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特集|高齢者向け原料のご紹介〜拡大するシニア市場に〜

少子高齢化が進行する中、高齢者の健康維持や生活の質を向上させるための食品需要が増加しています。ある調査によると、介護食の市場規模は、2024年に過去最大の1,200億円を超える見込みです。
 
この記事では、拡大する介護食市場の動向のほか、高齢者に必要な食事、政府が普及推進する「スマイルケア食」についても解説します。高齢者向け食品開発に役立つ食品原料もあわせてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

介護食市場は2030年に1,405億円に


介護食市場は、2030年には1,405億円(2023年比18.4%増)になると予測されています(※1)。
 
超高齢社会である日本では、総人口の29.0%を65歳以上の高齢者が占めています(2022年10月時点)。さらに、この割合は今後も上昇し続け、2037年には33.3%となり、国民の3人に1人が65歳以上になると推計されています(※2)。
 
要介護・要支援認定者の増加や、栄養摂取・管理ニーズの高まり、介護に関わる人手不足、さらには、在宅介護向け需要の高まりなどを背景に、調理済みの介護食を利用するケースが今後ますます増えていく見通しです。
 
※1参考:富士経済「介護食(流動食、やわらか食、栄養補給食)の市場を調査
※2参考:内閣府「令和5年版高齢社会白書

栄養補給、嚥下調整…高齢者に必要な食事とは



では、高齢者に必要な食事、食べやすいメニューとはどのようなものでしょうか。
 
高齢になると、ひざや腰といった身体の衰えだけでなく、噛む力や飲み込む力など食事に関する機能も低下します。
 
「麺類など手軽な料理が増える」、「硬くて噛み切りにくい肉類・野菜が敬遠される」など、食生活が偏ることで、健康を維持するための栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)が不足しがちになります。健康な状態から要介護へ移行する段階を「フレイル」と言いますが、早いうちから意識することでフレイルを予防することも大切です。
 
また、加齢によって嚥下機能が低下すると、噛むことや飲み込むことに配慮した「嚥下調整食」の利用が必要となります。日本人の死因として多いものに「肺炎」がありますが、誤嚥に起因する「誤嚥性肺炎」が、2023年は肺炎の次に多い第6位(60,186件)となっています(※3)。安全においしく食事を楽しむためには、身体機能の段階に応じた食べやすいメニュー、例えば、柔らかく煮る、細かく刻む、とろみを付けるなどの工夫が必要不可欠です。

高齢者一人ひとりに適したメニューを考える際には、「嚥下食ピラミッド」が参考になります。

※3参考:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況
参考:嚥下食ドットコム
 
 

「スマイルケア食」海外展開も視野に

 農林水産省では、これまで介護食品と呼ばれてきた食品の範囲を整理し、「スマイルケア食」として認知度の向上と普及に取り組んでいます。
 

「スマイルケア食」は、

  • 健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品に「青」マーク
  • 噛むことが難しい人向けの食品に「黄」マーク
  • 飲み込むことが難しい人向けの食品に「赤」マーク

を表示し、それぞれの方の状態に応じた「新しい介護食品」の選択に寄与するものです。
 
このような共通のマークを用いて消費者にわかりやすく伝えていくことも、食品企業に求められている大切な役割です。
 
また政府は、「高齢者が食を楽しむことで実りある療養生活を営めることを目指したスマイルケア食は、日本の有望な輸出食品としての大きな潜在性を有している」とし、今後、高齢化が進む東南アジアを中心とした海外市場の開拓・商流の確立にも力を入れていく方針です。

参考:農林水産省「スマイルケア食(新しい介護食品)

高齢者向け食品開発に役立つ原料のご紹介

シェアシマで”介護食”をキーワードに訴求している商品


シェアシマ商品開発セミナーでご紹介

第46回セミナー「健康と美味しさを両立する高齢者向け原料〜次の素材をお探しの方へ」(2024年6月26日開催)では、登壇企業3社より高齢者向け食品開発に役立つ原料をご紹介いただきました。

