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アンチエイジング素材として大注目。明日葉に秘められた力【日本生物.科学研究所】

実は昔から親しまれている野菜!?

明日葉は八丈島に自生する日本固有のセリ科植物です。独特な苦みや香りを有しており、原産地の八丈島だけでなく伊豆大島などでも、てんぷらや胡麻和え、おひたしにされて野菜として食されています。「今日葉を摘んでも明日には新芽がでる」と、生命力にあふれる食材として昔から親しまれており、伝承では、その栄養価の高さから、元気な赤ちゃんが生まれるようにと、妊婦さんにも与えられていた野菜です。

豊富な栄養素を含み青汁の素材として活躍

この明日葉、伝承だけでなく、実際に豊富な栄養素を含みます。ビタミン類やミネラル、食物繊維など、栄養素を多く含み青汁素材としてよく知られるケールと比較しても、非常に高い栄養価となっております。その為、野菜として食されるだけでなく、主に青汁の用途で、加工用食品として使用されています。



長寿の秘訣はカルコンにあり

明日葉は豊富な栄養素にとどまらず、独自のポリフェノールであるカルコンを含むことも、その最大の特徴です。茎部分を切ると、黄色い汁があふれるように出てくるのですが、この黄色い汁にカルコンは含まれています。カルコンは、様々な機能性研究が為されており、脂肪燃焼促進、脂肪蓄積抑制などメタボリックシンドローム対応素材としての活用や、抗酸化力の高さから、アンチエイジング素材としても期待されていました。

寿命を延ばす効果を確認

このカルコンの1種である4, 4'-ジメトキシカルコン(DMC)が、オンライン科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに2019年に掲載された論文にて、線虫やショウジョウバエの寿命を約20%伸ばすことが報告されています。行われた試験はあくまで細胞レベルでのものであり、ヒトの寿命を延ばす可能性を示唆する程度のものではありますが、論文内でも加齢は悪性腫瘍や心血管疾患など所要な慢性疾患の最も重要なリスクファクターと記載されており、未だ薬理学的に加齢に伴う健康増進に影響を与えるアプローチはほとんどなく、今後の研究成果に注目が集まっています。

明日葉で健康的な生活を

このように様々な機能性を持つ明日葉ですが、元々食べられていた地域が狭く、また加工用食品としても青汁がほとんで認知度はまだまだです。粉末化された製品は、ヨーグルトやホットミルクに入れてもよく合い、加工性も悪くないですし、葉や茎を細かくカットし乾燥させたフレーク状の製品もあり、ほかの用途での活用も期待できます。ぜひ明日葉を使った食品開発を進めてみて下さい。

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株式会社 日本生物.科学研究所


<会社説明>
1974年の創業以来、「自然と人間の共存」を変わることのない企業テーマとし、 私たちの健康生活を支える機能性食品の研究開発及び製造・販売を行っております。 当社では『植物発酵エキスBIOZYME』とナットウキナーゼ高含有の『納豆菌培養エキスNSK』を主力製品としてご提案しております。

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食品原料

特集|プラントベースフード〜世界が注目する健康と環境にやさしい選択肢〜

今、世界で大注目の「プラントベースフード」。エシカル消費や健康志向を背景に、世界規模で市場拡大が続いています。この記事では、プラントベースの基本的な概念を解説するとともに、プラントベースフード普及の背景と日本のインバウンド対策、おいしいプラントベース食品開発に役立つ原料をご紹介します。関連セミナー:【受付中】プラントベース素材はおいしさ重視で〜差別化のための最新ソリューション提案(7/31)

