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ヘンププロテインの効果とは|デメリットや危険性についても解説!

ヘンププロテインの効果とは|デメリットや危険性についても解説!

ヘンププロテインは、ヘンプシード(麻の種子の殻を外した中身)をパウダー状に加工したものであり、乳糖不耐症の人でも飲むことが可能な100%植物由来のプロテインです。なお、タンパク質だけではなく、ミネラルや必須脂肪酸、食物繊維も豊富に含まれています。

この記事では、ヘンププロテインに含まれる栄養素と健康効果、ヘンププロテインの摂取方法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

ヘンププロテイン(ヘンプパウダー)はヘンプシードを粉末状に加工した製品

ヘンププロテインとは、ヘンプシードをパウダー状に加工したものです。一般的には「コールドプレス製法」により、非加熱のまま、栄養素を壊さないように圧搾されています。「ヘンプパウダー」として販売されていることもあります。

乳糖不耐症の方は、牛乳を原料とした「ミルクプロテイン」を飲むと、お腹がゴロゴロしたり調子が悪くなってしまう場合がありますが、100%植物性のヘンププロテインなら、乳糖不耐症の方でも安心して飲むことが可能です。

ヘンプとは

ヘンプとは、アサ科の一年草であり、「産業用大麻」とも呼ばれます。成長がはやく、種まきから90日程度で収穫することが可能です。

ヘンプの種子は、硬い殻に覆われています。そのまま、七味唐辛子や漢方薬として利用されるほか、殻を外したものが「ヘンプシード」として流通していることを把握しておきましょう。

ヘンププロテイン(ヘンプパウダー)に含まれる栄養素と健康効果



ヘンププロテインに含まれる主な栄養素は、「タンパク質」「ミネラル」「必須脂肪酸」「食物繊維」の4種類です。以下、各栄養素について詳しく説明します。

タンパク質

ヘンププロテインにはタンパク質が50%程度含有されており、そのうちの65%程度を、「エデスチン(Edestin)」という麻の実に特有の吸収されやすいタンパク質が占めています。なお、植物性タンパク源であるため、コレステロール値の調整にも役立ちます。

タンパク質は20種類のアミノ酸から構成される物質ですが、「必須アミノ酸」と呼ばれる9種類は体内で合成できず、食品から摂取しなければなりません。ヘンププロテインなら、必須アミノ酸9種がすべて含まれており、不足する心配がありません。

特に筋肉の分解を防ぐBCAA(「分枝鎖アミノ酸」であるバリン、ロイシン、イソロイシン)が豊富であり、筋破壊を防止でき、筋トレの効果が得やすくなるでしょう。

ミネラル

ミネラルは、体内で合成することができない栄養素であり、食品から取り入れなければなりません。ヘンププロテイン以外のプロテイン製品(大豆由来のソイプロテインや牛乳由来のミルクプロテイン、えんどう豆由来のピープロテインなど)は化学的な精製・分離処理を行う過程で、ミネラルが失われてしまいます。

ヘンププロテインは、コールドプレス製法によって非加熱で粉末に加工されただけの製品です。化学的な精製・分離は一切行われていません。そのため、ほかのプロテイン製品に比べてミネラルが豊富であり、不足しがちな「鉄」「銅」「マグネシウム」「亜鉛」などがバランス良く含まれています。

必須脂肪酸

ヘンププロテインには、オメガ3必須脂肪酸とオメガ6必須脂肪酸がバランス良く含まれています。必須脂肪酸は、細胞膜の材料として利用されており、食品から取り入れる必要のある栄養成分です。

現代の日本人に不足しがちなオメガ3必須脂肪酸を、ヘンププロテインで補給することができます。

食物繊維

ヘンププロテインには、重量の20~25%ほどの食物繊維が含まれています。食物繊維には、「便秘の予防」「整腸効果」「血糖値上昇の抑制」「血液中のコレステロール濃度の低下」など、さまざまな生理機能があるので、美容や健康の維持のためにヘンププロテインを役立てることができます。

なお、ヘンププロテインには、胃腸内をゆっくりと進む「水溶性食物繊維」が豊富なので、「満腹感が持続しやすい」という特徴があります。また、水溶性食物繊維には、糖質の吸収を緩やかにする作用があり、血糖値の急上昇によるインスリンの過剰分泌を防いでくれることも特徴です。

ヘンププロテイン(ヘンプパウダー)の摂取方法



ヘンププロテインの多くは、甘味料が含まれていない製品です。「タンパク質を補給したいけれども、甘いものは苦手」という方にとって飲みやすいでしょう。また、風味が「きな粉」に近いため、日本人にとってはなじみやすいかもしれません。

以下、ヘンププロテインの摂取方法として、「シェイカーで溶かして飲む」および「料理に混ぜて摂取する」の2つをご紹介します。

シェイカーで溶かして飲む

まず、ほかのプロテイン製品と同じように、水などに溶かして飲む方法があります。スムージーの材料として使用するのも良いでしょう。

なお、筋肉をつける目的であれば、「筋修復のゴールデンタイム」とされる運動後30分以内の摂取がおすすめです。

ダイエット目的なら、食前や食間を選びましょう。ヘンププロテインには食物繊維が多く含まれるため、腹持ちが良く、食欲を抑える効果を期待できます。

料理に混ぜて摂取する

きな粉の風味に近いヘンププロテインは、さまざまな料理に合います。毎日の料理に混ぜれば、無理なく摂取できるでしょう。

例えば、「味噌汁に小さじ1杯を混ぜる」「スープやカレーの隠し味として使う」といった方法を試してはいかがでしょうか。きな粉の代わりに餅やデザートにかけるのも良いでしょう。そのほか、パンケーキなどの生地に混ぜたり、バターと一緒にパンに塗るのもおすすめです。

ヘンププロテインの副作用・デメリット、危険性は?

ヘンププロテインの摂取による副作用の報告はありません。ヘンププロテインの原料は「産業用大麻」であり、多くの日本人が一度は口にしたことがある「七味唐辛子」にも使用されています。

精神作用のある成分「テトラヒドロカンナビノール」は含まれていないので、安心して摂取できます。

まとめ

ヘンププロテインとは、七味唐辛子にも含まれるヘンプ(産業用大麻)の殻を外した「ヘンプシード」を非加熱のまま粉末にした製品です。100%植物由来であり、乳糖不耐症の方が摂取しても、お腹の調子が悪くなりません。

タンパク質やミネラル、必須脂肪酸、食物繊維が豊富に含まれているので、水などに溶かして飲んだり、さまざまな料理に混ぜたりして、日々の食生活のなかで摂取してはいかがでしょうか。

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