パーム油を原料とした汎用性粉末油脂です。介護食に使用することで、高カロリーでありながら食べやすい物性の食品を作ることができます。高齢者食に油を配合する際、乳化剤の選定や高圧ホモなどの設備が必要ですが、ミヨシ油脂の粉末油脂であれば、添加するだけで乳化するための特別な設備は必要ありません。

オメガヴィーパウダー100、ミヨシ亜麻仁油パウダーには、心臓疾患予防、認知症緩和など高齢者にとって必要な機能を持つオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。


パラチノースは、消化吸収が緩やかで低GIな糖質です。血管の健康維持、カロリーアップなど、高齢者の方向け食品、飲料、お菓子など様々な採用実績があります。


脳の健康をケアする素材「鶏ムネ肉プラズマローゲン」。アルツハイマー病などの老化関連疾患には酸化ストレスが深く関係しています。プラズマローゲンは特殊な構造を持つリン脂質であり、生体内では酸化ストレスから細胞を守る防御因子として機能していることが知られています。


尚、本セミナーのアーカイブは、開催1ヶ月後にこちらのページからご覧いただけます。見逃してしまった方、もう一度見たい方はぜひご覧ください。


おいしく食事をとること、食事を楽しむことは、高齢者が健康に生活するうえでとても大切なことです。 また、利用しやすい調理済み介護食の普及は、食べる本人にとっても、高齢者を支える人々にとっても大きな助けとなります。この記事を参考に、食品開発の課題に適した商品をぜひ見つけてください。

執筆者プロフ
シェアシマ編集部

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、累計記事執筆2,500以上の元新聞記者等々、30〜40代の編集メンバーを中心に運営中

