
アップサイクルのヒット商品を支える加工技術【京都グレインシステム】
食品製造の過程で廃棄される食材を、新たな食品として再利用するアップサイクル。食品ロス削減対策のひとつとして、食品業界でさまざまな試みが広がっています。今回は、食品加工のOEMメーカーとして長い実績をもつ京都グレインシステム株式会社が取り組む食品アップサイクル支援事業をご紹介します。
※こちらの記事は、同社の提供でシェアシマ編集部が制作しています。
未利用食材を余すところなく活用するために
野菜などの規格外品や生産ラインで生じる端材など、食の生産現場で発生を避けられない未利用食材。SDGsの観点からはもちろん、食品工場、メーカーが負担する廃棄コストの面も含めて、未利用食材の有効活用は持続可能な食産業を目指す上で切実な課題となっています。
農産物加工メーカー「京都グレインシステム」の挑戦
未利用食材のアップサイクルをこの数年で本格的に事業化し、着実な実績をあげている企業が京都グレインシステム株式会社(本社:京都府京都市)です。1991年に設立後、穀物・茶葉・豆類などの農産物加工を得意とし、飲料や食品、ヘルスケア食品向けの原料提供を幅広く手がけてきた食品加工メーカーです。
自社独自のさまざまな加工ラインを備え、農産物の蒸し加工・乾燥(一部外部委託)・焙煎・パフ化・粉砕・微粉砕など多様な市場ニーズに応えてきた同社。その実績は、年間約200件という試作開発数(自社開発・他社依頼品を含む)に表れています。
多くの加工機械をオリジナル仕様に改造し、多品種かつさまざまなロットの加工に対応できるのが同社の強み。
コロナ禍以降、京都グレインシステムが注力しているのが未利用食材の有効活用です。規格外品などで廃棄するしかない素材を大量に抱えた生産者、製造時に生じた端材の廃棄コストに苦戦する食品工場。その切実な悩みを目の当たりにして、フードロス対策を「クライアントの事業課題」として捉え、食品素材メーカーとしてできることを模索した結果だといいます。
全国5拠点の工場で小ロットから加工対応
京都グレインシステムの強みは、食品加工メーカーとして培ってきた技術と設備、そして国内に点在する工場ネットワークにあります。
主にメーカーをターゲットとし、幅広い受け皿に対応。
現在は京都本社の他に、北海道(旭川工場)・石川(北陸フードデザイン工房)・滋賀(長浜麦茶工場)・奈良グローバル工場・東北フードデザイン研究所(秋田県大仙市に2026年4月オープン予定)の国内5拠点に自社工場を所有する京都グレインシステム。各地域で原料を加工できるのは同社の特色のひとつといえます。
まずは小規模の加工からスタートし、規模拡大する際には自社設備で対応が可能です(乾燥工程は外部委託の可能性あり)。国内の生産者を支援・農業を活性化させたいという企業姿勢から、未利用食材と食品メーカーのニーズが繋がったケースもあります。
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アップサイクル食品を積極的に発信する
なかでも旭川と北陸(石川)併設された「旭川フードデザイン研究所」と「北陸フードデザイン工房」は、同社の未利用食材加工とその食品開発を担う前線基地。主に焙煎加工、粉砕加工、パウダー加工を得意としています。
多様なアップサイクル食品事例
同社が未利用食材のアップサイクル事業に参画したきっかけともなった旭川工場では、穀物に加えて野菜・果実などを中心にさまざまな未利用品の加工に対応してきました。規格外品や未利用の可食部、食品素材から発生する廃棄物(皮・根・葉・茎など)を原料素材としたオリジナル商品の開発を提案しています。
旭川工場に併設された「旭川フードデザイン研究所」が手がけるアップサイクル事例。
玄米からプラントベースの甘味料が誕生
北陸工場内にある「北陸フードデザイン工房」では、玄米を原料に、酵素を用いた糖化により、プラントベースの天然甘味料「ライスシロップ」を製造しています。クセのないやさしい甘さが特長で、砂糖や水あめの代替として、さまざまな食品に利用可能です。植物由来の原料のみを使用しており、ヴィーガンやプラントベース商品の開発にも適しています。
高度な加工設備と生産力を保有しながら、さまざまな要望への対応に積極的な京都グレインシステム。未利用食材の対応に悩む方は、ぜひ一度お問い合わせしてはいかがでしょうか。
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京都グレインシステム株式会社
<会社説明>
京都グレインシステム株式会社は、農産物に蒸し加工、焙煎などの熱処理や粉砕加工を行い、お客様のご要望にあった飲料原料・食品原料・ヘルスケア原料へ加工するメーカーです。FSSC22000認証を取得する食品安全管理システムのもと、安心・安全な製品づくりに取り組んでいます。農作物が飲料・食品などの製品になるまでの仕組みを支える事業者のひとつとして、穀物などの農作物を飲料・食品原料へ変える中間加工の役割を担っています。

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