
アップサイクルで新たな販促! 食品残渣物を活かした新発想のノベルティグッズ製作【YSC】
企業の販促活動などで使われる各種のノベルティグッズ。その原料に、食品メーカーで生じた食品残渣物を活用する取り組みがあることをご存じですか? 今回は、食品のアップサイクルから生まれる新しい企業ブランディングのかたちをご紹介します。
※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。
食品残渣物を、価値あるノベルティグッズに変える
食品メーカーで日々廃棄される食品残渣物を、ノベルティグッズの原料に活かす。日本初ともいえる画期的な取り組みを始めたのは、東京都文京区湯島に拠点を置く株式会社YSCです。
原点は廃棄米を再利用したグッズ製作
株式会社YSCが手がけた、廃棄米を原料とするバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」製品。
もともと一般的なノベルティ・キャラクターグッズ製作を幅広く手がけてきた株式会社YSCが、食品アップサイクルによるノベルティ事業を始めたのは2020年のこと。廃棄米を原料としたバイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を、文房具などのノベルティグッズの原料として活用したことに始まります。
この時に、SDGsに取り組む企業のノベルティとして大きな反響を得たことから、同社ではサステナブルな視点を取り入れたノベルティグッズ事業を拡大させていきました。
満を持して始めた「循環型ノベルティ」
「ライスレジン(R)」によるグッズ製作のノウハウを活かして2024年11月より同社が本格化させたのが、食品残渣物を活かした「循環型ノベルティ」の製作。食品メーカーの製造工程や調理過程でやむを得ず生じる残渣物や調理くずを回収し、ノベルティグッズの原料にアップサイクルさせる試みです。
企業から回収した食品残渣物を加工
同社では、まずメーカーから回収した食品残渣物(回収量は別途相談)とノベルティ原料の相性を精査した上で、残渣物の加工を進めます。たとえばプラスチック製品の場合、食品残渣物を10~70%配合したプラスチックペレットを作成します。石油由来のプラスチックと強度はほぼ同等。CO2排出抑制、石油資源の節約、フードロス削減などを期待できる製品です。
カカオハスク残渣を用いたアップサイクル例
他にも、粉砕・抽出・灰釉など、各製品に合わせた加工を経て、さまざまな食品残渣物をノベルティグッズの原料としてアップサイクルさせています。
食品残渣物の加工例
アップサイクル可能な食品残渣物の一例
「グッズ製作の専門企業」の強みを活かした一貫体制
同社の「循環型ノベルティ」で作られるグッズは、大きく分けて「成形品」「縫製品」「陶磁器」「紙製品」の4つ。大きなボリュームを占めるのは品目が多いプラスチック成型品ですが、低予算・小ロットで始めやすい紙製品や縫製品にも、特に初めての依頼によるニーズが高いとのこと。
食品残渣物の回収から製品企画、設計、実際の製品化までを自社で一本化できること、さらにさまざまな製品金型を所有していることが、グッズ製作で長い実績をもつ同社の大きな強みといえます。
「循環型ノベルティ」の製品ラインナップ
【1】成型品
食品残渣物を配合した再生プラスチックを活用します。
- 製品例:ボールペン/マグネット/フードクリップ/タンブラー/社員証ケース/クリアファイル 等
- 食品残渣の回収量10kg~/最低ロット1,000個~
【2】縫製品
食品残渣物を染料として抽出して生地を染めます。
- 製品例:タオル/Tシャツ/エプロン/綿バッグ/ストール 等
- 食品残渣の回収量5kg~/最低ロット100個~
【3】紙製品
食品残渣物を粉砕し、和紙や紙に混ぜ込んで利用します。
- 製品例:封筒/名刺/ノート/メモ帳/卓上カレンダー/コースター/しおり 等
- 食品残渣の回収量10kg~/最低ロット500個~
【4】陶磁器
食品残渣物を釉薬として使用します。一つひとつ色味や模様が異なる陶器が仕上がります。
- 製品例:マグカップ 等
- 食品残渣の回収量25kg~/最低ロット200個~
自社保有の金型でリーズナブルに対応
もともとグッズ製作を長年手がけてきた同社では、自社で保有する製品金型をそのまま活用できるため、「循環型ノベルティ」は新たな金型代が不要。一度限りのグッズとしてではなく、会社の資材や備品として繰り返し生産が可能です。
これに加え、食品残渣物の回収からグッズ製作までを一貫製造できる体制により、手頃な予算で充実した製品ラインナップを実現しています。
「オールジャパン」の製造で循環するプロダクト
「循環型ノベルティ」は、製作拠点がすべて日本国内にあることも特長のひとつ。これまでに同社が培った国内各地のものづくり体制を活かし、原料も製造も「オールジャパン」で作られています。
食品ロス削減やSDGsを通じた企業努力が求められる現代、これまで「捨てるだけ」だった食品残渣物を活かしたノベルティグッズは、企業のイメージアップに大きく貢献できる存在になるはずです。新たな企業ブランディングの一環として、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

株式会社YSC
<会社説明>
東京都文京区湯島に拠点を置く株式会社YSC。ノベルティやキャラクターグッズのOEM対応(企画から生産まで)を行うモノづくりの会社。昨今ではOEMのみならずサステナブルグッズや人気キャラクターグッズのメーカー業も取り組んでいる。

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