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食品原料

特集|高齢者向け原料のご紹介〜拡大するシニア市場に〜

少子高齢化が進行する中、高齢者の健康維持や生活の質を向上させるための食品需要が増加しています。ある調査によると、介護食の市場規模は、2024年に過去最大の1,200億円を超える見込みです。 この記事では、拡大する介護食市場の動向のほか、高齢者に必要な食事、政府が普及推進する「スマイルケア食」についても解説します。高齢者向け食品開発に役立つ食品原料もあわせてご紹介します。ぜひ、参考にしてください。介護食市場は2030年に1,405億円に介護食市場は、2030年には1,405億円(2023年比18.4%増)になると予測されています(※1)。 超高齢社会である日本では、総人口の29.0%を65歳以上の高齢者が占めています(2022年10月時点)。さらに、この割合は今後も上昇し続け、2037年には33.3%となり、国民の3人に1人が65歳以上になると推計されています(※2)。 要介護・要支援認定者の増加や、栄養摂取・管理ニーズの高まり、介護に関わる人手不足、さらには、在宅介護向け需要の高まりなどを背景に、調理済みの介護食を利用するケースが今後ますます増えていく見通しです。 ※1参考:富士経済「介護食(流動食、やわらか食、栄養補給食)の市場を調査」※2参考:内閣府「令和5年版高齢社会白書」栄養補給、嚥下調整…高齢者に必要な食事とはでは、高齢者に必要な食事、食べやすいメニューとはどのようなものでしょうか。 高齢になると、ひざや腰といった身体の衰えだけでなく、噛む力や飲み込む力など食事に関する機能も低下します。 「麺類など手軽な料理が増える」、「硬くて噛み切りにくい肉類・野菜が敬遠される」など、食生活が偏ることで、健康を維持するための栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など)が不足しがちになります。健康な状態から要介護へ移行する段階を「フレイル」と言いますが、早いうちから意識することでフレイルを予防することも大切です。 また、加齢によって嚥下機能が低下すると、噛むことや飲み込むことに配慮した「嚥下調整食」の利用が必要となります。日本人の死因として多いものに「肺炎」がありますが、誤嚥に起因する「誤嚥性肺炎」が、2023年は肺炎の次に多い第6位(60,186件)となっています(※3)。安全においしく食事を楽しむためには、身体機能の段階に応じた食べやすいメニュー、例えば、柔らかく煮る、細かく刻む、とろみを付けるなどの工夫が必要不可欠です。高齢者一人ひとりに適したメニューを考える際には、「嚥下食ピラミッド」が参考になります。 ※3参考:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」参考:嚥下食ドットコム  「スマイルケア食」海外展開も視野に 農林水産省では、これまで介護食品と呼ばれてきた食品の範囲を整理し、「スマイルケア食」として認知度の向上と普及に取り組んでいます。 「スマイルケア食」は、健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品に「青」マーク噛むことが難しい人向けの食品に「黄」マーク飲み込むことが難しい人向けの食品に「赤」マークを表示し、それぞれの方の状態に応じた「新しい介護食品」の選択に寄与するものです。 このような共通のマークを用いて消費者にわかりやすく伝えていくことも、食品企業に求められている大切な役割です。 また政府は、「高齢者が食を楽しむことで実りある療養生活を営めることを目指したスマイルケア食は、日本の有望な輸出食品としての大きな潜在性を有している」とし、今後、高齢化が進む東南アジアを中心とした海外市場の開拓・商流の確立にも力を入れていく方針です。参考:農林水産省「スマイルケア食(新しい介護食品)」高齢者向け食品開発に役立つ原料のご紹介シェアシマで”介護食”をキーワードに訴求している商品パフソフト玄米|株式会社 ライスアイランド【肌・血管・ひざ 機能性表示対応】カツオエラスチン|林兼産業 株式会社レオレックスRS|清水化学株式会社乾燥納豆|有限会社川口納豆ヒートゲル極|ユニテックフーズ 株式会社かつおでんぶ|株式会社山政甘えび粉末|ラングスター 株式会社シェアシマ商品開発セミナーでご紹介第46回セミナー「健康と美味しさを両立する高齢者向け原料〜次の素材をお探しの方へ」(2024年6月26日開催)では、登壇企業3社より高齢者向け食品開発に役立つ原料をご紹介いただきました。マジックファット200|ミヨシ油脂株式会社パーム油を原料とした汎用性粉末油脂です。介護食に使用することで、高カロリーでありながら食べやすい物性の食品を作ることができます。高齢者食に油を配合する際、乳化剤の選定や高圧ホモなどの設備が必要ですが、ミヨシ油脂の粉末油脂であれば、添加するだけで乳化するための特別な設備は必要ありません。オメガヴィーパウダー100|ミヨシ油脂株式会社ミヨシ亜麻仁油パウダー|ミヨシ油脂株式会社オメガヴィーパウダー100、ミヨシ亜麻仁油パウダーには、心臓疾患予防、認知症緩和など高齢者にとって必要な機能を持つオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。結晶パラチノース®PST‐N|DM三井製糖株式会社還元パラチノース(パラチニット)PN|DM三井製糖株式会社パラチノースは、消化吸収が緩やかで低GIな糖質です。血管の健康維持、カロリーアップなど、高齢者の方向け食品、飲料、お菓子など様々な採用実績があります。鶏ムネ肉プラズマローゲン(粉末タイプ)|丸大食品株式会社鶏ムネ肉プラズマローゲン(エキスタイプ)|丸大食品株式会社脳の健康をケアする素材「鶏ムネ肉プラズマローゲン」。アルツハイマー病などの老化関連疾患には酸化ストレスが深く関係しています。プラズマローゲンは特殊な構造を持つリン脂質であり、生体内では酸化ストレスから細胞を守る防御因子として機能していることが知られています。尚、本セミナーのアーカイブは、開催1ヶ月後にこちらのページからご覧いただけます。見逃してしまった方、もう一度見たい方はぜひご覧ください。おいしく食事をとること、食事を楽しむことは、高齢者が健康に生活するうえでとても大切なことです。 また、利用しやすい調理済み介護食の普及は、食べる本人にとっても、高齢者を支える人々にとっても大きな助けとなります。この記事を参考に、食品開発の課題に適した商品をぜひ見つけてください。

