
特集|ペットフード対応原料〜市場動向と犬・猫の健康を守る栄養基準やパッケージ表示も解説
愛らしいペットの存在は、私たちの暮らしに多くの喜びと癒しを与えてくれます。日本では、犬・猫の飼育数が子どもの人口を上回り、さらに、飼い主の健康意識の向上やペットの平均寿命も延びていることから、近年、ペット関連商品の売れ行きが好調です。
なかでもペットフードは、「ヒューマングレード」と呼ばれる高品質な商品や冷凍食品も登場し、食品業界においても注目の市場となっています。
そこで今回は、ペットフード開発に役立つ原料をご紹介します。あわせて、ペット関連市場の最新動向やペットフードの種類とトレンド、必要な栄養素のほか、ペットフードを開発するうえで押さえておきたいポイントについても解説します。ぜひ、商品開発の参考にしてください。
ペットフード開発に役立つ原料のご紹介
- 【ビタミン強化パン酵母】イーストパウダー・ビオチン|オリエンタル酵母工業株式会社
- ミネラル酵母シリーズ(亜鉛・銅・鉄・マンガン・ヨウ素・モリブデン・クロム・セレン)|オリエンタル酵母工業株式会社
- 【アンセリン】SA-10(IK)LF|東海物産株式会社
- 【アンセリン】SA-30(IK)SD|東海物産株式会社
- 【イミダゾールジペプチド】AC-10(ST)SD|東海物産株式会社
- 【イミダゾールジペプチド】AC-20(ST)SD|東海物産株式会社
- 【イミダゾールジペプチド】AC-10(IK)LF|東海物産株式会社
- 【イミダゾールジペプチド】AC-50(IK)SD|東海物産株式会社
- 鶏ムネ肉プラズマローゲン(粉末タイプ)|丸大食品株式会社
- イキゲンコラーゲンペプチドPCAG-1|株式会社ニゾナ
- イキゲンコラーゲンペプチドSCJ-1|株式会社ニゾナ
- イキゲンコラーゲンペプチドSCC-1|株式会社ニゾナ
- イキゲンコラーゲンペプチドSCAG-1|株式会社ニゾナ
- ヤギホエイプロテイン(WPC50)|株式会社ナチュラリンク
- ヤギ脱脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンク
- ヤギ全脂粉乳(アレルギー注意喚起不要)|株式会社ナチュラリンク
- 【免疫賦活】アスコフィランHS【海藻由来】|林兼産業株式会社
- 植物発酵エキスビオチームMCパウダー|株式会社日本生物.科学研究所
- 胡麻ミネラル乳酸体パウダー|株式会社日本生物.科学研究所
- 有機あした葉パウダー|株式会社日本生物.科学研究所
- あした葉ポリフェノールCHALSAP-P8|株式会社日本生物.科学研究所
- 納豆菌培養エキスNSK-SD|株式会社日本生物.科学研究所
- エンドウタンパク|リンクフード株式会社
- 北海道産 菊芋粉末|赤坂T・M株式会社
- 乾燥納豆|有限会社川口納豆
- ABM植物由来乳酸菌(殺菌)|株式会社JBBMファクトリー
- ABM植物由来乳酸菌(生菌)|株式会社JBBMファクトリー
- ビフィスリム菌KMH001|株式会社キティー
- クリスパタス菌KT-11(KT-11HP)|株式会社キティー
- クリケットパウダー(脱脂)|サントレック株式会社
- オメガヴィーパウダー100|ミヨシ油脂株式会社
- 【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーSH(大豆配合品)|株式会社エコロギー
- 【FSSC 22000取得/大手メーカー導入アリ/国内在庫アリ】エコロギーパウダーW(コーンスターチ配合品)|株式会社エコロギー
- グリルイーストB/H|株式会社樋口商会
ペットビジネス市場は1兆5,000億円超
ペット関連ビジネスには、ペットフードや日用品以外に、生体や医薬品の販売、保険やペットサロンなどのサービスがあります。株式会社富士経済の調査によれば、2023年の市場規模は1兆5,343億円に達していて、26年には23年比で4%増の1兆5,921億円となる見込みです。(※1)
2023年 | 2026年 |
---|---|
1兆5,343億円 | 1兆5,921億円(見込み) |
引用:株式会社富士経済「ペットフード・用品の市場を調査」
ペットフード市場においては、2023年は4,754億円で、前年比11.9%増と大きく成長しました。原材料費や物流費の高騰が続いたことによる各社の大幅な値上げがプラスに作用し、特に、市場規模の大きいドッグフードやキャットフード、スナック類の単価上昇率が高く、市場をけん引しました。(※2)
※1参考:株式会社富士経済「国内ペット関連総市場を販売チャネル別に調査」
※2参考:株式会社富士経済「ペットフード・用品の市場を調査」
市場拡大の背景
