5分でわかる、食品リサイクル法と事業者の役割
食品リサイクル法とは、食品製造・流通・外食などの事業者が、食品廃棄物の発生抑制と減量化を行い、残さを肥料や飼料としてリサイクルすることを義務付ける法律です。2001年に施行され、食品廃棄物の削減と循環型社会の構築を目的としています。
この記事では、食品を扱う事業者が知っておくべき基本的な役割を、重要なポイントに絞って解説します。
※本記事は、アミタ株式会社の許諾を受け、同社運営メディア「おしえて!アミタさん」掲載記事「食品リサイクル法を分かりやすく解説!対象と定期報告の概要まで」の内容をシェアシマ読者向けにまとめ直した上で掲載しています。

食品リサイクル法の対象は?
食品リサイクル法の対象となるのは「食品関連事業者」と呼ばれる以下の4業種です。
- 食品製造業(食品メーカーなど)
- 食品卸売業
- 食品小売業(スーパー、コンビニなど)
- 外食産業(レストラン、ホテル、食堂など)
つまり、食品を作ったり、売ったり、提供したりする事業者は、規模の大小に関わらず基本的にすべて対象になります。
食品リサイクルにおける優先順位
事業者に求められる最大の役割は、国が定めた「優先順位」に従って食品廃棄物を扱うことです。単にリサイクルすれば良いというわけではなく、以下の順番で検討する必要があります。
1. 発生抑制(減らす)
製造ロスを減らす、売れ残りを出さない工夫をするなど、ゴミそのものを出さないことが求められます。
2. 再生利用(リサイクル)
どうしても出てしまった廃棄物は、資源として活用します。家畜の「飼料」や畑の「肥料」にするほか、最近ではバイオガスを生成して再利用する「メタン化」も推進されています。
3. 熱回収(エネルギー回収)
リサイクルが難しい場合、焼却時の熱をエネルギーとして回収します。ただし、これはリサイクルが困難な場合に限られます。
4. 減量
脱水や乾燥を行い、ゴミの量を減らして処理しやすくします。
食品関連事業者の管理責任と対策の具体例
食品廃棄物は「お金を払って業者に引き取ってもらえば終わり」ではありません。過去には、廃棄された食品が不正に転売される事件も起きており、排出する事業者側の管理責任も厳しく問われます。
食品関連事業者向けの対策の具体例を一部ご紹介します。
| 委託先の選定 | 適正な処理能力を持つ業者を選び、安すぎる料金で契約しないこと など |
| 引き渡し時の対策 | 転売等を防ぐために、商品の外装の除去、廃棄物専用コンテナでの排出、廃棄物である旨の印の付与などを行う など |
| 完了の確認 | マニフェスト(管理票)で処理終了を確認するだけでなく、定期的にリサイクル施設を訪問し、適切に処理されているか自分の目でチェックすること など |
義務と罰則
食品廃棄物の量が年間100トン以上となる「食品廃棄物多量発生事業者」は、食品廃棄物の発生量等について、農林水産大臣、環境大臣及び事業所管大臣(酒類業の場合は財務大臣)への定期報告が義務付けられています。
| 報告期限 | 毎年6月末まで |
| 報告内容 | 廃棄物の発生量やリサイクルの実施状況など |
| 罰則 | 報告を怠ったり虚偽の報告をしたりすると20万円以下の過料、リサイクルの取り組みが不十分で国の命令に違反した場合は50万円以下の罰金が科される可能性あり |
2029年度までの再生利用等実施率の目標

令和7年3月14日に公表された新たな基本方針では、2029年度までに、食品製造業は95%、食品卸売業は75%、食品小売業は65%、外食産業は50%を達成するよう目標が設定されています。
これは、食品関連事業者に対して個別に義務づけるものではなく、その業種全体での達成を目指すものです。
※参考:農林水産省「食品廃棄物等の再生利用等の目標について」
まとめ
食品リサイクル法において事業者は、「ゴミを出さない努力」から始まり、「適正なリサイクル」「処理の最終確認」までを一貫して行う責任があります。
まずは自社の廃棄物がどのように処理されているか、現状を確認することから始めてみましょう。
食品リサイクル法についてもっと詳しく知りたい方は、アミタ株式会社様の「食品リサイクル法を分かりやすく解説!対象と定期報告の概要まで」(外部リンク)の記事が参考になります。
また、同社グループのサーキュラーリンクス株式会社様では、全ての廃棄物情報を見える化する「LinX Management(リンクスマネジメント)」と、廃棄物管理から環境管理業務までのオペレーションを担うアウトソーシング「LicnX BESTWAY(リンクスベストウェイ)」の提供を通じ、企業のサーキュラーエコノミー推進を支援しています。こちらもぜひご覧ください。

シェアシマ編集部
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