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製菓製パンの美味しさを長時間キープする、ミヨシ油脂の機能性油脂

機能性油脂とは機能性油脂とは、「菓子やパンなどの食感を改良する」「冷凍・冷蔵による生地の老化を防止してソフトさ・しっとり感を長時間維持する」といった機能を有する食品加工用油脂です。機能性油脂はドーナツやフィナンシェ、マドレーヌ、スポンジケーキ、パン、どらやきなど、さまざまな商品で活用されています。今回は、機能性油脂を製造・販売しているミヨシ油脂株式会社(東京都葛飾区)がどのような企業かを紹介した上で、同社の機能性油脂「パールインプラス」の特長、および、アプリケーション事例と効果について解説します。食品開発に関わっている人は、ぜひ参考にしてみてください。油脂の力と高い技術力、ミヨシ油脂の“ものづくり”ミヨシ油脂株式会社は1921年創業の、油脂製造販売事業を営む企業で、「人と人とのつながり」を大切にし、「良きものづくり」を通じて健やかな社会の発展に貢献しています。以下は、同社の主な事業内容です。食品事業:マーガリン、ショートニング、ラード、ホイップクリーム、粉末油脂など、食用加工油脂の製造・販売油化事業:脂肪酸、グリセリン、工業用石鹸、繊維用処理剤、消泡剤、香粧品原料、重金属捕集剤、重金属固定剤、各種界面活性剤などの製造販売なお、同社の機能性油脂の特長は、100年以上にわたる営業で培われた高い技術力に基づいて、食品加工に役立つ多種多様な機能が付与されていることです。機能性乳化油脂「パールインプラス」の紹介ミヨシ油脂株式会社では、菓子のソフトさとしっとり感を持続させる酵素配合の機能性乳化油脂「パールインプラス」を製造・販売しています。以下、パールインプラスの特長を4つ紹介します。ソフトさとしっとり感が長時間持続パールインプラスを使用すると、酵素と乳化剤の相乗効果でデンプンの老化が抑制され、理想の食感を維持できます。また、複数の酵素の組み合わせにより、焼き縮みを抑制できることも強みです。デンプンの老化によって引き起こされる「もろさ」や「ざらつき」が低減されるため、ソフトさとしっとり感が長時間持続する商品を製造できます。低消泡性・分散性パールインプラスは、流動状の水中油滴型乳化物で、水中に細かい油滴が分散している構造の製品です。生地中の気泡を壊しにくい性質(低消胞性)があるため、多種多様な菓子、パンに活用できます。また、生地中に分散しやすい性質(分散性)を有していることも魅力です。酵素の作用温度帯パールインプラスに含まれる酵素は、作業温度帯(「生地をこねる」などの作業を実施する温度帯)である35℃以下では活性が低いため、生地に変化が生じにくい傾向があります。しかし、焼成温度帯(生地をオーブンなどで焼く温度帯)では、酵素の活性が高くなり、効率よく生地に作用。作業性に影響せずに効果が発揮されることが、パールインプラスの特長です。なお、一般的に、焼成後には酵素は失活します。パールインプラスのアプリケーション事例と効果ここからは、パールインプラスの活用事例(ミヨシ油脂株式会社が試験配合した事例)、および、各事例における効果を紹介します。パウンドケーキ(常温保存)パウンドケーキを作る際にマーガリンの一部置き換えで、パールインプラスを対紛15%、全体量に対しては3.7%添加したケースです。この事例では、20℃で保管して90日間経過しても、無添加のサンプルに比べてやわらかさが保たれる傾向が見られました。また、官能評価の結果によれば、しっとり感やソフトさが増加し、老化によるざらつきが抑制されていることも確認されています。なお、パールインプラスを添加したパウンドケーキは酵素の効果が発揮されやすく、時間が経過してもかたくなりにくい傾向が見られました。スポンジケーキ(常温、冷凍保存)パールインプラスを対粉15%分含む生地でスポンジケーキを作ったケースです。この事例では、「20℃で保存して3日経過した場合」と「冷凍保存して3日後および14日後に常温で解凍してから測定した場合」の両方において、無添加のサンプルに比べてやわらかさが維持される傾向が見られました。どらやき(常温、チルド保存)パールインプラスを対粉10%分添加して、焼成時間は1分40秒でどらやきを作ったケースです。この事例では、20℃で保管した上で90日程度の時間が経過しても、無添加のサンプルに比べてやわらかさが保たれる結果が確認されました。焼成時間が短くても、充分に効果が発揮されます。また、「チルド(5℃)で7日間保存したサンプル」について官能評価を実施したところ(いずれも粉の10%分のパールインプラスを添加)、無添加のサンプルに比べて口溶けやしっとり感などが維持され、デンプンの老化に起因するもろさやざらつきが抑制されているという結果が出ています。抹茶フィナンシェ(常温保存)パールインプラスを使用して(マーガリンの15%分を置き換えて)抹茶フィナンシェを作ったケースです。一般的に、抹茶を含む生地はぱさつきやすい傾向があります。常温で40日経過後に官能評価を実施したところ、パールインプラスを使用したサンプルは、使用していないサンプルに比べて、ソフトさや口溶け、しっとり感、じゅわっと感(油性感)が高く、ざらつきが抑制されているという結果が出ています。まとめ菓子やパンなどを製造・販売する際に課題となるのが、時間の経過によって商品がかたくなったり、ざらついたりすることです。主な原因はデンプンの老化によるもので、ミヨシ油脂株式会社の機能性乳化油脂「パールインプラス」を使用することで抑制できます。ソフトさやしっとり感を長時間維持できる食品を開発したい場合は、パールインプラスの使用を選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。なお、ご質問・ご相談がある場合は、ミヨシ油脂株式会社までお問い合わせください。

