記事アイキャッチ

濃縮エキスがヒット商品に|「金目鯛のアラ」がもつアップサイクルの可能性【渡辺水産】

鮮やかな赤色と上品な味わいで知られる「金目鯛」。じつは頭や中骨といった「アラ」の部位にも濃厚な旨味が凝縮され、食品原料として多くの可能性を秘めています。アップサイクル原料として「金目鯛のアラ」の利用に取り組む企業「有限会社 渡辺水産」と、その活用事例をご紹介します。



「日本一の金目鯛」を扱う渡辺水産

伊豆の地魚を買い付けから販売まで一貫管理

伊豆の下田市内に本店・支店の2拠点をもつ渡辺水産。


金目鯛の水揚げ量日本一を誇る伊豆・下田港の近くに本社を置く渡辺水産。大正9年に創業以来、伊豆の新鮮な地魚を取り扱い、市場の買い付けから魚の加工、販売までを自社で一貫して行うことで鮮度に優れた海の幸を提供しています。

金目鯛の加工商品で日本ギフト大賞も受賞

ネット通販で人気を博す「地金目鯛 厚切りしゃぶしゃぶ」。


渡辺水産がとりわけ得意とするのは、今や全国区で知られるブランドにもなった「下田の金目鯛」。飲食店やホテル、旅館などへの業務販売の他、一般向けの商品開発にも力を入れ、なかでも通信販売で扱う「地金目鯛 厚切りしゃぶしゃぶ」は「日本ギフト大賞 2022 静岡大賞」にも選ばれました。


下田という地の利を生かした魚の鮮度と、老舗ならではの仕入れでの目利きぶり、そして金目鯛の扱いに慣れた熟練の職人技術が揃っているのが渡辺水産の強みといえます。


「金目鯛のアラ」に見出す可能性

濃厚な旨味とコクを含むアラに着目

金目鯛の加工を行う過程で大量に生じるのが、頭や中骨といった「アラ」の部位。渡辺水産でも毎月1トン前後の金目鯛のアラが発生し、かつては廃棄するしかないのが現状でした。しかし魚のアラは本来、濃厚な旨味が凝縮された部分。特に脂質を多く含む金目鯛のアラは、他の魚と比べて旨味が抜群に濃く、コクのある味わいが楽しめるといいます。


このアラに新たな販路を見出せないか。渡辺水産では約5年前から、金目鯛のアラの販売や、アラを生かした商品開発が始まりました。


金目鯛のエキスがヒット商品に


アラの旨味を凝縮した「金目鯛エキス」は約18倍希釈で、賞味期間は10カ月。ご当地ラーメンのスープなどに利用される。


これまで缶詰やせんべい、ペットフードなど、さまざまな企業と共同で製品開発の試行錯誤を重ねてきたという渡辺水産。その中でヒット商品となったのが、アラから抽出した出汁を液状で販売する「金目鯛エキス」です。


金目鯛のアラ(頭と骨)をじっくり煮込んで旨味とコクを取り出したエキスは、塩のみで味付けされ、まさに金目鯛がもつ本来の味わいが凝縮された仕上がり。2019年に販売開始されて以来、伊豆の地元や都内のラーメン店などから問い合わせが重なり、現在も主に飲食店に向けて定期的に卸されています。


旨味が凝縮された「金目鯛エキス」は、ラーメンやつけ麺のスープと相性抜群。一般向けの小容量タイプも通販で入手可能。


渡辺水産では、金目鯛のスープを使った「金目鯛ラーメン」も過去に開発・販売したことも。


アップサイクル原料としての課題と展望

食品ロス対策としての取り組み

この他、大手メーカーから鍋つゆの原料としての問い合わせも受けるなど、渡辺水産が扱う金目鯛のアラに着目する企業は少なくありません。


このように、本来は廃棄対象とされていた素材を再利用し、新たな価値を生み出して製品化する試みは「アップサイクル」と呼ばれ、食品ロス対策やSDGsの観点から国内外で注目を集めています。


金目鯛の中骨を、かつお節と同じ製法で味わい深く仕上げた「金目鯛スモークボーン」。渡辺水産のオリジナル商品だ。


製菓メーカーにアラを提供して製造された「金目鯛せんべい」。


金目鯛の高級魚としてのイメージと、他の魚類にはないアラの濃厚なコクと旨味には、アップサイクル原料として大きな将来性が感じられます。一方、脂肪分の個体差が生じやすい、硬く大きな骨を砕く設備が必要など、安定的なアラの活用に向けた課題も見えてきました。

