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“知ってもらうが第一歩” 新製品展開の鍵は認知から【扶桑化学工業】

扶桑化学工業株式会社は、食品や医薬品、電子材料など幅広い分野で活躍する化学メーカーです。クエン酸やリンゴ酸といった有機酸製品を通じて、食品加工の課題解決や品質向上に貢献してきました。同社はこれまでの実績にとどまらず、新たな製品展開や顧客層の開拓に積極的に取り組んでいます。その中で、シェアシマを活用した販路開拓や認知向上の取り組みについて、詳しくお話をうかがいました。

話を聞いた相手

(左)
ライフサイエンス事業部 
営業開発本部 営業開発部 営業開発課 係長代理
兼 企画開発室 事業開発部 川﨑 悠里子さん

(右)
ライフサイエンス事業部
営業開発本部 商品開発部 係長代理 松本悠暉さん

活用前の課題
  • 新製品の販路開拓が課題で、製品情報を顧客に十分に届けられていなかった
  • 展示会でのプロモーション費用が高く、効率化の余地があった
  • 従来の営業活動だけでは、ターゲット層へアプローチする手段が不足していた


活用後の効果
  • QRコードや記事の活用で、顧客が必要な情報に迅速にアクセスできるようになった
  • ウェブセミナーを活用し、商品開発者とのつながりを強化することができた
  • 専門メディアを通じた継続的な情報発信により、製品認知向上と潜在顧客へのアプローチが両立できている


新製品の販路開拓のために「まずは知ってもらう」

扶桑化学工業株式会社は、1957年に設立された化学メーカーです。食品や医薬品、電子材料など多岐にわたる製品を提供しています。同社はクエン酸やリンゴ酸などの有機酸製品で知られ、食品および医薬品業界において重要な役割を果たしています。

食品分野においては、pH調整や品質保持、食感改良など、食品加工におけるさまざまな課題に有機酸が寄り添う形で解決策を提供しています。本社は大阪市に位置し、国内外に生産拠点を展開し、幅広く事業展開しています。そんな同社とシェアシマが出会ったのは、2022年の展示会でした。当時同社は、新製品の販路開拓に課題を感じていたといいます。

シェアシマを知ったきっかけについて話す川﨑さん

「展示会でシェアシマのサービスを知ったのがきっかけですね。最初にお話を伺った時に、"これは原料検索機能がすごく便利そうだな"と感じました。もともと、自社サイトで製品情報を更新していたのですが、どうしても追いつかず顧客が知りたい情報が見えにくい状態になっていました」(川﨑さん)

すでにお客様がいらっしゃるリンゴ酸やクエン酸といったバルク食品原料ビジネス(※)は、これまで周知戦略にそこまで力を入れなくても良かったといいます。しかし、食品添加物製剤の展開では話が異なります。

「食品添加物製剤の場合は、お客様の現場課題に細かく寄り添い、場合によってはチューニングを重ねながら製品をブラッシュアップしていく必要があります。正直、いきなり年間で何百トンと出る製品ではなく、スモールビジネスから少しずつ規模を広げていくんです。そのためには、まず知ってもらうことがすごく重要で、認知を広げていくところがスタートになるんですよね」(松本さん)

このような背景から、シェアシマの情報発信力に可能性を感じたことが、導入のきっかけとなりました。

※バルク食品原料ビジネス:食品メーカー向けに、通常数百キログラムから数トン単位の原料を提供する事業

商品開発者とのつながりを強化するセミナー

幅広いお客様にまんべんなく商品周知ができる観点から、シェアシマセミナーを定期的に活用してくださっている同社。登壇後の反響をうかがってみました。

「直近で登壇させていただいた第47回シェアシマ商品開発セミナーでは、新規のサンプル依頼が10件以上ありました展示会に出展するよりも少ないコストでターゲットに絞った情報提供ができています」(松本さん)

セミナー登壇後の反響について話す松本さん

シェアシマセミナーの聴講者には、商品開発にダイレクトに関わる担当者が多数参加されます。その影響で、セミナー登壇後のアンケートでは、聴講者からのサンプル提供依頼が多く寄せられたそうです。また、シェアシマ事務局ではセミナーの聴講者情報を一部提供していますが、それがのちの営業活動にも役立っているといいます。

「セミナーを聴講して下さった方には、メールやお電話等でご連絡させていただきますが、返信率が高いんです。私たちとしては、商品開発者と直接キャッチボールできる点がありがたいですね。代理店様を介す場合、必ずしも商品開発者の方と直接繋がれるとは限らないため、現場のクリティカルな課題を把握できないこともしばしばあります」(川﨑さん)

シェアシマセミナーでつながった商品開発者から生の声を聞けることが、将来的な新製品の開発にも貢献しているようです。



シェアシマ活用の3つの鍵

1.QRコードでスムーズな商品説明を実現

インタビューの中で、同社ならではのユニークなシェアシマ活用方法が見えてきました。一つ目は、カタログ末尾にシェアシマ商品ページのQRコードを配置することです。その理由について、松本さんはこう説明します。