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日持ち向上剤のご紹介〜食品の安全性向上やフードロス削減に貢献〜

日持ち向上剤とは、食品の保存性を短期的に高めるために使用される食品添加物のことです。保存料ほどの強力な効果はありませんが、食品の日持ちを良くすることができ、食品の安全性向上やフードロス削減に大きく貢献しています。この記事では、日持ち向上剤とは何か、日持ち向上剤の種類と特徴、保存料との違い、気になる食品表示について解説します。シェアシマに掲載されている商品もあわせてご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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【5月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている815点(5月末日時点)のうち、2024年5月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

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花粉症予防で注目の果物「じゃばら」|効能・食べ方・使い方を紹介【紀伊路屋】

和歌山県の幻の果実「じゃばら」の紹介じゃばらは、花粉症予防の効果が期待されることで注目されている果物です。和歌山県有田郡の最南端・広川町で農園業を営む紀伊路屋合同会社では、このじゃばらを生産し、無加工のまま、あるいは、粉末や果汁などの形に加工した上で販売しています。じゃばらとは、和歌山県の飛び地「北山村」に自生していた柑橘で、柚子と九年母(くねんぼ)という柑橘類の交配種です。北山村に1本だけ自生していた自然雑種で、ごく限られた地域でのみ栽培される希少果実であることから「幻の果実」とも呼ばれます。名称は「邪気を払う」に由来し、種が少ないことが特長です。昔からじゃばらは、お正月料理などで「食用酢」のような使われ方をしてきました。11月頃から色づきはじめて12月頃に黄色く熟します。霜に弱いため、山間部では冷害を受ける前に収穫されますが、紀伊路屋合同会社は和歌山県の温暖な地域で栽培しているため、黄色く熟してから収穫することができます。今回は、紀伊路屋合同会社がじゃばらの果皮まで100%使い切って自社栽培・自社加工で製造しているじゃばらの商品について解説します。加えて、じゃばらの効果・効能、じゃばら商品のラインナップ、食べ方・使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。じゃばらの効能と花粉症への効果じゃばらは、ビタミンB1・B2・Cやカロチン、クエン酸などの栄養が豊富です。また、フラボノイドの一種「ナツダイダイン」も多く含んでいます。加えて、ほかの柑橘に比べて、フラボノイドの一種「ナリルチン」の量が多いことも、じゃばらの特長です。ナリルチンには、花粉症の原因になる「脱顆粒(だつかりゅう)現象」を抑制する機能があると、和歌山県工業技術センターが発表しています。「脱顆粒」とは、「体内に侵入したアレルギー物質と結合した細胞」が、アレルギー物質を体外に追い出すために、「くしゃみや鼻水を引き起こす物質」を放出する作用です。ナリルチンには即効性があり、摂取してから1~2時間程度で効果が感じられます。なお、果肉よりも果皮に特に多くのナリルチンが含まれています。岐阜大学医学部による論文によれば、「朝と夕方にそれぞれ5㎖のじゃばら果汁を飲むとスギ花粉症の症状とQOLの改善にきわめて有効」とされています。自社栽培・自社加工による最高の商品づくり紀伊路屋合同会社は、江戸時代から農園業を営み、環境に優しいエネルギー(太陽光発電や蓄電池など)を活用した「環境保全型農業」に取り組んでいます。2004年には、和歌山県知事から「エコファーマー」に認定されました。