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食品原料

人気の国産原料、仕入れ先との連携で魅力を引き出す【京都グレインシステム】

近年、安全性の高さから国産原料が消費者の間で人気を博しています。こうした期待に応えるべく、食品加工企業は国産原料を積極的に仕入れるようになりました。ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で、小麦など外国産原料の輸入価格が高騰していることも、代替原料として国産品を求める企業が増加している原因です。今回は、国産原料を独自の方法で加工している京都グレインシステム株式会社(京都府京都市)がどのような企業かを紹介した上で、同社独自の加工例・使用例について詳しく解説します。食品開発に関わっている人は、ぜひ参考にしてみてください。原料調達から加工、製品販売までを行う中間加工業者京都グレインシステムは、農産物の製造加工・受託加工業を営む「中間加工業者」です。創業は1990年、会社を設立したのは1991年で、京都市に本社を置いています。以下は、主な事業分野です。飲料原料事業(玄米茶、麦茶、穀物茶など)食品原料事業(発芽玄米、きな粉、雑穀パフなど)健康食品(ヘルスケア)原料(α化発芽玄米など)および生薬原料の刻み加工事業海外輸出入事業(中国茶など)同社では、安心・安全な原料加工プロセスを実現するために、奈良工場と長浜工場でFSSC22000認証を取得。国内大手飲料メーカーや食品メーカー、商社などのニーズに応えて、主に穀物素材を飲料原料や食品原料メーカーに加工・納入しています。スーパーやコンビニの棚に陳列されている飲料や食品(パン・お菓子・ふりかけなど)には、同社が加工した穀物原料が多数使用されています。同社は、生産地付近に加工工場を建設し、生産者との継続的な関係を重視しつつ、原料の調達に励んでいます。ただし、2024年5月時点では、加工用の国産原料に関しては品薄で、新規に提供可能な原料は「はと麦」に限定されている状況です。国産原料を使った加工例・使用例京都グレインシステム株式会社では、国産原料を独自の加工して商品づくりを行っています。以下、ここでは加工例・使用例を紹介します。荒茶×「焙煎加工/パウダー加工」で飲料原料へ荒茶(生の茶葉を蒸したり揉んだりしてから熱風で乾かしたもの)を調達した上で、焙煎(高温で炒る加工)を実施しています。なお、焙煎すると雑味が減少し、香ばしさが引き立ちます。その際に、温度や加熱時間で香味が変化するため、顧客の要望を踏まえて焙煎方法を選択しています。さらに、粉末茶やラテ用途を希望する企業に対しては、気流式粉砕機を用いたパウダー加工にも対応し、加工後はバルク包装して出荷しています。供給先では各種飲料の原料として活用されています。「国産はと麦」×「焙煎加工」で飲料原料へ北海道で生産された国産はと麦を仕入れて焙煎し、丸粒の形態でまたは粉砕品に加工した上で、飲料原料として提供しています。これまでに、ペットボトル飲料やブレンド茶の原料、ティーバッグ原料として採用されてきました。なお、はと麦茶は、焙煎大麦で作った麦茶よりも抽出液が薄く、すっきりとした甘みが特長です。むくみ解消や整腸作用・便秘解消、美肌・美容効果が期待できます。