FOOD展2023|シェアシマで原料のアップサイクルを、食ロスセミナーで呼び掛け
食品業界向けの複合展示会「FOOD展2023」が、東京ビッグサイトにて、9月20日(水)〜22日(金)の日程で開催されました。その初日、当社代表の小池祥悟が「食品ロス・リサイクルゾーンリレーセミナー」に登壇し、未利用の食品原料を発掘し、活路を見出すシェアシマのアップサイクルの取り組みを紹介しました。
こちらの記事では、セミナーで登壇した内容を、一部を再構成の上、お伝えします。
原料段階で廃棄される食品を救いたい、その思いを形に
私たちは「シェアシマ」という食品製造業のウェブプラットフォームを運営しており、本日は、「アップサイクル」を活用した新商品開発と販路拡大についてご説明させていただきます。日本の食料自給率が40%にも満たないことは、多くの方がご存知かと思います。一方で、日本の食品ロスの全量は523万トンとされており、そのうち食品製造業が約24〜25%、つまり約125万トンを占めています。
こうして食品ロスが発生する理由として、多くのメーカーが関与する中で、加工ないしは原料の各段階で廃棄されてしまうという現状があります。
私たちが目指しているのは、食品を無駄にしない社会を作ることです。具体的には、使われない食品原料を他の会社が活用できるようなセカンダリーマーケットを作ることです。そのために、この「シェアシマ」というプラットフォームを展開しています。現在、3,000社以上のメーカーが登録しており、このような流通が普及することを期待しています。ぜひ、多くの方に「シェアシマ」に会員登録していただき、多様な食品メーカーとのつながりを広げていただきたいと考えています。
皆さんがよくご存知の「リサイクル」は製品を資源に戻し、そこから新しいものを作ることです。対して、私たちが普及を目指す「アップサイクル」は元の素材の特徴を生かしながら新商品へと生まれ変わらせます。
私たちは2022年度、長野市と協力して「長野アップサイクル・フード」という名前で商品開発プロジェクトに取り組みました。このプロジェクトでは、食品製造の上流から下流までのステークホルダーを繋ぎ、未利用の食品原料の情報を集約するところから始めました。消費者の皆さんの知らないところで食品原料のロスが発生しているわけですが、その情報をどうやって集め、世の中に発信していくかについては最も難しい部分です。
私たちの調査により明らかになったのは、何らかの理由で使用されずに冷蔵庫や冷凍庫に保管されたままになっている未利用の原材料だけが問題ではないということでした。実際には、製造過程で出る切れ端や、果実の搾りかすなどもアップサイクルの可能性を秘めています。例えば、ウエハースを作る際に出る端材や、野菜ジュースを製造する大きな工場で出る残渣などがそれに該当します。
未利用原料を商品化、端材や残渣に付加価値を乗せて
私たちは「シェアシマ」プラットフォームも活用して、未利用原料や食品残渣の情報を集めました。最終的には、そうして見つかった素材をアップサイクルし、付加価値の高い新商品を作るという流れを描いていました。
ところが、次にぶつかったのは、多くの食品メーカーが自社の名前を公にしたくないという事態でした。そこで、私たちが自ら「シェアシマ食品ロス削減プロジェクト」というアカウントを発行し、食品メーカーの名前を出さずに、在庫を代行して取り扱える仕組みを考えました。1年間の実証実験の結果、約2トンの原料が廃棄されずに済みました。理想としては、10トン、100トンといった規模で行いたかったのですが、食品メーカーも余剰在庫に対して簡単には手を出せない現実がありました。
今後は少量でも未利用原料を出せるような環境を整え、購入する側にもそうした事情を理解していただくことで、参画企業を増やしていきたいと考えています。
プロジェクトの成果としては、廃棄されていた鶏のレバーとハツを使った缶詰を「長野アップサイクル・フード」ブランドの第一弾商品として発売したことです。レバーもハツも、皆さん焼き鳥や焼肉で食べていらっしゃるでしょうが、実際には需給バランスが取れていないそうです。というのも、モモやムネといった他の部位と比べた時に、レバーなどは余剰になってしまうのが現実です。
経過としては、長野県農協直販株式会社(長野市)から、レバーなどの部位が市場に出回らないという情報を得ました。それを基に、長野市や地元企業と協力して商品アイデアを練り、缶詰の試作を行いました。最終的には、長野と東京で記者発表を行いました。
さらに、第二弾として、ウエハースの端材を活用したクラフトビール商品を長野県の土産品としてプロデュースし、第三弾として、高知県で余っていた冷凍トマトペーストを使ったカレーを長野市内のスキー場のレストランで期間限定で販売しました。
当社としては、アップサイクルの敷居を下げるために、OEMの支援事業にも力を入れており、おかげさまで多くの問い合わせをいただいています。食品原料の紹介から商品開発までを支援し、時にはOEM先のご案内を含む一気通貫したサポートを実現しています。