安全性や品質にこだわりがあり、「特別栽培レベル」でじゃばらを栽培しています。化学合成農薬や化学肥料の使用量は、従来の半分以下です。また、自社および提携団体・提携企業で果実の栽培から加工に至るまでのプロセスを担い、最高の状態で商品を届けられる体制が構築されています。じゃばらの商品ラインナップ以下は、紀伊路屋合同会社が製造・販売している「じゃばら加工商品」の具体例です。商品は、冷凍や乾燥、熱殺菌による無添加素材で、妊娠中の女性や子どもも安心して食べることができます。じゃばら果汁(150ml、720ml、一斗缶)じゃばら果皮粉末(50g、200g、20㎏)じゃばらピューレ(1㎏、2㎏、20㎏/冷凍)じゃばら果汁は、じゃばらを旬の時期に搾った製品です。100%ストレート果汁で、添加物は含まれません。じゃばら果皮粉末は、じゃばらの「果皮」の部分を「冷凍→解凍→乾燥→粉砕→ふるい分け」という流れで加工した製品です。なお、「粗びきタイプ」と「粉末タイプ」の2種類があります。あまり細かくしすぎると封を開けた際にホコリのように飛散しやすくなるため、粉末タイプは「50メッシュ」の粗さのふるいにかけられています。じゃばらピューレは、果実全体をミキサーにかけてピューレ状にし、加熱処理した製品です。上記以外にも、さまざまな商品があります。詳細は、紀伊路屋合同会社の公式サイトでご確認ください。じゃばら商品の食べ方・使い方ここからは、じゃばら商品の食べ方・使い方の例を紹介します。じゃばら果汁は、そのまま飲むだけでなく、酸味・甘味・香りを活かして、さまざまな料理に使用することが可能です。以下に、主な食べ方・使い方を示します。ドレッシングの材料として使用し、焼き魚やサラダにかける餃子や焼肉のタレに入れる(ポン酢のような使い方が可能)焼酎に入れて飲む牛乳に入れて飲む(ヨーグルトのようになる)水と混ぜて「ニアウォーター系飲料」にする冬場は、温めて「ホットじゃばら」として飲む香辛料を加えて「じゃばスコ」にする(レモスコやユズスコのような感覚で使用)寿司の酢飯を作る際に、あるいは、魚をしめる際に酢の代わりに使用「粗びきタイプ」のじゃばら果皮粉末は、茶葉(紅茶など)とブレンドする使い方がおすすめです。「粉末タイプ」に関しては、以下に示すように、多様な使い方があります。水やジュースなどの飲み物に混ぜて飲むスープに入れるヨーグルト・アイスクリームなどのデザートにかけるサラダにかける七味唐辛子の材料にする(「陳皮(ちんぴ)」の代用になる)チョコレート・マシュマロ・キャンディー・ケーキ・パンなどの材料として使用する塩と混ぜて「じゃばら塩」にするパスタやうどん、ラーメンの麺にパウダーを練りこむじゃばらを具材にして「フルーツグラノーラ」を作る続いて、じゃばらピューレの主な食べ方・使い方です。フルーツソース(ヨーグルトなどにかける)グミやキャンディーに加工するパスタ・ラーメン・うどんなどの麺類に練りこむケーキの材料として使用するコショウと混ぜ合わせて、「柚子コショウ」のように使う上記は、あくまでも「例」に過ぎません。多種多様な食べ方・使い方が可能です。まとめ花粉症予防で注目される果物「じゃばら」は、ごく限られた地域でのみ栽培される希少果実です。じゃばらは、花粉症に対する効果・効能を期待できるフラボノイド「ナリルチン」を多く含み、ビタミンB1・B2・Cやカロチン、クエン酸などの栄養も豊富です。江戸時代から農園業を営む紀伊路屋合同会社は、安全性や品質にこだわり、じゃばら栽培で使用する化学合成農薬・化学肥料の使用量を、従来の半分以下に抑えています。また、じゃばらの栽培だけではなく、「じゃばら果汁」「じゃばら果皮粉末」「じゃばらピューレ」など、いずれも無添加素材を使用し、さまざまな商品に加工して販売しています。じゃばらを加工した商品は、多様な食べ方・使い方が可能なので、新しい食品の開発に取り入れてみてはいかがでしょうか。じゃばらに関して不明な点がある場合や、じゃばら商品の活用方法に関して知りたいことがある場合は、紀伊路屋合同会社にお気軽にご質問・ご相談ください。

