食感改良でおいしさアップ|食品のゲル化剤・増粘剤【タイショーテクノス】
やわゲルのご紹介
なめらかな舌触りやプルプルといった食感は、食品の美味しさの決め手となる重要な要素です。株式会社タイショーテクノス(東京都港区)が研究開発した「やわゲル」は、増粘多糖類に同社独自の加工を施し、できあがるゼリーの固さや溶液の粘度を変化させたゲル化剤・増粘剤。組み合わせる素材によって多彩な食感を生み出すことができます。
この記事では、バラエティーに富んだ食感で美味しさを演出するやわゲルの特徴と、商品ラインナップ、それらを活用した食品開発の事例をご紹介します。食感を改良して商品価値を上げたい、価格の安定した国産原料で商品開発したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
やわゲルのシェアシマ掲載ページは、こちらよりご覧いただけます。
やわゲルの特徴
タイショーテクノス研究所は1967年の開設以来、微生物コントロールをコア技術として、食品添加物・着色料・工業用防腐防かび剤・食品工場用サニテーション製剤・食品素材など、幅広い分野で豊かで潤いのある食文化と快適な生活の実現に努めてきました。やわゲルは、同社の特許製法によって生み出された、食感の改良に優れた機能を持つゲル化剤・増粘剤です。
一般に、ゲル化剤は、液体をゼリー状に固めたり保形性を付与したりするのに用いられ、増粘剤は、食品に粘りやとろみをつける目的で利用されます。これらの原料には、植物由来のものから、動物・海藻・微生物由来までさまざま。
やわゲルは、寒天、グルコマンナン(こんにゃく芋)、カラギナン(藻)などを原料とした植物由来で、化学的処理は一切行わず、加熱処理のみでつくられた新しい素材です。
やわゲルのメリット
やわゲルは、原料となる素材によって、その特性や得られる食感改良効果が異なります。ここでは、寒天を原料とした「やわゲル・寒天」を主な例に、メリットをご紹介します。
1.食感改良に高い効果を発揮
「やわゲル・寒天」は、保形性がありながら、なめらかでとろける食感を創出します。例えば、羊羹やチョコスプレッドに添加した場合、従来の寒天とは異なり、柔らかで伸びの良い、なめらかな食感になります。
2.高機能な保形剤として
「やわゲル・寒天」を野菜ペーストなどに添加した場合、保形性を付与して離水を防ぎ、かつ、舌で簡単に押し潰せるくらいの食べごたえのあるペーストに仕上げることができます。添加量によって固さ調節もしやすいため、離乳食や介護食にも応用が可能です。また、喫食温度(60〜65℃)でも溶解しない耐熱性があり、温かい料理にも効果を発揮します。
3.プラントベースフード、アレルゲンフリー原料として
やわゲルは、植物由来のため、プラントベースフードや動物性原料の代替原料としても使用できます。例えば、プリンの材料を牛乳から豆乳に、卵を「やわゲル・寒天」に置き換えることで、保形性がありながら、なめらかで口当たりの良い植物性プリンを作ることができます。また、アレルギー対応の食品開発にも役立ちます。
4.低糖質・低塩・低脂質のメニュー開発に貢献、コクやスパイス感の増強も
やわゲルは、組み合わせて使用することで多彩な食感を生み出すことができます。例えば、「やわゲル・寒天」と「やわゲル・Gマンナン」を組み合わせて使うことで、液体を保形性のあるクリーム状やペースト状にすることができます。口内でなめらかに崩れ、舌への付着性を高めるため味蕾(みらい)を長く刺激し、味が強く感じられる特性があります。これを活かし、砂糖の量、あるいは塩、脂質を減らしても味わいを損なうことなく、低糖質・低塩・低脂質のメニュー開発に貢献します。また、コクやスパイス感を増強する効果もあります。
5.国産素材で価格が安定
「やわゲル・Gマンナン」、「やわゲル・こんにゃく粉」の原料は国産です。LBGなどと異なり、海外情勢に左右されず価格が安定しています。輸入原料の代替として、また、国産素材を求める消費者ニーズにお応えします。
やわゲルシリーズの商品ラインナップと活用事例