子どもの人口を上回る、日本のペット飼育数
一般社団法人ペットフード協会が発表した「令和6年 全国犬猫飼育実態調査(※1)」によると、日本の犬と猫の飼育頭数は、犬679万頭(前年比-4.8万頭)、猫915万頭(前年比+8.6万頭)の合わせて1,595.1万頭でした。
犬 | 猫 | 合計 |
---|---|---|
679万頭(前年比-4.8万頭) | 915万頭(前年比+8.6万) | 1,595.1万頭 |
一方、2024年4月時点の15歳未満の子どもの人口は1,401万人(※2)で、43年連続で減少しています。
このように日本では、ペットの飼育頭数が子どもの数を大幅に上回っていて、家族の一員としてのペットの存在感が年々増してきています。
※1参考:一般社団法人ペットフード協会「令和6年 全国犬猫飼育実態調査」
※2参考:総務省「我が国のこどもの数-「こどもの日」にちなんで-(人口推計から)」
平均寿命は犬14.90歳、猫15.92歳
ペット関連市場の拡大には、ペットの平均寿命が延びていることも影響しています。
犬 | 猫 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
単位(歳) | 全体 | 超小型 | 小型 | 大型 | 全体 | 外に出る | 外に出ない |
2010年 | 13.87 | 14.37 | 14.13 | 13.69 | 14.36 | 15.91 | 12.12 |
2024年 | 14.90 | 15.13 | 14.78 | 14.37 | 15.92 | 16.34 | 14.24 |
一般社団法人ペットフード協会「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査」より作成
2024年のペットの平均寿命は、犬14.90歳(2010年比+1.03歳)、猫15.92歳(2010年比+1.56歳)で、2010年以来延び続けています。特に猫は、7歳以上の高齢期の割合が増加していて、“高齢化”が進んでいる傾向です。このため、シニア用や病気対策用フードの需要が高まっています。
コロナ禍をきっかけとした飼い主の健康志向は、ペットの健康管理や生活環境に対する意識の向上にも影響を与えました。また、在宅時間の増加や室内飼いが増えたことによって、ペットの健康状態をより細かく観察できるようになったことも、市場拡大の背景といえます。
ペットフードの種類|トレンドは「ヒューマングレード」「プレミアムフード」
犬・猫用のペットフードには、大きく分けて、定番の「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」「セミモイストタイプ」があります。2009年に、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律「ペットフード安全法」が制定され、原材料や製造・流通において、安全性と品質が求められるようになりました。
2019年頃からは、スチーム加熱調理をした「フレッシュフード」や、生の食材を使った「ローフード」なども登場しています。なかでも、「ヒューマングレード」と呼ばれる安全安心・高品質・無添加を訴求したプレミアムフードや冷凍食品が存在感を増してきています。
厳選した原材料を使用したプレミアムフード(冷凍)の一例(写真提供:株式会社XAXA)
自然解凍で食べられる、素材本来の味わいを活かしたバランスの良いレシピが特長(写真提供:株式会社XAXA)
株式会社XAXA(本社:長野県松本市)では、HACCPに基づく徹底した衛生管理のもと、保存料や着色料を含む15種類の添加物を一切使用しない、安心してペットに与えられるフードを開発しています。市場から直送された新鮮な食材を使用し、さらに、特別に配合された乳酸菌が腸内環境を整え、自然なお通じを促して全体的な健康に寄与するプレミアムな商品です。
同社によれば、「ペットの健康に配慮して、より食いつきの良いもの、サプリメント効果の高いものなどが求められている。コスト削減のために品質の低い原料を使ったフードよりも、安全性が高く品質の良いものを与えたいという飼い主の思いから、1頭当たりにかける金額が増えている」とのこと。
定番商品に加えて、プレミアムフードやスナックなどバリエーションの幅が広がるペットフード業界は、まだまだ開拓の余地がある市場といえるでしょう。
ペットフードを開発するうえで押さえておきたいポイント
ペットの成長・健康維持には、毎日の食事から摂取する栄養が欠かせません。そして、おいしさはもちろんのこと、「総合栄養食」「間食」「療養食」といった目的・ライフステージに応じたものや、給餌量の調整のしやすさ、保存性にも配慮する必要があります。