渡辺水産が扱う金目鯛のアラは、臭みの元となる血合いが職人の手で丁寧に除去されている。このきめ細かい後処理も、外国産の金目鯛との差別化ポイントだ。


渡辺水産によれば、金目鯛のアラは毎月500キロ前後の安定供給が可能。また、希望があれば「兜のみ」など部位を絞った提供もできるとのこと。


飲食店チェーンでの活用や小売り用の製品化など、まだまだ広がりをみせそうな金目鯛のアラの活用。参入を検討される企業は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



提供
  

有限会社 渡辺水産


<会社説明>
弊社は静岡県下田市にて、大正9年の創業から伊豆の海の幸にこだわり販売を進めてまいりました。自社にて、市場の買い付け、魚の加工、販売を一貫して取り行うことで商品のクオリティを高めております。また、日本有数の金目鯛の水揚げ港である下田港ならではの金目鯛商品の開発、制作を得意として行っております。

>> 【シェアシマ】で企業情報と商品を見る

執筆者プロフ
シェアシマ編集部

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、累計記事執筆2,500以上の元新聞記者等々、30〜40代の編集メンバーを中心に運営中

x
facebook

おすすめ記事

記事サムネイル
食品原料

睡眠の質を改善する原料のご紹介〜健康な毎日を左右する要として

健康づくりにおいて、睡眠の質を高めることの重要性が再認識されてきています。睡眠不足は、心身の不調や作業効率の低下などの影響があるほか、慢性化することで肥満や高血圧、心疾患などにつながるリスクも明らかになっています。健やかな成長と健康寿命を延伸して心身ともに豊かな生活を送るために、厚生労働省は、2032年までに「睡眠で休養がとれている人の割合」を80%まで増やすことを目指し、推進していく方針を示しています。この記事では、健康づくりにおける睡眠の重要性について解説するとともに、良質な睡眠のために役立つ栄養素や食習慣、関連商品をまとめてご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料探しの参考にしてください。健康づくりにおける「眠り」の重要性私たちの健康を保つ上で、十分な睡眠をとることは極めて重要です。睡眠不足が身体に及ぼす影響と、年代別の適切な睡眠時間、睡眠時間の現状について解説します。睡眠不足が身体に及ぼす影響睡眠が不足すると、日中の眠気や疲労感だけでなく、頭痛などの心身愁訴の増加、情動不安定、注意力や判断力の低下にもつながります。また、作業効率や学業成績の低下、うつ病など多岐にわたる悪影響が懸念されていて、場合によっては、事故などを引き起こすリスクもあります。また、睡眠不足には、睡眠時間の不足だけでなく、睡眠の質の低下による睡眠障害も含まれます。こうした睡眠の問題が慢性化すると、肥満や高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇や症状の悪化に関連し、死亡率の上昇にも関与することが明らかになっています。ライフステージに合わせた「適正な睡眠」とは適正な睡眠時間は、ライフステージ(こども・成人・高齢者)によって異なり、生活習慣などによる個人差もあります。たとえば、高齢者の場合、長い睡眠時間は健康リスクにつながる場合があるので、8時間以内におさえる必要があります。一方で、こどもの場合、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間を目安に睡眠時間を確保するのが理想です。また、適切な睡眠時間の確保だけでなく、日頃の生活習慣や睡眠環境を整えることも大切です。<睡眠の推奨事項一覧>全体の方向性:個人差を踏まえつつ、日常的に質・量ともに十分な睡眠を確保し、心身の健康を保持する

記事サムネイル
食品原料

特集|食品ロス削減に貢献する原料〜フードサプライチェーンでできること〜

10月は「食品ロス削減月間」、そして、10月30日は「食品ロス削減の日」です。本来食べられるはずの食品がさまざまな理由で捨てられてしまうことを「食品ロス」といいます。日本では、2022年度の推計で472万トンもの食品ロスが発生しており、そのうち半分は事業系食品ロスが占めています。飲食店での食べ残しやスーパー・コンビニでの売れ残り、製造・流通段階での廃棄、家庭での賞味期限切れなど、食品ロス削減には、一人ひとりの理解と心がけが必要不可欠です。この記事では、食品ロス削減に貢献する原料と関連記事をご紹介するとともに、日本の食品ロスの発生状況と、フードサプライチェーンの各段階で実践できる具体策をご紹介します。食品ロス削減に貢献する原料のご紹介アップサイクル原料本来廃棄されていた食材や食料を加工して、新たな価値ある商品へと生まれ変わらせた「アップサイクル原料」は、こちらの記事でご紹介しています。