特色あるやわゲルの商品ラインナップと活用事例をご紹介します。
やわゲル・寒天
寒天を主原料としています。しっかりとした保形性を維持しつつ、力を加えると容易に伸びるというスプレッド性を付与することができます。濃厚プリン、飲むゼリー、和菓子、フィリングなどの軟ペーストの作製などに最適です。
カスタードクリームなどで冷凍耐性が必要な場合は、「やわゲル・寒天」と「やわゲル・Gマンナン」を併用することで、なめらかさと保形性の付与に加え、解凍時のドリップ抑制ができ効果的です。
やわゲル・Gマンナン
こんにゃく粉由来のグルコマンナンを原料としています。汎用的な増粘剤であるLBG(ローカストビーンガム)と同等の粘度、冷凍耐性、耐熱性、耐酸性を有しています。LBGは、地中海沿岸の常緑樹の種子から得られる増粘安定剤です。近年のLBGの価格高騰を受けて、代替原料として研究開発されたのが「やわゲル・Gマンナン」です。LBGよりも少ない添加量で同様の効果を得られることから、コストの見直しにも寄与します。口溶けの良いアイスクリームや素材に程よく絡むタレなどに幅広く活用できます。また、従来のグルコマンナンやこんにゃく粉では高粘度によりハンドリング不良が生じる場合や冷凍耐性が不足するといった問題の改善が可能です。
「やわゲル・Gマンナン」は、単独ではゲル化しない素材ですが、カラギナンやキサンタンガムと組み合わせることでゲル化剤としても使用できます。チーズやゼリーの食感を向上させます。
やわゲル・こんにゃく粉
こんにゃく粉を原料としたゼリー製剤です。やわゲル・Gマンナンも同じくこんにゃく粉を原料としていますが、2つの違いは、素材の精製度合いが異なることです。やわゲル・こんにゃく粉の方が、精製度の低いこんにゃく粉を使用しているため、製品の見た目は褐色の粉末です。物性は、やわゲル・Gマンナンに近く、フルーツゼリーなどの原料として適しています。
やわゲル・カラギナン
カラギナンを原料としたゼリー製剤です。単体使用でもゲル化する素材ですが、LBGやグルコマンナンと併用することで、スライムのような柔らかくしなやかな弾力のあるゼリーに仕上がります。一般に、柔らかいゼリーを作りたい時は、ゲル化剤の量を減らす方法がありますが、離水が増えてしまう欠点があります。やわゲル・カラギナンと他の素材を組み合わせて配合することで、柔らかく、かつ、離水を抑えたゼリーを作ることができます。
やわゲルは、素材を組み合わせることによって多彩な食感を生み出すことができる食品原料です。第37回シェアシマ商品開発セミナー「商品の魅力をアップさせる『食感』とは?差別化ポイントと事例紹介」では、やわゲルの特徴について動画と研究資料を用いて詳しくご紹介しています。シェアシマ会員(登録無料)の皆様は、セミナーの録画をいつでもご視聴いただけます。ぜひご覧ください。
開発商品にぴったりのゲル化剤・増粘剤をお探しの方は、ぜひ一度、同社にお問い合わせください。
株式会社 タイショーテクノス
<会社説明>
私たちは1966年(昭和41年)に食品添加物事業を開始し、お客様のニーズにお応えして天然色素や保存料などの各種食品添加物から工業薬品まで幅広く提供してまいりました。 2012年にはビタミン類や各種製剤原料、2014年には寒天ゲル化剤などと、事業のラインナップを充実させております。 明るい未来の"想像"を”創造”へ。”人”と”食”の懸け橋となり、健康的で豊かな生活へ。 株式会社タイショーテクノスは食品から工業薬品まで、人々の暮らしを技術で支えます。
>> 【シェアシマ】で企業情報と商品を見る
おすすめ記事
ダイエットに役立つ食品素材のご紹介〜バランスのとれた食事と運動習慣をサポート〜
