今後ますます拡大するでしょう。
※関連記事:知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる?
※参考:水産庁 「平成28年度水産白書(1)増加し続ける世界の水産物需要」
まとめ
ピープロテイン、そばの実、アムラ、カカオハスク、そしてプラントベースシーフード。2024年にシェアシマ編集部が注目する食材5選はいかがでしたか?豊富な栄養価や持続可能性は、今後の食品業界における革新を担う存在として、ますます注目されることでしょう。いずれの食品原料も、これからの市場規模の拡大が期待できるものです。ぜひ、商品開発の際の参考にしてみてください。
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FSSC22000とは?要求事項やver6日本語版の変更点を解説
食品の安全性を証明する規格のひとつである「FSSC22000」。名前は聞いたことがあっても、規格の概要や規格を取得するメリット、ISO22000との違いがよくわからないという人もいるかもしれません。そこで、今回はFSSC22000の特徴やメリットを詳しく解説します。ISO22000との違いやver6日本語版の変更についても紹介します。この記事を読むことでFSSC22000の全体像について理解できます。ぜひ参考にしてみてください。FSSC22000とはFSSC22000は「Food Safety System Certification 22000」の略称で、オランダのFSSC22000財団が開発した食品の安全性を証明するシステム規格です。ここでは、FSSC22000の特徴と取得するメリット、規格の対象事業者を解説します。FSSC22000の特徴FSSC22000の特徴として、高いレベルの食品管理が求められることと、国内の食品製造業者743事業者のうち5.3%が認証を取得していることが挙げられます。FSSC22000は、ISO22000をベースに、2つの食品関連事業向けの前提条件プログラムを統合した規格です。具体的な要求事項が明確でないHACCPや、要件基準の具体的な内容を認証取得予定の事業者に一任しているISO22000とは違い、FSSC22000は要件基準を明確に定めています。HACCPとISO22000の要件基準に加え、追加要求事項を定めていることから、認証を取得するのは容易ではありません。また、国内の食品製造業者が取得する食品管理規格の中で、FSSC22000は2番目に取得率が高くなっています。トップは地方公共団体によるHACCPの6.8%、FSSC22000は5.3%で2番目です。自社商品の安全性を証明するハイレベルなシステム規格を求める企業は多く、今後も増え続けることが予想されます。取得するメリット2つFSSC22000を取得するメリットは以下の通りです。社外の人に自社商品の安全性を証明できる業務の効率化が狙える一般的に、企業・消費者ともに、安全性が疑われる食品を進んで購入する人はいないでしょう。原材料の調達から食品の製造まで、各工程で高いレベルの食品管理を実施していると説明すれば、安全性を評価して購入につながる可能性が高まります。とはいえ、原材料の調達から製造までの流れを詳しく説明すると時間がかかってしまいます。製造工程の中に企業秘密が含まれている場合は、すべてを明かすこともできません。FSSC22000の認証を取得することにより、社外の人に自社食品の安全性の高さを証明できます。認証があることで、詳細な説明をしなくても、自社の食品管理について簡潔かつ明快に相手に示すことができます。また、FSSC22000は食品製造の工程を可視化するので、業務効率の向上が期待できます。一連の工程を可視化すれば、「無駄な工程がないか」「簡略化できる作業はないか」を確認することが可能です。無駄のないスムーズな工程を作り出せば、業務が円滑に進んで社員のモチベーションもアップするでしょう。FSSC22000の対象事業者認証を取得できる対象事業者は以下の通りです。食品製造業レストランやホテルなどへのケータリング業食品包装や包装材の事業畜産業水産業流通や輸送業化学製品の製造業規格取得のメインとなるのは食品製造業やケータリング業ですが、流通や輸送業、化学製品の製造業も取得可能です。このほか、食品を包む包装材を製造する事業も取得できます。食品の安全性が証明されていても、食品を包む包装材に不可解な点があれば、消費者は購入しづらくなります。安全な包装材を使っているとわかれば、食品への信頼性はより高まるでしょう。認証取得の難易度FSSC22000は厳しい要求事項が設定されているものの、必ずしも「難易度が高い」というわけではありません。取得に求められる要求事項には、食品を安全に作るための取り組みが記載されています。原材料の入手先から製造まで、安全面に配慮している企業であれば、すでに要求事項を満たしている可能性もあります。認証取得を検討している方は、まずは要求事項を確認することを推奨します。その上で、要求事項を満たしていない部分があれば、改善して申請を行いましょう。FSSCとは?ISOとの違いについてFSSC22000は、食品業界で注目を集めているシステム企画です。しかし、「そもそもFSSCとは何か」と疑問を持っている人もいるでしょう。同じ食品関連の規格であるISOとは何が違うのかや、どちらを取得すべきなのかを迷っているケースもあるかもしれません。ここでは、FSSCとISOは何が違うのかを解説します。FSSCとISOの違いFSSC とISO (International Organization for Standardizationn)は、どちらも食品の安全性を証明する国際規格です。FSSCはオランダの財団、ISOはスイスの民間機関が開発しています。ちなみに、食品安全基準として初めて誕生したのは、HACCPです。食品の製造過程における危険性や、危険を避けるための対策がガイドライン化され、食品の安全性は飛躍的に向上しました。しかし、HACCPは企業がどの国にあるのかによって基準が異なっていて、衛生管理部分が不明瞭であることが指摘されてきました。そこで、HACCPのマイナス部分を改善した国際規格として誕生したのが、ISO22000です。ISO22000は国際規格なので、国や認証団体によって要求事項が変わることはありません。ISO22000は安全面や衛生面のシステム規格として幅広く普及しましたが、一部の内容が原因で食品の事故が発生することもありました。こうした事故をなくし、さらに安全性を高めるために開発されたのがFSSC22000です。FSSC22000はISO22000要求事項よりも厳格ISO22000とFSSC22000を比べると、後者のほうが内容が厳しくなっています。ISO22000では、具体的な内容の認証を企業の判断に任せている面があり、企業によって取り組み内容に差異が生じていました。その点において、FSSC22000はISO22000のあいまいな部分を明確にしています。認証を取得する企業によって安全面・衛生面に差異が生じないため、消費者の信頼を獲得しやすくなると期待できます。FSSC22000ver6における要求事項の変更点FSSC22000は誕生してから数回バージョンアップしていて、2023年4月にはver6が発行されました。すでに認証を取得している企業は、変更内容を確認した上で、新しい内容に対応することが求められます。ver6の変更点は以下の項目についてです。容器包装にリサイクル原料を使用トレーニング・申告・検証・確認を含む全体的なアレルゲン管理製品ラベル・包装の情報管理デザイン管理と印刷管理食品防御・偽装の要求事項の供給者への要求輸送タンカーの清掃異物の管理品質管理の体系的なアプローチ設備管理食品ロスと廃棄物コミュニケーションに対する要求事項要求事項のバージョンアップに伴い、認証を取得している企業には監査が入ります。監査の時期までに変更点を確認し、食品管理体制を整えましょう。まとめFSSC22000は、ハイレベルな食品管理が求められる国際規格のひとつです。同じ国際規格であるISO22000よりも要求事項が厳格なため、どんな企業でも簡単に取得できるとはいえません。しかし、認証を取得すれば、国内だけでなく、海外にも食品の安全性をアピールできます。消費者からの信頼向上が期待できるので、企業とユーザーの双方にメリットがあります。今回の記事を参考に、認証の概要やメリットを知り、理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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