
麻の実(ヘンプシード)の効果効能とは|食べ方や危険性も解説!
麻の実(ヘンプシード)という単語は聞いたことがあっても、「どのようなものなのかイメージできない」という人は多いかもしれません。しかし、麻の実は古来から人類が利用してきた食材であり、「七味唐辛子」にも含まれている身近な存在です。また、近年では世界中で「エコな植物」としても注目されています。
そこで、この記事では麻の実の特徴を詳しく解説した上で、大麻と異なり、違法性がないことや、発芽しないように加熱処理したものが流通していること、栄養成分と健康効果、育て方(栽培方法)、食べ方・レシピを紹介します。ぜひ参考にしてください。
麻の実(ヘンプシード)とは?
「麻の実」とは、中央アジア原産のアサ科の植物である「大麻草(Cannabis sativa L.)」の実(種子)のことです。直径3~5mm程度の堅い殻に覆われた灰白色の扁球型であり、英語では「hemp seed(ヘンプシード)」と呼ばれます。七味唐辛子にも入っていて、パリッとした感触が特徴です。
大麻草の用途は繊維や油脂、薬、食品で、古代から人類の暮らしに根付いてきました。しかし、現在の日本においては「大麻取締法」によって精神作用を引き起こす成分「テトラヒドロカンナビノール」「THC」が含まれる葉や花などの流通が規制されています。
大麻との違いと危険性|麻の実に違法性はない
「大麻草の実ということは、違法ではないのか」と心配になる人がいるかもしれません。しかし、大麻草の葉や花と異なり、実や茎などに関しては、精神作用を引き起こす成分が含まれていません。大麻取締法第一条において「規制の対象外」である旨が明記されています(※)。
なお、日本国内で市販されている麻の実は、発芽しないように加熱処理されています。そのため、栽培して葉や花を得ることはできません。
※参考:e-Gov法令検索「大麻取締法」
麻の実の栄養成分と効果
麻の実に含まれる主な栄養素は、以下の4つです。
- タンパク質
- ミネラル
- 必須脂肪酸
- 食物繊維
麻の実に含まれるタンパク質は、9種類の必須アミノ酸すべてを含みます。また、筋肉の分解を防ぐBCAA、すなわち、バリン、ロイシン、イソロイシンといった分枝鎖アミノ酸が豊富です。筋破壊を防止でき、筋トレの効果を得やすくなるでしょう。
さらに、不足しがちな鉄、銅、マグネシウム、亜鉛といったミネラルが含まれていることや、オメガ3必須脂肪酸とオメガ6必須脂肪酸がバランス良く含まれていることも魅力です。
そのほか、食物繊維も豊富なので、便秘の予防や整腸効果、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下といった効果が期待できます。
麻の実の育て方|エコな植物として栽培されている
最近、大麻草が「エコな植物」として世界中で注目されていることをご存知でしょうか。水資源が豊富な日本では実感できないかもしれませんが、海外では砂漠化が進行し、深刻な水不足に悩まされている地域もあります。
二酸化炭素の排出量増加による地球温暖化も懸念されていますが、大麻草は、これらの問題の解決策になるかもしれません。
大麻草は病気や害虫に強いため、農薬・化学肥料を必要とせず、少しの水と有機肥料で育ちます。そして、世界の多様な地域で年間を通じて栽培可能で、麻の実を植えてから約90日で収穫できるため、砂漠の緑地化など、地球環境の改善に役立つ植物といえるでしょう。
なお、日本において大麻草の栽培が可能なのは、免許を受けた「大麻取扱者」だけです。一般人の栽培は、大麻取締法によって規制されていて、違反すると刑事罰が科されるのでご注意ください。
麻の実の食べ方・レシピ
麻の実の食べ方・レシピを紹介します。ここで紹介する方法を参考にして、ご自身に適した麻の実の食べ方を見つけてください。
料理の仕上げに使う
麻の実には、くるみやカシューナッツに似た甘味と香ばしさがあります。「サラダ」や「ポタージュ」「コーンスープ」などの仕上げに、ゴマと同じような感覚で振りかけてみてはいかがでしょうか。
麻の実は古来から日本でも利用されてきた食材です。「豆腐」「味噌汁」「納豆」「ひじきの煮物」「きんぴらごぼう」「ほうれん草のおひたし」といった和食との相性も抜群です。
麻の実玄米おにぎり
麻の実と玄米を使った「おにぎり」もおすすめです。事前に玄米を炊いておけば、混ぜ合わせるだけで完成します。
<材料>作りやすい分量
- 麻の実 30g
- 玄米 1合
- 醤油 小さじ3
- ゴマ油 大さじ1
- 海苔(お好みで) 適量
<作り方>
- 炊飯器などで玄米を予め炊いておく。
- ボウルなどに醤油とゴマ油を入れ、よく混ぜ合わせる。
- 炊いた玄米に2とヘンプシードを加えて、さらに混ぜる。
- 3でおにぎりを握って、お好みで海苔を巻く。
麻の実入りスムージー
スムージーに入れるのも、麻の実の食べ方のひとつです。さまざまな果物・野菜で作ることが可能です。ここでは、バナナ・牛乳・麻の実を使用したスムージーのレシピを紹介します。
<材料>作りやすい分量
- バナナ 適量
- 牛乳 適量
- 麻の実 少量
<作り方>
- バナナと牛乳をミキサーに入れて攪拌する。
- コップなどに注いで、仕上げに麻の実を振りかける。
まとめ
麻の実(は、「大麻草の実(種子)」のことです。「大麻」と聞くと「違法ではないのか」と不安になるかもしれませんが、実の部分には精神作用を引き起こす成分が含まれていません。大麻草は病気や害虫に強く、世界の多様な地域で年間を通じて栽培可能です。種まきから約90日で収穫できるため、砂漠の緑地化に役立ち、地球環境の改善につながることが期待されています。麻の実は、9種類の必須アミノ酸のほか、各種ミネラルを含有する栄養豊富な食材です。クセが少なく使いやすい食材なので、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。

食品業界に携わる方々に向けて、日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。