健康的にダイエットをするには、バランスの取れた食事と適度な運動が基本です。しかし、忙しい現代人が、これらをしっかり実践するのは容易ではありません。そうした中、食事で不足しがちな栄養素を補ったり、運動をサポートしたりするために消費者の関心を集めているのが「ダイエット食品」です。今回は、健康的なダイエットの基礎知識のほか、ダイエットに関連する機能性表示(ヘルスクレーム)と主な成分・商品例、ダイエット食品開発に役立つ原料をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。健康的なダイエットの基礎知識|肥満の定義と改善ポイント健康的なダイエットのためには、バランスのとれた食事と適度な運動、十分な睡眠など、基本的な生活習慣の改善が不可欠です。ここでは、肥満とは何かについて解説した後、食事・運動・睡眠の改善ポイントを紹介します。「肥満」や「やせ」の状態・程度をチェックするとき、「BMI(Body Mass Index)」が参考になります。BMIは「 体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)」という計算式で算出できます。一般的には、BMIの値が「18.5未満」は低体重、「18.5〜25.0」は普通、「25.0以上」を肥満としています。注意点としては、BMIによる肥満ややせの判断は、14歳以下には適用できません。また、スポーツ選手など、筋肉や骨の割合が多い人は、BMIが大きくても肥満とはいえないケースが多いです。食事・運動・睡眠の改善ポイント食事は、主食や主菜、副菜を組み合わせた食事を基本とし、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。また、夜遅い時間の食事や、食べた後にすぐに寝る習慣があると、太りやすくなります。 運動は、週150分程度を目安に、ウォーキングやラジオ体操、筋力トレーニングを継続的に取り組むことが推奨されています。また、睡眠とダイエットは一見関係がなさそうに見えますが、ダイエットを成功させる上では睡眠は大切な要素です。良質な睡眠をとることで、ホルモンの分泌量が安定・増加して、代謝の向上や食欲の抑制などの効果が期待できます。極端な食事制限や過度な運動は、長続きしにくいだけでなく健康を害してしまう危険性があります。無理な減量のために、身体を壊してしまっては元も子もありません。健康的に美しくあるためには、「BMI」を参考にしながら、適正体重を維持することが大切です。※参考:農林水産省「健康的な毎日を過ごすために」
品質改良剤のご紹介〜風味や栄養、保存性を高めて食品に付加価値を〜
食品の品質は、安全性や味、風味、見た目、食感、栄養価、保存性など、さまざまな要素によって評価されます。消費者が求めるのは、おいしく安全で栄養価の高い食品です。食品業界では、これらを向上させるためにさまざまな取り組みが行われています。品質の高い食品は、消費者の満足度を高めるだけでなく、企業のブランド価値を向上させることにもつながります。今回は、品質改良剤の特徴や活用のメリットを解説すると共に、関連商品をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。
特集|機能性表示食品対応原料〜人気成分&ヘルスクレーム別おすすめ商品のご紹介
食品業界で注目を集める「機能性表示食品」。その市場は、消費者の健康志向の高まりを受けて急速に拡大しています。事業者の責任で、科学的根拠に基づく機能性を表示できるこの制度は、企業にとって競争力を高めるための手段となっています。本記事では、機能性表示食品対応原料を人気成分とヘルスクレーム別にご紹介します。ぜひ参考にしてください。機能性表示食品とは何か、特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品との違いのほか、機能性表示食品を開発するメリットについては、次の関連記事で解説しています。
【11月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ
シェアシマの原料ページに登録されている972点(11月末日時点)のうち、2024年11月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。
着色料のご紹介〜「色」で食欲増進や品質保持に貢献〜