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発酵調味料でおいしくコストダウン|原材料高騰の悩みを解決【オリエンタル酵母工業】

「発酵調味料」とは発酵調味料とは、発酵の力を活かした調味料です。微生物(酵母や乳酸菌など)の代謝産物が、複雑で奥深い味わいを作り出します。日本の食卓に欠かせない「味噌」や「醤油」も、発酵調味料の一種です。オリエンタル酵母工業株式会社(東京都板橋区)は、酵母を起点とした「技術立社」を掲げるBtoBメーカーで、製パン用イーストを中心に、食品メーカーに役立つ発酵調味料などの食品原料を開発・販売しています。今回は、発酵食品が注目される理由や、発酵調味料のメリット、オリエンタル酵母工業株式会社が販売する発酵調味料の製品ラインナップおよび活用事例に関しても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。発酵のチカラでお客様の問題を解決|発酵調味料でおいしくコストダウンオリエンタル酵母工業株式会社は、1929年に日本初の製パン用イーストメーカーとして創立された会社で、長年、日本におけるパンの普及と質の向上に貢献してきました。現在も、国産イーストのトップメーカーとして市場を牽引しています。オリエンタル酵母工業株式会社の事業の柱は、食と健康を支える「食品事業」と、創薬を支える「バイオ事業」の2つです。食品事業では、これまでに事業を通じて培った知見と技術開発力に基づいて、多種多様な食品素材を製パン・製菓・中食・外食といった市場へ提供し、発酵の力で食品加工会社の問題解決をサポートしています。また、バイオ事業では、原料や試薬を供給して創薬を支えています。下表に、オリエンタル酵母工業株式会社の主な取扱い製品をまとめました。