記事サムネイル
食品原料

【9月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている942点(9月末日時点)のうち、2024年9月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。

記事サムネイル
食品原料

サプリ市場への新規参入をオーガニック原料×小ロットOEMで支援【ナチュラリンク】

世界的に成長が続くサプリメント市場。今回は「オーガニック原料×小ロットOEM製造」のサプリメント開発を得意とし、近年はペット用サプリや海外輸出向けのOEM製造に力を入れる株式会社ナチュラリンクの取り組みをご紹介します。「オーガニック原料×小ロットOEM」で広げる提案力福岡市に本社を置く株式会社ナチュラリンク。創業者が高栄養価の植物モリンガに魅せられて2014年に設立した、健康食品や化粧品などのナチュラル&オーガニック原料を幅広く取り扱う企業です。オーガニック原料への強いこだわりと目利き力、そしてフットワークの軽い提案力を発揮して、サプリメント業界の中で独自の価値を提供しています。世界中から良質なオーガニック原料を調達同社の大きな強みは、国内外のネットワークを駆使したオーガニック原料の調達力。サプリメントなどの健康食品から化粧品まで、幅広い用途に向けた良質なオーガニック原料を、業界のトレンドを注視しながら常時調達しています。また顧客のニッチなニーズに応えて、市場に出回りにくい希少な原料の仕入れも得意としています。小ロットOEM対応で、商品企画から製造まで一貫サポート一般的なサプリメントの製造工程では、成形などの際にどうしても食品添加物の使用が生じてしまいます。ナチュラリンクでは「添加物は極力避けたい」などのメーカー側のこだわりに寄り添いながら、知識豊富なNR・サプリメントアドバイザー(※)が商品コンセプトの立案から試作、製造まで一貫してサポートします。これもオーガニック原料に精通している同社ならではの商品企画力といえます。また小ロットのOEM製造に対応し、サプリメントは剤型によって最低1個の極小ロットから製造が可能。柔軟で小回りのきくOEM体制も同社の特色といえます。(※)日本臨床栄養協会に認定された、保健機能食品やサプリメントについて適切にアドバイスできる資格者のこと。注目の「ヤギミルク」を使ったサプリも開発最近注目を浴びるオーガニック原料の一例では「ヤギミルク」が挙げられます。栄養価が高くアレルギーが生じにくい、とペット用にもヒト用にも注目されているサプリ原料です。ナチュラリンクではホルモン剤や化学的な飼料を一切使用せず、徹底的に管理飼育されたオランダ産のヤギミルクパウダーを輸入し、全脂粉乳・脱脂粉乳・ホエイプロテインなど種類豊富なヤギミルクが揃います。>>【シェアシマ】でナチュラリンクが扱う原料を見るサプリ開発のトレンドは「ペット向け」と「海外輸出」同社宛に近年問い合わせが増えているのが、ペット人気によって需要が高まるペット用サプリの開発と、サプリの海外輸出事業だといいます。ここでも同社がもつ「オーガニック原料×小ロットOEM対応」の強みが活かされています。市場拡大中のペット用サプリにも小ロットで対応ここ数年で成長が著しいペット用サプリ市場。しかしヒト用サプリとは勝手が異なり、新規参入の敷居が高いと感じる企業も少なくありません。ナチュラリンクはペット用サプリの開発実績も多く、この分野ならではの特性やトレンドに関する知識を生かしてゼロベースから商品企画に対応。愛玩動物用飼料の製造許可を取得した専門工場で、試作品を含めて小ロットからOEM製造に対応しています。サプリの海外輸出を広範囲でサポートサプリメントのマーケットでもうひとつ注目される傾向が、海外輸出事業です。特に経済成長と人口増加が著しいアジア圏やイスラム圏への輸出事業には、多くのビジネスチャンスが潜んでいます。イスラム圏への輸出の場合、欠かせないのがイスラム教の教義に則った「ハラル認証」の取得。ナチュラリンクでは、企業からの要望を機にハラル認証への対応を開始し、UAEなど中東エリアでの輸出実績があります。アジア輸出の複雑な申請作業を代行アジア圏も魅力的な輸出マーケットですが、国によっては複雑な申請手続きが必要です。たとえば東南アジアのタイは健康食品の輸入に関して、食品医薬品局(FDA)の認可基準が非常に厳しいことで知られており、日本の大手商社でも年単位の年月を要した例があるほどです。ナチュラリンクでは、タイへのサプリメントや化粧品輸出を目指す企業に向けて、必要な申請作業を代行しています。すでに化粧品では、申請を通過して輸出実現に至った事例も複数あり、今後も同社が強化していく事業分野となっています。オーガニック原料に関する深い知見と、小規模なOEM体制が強みのナチュラリンクには「他社の工場で断られた」という商品企画を持ち込むメーカーも少なくないとのこと。最近では、新たなトレンドになりつつあるCBDオイルの製造も受け入れています。商品企画から試作、製造、その後のサポートまで二人三脚で伴走する同社は、健康食品で新規参入を目指す企業の頼もしいパートナーになりそうです。

