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ホタテパウダーとは|ホタテ貝殻の効果と使い方、知っておきたいデメリットまで解説

ホタテパウダーとは|ホタテ貝殻の効果と使い方、知っておきたいデメリットまで解説

ホタテパウダーは、ホタテの貝殻から作られた粉末のこと。野菜や果物の洗浄のほか、洗濯や掃除にも利用できる万能アイテムとして話題になっています。この記事では、ホタテ貝殻・ホタテパウダーの効果や使い方と共に、知っておきたいデメリットについて解説します。

ホタテパウダーとは|ホタテ貝殻の再利用方法として話題

ホタテパウダーとは、ホタテの貝殻から作られた粉末のこと。ホタテ貝殻が持つ効果を生かして、洗浄や除菌、掃除などに利用できるようにアップサイクルされたものです。
ホタテは日本の水産物のなかで輸出額トップの食材であるものの(2021年農林水産省の発表による)、大量のホタテ貝殻が廃棄されていることがこれまで問題視されてきました。一部の地域では、山に埋められた貝殻による土壌の汚染や、海の生態系への影響が深刻な課題でした。
こうした状況を改善すべく、ホタテの貝殻を焼成してパウダー状にしたのがホタテパウダーです。天然成分100%の商品も多く、「SDGsの取り組みにつながる」「人と地球にやさしい」として注目されています。

ホタテ貝殻を家庭で再利用するには

昔から、海辺に近い地域では貝殻を砕いて肥料として利用してきました。特にホタテ貝はよく使われていて、土壌改良の効果が期待できるといわれています。
ホタテ貝殻の肥料は、簡単に手作りできます。殻をしっかりと洗って乾燥させた後、細かいパウダー状にします。このパウダーは、元肥として畑に撒くだけでなく、苗を受け付ける際に腐葉土に混ぜて使うこともできます。

ホタテ貝殻・ホタテパウダーの効果



ホタテの貝殻やホタテパウダーには、どのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、ホタテの貝殻やホタテパウダーの効果と共に、野菜や果物の農薬除去の効果について解説します。

除菌や防菌、洗浄、消臭の効果がある

ホタテパウダーの主な効果は、除菌や防菌、洗浄、消臭です。一般的にホタテパウダーは、食材をきれいに洗ったり、調理器具を清潔に保ったりするための台所用品として利用されることが多いです。
また、ホタテパウダーを使った歯磨き粉は、歯を白く保つとともに口臭予防にも効果が期待できるとして人気を集めています。

野菜や果物の農薬除去の効果は嘘?本当?

ホタテパウダーの利用目的として「野菜や果物の農薬を除去したい」という人が多いですが、SNSなどでは「農薬除去の効果はないのでは?」という声も出ています。
ホタテパウダーを製造・販売している会社のサイトによれば、食材の表面に付いた農薬を一定の割合で除去する効果はあるといえそうです。
実際に、ホタテパウダーを溶かした水に野菜や果物を浸すと、水に色が付いたり膜のようなものが浮いたりすることがあります。食材の表面に付いている農薬は除去できそうですが、食材内部の農薬には効果が薄いでしょう。長時間浸すという方法もありますが、そうなると栄養分が溶け出すリスクも否めません。
ホタテパウダーには農薬除去の一定の効果はあるものの、「除去できるのは表面についた農薬のみ」であることを意識しておいたほうが良さそうです。

ホタテパウダーの使い方

ホタテパウダーはどのような使い方ができるのでしょうか。ここでは、ホタテパウダーのさまざまな使い方を紹介します。

洗剤や洗濯、掃除、肥料、入浴時にも利用できる

ホタテパウダーの使い方として最もポピュラーなのは、野菜や果物の洗浄・農薬除去です。食材の下ごしらえに使う方法としては、肉や魚にホタテパウダーを溶かした水を吹きかけるというものがあります。ホタテのミネラル分には、肉を柔らかくする効果が期待できます。
また、ホタテパウダーを洗濯用に使うことで衣類の汚れが落ちやすくなります。ホタテパウダーを掃除に使うと、消臭力や除菌力、強アルカリ性という特徴により、見えない汚れもしっかりと落とすことができます。
ほかにも、ホタテパウダーを肥料に使うことで土壌の改良効果があり、作物が元気に育ちます。入浴剤としてホタテパウダーを利用すれば、塩素を除去するとともに、お湯がやわらかくなります。

ホタテパウダーのデメリット3つ



万能に使えるホタテパウダーですが、デメリットもあります。ここでは、ホタテパウダーの3つのデメリットについて解説すると共に、デメリットを解消するポイントを紹介します。


野菜や果物の栄養が溶け出す

ホタテパウダーを溶かした水に野菜や果物を長時間浸しておくと、素材の栄養分が溶け出してしまいます。ホタテパウダーは洗浄効果が強いので、5分以上漬けておくのは避けるようにしましょう。

肌や呼吸器系が弱い人は注意

強アルカリ性であるホタテパウダーは、肌が弱い人には注意が必要です。肌の油分や水分を吸収しやすいため、ホタテパウダーを使う際には手袋をつけるのがおすすめです。
また、粒子の細かいホタテパウダーは軽くて飛び散りやすく、吸い込んでしまう可能性もあります。アルカリ性のパウダーを吸入すると、体へのダメージが大きいです。特に、呼吸器系が弱い人は、気を付けて取り扱うようにしましょう。

アルミニウム製品には使えない

ホタテパウダーは強アルカリ性であるため、アルミニウム製の鍋ややかんと一緒に使うと、アルミニウムが腐食して黒ずんだり、長時間の使用によりアルミニウムが劣化して穴があいてしまう場合があります。ホタテパウダーは、アルミニウムの製品には使わないように気をつけましょう。

まとめ

ホタテ貝殻を焼成して粉末にした、ホタテパウダー。除菌や防菌、洗浄、消臭の効果があり、台所用品としてだけでなく、掃除や洗濯、入浴にも使える万能アイテムであることがわかりました。ホタテパウダーにはデメリットも存在するものの、使い方に注意して利用すれば、リスクを回避できそうです。
ホタテパウダーは日々の暮らしに役立つことに加えて、環境にもやさしいのも大きな魅力です。廃棄されていたホタテ貝殻を活用したアップサイクル事例として、今後の展開に注目が集まっています。

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