「国産はと麦(精麦品)」×「蒸し乾燥+微粉砕加工」で食品原料へ国産はと麦の精麦品(外皮を除去したり粒を磨いたりしたもの)に対し、蒸し乾燥加工や微粉砕加工をして、食品原料として供給しています。加熱処理によって微生物コントロールが可能なため、植物性ミルクの原料として使うことも可能です。ほのかな甘みがあり、製菓・製パン材料として生地に混ぜると、もっちり感やしっとり感が加わります。また、スムージーや栄養補助食品に添加する使い方もあります。そのほか、粘り気や保水性があるため、小麦粉の代替品としてカスタードクリームなどを製造する際に、増粘剤用途で添加するのも良いでしょう。「α化米粉」もあわせてチェック!生の穀物は硬く、消化しにくいという欠点がありますが、蒸す(水を加えて加熱する)とデンプンがα(アルファ)化して消化が容易になります。α化とは、デンプンの結晶構造が崩れ、水を取り込んで網目状に広がることです。なお、α化した穀物を低温で保管すると、一部が離水して、結晶構造が元の状態に戻ります。これは「老化」と呼ばれ、ボソボソとした食感になります。京都グレインシステム株式会社では、「α化米粉パウダー(蒸し乾燥米粉)」を提供しています。α化米粉パウダーは、北海道産の精白米を蒸した上で乾燥させ、気流式粉砕機でパウダー化したものです。米粉パンの原料として使用できるほか、加熱によって微生物コントロールが可能なため、ライスミルクの原料としても使用できます。α化米粉の詳細を知りたい場合は、こちらのページをご覧ください。国産玄米×「発芽処理+パフ加工」で食品原料へ北海道産の国産玄米に対して発芽処理やパフ加工をしたものも、食品原料として供給しています。これは、玄米に対して浸漬・発芽処理をした上で蒸し乾燥を実施し、熱風焙煎機で膨化(パフ化)させたものです。いわゆる「ポン菓子」とは異なり、原料である玄米の形状が保たれていて、添加物は含まれません。これまでに、お茶漬けの素やふりかけの具として使用されたり、チョコクランチに使用されたりした実績があります。アレルゲンフリーかつオイルフリーで、米の甘み・香ばしさ・歯ごたえのあるサクッとした食感が特徴です。なお、発芽玄米(わずかに芽が出た玄米)は、ビタミンB群やミネラルが豊富で、通常の玄米よりも消化吸収しやすいとされています。「発芽玄米パフ」もあわせてチェック!京都グレインシステム株式会社では、北海道産玄米を使用し、栄養価の高い発芽玄米へと加工処理した「発芽玄米パフ」が14kg入ったものを販売しています。賞味期限は製造から180日で、常温保存可能です(高温多湿は厳禁)。なお、飲料原料としても、食品原料としても使用できます。受注生産となっているため、購入を希望する場合はご相談ください。参考リードタイムは、1~2ヶ月以上です。発芽玄米パフの詳細を知りたい場合は、こちらのページをご覧ください。まとめ海外産穀物価格の上昇が続く昨今、国産原料が注目されています。価格面だけではなく、消費者にとっての安心感という点でも、国産原料は有利といえそうです。京都グレインシステム株式会社では、国産の穀物などを加工し、飲料・食品メーカーに供給しています。加工食品を開発・製造する場合は、京都グレインシステム株式会社が提供する原料の活用も選択肢になるでしょう。なお、国産原料に関してご質問・ご相談がある場合は、お気軽に京都グレインシステム株式会社までお問い合わせください。