記事サムネイル
食品原料

食品アップサイクル原料のご紹介〜市場拡大の背景と食品企業が取り組む意義とは

食品分野におけるアップサイクルとは、本来廃棄されていた食材や食料を加工して、新たな価値ある商品へと生まれ変わらせること。SDGsや食品ロスの削減への関心が高まる中で浸透してきた考え方のひとつです。この記事では、アップサイクルの市場拡大の背景と、食品業界が取り組むメリットや課題、関連商品をまとめてご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。シェアシマでは「大切な食資源を活かす」ため、未利用の原料情報も公開しています。こちらもぜひご覧ください。>>【シェアシマ】でアップサイクルプロジェクトの原料を見るアップサイクル食品の定義2019年に設立された業界団体「アップサイクル食品協会」(本部=コロラド州デンバー)は、世界自然保護基金や自然資源防衛協議会などの専門家チームによる共同作業を経て、2020年5月にアップサイクル食品の定義を定めました。その定義では「アップサイクル食品とは、本来であれば人間の消費にまわらない材料を使い、検証可能なサプライチェーンで調達し、生産された、環境に対して良い影響を与えるもの」とされています。また、アップサイクル食品の要件として「そのままであれば食品廃棄されてしまう材料から作られること」「付加価値が与えられた製品であること」としています。リサイクルとの違いアップサイクルと混同されやすい言葉として「リサイクル」があります。リサイクルは、ある製品を別の製品の原料にして別の製品を生み出すことを意味します。リサイクルは「古紙が再生紙になる」など、どちらかといえば価値の低い製品に変換されるケースが多く、これは「ダウンサイクル」と呼ばれます。この点において、価値を持った製品に生まれ変わるアップサイクルとは大きく異なります。アップサイクル食品市場が拡大する背景・理由世界のアップサイクル食品市場は、2021年に約537億米ドルと評価。2022年~2029年には6.2%以上の健全な成長率で成長すると予測されています(※)。世界のアップサイクル食品市場が拡大する背景には、大きく3つの理由があると考えられています。※参考:株式会社グローバルインフォメーション「アップサイクル食品の世界市場規模調査&予測、製品タイプ別、供給元別、流通チャネル別、地域別分析、2022-2029年」理由1:健康意識の高まり新型コロナウィルスの大流行をきっかけとした健康意識の高まりから、栄養価の高い食品の需要が急増しています。アップサイクル食品は、廃棄予定だった原材料を利用しながらも栄養価が高いことが多いです。食品の「無駄を減らす」だけでなく、健康をサポートする食品としても注目されています。理由2:環境意識の高まり食品廃棄物の問題が世界的に注目される中で、消費者の購買行動にも大きな影響を与えています。環境意識の高い消費者の間ではサステナブルな商品を選ぶ傾向が高まっていて、アップサイクル食品も支持を集めています。理由3:企業の社会的責任(CSR)の取り組み食品業界では、企業の社会的責任を果たすためにサステナブルな取り組みが進んでいます。企業が環境や社会に対して貢献する方法として、アップサイクルが関心を集めています。また、政府の施策や支援、中小規模の食品廃棄物アップサイクル事業の成長により、今後数年間の市場成長が期待されています。食品企業がアップサイクルに取り組むメリット3つ食品企業がアップサイクルに取り組むメリットは大きく3つあります。メリット1:仕入れコストの削減本来捨てられるはずの食品を使うことで、新しく原材料を仕入れる必要がなくなるため、原材料の購入コストを削減できます。メリット2:リサイクルによるコストやエネルギーの削減アップサイクルは、廃棄物のリサイクル(分解・溶解)に比べて、発生する処理コストやエネルギー消費の削減にも寄与します。不要な廃棄物を有効利用することで、リサイクルにかかる費用や物流のコストの削減にもつながります。メリット3:企業のイメージ向上アップサイクルの取り組みを進めることで環境問題に対する積極的な姿勢が評価されれば、消費者の信頼獲得や企業イメージの向上にもつながります。特に、サステナビリティを重視する消費者層に対して、企業のブランド価値を高める効果も期待できます。食品企業がアップサイクルに取り組む課題アップサイクルは、持続可能な未来を目指す食品業界にとって重要な取り組みです。ただし、食品企業が取り組む上で、その実現には大きく2つの課題があります。原材料の確保が不安定アップサイクルでは廃棄物を再利用しますが、これらの供給量が常に安定しているわけではありません。季節や生産の変動により、必要な原材料が不足する場合や、逆に過剰に発生することがあるため、安定した供給を維持することが困難です。こうした課題を解決するためには、原材料の確保の不安定さを考慮した上で、アップサイクル製品の生産計画やビジネスモデルを検討する必要があります。廃棄物抑制と安定供給の両立の難しさ廃棄物を削減するための取り組みと、アップサイクル製品を製造するための原材料の確保にはジレンマが存在します。たとえば、廃棄物削減を進めるほど、アップサイクルに必要な副産物の量が減少し、製品の製造が難しくなるという逆説的な状況が生まれます。適切なバランスを保つためには、製造プロセス全体の検討や、廃棄物の利用可能性を予測した戦略的な計画が求められます。自治体による充実した支援事業も始動食品のアップサイクルは、循環型社会を目指す社会的意義に加え、新たな商品開発や収益改善の機会としても注目されています。2024年度より、国内でもとりわけ食品産業が盛んな静岡県で、未利用食材を「供給したい/使いたい」企業をつなぐマッチング支援事業が始まりました。

