
グルテンフリーとは|グルテンを含む食品や市場の動向、国の方針を解説!
近年、健康志向の高まりと共に「グルテンフリー」の食品が注目を集めています。もともとは小麦アレルギーの方のための食事療法として広まったグルテンフリーですが、近年は健康や美容の目的で実践する人も増えています。
今回は、グルテンフリーの基本的な知識から、市場の動向、国の方針、そしてグルテンフリー食品に使われる原料について詳しく解説します。
シェアシマ掲載の「グルテンフリー」関連原料をチェックする >
グルテンフリーとは|小麦やアレルギーとの関係
ここでは、グルテンの概要と共に、小麦やアレルギーとの関係について説明します。
グルテンとは
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質のことです。グルテンは食品の粘りや弾力を生む重要な成分ですが、一部の人にとっては消化しにくく、アレルギーや腸の不調を引き起こす原因となることがあります。
健康への効果|元々はセリアック病のための食事療法
グルテンフリーはグルテンを含まない食事のことで、もともと自己免疫疾患であるセリアック病の患者向けに考案された食事療法です。セリアック病の人は、グルテンを摂取すると腸の炎症を引き起こし、栄養吸収障害を引き起こすため、完全なグルテン除去が必要です。
近年では、グルテン過敏症や消化不良の改善を目的に、健康志向の人々の間でも広まっています。
グルテンフリー商品の市場の動向
世界的に健康志向が高まる中、グルテンフリー食品の市場は拡大を続けています。世界のグルテンフリー食品の市場は、2022年に57億米ドルに達し、2030年には96億米ドルに達すると予測されます(※)。
また、スポーツ選手や美容・健康意識の高い人々の間で、グルテンフリーを取り入れるケースも増えています。特に欧米では、グルテンフリーダイエットがパフォーマンス向上に良いとされ、プロアスリートの中にも実践する人が少なくありません。
※参考:市場調査レポート「グルテンフリー製品の世界市場-2023年~2030年」
グルテンフリー食品やお菓子が人気
日本国内では、小麦粉の代替として米粉や大豆粉などを使ったグルテンフリー商品が増えています。特に、米粉を使ったパンや焼き菓子は、小麦粉の食感に近い仕上がりになることから人気を集めています。
さらに、グルテンフリーのラーメンやパスタなども開発され、小麦アレルギーの人だけでなく、健康志向の人々にも受け入れられています。
グルテンを含む食品と含まない食品
グルテンフリーの食生活を実践するためには、どの食品にグルテンが含まれているのかを正しく理解することが重要です。
グルテンフリーの食品|全粒粉やオートミールは?
グルテンを含む主な食品には、小麦粉、パン、パスタ、うどん、ケーキなどがあります。一方で、グルテンを含まない食品としては、米、とうもろこし、そば粉、豆類、ナッツ類などが挙げられます。
全粒粉は、小麦粉と同じ原材料の小麦から作られているので、小麦粉同様にグルテンが含まれています。
オートミールについては、純粋なオーツ麦自体にはグルテンが含まれません。しかし、製造過程で小麦と混ざることがあるため、心配な場合は「グルテンフリー」と表記のあるものを選ぶことが重要です。
グルテンフリーについての国の方針
日本国内でも、グルテンフリー食品への関心が高まりつつあります。特に、小麦の代替として国産米粉の活用が推進されていて、食品メーカーも米粉を使用した新商品開発を進めています。
米粉の活用に向けた施策が進んでいる
政府は、食料自給率の向上や米の消費拡大を目的として、米粉の普及を支援する取り組みを進めています。たとえば、学校給食への導入支援や、食品メーカーへの補助金制度などが実施されていて、今後ますます米粉を活用したグルテンフリー食品が増えると予想されます。
グルテンフリー食品を開発する際の課題と解決策
グルテンには、小麦特有のもちもちした食感や弾力を出す働きがあります。グルテンフリーの代替品を使用すると、こうした特性が失われることがあります。
解決策としては、異なる穀物やナッツを複数組み合わせて使用することで、風味を改善できます。また、グルテンフリー向けの食感改良剤やゲル化剤を使用することで、食感を向上させることができます。
グルテンフリーに関する原料の紹介
グルテンフリーの食品開発には、米粉や玄米粉などの代替原料が活用されています。
シェアシマ掲載の「グルテンフリー」関連原料をチェックする >
まとめ
グルテンフリーは、もともとセリアック病の食事療法として広まりましたが、現在では健康志向の高まりとともに市場が拡大しています。日本でも米粉の活用が進み、さまざまなグルテンフリー商品が登場しています。
食品開発においても、グルテンフリー原料の選定が重要となり、今後ますます注目される分野となるでしょう。

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、栄養指導やセミナー講師も務める管理栄養士、デザイナーと二足のわらじの元雑誌編集者など、30〜40代の食に関心の高いメンバーを中心に運営中