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食品原料

ビタミンCの機能を強化|新発売「還元ビタミンC」を徹底解説【炭プラスラボ】

健康食品などの原料として安定した需要があるビタミンC。抗酸化作用をはじめとした多くの機能が知られていますが、このたび機能性に優れた食品原料を開発する「炭プラスラボ株式会社」より、ビタミンCの働きをより強化した「還元ビタミンC(TM)」が発売されました。ビタミンC食品に新たな価値を生む、その注目すべき特徴をご紹介します。50年以上の研究が生んだ原料開発力「炭」「水素」に特化した原料メーカー「炭プラスラボ」「還元ビタミンC(TM)」の製造元は、サプリメント原料などを多く開発・製造する食品原料メーカー「炭プラスラボ株式会社」。同社の創業者は、国内大手飲料メーカーの缶コーヒー商品の開発責任者を長年務め、食品の酸化を防ぐ「抗酸化」の技術開発に携わる過程で「炭」と「水素」の強い抗酸化作用に着目しました。その知見を生かして炭プラスラボ株式会社を設立し、以後同社では50年以上にわたって炭と水素の研究を続けています。炭プラスラボ株式会社の創業者・横山功夫氏。酸化が速いコーヒーを製品化する際に不可欠な「抗酸化」の研究を続け、「一番の抗酸化物質は炭と水素である」との結論に達したという。「食品の抗酸化」で世界5カ国の特許を取得炭プラスラボ株式会社は、長年の研究実績に基づいて炭や水素、また乳酸菌などに特化した食品原料を多く開発し、特に「水素を用いた食品の日持ち技術」に関しては、アメリカやヨーロッパ、中国、香港、日本の世界5カ国で特許を取得。現在は30種前後の食品原料をラインアップし、サプリメントを中心とした健康食品の原料供給やOEMに対応しています。“ビタミンC+水素”の新発想同社が得意とする「水素」を用いた独自技術を生かして2023年に発売されたのが、ビタミンC原料の「還元ビタミンC(TM)」。「体内への吸収力」を強調する一般的なビタミンC群とは一線を画し、ビタミンCが本来もつ「還元力」に着目した新タイプのビタミンC原料といえます。物質は空気中の酸素と結びつくと「酸化」し、鉄でいえばサビが浮いた状態になります。私たちの体を作る細胞もまた、酸化によって老化が進行します。一方で「還元」とは、物質に結びついた酸素を離し、元の状態に戻す働きをいいます。ビタミンCの機能でよく謳われる抗酸化作用とは、この「還元機能」に他なりません。【特徴1】ビタミンCの「還元力」が5倍にアップ「還元ビタミンC(TM)」最大の特徴は、炭プラスラボ株式会社が特許を取得した独自技術を生かしてビタミンCパウダーに水素を大量に担持(※1)させていること。この水素の働きによりビタミンCの還元機能、つまり還元力が既存の同種原料に比べて5倍以上も高くなっています(※2)。物質の還元力を表す「酸化還元電位」は、数値が低いほど還元力が強い。「還元ビタミンC」は、既存のビタミンC原料と比べて唯一マイナス数値を示すほど還元力に優れている。※1:担持:他の物質を固定化させる働き。※2:アスコルビン酸(100%品)やリポソーム型(タイムリリース)ビラミンCと比較した場合。水素がビタミンCの働きをサポートビタミンCの抗酸化作用を支える還元機能。ところが食事やサプリメントなどで体内に摂取されたビタミンCは、体内で老化の原因となる活性酸素を還元すると、その還元機能を失ってしまいます。「還元ビタミンC(TM)」の場合、水素の働きによってビタミンCの還元機能を復活(リサイクル)させることができます。水素とのコラボレーションによって高い還元力を維持できる「還元ビタミンC(TM)」は、抗酸化作用やコラーゲン合成の促進、メラニン生成の抑制、免疫力の向上といった美容と健康に役立つビタミンCの機能を長く持続できるとされています。まさに「ビタミンC+水素」の新発想で生まれた、新タイプのビタミンC原料といえます。悪玉活性酸素を効率よく無毒化ビタミンCが一般的な活性酸素を還元する過程で生じる悪玉活性酸素(ヒドロキシルラジカル)は、酸化作用が強く、生活習慣病や老化などを引き起こす物質といわれています。「還元ビタミンC(TM)」は、この悪玉活性酸素を水素の力で素早く還元し、無毒化させることができます。水素の働きを生かしたこの機能は、既存のビタミンC原料にはない特徴でもあります。【特徴2】80%以上のビタミンC含有率を実現ビタミンCは通常、pHアルカリ性の環境ではそれ自体が酸化し、構造が壊れてしまいます。「還元ビタミンC(TM)」は、ビタミンCの構造が壊れないpH酸性を維持。その結果、パウダー状の原料の中にビタミンCを80%以上という高い割合で含有しています(※3)。※3:一般的なタイムリリース型ビタミンCの場合、原料中のビタミンC含有率は20~30%。【特徴3】栄養機能食品に適した「第4のビタミンC」既存のビタミンC原料は、主に(1)アスコルビン酸、(2)レモンやアセロラ等由来の天然由来ビタミンC、(3)リポゾーム型などのタイムリリース型ビタミンCの3タイプに大別されていました。それぞれ機能面やコスト面で一長一短がありましたが、「還元ビタミンC(TM)」は、その双方でバランスがとれた「第4のビタミンC」といえるでしょう。ビタミンCに特化した商品開発に高い還元力をもつ「還元ビタミンC(TM)」は、栄養機能食品(ビタミンC)の原料としても優れています。「還元ビタミンC(TM)」37.5~1250mgの使用量で、消費者庁が定める栄養機能食品(ビタミンC)の1日摂取量(30~1000㎎)に換算できます。商品設計において「還元ビタミンC(TM)」の1日の摂取量を100mg以上にした際、商標表記(ロゴマーク)が使用可となる。他社と差別化されたビタミンC商品の開発をお考えの方は、ぜひお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。「還元ビタミンC(TM)」の詳細は商品ページよりご覧ください。