2023年秋からは「未利用ホエー活用プロジェクト」という新しい実証実験に取り組む予定です。これは、チーズ生産が増える中で、副産物である「ホエー」が大量に余ってしまう問題に対処するためのプロジェクトです。
最後に、食品産業や食品原料に関わるすべての方々に、私たちの「シェアシマ」というサービスをご利用いただきたいと思います。ご静聴ありがとうございました。
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アップサイクルの米粉パンを共同開発、12月の都内イベントで限定販売へ【リンネル監修】
株式会社丸冨士(長野市)とICS-net株式会社(同)は、未利用の食品原料を生地に練り込んだ米粉パン「アップサイクルフード 米粉ブレッド from 信州」を共同開発しました。本企画を監修した人気女性誌リンネル主催のイベント「クリスマスマーケット2023」(12月3日午後12時〜同5時、二子玉川ライズ ガレリア)で限定販売します。\丸冨士様の公式オンラインストアで購入できます/国産古米の米粉パンを、アップサイクルでもっと美味しくシェアシマを運営するICS-net株式会社では、事業の拠り所となるパーパスとして、「大切な食資源を活かす」を掲げています。実際にはまだ食べられるけれど、事情があり廃棄されてしまう食品原料(以下、「未利用原料」)を再流通させる、アップサイクル・フード企画に取り組んでいます。今回は人気女性誌「リンネル」監修の下、国産の古米を活かした米粉で美味しいパンを作っている「丸富士」、そしてシェアシマが調達した未利用原料を具材に練り込んだパンを作りました。国産の古米を使ったもちもちの米粉生地に、「美味しく食べられるが形や色が悪い」「食べられるが一般的な生産ラインでは販売していない」といった理由から、食品加工の途中で生じてしまった規格外素材(端材・残渣など)を具材にしました。美味しさと「食」の持続可能性を実現させた米粉パン。この自然からの贈りものを、みんなで食べることで、食の未来を変える一歩につながると、私たちは信じています。シェアシマ・アップサイクル特集:アップサイクル商品のための原料情報をウェブサイトで探すことができます。「アップサイクルフード・米粉ブレッド from 信州」商品紹介米粉パンは全8種。価格はいずれも、税込1200円(税込)です。\丸冨士様の公式オンラインストアで購入できます/柿・くるみ南信州特産「市田柿」の柿皮エキスを使用した生地に、クルミを練り込みました。柿の風味が生地に広がり、くるみの食感がアクセントとなり、独特の甘さと香りが楽しめます。にんじん・シナモンにんじんパウダーの生地にアクセントとしてシナモンを加えました。優しいにんじんの風味とアクセントとしてシナモンの香りが広がり、独自の風味を楽しめます。ケール・ベーコン少し苦味のあるケール生地にベーコンを追加しました。ケールの苦味とベーコンの風味が絶妙に組み合わさり、クリスピーな食感とコクが楽しめます。いちじくいちじくのカットを練り込みました。ほんのりフルーティーな風味があり、独特の優しい甘さが感じられます。いぶりがっこ・チーズ塩気の強いいぶりがっこを刻んで練り込んだ生地にマイルドなチーズを合わせました。いぶりがっこの塩気とチーズのマイルドさが絶妙に調和し、お酒にも合う大人な味わいが楽しめます。レンコンレンコンパウダーを練り込みました。レンコンの風味がほのかに香ります。さつまいもさつまいもパウダーの生地に甘く煮たさつまいもダイスを練り込みました。さつまいもの自然な甘さが広がり、さつまいもの風味が豊かに感じられます。抹茶抹茶生地に大納言小豆を練り込みました。抹茶独特の苦味のある生地に甘く煮た大納言小豆を合わせ、和の相乗効果を楽しめます。\丸冨士様の公式オンラインストアで購入できます/リンネル「クリスマスマーケット2023」概要イベント名:リンネル「クリスマスマーケット2023」日時:2023年12月3日(日)12:00~17:00場所:二子玉川ライズ ガレリア(東京都世田谷区玉川2-21-1)ステージ出演:「宝島社プレゼンツ|リンネル編集部監修のコラボパンのトークショー」 ※14:00開始予定入場:無料(出入り自由のオープン形式)イベント情報:https://liniere.jp/column/culture/38954/【リンネルについて】“自分らしく、心地よく、本当にくつろげる暮らしとおしゃれ”。ファッション&ライフスタイル雑誌の「リンネル」は、そんなアイデアを提案しています。当たり前だけど、見落としがちな日常を丁寧に暮らす大切さを伝えたいー。そんな思いから2010年に誕生し、20代~40代女性を中心に幅広い層から支持を受けています。雑誌コンテンツだけにとどまらず、「丁寧で心地よい暮らし」をコンセプトとして、さまざまな企業とコラボレーションしてきました。洋服や工芸品などのもの作りを通じて、リンネルの世界観を広げ続けています。
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