食品において着色料は、見た目を美しくするだけでなく、食欲を刺激し、製品の品質を向上させる重要な役割を果たします。この記事では、着色料の役割とメリット、代表的な着色料の特徴、海外展開を考える際に注意すべきことのほか、関連商品をご紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。食品に使われる着色料(食用色素)とは「着色料」は、食品が加工や劣化によって変色・退色してしまうのを防ぎ、食品に色付けするために使用される食品添加物のことです。「食用色素」とも呼ばれることもあります。赤飯や紅白餅、繭玉(まゆだま)など、日本では古くから伝統食や行事食にさまざまな「色」が用いられてきました。着色料は身近な料理にも多く使われて来た歴史があり、食べ物のおいしさを引き立てる役割を担ってきました。着色料の役割とメリット現代の食品開発において、着色料は食品の魅力を高めて品質を保つ上で、重要な役割を果たしています。適切な着色料を使用することで、製品の視覚的なアピールだけでなく、品質やブランド差別化にも寄与することができます。ここでは、着色料の主な役割とそのメリットについて説明します。視覚的な魅力の向上食品の色合いは、消費者の購買意欲に大きく影響します。たとえば、鮮やかな色には、食品を新鮮で美味しそうに見せる効果があり、消費者の食欲を増進させます。食品の特徴やターゲットに合わせた色を使用することで、消費者の関心を引き、食品をより魅力的に見せることができます。品質の保持食品は保存中に酸化や退色が進むことがあり、見た目が悪くなると品質の低下を感じさせてしまいます。着色料を使用することで、色合いを一定に保ち、製品の品質が保持されます。また、着色料は製品の安定性を向上させるため、長期保存が求められる商品においても重要な役割を果たします。色が一定であれば、消費者に対して製品の鮮度が保たれている印象を与え、信頼感を高めることができます。製品の差別化着色料を活用することで、他の製品との差別化が可能となります。色別のシリーズ展開や季節限定の色を使用することで、消費者に新しい印象を与え、注目を集めることができます。たとえば、特定のイベントやシーズンに合わせた限定カラーを導入することで、消費者の関心を引きつけ、購買を促進することができます。さらに、特定の色をブランドの象徴として使用することで、消費者に強い印象を与え、ブランド認知を高めることもできます。着色料の使用が禁止されている食品食品における「色」は、鮮度や安全性を判断する際に重要な指標となります。そのため、鮮魚や食肉、野菜などの生鮮食品には着色料の使用が禁じられています。これらの食品に着色料を使用すると、消費者が品質や鮮度について誤った判断をする可能性があり、添加物の本来の目的に反するためです。※参考:東京都保健医療局「用途別 主な食品添加物」
酸化防止剤のご紹介〜食品の風味や色、保存性を長持ちさせる添加物〜
食品の品質劣化の主な原因の一つが、食品に含まれる成分の「酸化」です。酸化が進むと、食品は色や風味が損なわれるだけでなく、栄養価が減少したり、酸化によって発生した過酸化物が原因となり、吐き気や嘔吐などの中毒症状を引き起こすこともあります。今回は、食品の酸化を防ぐための「酸化防止剤」の活用法やそのメリット、さらに世界規模でのニーズや動向についても紹介します。本記事を参考に、開発テーマや条件にあった原料をぜひ見つけてください。酸化防止剤とは酸化防止剤は、食品の酸化を防ぐために使われる添加物です。食品が空気に触れることで酸化が進むと、色や風味が変化し、栄養価も低下します。酸化防止剤は、こうした劣化を防ぎ、食品の品質を保つために使用されます。つまり、酸化防止剤は、食品の成分に代わって自ら酸化されることによって、食品の品質の低下を防ぎます。代表的な酸化防止剤酸化防止剤は、大きく分けて「脂溶性」と「水溶性」の2つに分類されます。食品に含まれる成分に適した酸化防止剤を適切に使用することが大切です。脂溶性酸化防止剤油に溶けやすく、主に油脂の過酸化物の発生を抑える目的で利用されることが多いです。