ペットフードを開発するうえでは、以下のようなポイントを確認しましょう。
ペットフードの成分規格
ペットフードの製造にあたっては、成分規格として国が定める物質において、それぞれの上限値を超えてペットフードに含まれてはいけません。詳細は、農林水産省「ペットフード製造業者・輸入業者・販売業者のみなさまへ|ペットフードの安全確保のために」より確認することができます。
ペットフードに必要な栄養素
ペットに必要な栄養を含む「総合栄養食」には、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの必要量が細かく定められています。
AAFCO(米国飼料検査官協会)、および、FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)では、栄養基準やラベル表示に関するガイドラインを策定していて、世界中のペットフード業界で参考にされています。
日本でも、輸出や高品質基準を満たすために、AAFCOの基準が多く採用されています。ヨーロッパ向け輸出を行う場合は、FEDIAFの基準に適合していることが信頼性の証となります。ぜひ、参考にしてください。
※参考:AAFCO
※参考:FEDIAF
ライフステージにあわせた食事
犬・猫は、ライフステージに適したフードを選択する必要があります。「総合栄養食」と表示する場合は、そのペットフードが適用となる犬、または猫の成長段階の併記が必要であることが、「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」で求められています。
成長段階に応じたペットフードの表記と特徴は次の4つです。
1.妊娠期/授乳期
生後4週齢前後まで。犬・猫の母乳の成分をもとにした粉ミルクや液状のミルク。
2.幼犬期・幼猫期/成長期又はグロース
生後8週齢前後までは、いわゆる離乳食が適しています。フレーク状や粉末状のものをペーストにしたものやウェットタイプの食べやすく、消化吸収のよいものを与え慣らすことが必要です。
1歳頃までは、発育に必要とされるビタミン、ミネラルとアミノ酸などが強化され、十分なタンパクや脂質などが補給できるように設計された食事が必要です。
3.成犬期・成猫期/維持期又はメンテナンス
1歳から6~8歳前後までは、活動に必要なエネルギー供給や筋肉の維持のためにバランスのとれた食事が求められます。個体や健康状態、ペットの好みにあわせてさまざまなタイプ選択肢があります。
6〜8歳以降は、高齢期となります。シニアになると運動量や代謝が低下するため、低脂肪・低カロリーの食事が求められます。身体機能の低下に配慮した機能性を付与した商品もあります。
4.1~3まですべてを満たす場合は「全成長段階/又はオールステージ」
※参考:一般社団法人ペットフード協会「ペットフードの種類|ライフステージ別での分類」
ペットフードの表示
ペットフード安全法により、犬・猫用ペットフードには次の5つの表示が義務化されています。
- 名称:犬用か猫用かわかるように表示
- 賞味期限:栄養価や風味を保証できる期限を表示
- 原材料名:添加物も含め使用している原材料をすべて表示
- 原産国名:製造された国名を表示
- 事業者名と住所:事業者の種別と名称、住所を表示
この法律では、有害物質の入ったフードの製造・輸入の禁止はもちろん、飼い主が安心してフードを購入できるようにパッケージへの表示を義務付けています。
※参考:環境省「知って納得!ペットフードの表示」
※参考:農林水産省「ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ)」
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ペットフードの開発には、ペットの健康維持のための栄養素を含むことや、ライフステージにあわせた食べやすさ、保存性などさまざまな点に配慮することが大切です。
食品の企画開発をサポートする「シェアシマ」では、無料の会員登録で、商品ページの【規格書・商品情報をダウンロード】【サンプル依頼・問い合わせ】機能がご利用いただけます。
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株式会社XAXA
<会社説明>
XAXAは、「きみと心弾む毎日を、これからもずっと。」をビジョンに掲げ、愛犬や愛猫の健康を第一に考え、レストラングレードの新鮮かつ高機能なフードを提供することで、ペットと飼い主の両方にとって至福の時間を提供する国内ブランドです。
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