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マキベリーの効果効能とは|アサイーとの違い、商品例・食べ方も紹介

マキベリーの効果効能とは|アサイーとの違い、商品例・食べ方も紹介

最近、美と健康への意識が高い人たちの間で、マキベリーが話題になっています。その一方で「マキベリーがどのような食材なのかよく分からない」「アサイーやカシス、ラズベリーとの違いは何なのだろうか」といった疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は、マキベリーとアサイーなどのベリー系の果物の特徴を比較した上で、マキベリーの効果効能や、マキベリーに含まれるアントシアニンのがん予防に対する役割について徹底解説します。マキベリーを使った商品や食べ方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

マキベリーとは?

マキベリーとは、ホルトノキ科の常緑低木であるマキ(英名:Maqui、学名:Aristotelia chilensis)の果実です。原産地はパタゴニア地方(南米のチリおよびアルゼンチンにまたがるエリア)。果実は直径6mm程度の球形でつやのある黒紫色で、見た目はブルーベリーによく似ています。

昔からチリ南部の先住民族マプチェ族は、野生のマキベリーを収穫し、ジュースやジャムなどに加工して食してきました。近年、人工栽培が可能になり、世界各国への輸出が拡大しています。

アサイー・カシス・ラズベリーとの違い、比較



下表に、アサイーやカシス、ラズベリーの特徴をまとめました。

名称 主な特徴
アサイー
  • ヤシ科の植物
  • 直径1~1.2cm程度の黒紫色の果実
  • 球形または楕円形
  • 原産地は、中南米の熱帯地方
カシス
  • ユキノシタ科スグリ属の落葉低⽊
  • 直径8mm~1cm程度の黒色の果実
  • 球形に近い形状
  • 原産地は、欧州の温帯地⽅、⻄・中央アジア、ヒマラヤ
ラズベリー
  • 広義では、バラ科キイチゴ属の植物の総称(最狭義では、16世紀にイギリスで栽培が開始されたRubus idaeus L.のこと)
  • Rubus idaeus L.の場合、紅色の集合果で、全体的にイチゴに似た外観をしている(大きさは品種によって異なる)
  • 原産地は、欧州

これらの果実は、マキベリーと同様にビタミンなどの栄養が豊富です。また、海外原産で、国内で流通する果実の多くを輸入に依存している点も似ています。

しかし、科や原産地が異なるほか、含まれるアントシアニンの種類や量などにも違いがあるので混同しないように注意しましょう。

味に関しては、マキベリーやラズベリーが甘酸っぱい風味であるのに対し、アサイーには甘味や酸味がほとんどなく、あっさりとした風味です。カシスは甘味よりも酸味が強いことが特徴です。

マキベリーの栄養成分・効果効能

マキベリーはさまざまな栄養素を含み、強い抗酸化作用を有することから別名「スーパーフルーツ」とも呼ばれます。として紹介される機会が増加しているため、健康や美容に関心がある人は、見聞きした経験をお持ちかもしれません。

マキベリーの主な栄養成分は、以下のとおりです(※1)。

  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • カルシウム
  • カリウム
  • 鉄分
  • アントシアニン


ポリフェノールの一種であるアントシアニンは「抗酸化物質」と呼ばれ、活性酸素の発生や働きを抑制したり、除去したりする作用があります。

なお、マキベリーは、アントシアニン類のなかでも特に抗酸化活性が強い「デルフィニジン類」が豊富です。

活性酸素は動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下の原因になるので、アントシアニンを含むマキベリーを摂取すれば、これらの防止・抑制が期待できるでしょう(※2)。

※1参考:医療法人涼葵会 W CLINIC「あらゆる老化を防ぐマキベリーとは?
※1参考:片山佳子ほか(2017年)「マキベリーの抗酸化活性について」一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
※2参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化物質

がん予防に対するアントシアニンの役割

試験管内や生体内におけるさまざまな研究により、アントシアニンにはがんを予防する効果があることが示唆されています。

アントシアニンは、がん細胞のアポトーシス(細胞死)またはオートファジー(自食作用)を促すことによって増殖を阻害するほか、化学療法に対する感受性を高めるという報告もあります(※)。

※参考:Bo-Wen Linほか(2016年)「Effects of anthocyanins on the prevention and treatment of cancer」British Journal of Pharmacology、Volume174、 Issue11、pp.1226-1243

マキベリーを使った商品



ここでは、マキベリーを使った商品の代表例を紹介します。

パウダー

日本では生の状態のマキベリーを入手することは困難ですが、粉末状に加工した「マキベリーパウダー」であればインターネット通販などで容易に入手できます。

マキベリーパウダーは、果実を種ごとフリーズドライ製法により、高熱を加えずに乾燥させたものが多いです。水などに溶かして飲んだり、料理に混ぜたりと、さまざまな活用方法があります。

サプリメント

粉末状に加工した製品のほか、錠剤の形に加工したサプリメントも流通しています。

溶かしたり、料理に混ぜたりする手間なく、水などと一緒に飲むだけでマキベリーに含まれる栄養素を摂取することが可能です。

マキベリーエキス

パウダーやサプリメント以外に、マキベリーの成分を抽出した「エキス」も製造・販売されています。

エキスは、食材としてではなく、主に美白材やドライアイ予防・治療剤といった形で利用されています。

マキベリーの食べ方



ここからは、マキベリーの食べ方を紹介します。

スムージーやジュースにして飲む

マキベリーパウダーには、ほどよい甘さと酸味があります。スムージーを飲む習慣がある人は、マキベリーパウダーを加えるのもおすすめです。

スムージーの材料(バナナ、牛乳など)が手元にない場合は、水に溶かしてハチミツなどを加えて飲んでみてはいかがでしょうか。手軽に作れて、多忙な人でも長く続けやすいので、ぜひ試してみてください。

ヨーグルトやアイスクリームに振りかける

ヨーグルトやアイスクリームにマキベリーパウダーを振りかけて食べる方法もおすすめです。
マキベリーにはベリー特有の風味がありますが、ほのかに感じる程度であり、強く主張するわけではありません。

パンケーキや焼き菓子の生地に加える

パンケーキやクッキーなどの焼き菓子クッキーなどの生地にマキベリーパウダーを混ぜると、ベリー特有の香りや酸味、甘味が加わって美味しくなります。

まとめ

マキベリーは、さまざまな栄養素を含み、強い抗酸化作用を有していることからスーパーフルーツです。動脈硬化やがんを予防したり、老化や免疫機能の低下を抑制したりすることが期待できます。

美と健康への意識が高い人たちの間で話題になっている、マキベリー。新しい素材として、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。



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