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プロテイン原料のご紹介〜タンパク質の重要性と拡大する市場

プロテインは、日本語で「タンパク質」を表す言葉です。タンパク質は、肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などに多く含まれており、私たちの身体をつくる上で欠かせない栄養素の一つです。 この記事では、タンパク質の働きとプロテイン市場の広がりを解説するとともに、プロテイン製品の開発に役立つ原料商品をご紹介します。タンパク質の働きタンパク質は、炭水化物・脂質とともに3大栄養素と呼ばれるエネルギー源のひとつです。筋肉をはじめ、臓器、血液、皮膚、髪、爪など、身体のあらゆる組織をつくる材料となります。身体の機能を調整するホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質にも関わり、免疫や代謝、血圧の調整、神経機能の維持など、健康な身体を維持するために重要な役割を果たしています。若者から高齢者まで、プロテイン市場の広がりタンパク質は食事から摂取することが大切ですが、近年は、さまざまな目的でプロテイン製品が活用されるようになってきました。理想的な身体づくり、美容やダイエット、子どもの発育のサポート、高齢者に不足しがちなタンパク質を補う栄養補給など、プロテイン製品の需要が幅広い世代に広がっています。タンパク補給食品の国内市場は、10年で約4倍に成長し、2023年に2,580億円(2013年比+1,957億円)に達しました。2022年以降、市場の急拡大はひと段落しているものの、ブームにより獲得したユーザーがリピーターに成長しているケースもあり、市場は今後も小幅ながら成長が続くと予想されています(※)。生活者の利用シーンやニーズを捉えた商品開発が、今後の新たな顧客開拓につながっていきそうです。※参考:富士経済「プロテインブームが一段落、今後の動きが注目されるタンパク補給食品の国内市場を調査」プロテイン原料のご紹介シェアシマでは、プロテイン製品の開発に役立つ原料情報を数多く取り揃えております。ここからは、「動物性」「植物性」「昆虫食」「コラーゲン」の素材別に、プロテイン原料をご紹介します。シェアシマ会員様は、商品の規格書をダウンロードしたり、企業の担当者様に直接問い合わせをすることができます。ぜひご活用ください。動物性プロテイン原料ヤギホエイプロテイン(WPC50)|株式会社ナチュラリンク牛ホエイプロテインよりも約4倍のスピードで消化される、ヤギホエイプロテインです。牛乳のプロテインが1時間で約17%消化されるのに対し、ヤギのホエイプロテインは、1時間で77%消化されます。スポーツニュートリション製品の開発に最適です。

