
発信を変えて出会いを生む、新規顧客に効く情報戦略【不二製油株式会社】
植物性油脂やチョコレート、乳化発酵、大豆製品などの食品原料の分野で国内外に広く展開する不二製油株式会社。長年にわたって業界を支える食品原料メーカーですが、新規顧客への営業では“外に向けた情報発信”が少ないという点に課題を抱えていました。
そんな同社が、シェアシマ導入によって新規顧客の営業に成功した背景と、今後の展望までを詳しく伺いました。
話を聞いた相手
日本営業部門 営業戦略室 デジタル販売課
長島 慎さん
- 新規顧客に対して情報発信する機会が少なかった
- 新規顧客からの問い合わせルートが整っていなかった
- 製品記事がGoogle検索結果に上位表示されるようになり認知度アップ
- 記事やウェビナーを経由して、10件以上の新規問い合わせを獲得
- 対面営業では接点が持てなかった新規顧客(異業種)とのつながりも生まれた
新規顧客へのアプローチのために“情報を届ける”体制を整備
不二製油株式会社は、植物性油脂、チョコレート、乳化発酵、大豆の4事業を軸に、食品原料の分野で国内外に広く展開しています。長年、既存顧客の課題を解決する形で業界での信頼を築いてきた一方で、ある課題が浮き彫りになっていました。
「既にお取引のあるお客様には、営業マンを通じて弊社の情報をお届けできていました。しかし、新規のお客様に対しては情報発信の手段が限られており、十分に伝えられていないという課題がありました」(長島さん)
大きな転機となったのが、2023年に営業戦略室内に「デジタル販売課」が新設されたこと。外部へ情報発信する体制や問い合わせ窓口が整ったことで、シェアシマの導入も現実的な選択肢となりました。
もともとP-LAB(※)の会員でありシェアシマとつながりがあった同社。製品情報を掲載するだけでなく、記事制作やメルマガ、セミナー登壇などを通して集客まで行えるシェアシマに魅力を感じ、活用を開始しました。
※一般社団法人Plant Based Lifestyle Labの通称
シェアシマのフル活用で掲載・発信・集客・商談に力を入れる
製品情報を原料検索のデータベースに掲載するだけでなく、製品ごとの機能や技術を記事化してWeb検索からも集客できるように。さらに、シェアシマ主催の商品開発セミナーへ登壇・シェアシマ会員との商談を通して、同社を知らなかった新規顧客への認知を強めていきました。
「シェアシマは『掲載するのは当たり前。その後いかに集客するか』まで手厚くフォローしてくれました」(長島さん)
掲載|“いつでも見られる”製品情報の導線を構築
まずは、シェアシマの原料検索に製品情報を掲載。非会員でもアクセス可能な会社紹介ページと詳細ページを活用し、製品概要・画像・規格書ダウンロード・問い合わせまでを一元化しました。
「カタログだけでは届けきれない製品情報を、Webからいつでも見てもらえるようになりました」(長島さん)
原料の情報収集は、従来はカタログの取り寄せ・電話が主流でしたが、最近では若い世代を中心にWeb検索から手軽に情報を得る方法にシフトしています。原料検索に製品情報を載せることで検討初期段階の問い合わせも来るようになり、オンラインで窓口を作ることの重要性を実感したとのことでした。
発信|製品記事のGoogle検索上位で認知度アップ
同社では大豆ペプチドや安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」といった健康機能製品も手がけていますが、シェアシマ活用前はその特徴や魅力が十分に認知されていないことが課題となっていました。
製品のスペックを伝える原料ページだけだと、健康機能の特徴や魅力を詳細に伝えきれません。必要としている企業に製品の価値がきちんと響くような解説記事を制作することで、結果的に認知度や問い合わせ件数のアップにつながりました。
「以前は『プロレア』と検索しても、不二製油ではない企業の記事が上位に表示されていたのですが、シェアシマに制作いただいた製品紹介ページ(LP記事)が検索結果の上位に表示されるようになりました」(長島さん)
大豆ペプチド、安定化DHA含有油脂素材「プロレア(R)」の魅力を伝える同社記事
▽シェアシマに掲載中の同社記事はこちら
タンパク質摂取の新スタンダード! 大豆ペプチドの優れた機能で差別化を【不二製油】
DHA、もっと手軽に!鮮度キープの秘密技術【不二製油】
今までは、なかなか新規顧客からのアプローチがありませんでしたが、シェアシマを活用し始めたところ、記事や原料検索経由の問い合わせが10件以上も入るようになったとのことです。
▶︎シェアシマの記事一覧はこちら
集客|セミナー登壇で新規顧客からの問い合わせが増加
シェアシマで開催した商品開発セミナー
情報発信の一環として、同社にはシェアシマ主催のオンラインセミナーにも登壇していただいています。長島さんによると「簡単に製品の問い合わせができる窓口ができ、不二製油を知らない開発担当者様との接点が格段に増えました」とのこと。
「商品開発セミナーに登壇した際には100名ほどが参加してくださりました。他社を目的に参加した企業様からも問い合わせをいただけたと思っています」(長島さん)
多くの新規顧客から認知してもらえる機会の一つに展示会がありますが、企業同士の交流がメインとなることも多く、自社製品の価値を深く伝えるには限界があるのも事実です。一方、セミナーにはあらかじめ製品に関心を持っている企業が参加するため、より踏み込んだ説明ができ、必要としている企業に製品の価値が響きやすくなります。
大手の食品メーカーからも問い合わせが入るなど、今までアプローチできていなかった企業とのつながりも増えてきたそうです。
▶︎シェアシマ商品開発セミナー一覧はこちら
商談|“届いていなかった層”との接点が新規取引に直結
シェアシマ事務局が同社へのヒアリングを行い、「今後アプローチしていきたい企業像」を共有いただいたうえで、条件に合いそうな会員企業様へ製品情報を個別にご案内しました。その結果、興味を持った企業との商談が実現し、現在も商品化に向けた取り組みが進んでいます。
「記事や商品開発セミナーなどで弊社を知ってくださっていたものの、問い合わせには至らなかったという企業様もあったかと思います。個別でもアプローチしてもらえるとは思っていなかったので、シェアシマの手厚いフォローにはとても感謝しています」(長島さん)
発信しないことこそ、最大のリスク
導入を迷っている企業へのメッセージをお願いすると、長島さんからこんな力強い言葉が返ってきました。
「最大限活用できるかどうかは各社の事情によるところがあるかもしれません。でも、“情報発信すること自体のデメリット”はひとつもない。迷っているなら、まずは始めることをおすすめします」(長島さん)
写真提供:不二製油株式会社
不二製油の事例は、「伝える手段がなかった」企業が体制を整え、一歩踏み出したことで新たな顧客との出会いを実現した良いケースです。
新しい接点は、待っているだけでは生まれません。届けたい相手にこそ、情報をきちんと“伝える”仕組みが必要なのだと実感させられる事例でした。
食品業界におけるBtoB取引では、優れた製品であっても「見つけてもらう」「正しく理解してもらう」ことが難しい局面が少なくありません。シェアシマは、そうした企業の皆さまの情報発信を、単なる掲載にとどまらず、伝わるかたちで届ける仕組みとしてサポートさせていただきます。
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シェアシマでは、
- 「原料やマーケティングに関する情報をより効率的に入手したい」
- 「社内の情報共有に課題を感じている」
- 「教育・研修ツールとして、シェアシマのセミナー動画を活用したい」 食品開発にまつわるお悩みに寄り添い、最適なソリューションをご提案します。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお問い合わせください。


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