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【2026年版】食品アップサイクルの動向②|アップサイクルが生み出す新たな商品価値とは

【2026年版】食品アップサイクルの動向②|アップサイクルが生み出す新たな商品価値とは

アップサイクルは単なる食品ロス削減策ではなく、新たな商品価値を生み出す手法として注目されています。欧米では認証制度を活用したブランド構築が進み、日本では発酵副産物や地域資源を活用した商品開発が広がっています。 

前回の記事では、海外と日本のアップサイクル団体の動きと商品開発の事例から、2026年最新のアップサイクル市場の動向を読み解きました。今回はそれを踏まえ、アップサイクルが生み出す新たな商品価値と、どのような課題があるのかを改めて考察します。

アップサイクルが生み出す新たな商品価値とは



アップサイクルが生み出す商品価値には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、前回の記事で紹介した欧米での事例をもとに3つの視点に分けて整理します。

未利用資源を「新たな原料」として再定義できる

アップサイクルの特徴は、これまで廃棄物や副産物として扱われていた素材を、新たな原料として再評価できる点にあります。たとえばUpcycled Foods は、ビール製造時に発生する廃棄物を、消費者の健康志向に応える栄養価のある食材として再定義しました。

従来はコストとして処理されていた副産物が、消費者ニーズに対応する商品価値を持つ原料へと変わることで、新たな事業機会の創出にもつながります。

新商品開発による差別化、新規顧客の獲得

食品市場では、機能性やおいしさだけで差別化することが難しくなっています。その中でアップサイクル原料は、「どのような素材を活用したのか」「なぜこの商品が生まれたのか」という背景まで含めて価値として提案できる特徴があります。

たとえば、Renewal Millでは「食品廃棄物と気候変動に立ち向かう」ことを掲げて商品開発を進めました。未利用素材を活用するだけでなく、商品開発のストーリーを明確に表現することも、消費者の共感や信頼を集める上で重要なポイントです。

事業を通じてサステナビリティを可視化できる

近年はESGやSDGsへの対応が企業活動の重要テーマとなっています。アップサイクルは環境負荷低減への取り組みを、実際の商品として消費者に伝えやすい点が特徴です。

特に欧米では、Upcycled Certifiedのような認証制度を活用しながら企業のサステナビリティ活動を可視化する動きが進んでいます。国内でもアップサイクル商品を通じて企業姿勢を発信する事例が増えていて、ブランド価値向上の手段として注目されています。

※参考:Upcycled Food Association(UFA)

アップサイクル商品開発で直面しやすい課題



アップサイクルへの関心が高まる一方で、実際の商品開発や事業化にはさまざまな課題があります。特に市場が成長段階にある現在は、原料そのものだけでなく、価値の伝え方や事業モデルの構築も重要なテーマとなっています。

 「環境に良い」だけでは選ばれない 

アップサイクル商品の多くは、環境配慮や食品ロス削減といった社会的価値を持っています。しかし、消費者が商品を選ぶ理由は、必ずしも環境性だけではありません。

欧米で成功している事例を見ると、「高タンパク」「食物繊維が豊富」「おいしい」「地域らしさがある」といった価値が明確に打ち出されています。

アップサイクル原料を使うこと自体を目的にするのではなく、その素材ならではの魅力をどう商品価値へ転換するかが課題になります。

原料由来のストーリーをどう伝えるか

欧米では認証制度の普及とともに、アップサイクル原料の背景を積極的に伝える企業が増えています。一方、日本では「副産物」「未利用資源」という言葉に対して、まだネガティブな印象を持つ消費者も少なくありません。

そのため、単に「捨てられるはずだった素材を活用しました」と伝えるだけでは十分とは言えません。

たとえば、酒粕由来の豊かな風味やおから由来の食物繊維など、素材そのものの魅力を伝えながら価値提案する工夫が求められます。

表示やエビデンスの整備が今後の課題に

欧米ではUpcycled Certifiedのような認証制度が市場形成を支えています。一方、日本ではアップサイクル食品に関する統一的な認証制度はまだ十分に整備されていません。

そのため、企業ごとに「どの程度の未利用資源を活用しているのか」や「どのような環境価値があるのか」を説明する必要があります。

今後市場が拡大するにつれて、消費者からより客観的な説明や根拠が求められる可能性があります。企業には、原料情報や環境効果を分かりやすく伝える体制づくりも求められるでしょう。

★原料商品の掲載を希望される企業様は、会員登録(無料)で10品まで掲載可能です。

アップサイクルを価値創造につなげるために



アップサイクル市場では、欧米では認証制度の整備やブランド構築が進み、日本でも発酵副産物や地域資源を活用した商品開発が広がっています。

こうした事例から見えてくるのは「余りものを活用する」という発想から、「新たな価値を創造する」という発想への転換です。食品開発においては原料そのものだけでなく、ストーリー性や消費者への価値提供、地域や企業との連携も重要です。

国内でのアップサイクル市場はまだ成長途上ですが、その分、新たな商品や事業モデルが生まれる余地も大きい分野です。自社の未利用資源や副産物を見直すことが、次の商品開発のヒントにつながるかもしれません。 

「この副産物を活用できないだろうか」「アップサイクル商品を開発したいが、どこから始めればよいかわからない」など、原料の有効活用やアップサイクル商品の開発をご検討中の方は、ぜひシェアシマへご相談ください。

 

執筆者プロフ シェアシマ編集部

「大切な食資源を活かす」をパーパスに、食品業界に携わる方々に向けて日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。

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