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食品原料

濃縮エキスがヒット商品に|「金目鯛のアラ」がもつアップサイクルの可能性【渡辺水産】

鮮やかな赤色と上品な味わいで知られる「金目鯛」。じつは頭や中骨といった「アラ」の部位にも濃厚な旨味が凝縮され、食品原料として多くの可能性を秘めています。アップサイクル原料として「金目鯛のアラ」の利用に取り組む企業「有限会社 渡辺水産」と、その活用事例をご紹介します。「日本一の金目鯛」を扱う渡辺水産伊豆の地魚を買い付けから販売まで一貫管理伊豆の下田市内に本店・支店の2拠点をもつ渡辺水産。金目鯛の水揚げ量日本一を誇る伊豆・下田港の近くに本社を置く渡辺水産。大正9年に創業以来、伊豆の新鮮な地魚を取り扱い、市場の買い付けから魚の加工、販売までを自社で一貫して行うことで鮮度に優れた海の幸を提供しています。金目鯛の加工商品で日本ギフト大賞も受賞ネット通販で人気を博す「地金目鯛 厚切りしゃぶしゃぶ」。渡辺水産がとりわけ得意とするのは、今や全国区で知られるブランドにもなった「下田の金目鯛」。飲食店やホテル、旅館などへの業務販売の他、一般向けの商品開発にも力を入れ、なかでも通信販売で扱う「地金目鯛 厚切りしゃぶしゃぶ」は「日本ギフト大賞 2022 静岡大賞」にも選ばれました。下田という地の利を生かした魚の鮮度と、老舗ならではの仕入れでの目利きぶり、そして金目鯛の扱いに慣れた熟練の職人技術が揃っているのが渡辺水産の強みといえます。「金目鯛のアラ」に見出す可能性濃厚な旨味とコクを含むアラに着目金目鯛の加工を行う過程で大量に生じるのが、頭や中骨といった「アラ」の部位。渡辺水産でも毎月1トン前後の金目鯛のアラが発生し、かつては廃棄するしかないのが現状でした。しかし魚のアラは本来、濃厚な旨味が凝縮された部分。特に脂質を多く含む金目鯛のアラは、他の魚と比べて旨味が抜群に濃く、コクのある味わいが楽しめるといいます。このアラに新たな販路を見出せないか。渡辺水産では約5年前から、金目鯛のアラの販売や、アラを生かした商品開発が始まりました。金目鯛のエキスがヒット商品にアラの旨味を凝縮した「金目鯛エキス」は約18倍希釈で、賞味期間は10カ月。ご当地ラーメンのスープなどに利用される。これまで缶詰やせんべい、ペットフードなど、さまざまな企業と共同で製品開発の試行錯誤を重ねてきたという渡辺水産。その中でヒット商品となったのが、アラから抽出した出汁を液状で販売する「金目鯛エキス」です。金目鯛のアラ(頭と骨)をじっくり煮込んで旨味とコクを取り出したエキスは、塩のみで味付けされ、まさに金目鯛がもつ本来の味わいが凝縮された仕上がり。2019年に販売開始されて以来、伊豆の地元や都内のラーメン店などから問い合わせが重なり、現在も主に飲食店に向けて定期的に卸されています。旨味が凝縮された「金目鯛エキス」は、ラーメンやつけ麺のスープと相性抜群。一般向けの小容量タイプも通販で入手可能。渡辺水産では、金目鯛のスープを使った「金目鯛ラーメン」も過去に開発・販売したことも。アップサイクル原料としての課題と展望食品ロス対策としての取り組みこの他、大手メーカーから鍋つゆの原料としての問い合わせも受けるなど、渡辺水産が扱う金目鯛のアラに着目する企業は少なくありません。このように、本来は廃棄対象とされていた素材を再利用し、新たな価値を生み出して製品化する試みは「アップサイクル」と呼ばれ、食品ロス対策やSDGsの観点から国内外で注目を集めています。金目鯛の中骨を、かつお節と同じ製法で味わい深く仕上げた「金目鯛スモークボーン」。渡辺水産のオリジナル商品だ。製菓メーカーにアラを提供して製造された「金目鯛せんべい」。金目鯛の高級魚としてのイメージと、他の魚類にはないアラの濃厚なコクと旨味には、アップサイクル原料として大きな将来性が感じられます。一方、脂肪分の個体差が生じやすい、硬く大きな骨を砕く設備が必要など、安定的なアラの活用に向けた課題も見えてきました。渡辺水産が扱う金目鯛のアラは、臭みの元となる血合いが職人の手で丁寧に除去されている。このきめ細かい後処理も、外国産の金目鯛との差別化ポイントだ。渡辺水産によれば、金目鯛のアラは毎月500キロ前後の安定供給が可能。また、希望があれば「兜のみ」など部位を絞った提供もできるとのこと。飲食店チェーンでの活用や小売り用の製品化など、まだまだ広がりをみせそうな金目鯛のアラの活用。参入を検討される企業は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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【6月度】注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ

シェアシマの原料ページに登録されている885点(6月末日時点)のうち、2024年6月に閲覧数の多かった商品をまとめてご紹介します。