記事サムネイル
食品原料

特集|腸活原料〜腸内フローラを整えて身体と心に健康な毎日を〜

腸の状態が身体の健康に深く関わっていることが、近年明らかになってきています。ダイエットや美容に良いとして一躍ブームとなった「腸活」ですが、今、免疫強化や心の健康維持にも役立つ健康習慣として、老若男女問わず広まりつつあります。腸活には、「バランスのとれた食事」「適度な運動」「質の良い睡眠」が大切です。この記事では、特に「食事」に焦点を当て、免疫機能を活性化する腸内フローラの働き、腸内環境を整えることによって期待できる効果のほか、腸活の認知度、腸に良い食事の概念、食品開発に役立つ原料をご紹介します。「腸活」をテーマとした食品開発に役立つ原料商品のご紹介シェアシマでは、「腸活」をテーマとした食品開発に役立つ原料商品を数多く取り揃えています。シェアシマ会員様は、商品の規格書をダウンロードしたり、企業の担当者様に直接問い合わせをすることができます。ぜひご活用ください。整腸素材焼成サンゴカルシウム水素パウダー|炭プラスラボ株式会社植物発酵エキスビオチームMCパウダー|株式会社日本生物.科学研究所伊那赤松妙炭粉末|株式会社マツモト交商機能性ヤシ殻活性炭™粉末|株式会社マツモト交商水溶性食物繊維・発酵性食物繊維有機アガベイヌリン|株式会社アルマテラファイバリクサ®|ナガセヴィータ株式会社北海道産 菊芋粉末|赤坂T・M株式会社玄界灘産 天然無添加 アカモク(粉末)|株式会社リプライオリティイヌリア|帝人株式会社 ほかプロバイオティクス高濃度BFMIX5|セティ株式会社 フルーツ酵母 ブラウディ (Saccharomyces boulardii)|セティ株式会社枯草菌(Bacillus subtilis)|セティ株式会社納豆菌(Bacillus subtilis natto)|セティ株式会社チキンブロスフローズンチキンブロス 3823|永和物産株式会社チキン・ブロス・パウダー 3746|永和物産株式会社乳酸菌善玉菌の一種で、腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える働きが期待される「乳酸菌・ビフィズス菌」は、こちらの記事でご紹介しています。