
スイカ果汁のポテンシャルを引き出す!パワーサラダ専門店HIGH FIVE SALADの挑戦
夏と言えば「スイカ」。2023年夏は、飲食店の各所でスイカ果汁を扱った商品が陳列するさまを目にした方も多いはず。しかし一方、市場に流通する前段階でさまざまな理由で品質には問題ないにもかかわらず、廃棄の一歩手前のものが存在していました。今回は、シェアシマが食品ロス削減プロジェクトの一環で掲載した商品「すいかストレート果汁」を使い、商品化していただいた企業様の事例をご紹介します。(聞き手:シェアシマ編集部)
未利用のスイカ果汁が、夏のシーズナル商品となるまで
ー まず、 御社の事業概要を伺ってもよろしいでしょうか?
日本初となるパワーサラダ専門店を、都内3ヶ所で運営しています。そのほかにも、オフィスデリバリーやコンビニエンスストア等への卸事業・飲食店コンサルタント・レシピ監修などの事業を展開しています。2016年、ヘルシー志向によるサラダブームの高まりから日本でも続々と「サラダ専門店」がオープンしました。当社もたまたまではありますが同年、会社を設立しました。
ー今年の夏、シェアシマで調達した「スイカ果汁」が商品化されたとうかがいました。
はい。知人から、「シェアシマというサービスで、スイカ果汁を扱っているみたいなんだけど、何か使えないかな?」とご紹介をいただいたことがきっかけです。スイカは夏の定番果実のため、毎年なにかしら商品化のトライはしてきました。しかし、どうしても種の問題があり商品化実現に至らなかったのです。シェアシマさんに詳しくお話を聞いてみると、スイカ果汁100%だというので、その点も非常に魅力的でしたね。当社では、なるべく国産で安心安全な材料を使用しているためにピッタリだと思いました。
ー100%のスイカ果汁を、どのように商品化されたのですか?
じつはスイカは、商品開発者泣かせの果実なんです。なので商品化のプロセスは決して平坦ではありませんでした。スイカは想像以上に水分が多い果実のため、しぼると果実の色がより抜けて薄いピンクっぽい色になるし、味も非常にタンパクです 。よくあるのが、バナナを原料に加えてとろみと食感を出しスムージーにするというもの。しかし、試しにバナナを入れてみたら、スイカの風味が全部飛んでしまって…。
次にキウイフルーツを掛け合わせてみたんですが、まるでキュウリを食べてるかのような味わいで、美味しいとは言いがたい仕上がりでした。あとは、ヨーグルト系を混ぜたりもしましたね。試行錯誤の末、最終的にはココナツミルクを加えることにしました。ココナツミルクにした理由は、「夏」をイメージさせる原料を使いたかったのと、スイカとの相性も良く単純に美味しかったんです。
スイカとココナッツミルクのスムージー
ーお客様の反応はいかがでしたか?
好評でした!毎年シーズン商品を楽しみにして下さるお客様がいらっしゃるのですが、スイカは今まで出したことのない新しい味だったため、喜んでいただけました。じつは私、個人的にも果物の中でスイカが1番好きなんです。だから、大好きなスイカで商品開発できたことは、私にとっても非常に嬉しかったですね。
新たな原料調達の切り口と環境志向のビジネス
ーシェアシマを実際に利用してみた感想を教えてください。
まず原料調達に関して「こんな可能性があるんだ!」ということを新たに知れたことは大きいです。しかも、思ったほど高くはなかったことにも驚きました。普通に購入していたら、100%果汁ですからもっと高くついたはずです。聞くと、商品価値はあるのに使われずに余ってしまった「未利用原料」というので、当社も持続可能な社会・環境への取り組みを大切にしているためコンセプトとも合致しました。
というのも、当社のお客様は言わずもがな”健康志向”の方が多いのですが、そういった方は自ずと環境への配慮をきちんとされている方が多いんです。それはサラダをご購入下さるお客様はもちろん、取引先の企業も同様です。例えば、「プラスチック容器だとお取引しません」と言われるケースもあるのです。だから当社では、サラダはバガス容器を使用し、紙袋を有料化したりしています。ほんの少しの取り組みでも、環境に配慮出来たらいいですよね。
シェアシマでご提案した商品
ーちなみにこれからも、シェアシマをご活用いただけそうですか?
そうですね。今回はシーズナル商品でしたので期間限定のお取引でしたが、今後原料調達で
困ったことがあればぜひ、活用したいです。今回のお取引を通じて、安価でありながら使うことを通じて環境にも貢献できる、ということを知ったため、非常にいい取り組みだと思っています。
カジュアルウェルネスの未来:人とつながり心身ともに健康を
ー御社の今後の展望を教えて頂けますか?
私たちのミッションである「Casual Wellness®(カジュアルウェルネス)」を広げていきたいですね。この言葉は、”無理しないウェルネルライフ”を歩んでいただくお手伝いをしたい、といった想いを込めています。従来のウェルネスには、結構ハードルが高い印象をお持ちの方も多いようです。例えば、有機野菜は価格が高くて手が出しづらかったり。食材選び1つとっても、ウェルネスに振り切ることは、いろいろと障壁が高いのです。一方で当社が推奨しているのは、まるでカジュアルウェアを着るような感覚で、イキイキと健康的な生活を楽しもうというコンセプトです。
その活動の第一歩がサラダなのですが、今後はコミュニティ形成などをより活発にしていきたいです。現在、月一で運動系のイベントや、キャリア形成に関するセミナーなども開催しています。やはり、ただ身体が健康なだけではなく、精神面・社会面など含めて広く良い状態であることが大切です。人と人とのつながりを育み、心も体も両方満たされる状態。当社に関わる皆さまと、そんな世界を共創していけたらと思っています。
カジュアルウェルネス|活動の一コマ
ー素敵なお話、ありがとうございました!


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