健康・おいしい・もうかるは両立できる ── PHD時代の商品設計【食品企業のためのサステナブル経営(第38回)】
前回の記事を読む:プラネタリーヘルスダイエットとは何か ── これからの食品設計の前提【食品企業のためのサステナブル経営(第37回)】
前二回では、プラネタリーヘルスダイエット(PHD)とは何か、その基本的な考え方を紹介しました。一言でいえば、これまでの食品設計に「地球の許容量」という新しい条件が加わった、ということです。いわば、食の世界における「地球版カロリー」です。
では、それを商品開発の現場では、どう活かしていけばよいのでしょうか。
まず大切なのは、PHDは「理想の献立」をそのまま作れという話ではない、ということです。そうではなく、会社全体として、どんな商品を市場に出していくか。その方向を考えるための基本方針だと捉えた方が分かりやすいでしょう。
つまり、一つの商品を完璧に変えるのではなく、商品全体のバランスを少しずつ変えていく。その発想が大切なのです。
少しずつ変えるという考え方
足立直樹
サステナブル経営アドバイザー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部卒業、同大学院修了、博士(理学)。植物生態学の研究者としてマレーシアの熱帯林で研究をし、帰国後、国立環境研究所を辞して独立。その後は、企業と生物多様性およびサステナブル調達の日本の第一人者として、日本の食品会社、飲料会社、流通会社、総合商社等の調達を持続可能にするプロジェクトに数多く参画されています。2018年に拠点を東京から京都に移し、地域企業の価値創造や海外発信の支援にも力を入れていて、環境省を筆頭に、農水省、消費者庁等の委員を数多く歴任されています。