いつでもどこでも簡単に商品情報にアクセスできるようにするためです。弊社は取引先に対して、個別の製品勉強会やセミナーをやる機会がよくあるのですが、商品情報を都度印刷しようとすると、時間と手間がかかってしまいます。QRコードをお見せして、お客様に直接サイトにアクセスいただければ早いですし、ペーパーレス化にもつながります」

シェアシマの原料検索サイトは、非会員でも閲覧可能な会社紹介ページがあるほか、各商品ページにもアクセスが可能です。商品ページでは商品概要はもちろん、商品画像の閲覧や規格書ダウンロード、さらには問い合わせまでが一気通貫で行えます。これらの機能が、お客様への商品説明をよりスムーズにしています。

同社が掲載しているシェアシマ商品ページの一例(オキシナジー™️


2.ウェブ記事は営業の強い味方!専門メディアの信頼性が後ろ盾に

二つ目は、シェアシマinfoの記事を営業資料として活用することです。

「以前執筆していただいた『賞味期限を延長させる原料|酸化防止で食品ロスを削減』は、営業マンが商談やメール案内時に活用していると聞いてます。新しい製品について、概要や効能について聞かれるケースがあります。そうした際、製品の特長がわかりやすくまとめられているこの記事が、営業の補足資料となっています」(川﨑さん)

シェアシマinfoでは、テーマに沿った原料の特集記事を定期的に掲載しています。テーマに関連性のある食品原料の概要、効能、使い方などが簡潔にまとめられています。このケースでは、食品の劣化を抑え、色・風味の持続に欠かせない酸化を防止原料として、『オキシナジー™️』をご紹介しました(詳細記事)。

「ほかにも、月別でアクセス数が多かった商品をまとめて紹介する「注目の原料商品のご紹介|シェアシマ編集部まとめ」に掲載されると、商品ページのPV数が復活します。この商品が市場でどう受け入れられているのか、リアクションを推定する材料の1つにもなっています」(松本さん)

テーマ別の特集記事や注目の原料商品紹介といった各コンテンツが、顧客への製品理解はもちろん、潜在層に対するアプローチにも繋がっている様子がうかがえました。

3.視覚で伝える力、アニメーション動画の活用

そして三つ目は、アイキャッチとしてアニメーション動画を活用することです。

同社では展示会出展時に、シェアシマで制作した動画をブースのモニターに投影しています。以下は、2024年10月に開催された『食品開発展』へ出展した際の様子です。

2024年10月に開催された『食品開発展』同社ブースの様子1


「動画を見て足を止めて下さる方が一定数いらっしゃるので、アイキャッチとして非常に有効だと実感しています」(川﨑さん)

2024年10月に開催された『食品開発展』同社ブースの様子2


アニメーション動画は、展示会のほかにも商談時に活用したり、社内における事業部間のコミュニケーションを図る際にも活用したりしているといいます。

「弊社には事業部が大きく2つありますが、扱う商材が異なることから隣の事業部にどんな製品があるのか知る機会が多くありません。そんな中で、事業部間で連携が必要な場面において、当事業部の理解を促していただく目的に動画を活用しています」(松本さん)

以上のように、同社ではシェアシマの多彩なソリューションを活用し、さまざまな場面でその効果を最大限に引き出しています。


デジタル活用の次なる一手

最後に、シェアシマに期待することとして、こんなコメントを寄せて下さいました。

「原料検索においては、分野別検索の強化がされるといいです。例えば、水産加工や肉加工など具体的な用途ごとに検索できると、もっと顧客のニーズに合致した情報提供ができると思います」(川﨑さん)
「シェアシマ独自のオンライン展示会があるといいですね。あとは、オフラインの交流会があれば、企業間での新しい連携も生まれるんじゃないかと期待しています」(松本さん)

Webプラットフォーム「シェアシマ」は、デジタルツールの利便性をさらに高める仕組みを積極的に構築していきます。同時に、直接対面での意見交換が信頼関係の構築やアイデアの共有において重要な役割を果たすことを忘れてはいません。今後も、会員企業同士の連携や相乗効果を生むきっかけづくりに注力していきたいと考えています。

▶ほかのシェアシマ活用事例も見る

    シェアシマでは、
  • 「最高の商品を提供しているのに、その魅力が十分に伝わっていない…」
  • 「販路が限られ、全国に広げる方法が見つからない…」
  • 「今までの販促活動だけでは、物足りなさを感じている…」
  • そんなあなたのお悩みに寄り添い、最適なソリューションをご提案します。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお問い合わせください。

執筆者プロフ
シェアシマ編集部

食品業界で働く人たちに向けて、展示会の取材や企業へのインタビュー記事を通して、食品開発・製造に関わる話題のトピックを発信しています。プラントベースフードに興味津々の国際薬膳師、累計記事執筆2,500以上の元新聞記者等々、30〜40代の編集メンバーを中心に運営中

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食感分析のパイオニア|「おいしい食感の数値化」を独自技術で追究【タケトモ電機】

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