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新しい食の価値基準「ウェルパ」とは? 心と体を満たすウェルビーイングな商品開発の視点

新しい食の価値基準「ウェルパ」とは? 心と体を満たすウェルビーイングな商品開発の視点

現代の食品市場において、「健康」の概念が劇的な変化を遂げています。これまでの健康志向では、「糖質オフ」「減塩」「カロリー制限」といった、何かを我慢することが一般的でした。しかし、現在は、身体的な健康だけでなく「ウェルビーイング」、つまり「より良く生きること」そのものを食に求める消費者が急増しています。

2024年度の「健康日本21(第三次)」では、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」の根底にある考え方として、身体的・精神的・社会的なウェルビーイングの向上が明確に位置づけられました。

この変化は、商品開発者にとって単なるトレンドではなく、「栄養価という機能」から「幸福度という体験」へと大きくシフトしていることを意味します。本記事では、その鍵を握る新しい概念「ウェルパ」を軸に、次世代の食ニーズを深掘りします。

※参考:厚生労働省「健康日本21(第三次)」
※参考:ヴェネッセ ウェルビーイング Lab「ウェルビーイングってなんだろう」

ウェルパ(ウェルビーイング・パフォーマンス)志向とは? 新しい食の価値基準


「ウェルパ」とは、「ウェルビーイング(Well-being:心身の良好な状態)」と「パフォーマンス(Performance:成果)」を合わせた造語で、若い世代中心に、2023年ごろから注目されはじめました。

「コスパ」や「タイパ」の次にくる概念として提唱されており、「その食事によってどれだけ心身の充足感(幸福度)を効率的に得られたか」を示すものです。

食におけるウェルパの定義と構造

消費者は単に「おいしい」や「体に良い」だけでは満足しにくくなっています。

  • 効率的な充足: 短時間でも心が整う、あるいは、満足感が長く続く
  • 自己肯定感の向上: 「これを食べている自分は、自分を大切にできている」という実感
  • 罪悪感からの解放: 嗜好品であっても、素材や背景に納得感があることでストレスなく楽しめる

開発者にとってのウェルパとは、「摂取カロリーあたりの幸福最大化」を設計することに他なりません。

※参考:未来予測支援ラボ「コスパとタイパの次に来るトレンド、”ウェルビーイング・パフォーマンス”」

消費者が求める「食を通じた幸福」の3つの要素

ウェルパ志向の消費者が求めているのは、以下の3つの要素が調和した状態です。

要素 ニーズ 期待されていること
身体的(Physical) 根本的な体調の良さ 健康や筋力の維持、腸内環境の改善、睡眠の質の向上、血糖値の安定による集中力など
精神的(Mental) 心の癒しとマインドフルネス 調理工程の癒し、香りがもたらすリラックス、自分へのご褒美など
社会的(Social) 環境への配慮や他者とのつながり エシカル消費、地産地消、シェアすることで生まれるコミュニケーションなど

これからの開発には、栄養成分表に書くことができない「情緒的価値」をいかにロジカルに組み込むかが求められます。

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食品開発への応用|ウェルパを最大化する商品設計のポイント



「ウェルパ志向」を意識した商品開発には、従来のスペック競争とは異なるアプローチが必要です。

① 「機能+情緒」のハイブリッド設計

単に「プロテイン20g配合」とするのではなく、「忙しい朝に、これ一杯で自信が持てる」といった、飲んだ後の心理的変化を逆算して設計します。

② 罪悪感(ギルト)を「納得感」に変換する

スイーツやスナックにおいて、単なる低カロリー化は満足度を下げます。いかに納得感を与えられるかが重要です。

たとえば、「こだわりの原材料(例:発酵バター、希少なスパイス)を使用し『少量でも質の高い体験』を提供する」、「アップサイクル素材の活用で『環境に良いことをしている』という満足感を得られるようにする」などです。

③ ストーリーによる「意味の付与」

「どこで、誰が、どう作ったか」という透明性は、消費者の社会的ウェルビーイングを満たします。パッケージやQRコードを通じて、消費者が「善い選択」をしたと実感できる仕掛けが、リピートを生む強力な武器になります。

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まとめ|これからの食品開発に求められるのは「機能」ではなく「体験」

食品の役割は「空腹を満たすもの」「健康を維持するもの」という機能面から、「人生の質を向上させる体験」へと大きく進化しています。

食品開発者やマーケターに求められるのは、成分の配合比率を競うことではなく、「その食品が消費者の生活にどのような幸福感をもたらすか」を想像する力です。

「ウェルパ」という視点を持つことは、価格競争から脱却し、消費者の生活に深く根ざすブランドを構築するための第一歩となるはずです。

※参考:安藤スポーツ・食文化振興財団/日清食品「Nourishing Wellbeing 食の楽しさ、健康的な食事、食品の選択に関するグローバルな視点:2023年版
※参考:Innova Market Insights 「Top Food and Beverage Trends 2026」

 

執筆者プロフ シェアシマ編集部

食品業界に携わる方々に向けて、日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。

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