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植物由来のえびが話題に。肉から魚に拡大する代替食品

植物由来のえびが話題に。肉から魚に拡大する代替食品

2021年10月、スイス食品大手ネスレがエビ代替食品を開発したことを発表し、一躍注目を集めました。植物由来の原料で肉を代替するプラントベース商品は魚介類にも広がり、ますます勢いを増しています。今回の記事では、植物由来のエビの原材料や特徴と共に、各国で開発が盛んに行われているプラントベースフードの現況を紹介します。

ネスレが植物由来のエビを開発


ネスレはエビの代替食品を開発し、スイスとドイツの一部店舗でテスト販売を開始すると発表しました。同社では植物由来食品の開発に力を入れていて、すでに肉や魚、牛肉の代替品を販売しています。シーフードについては商品ラインナップの拡充を進めている段階で、エビだけでなくヴィーガン用ツナ缶の販売をスタートしました。
今回開発された植物由来のエビは、海藻やえんどう豆、こんにゃくなどの原材料から作られています。エビ独特のジューシーな食感と風味を再現するべく、原材料の選定や加工を行いました。植物由来のエビの利用シーンとして、サラダやパスタ、ピザなどへの展開が想定されています。

30年で100倍に拡大するマーケット


植物由来の代替食材に対する需要は年々高まっていて、世界中で新商品が登場しています。金融大手クレディ・スイスが2021年6月に実施した調査によれば、世界の肉類や乳製品の代替食品の市場規模は2050年までに1兆4000億ドルにも上ると言われています。2021年時点での市場規模は140億ドルなので、約30年間で100倍の規模に拡大するという計算になります。
現時点では代替シーフードの売り上げは少ないものの、植物由来食品の人気は、魚介類にも今後広がっていくと予想されています。こうした流れを受けて、ネスレだけでなく、他の企業も植物由来のシーフードの開発に着手しています。
世界最大規模のタイのシーフード食品加工会社「Thai Union Group」では、「植物由来のエビで天ぷらを提供する」と発表。同社では、カニのハンバーグや点心などをすでに発売していて、今後の展開に注目が集まります。
この他、数々のヴィーガン商品を手掛けてきた「Upton’s Naturals」では、バナナの花を使った魚肉の代替食品を発表する予定。バナナの花は、東南アジアやインドなどでは食材として用いられることも多く、料理すると魚によく似た食感になります。また、米大手スーパー「Trader Joe's」では、プラントベースのシーフードの入荷を検討するなど、シーフードの代替食材の市場規模は確実に拡大しつつあります。

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