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ムクナ豆の効果|栄養成分や効果・副作用と共に食べ方を詳しく解説!

現在の日本においては、「ムクナ豆」という豆を食する機会が減少していて、見聞きした経験がある方は少ないかもしれません。

しかし最近になってムクナ豆にはドーパミンの前駆体である「L-ドーパ」が含まれることやパーキンソン病の症状の抑制、男性不妊の改善に効果が期待されることがわかり、一躍注目を集めています。

この記事では、ムクナ豆の栄養成分や効果、副作用、注意点、食べ方について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

ムクナ豆とは?

ムクナ豆(Mucuna pruriens)とは、インド原産のマメ科植物です。「ベルベットビーン」と呼ばれる場合もあります。

アジア・アフリカの一部では古くから利用されています。日本においても江戸時代には各地で栽培されていて、「八升豆(ハッショウマメ)」と呼ばれていました。

非常に固く、大豆などの比べて食べるための手間がかかることから、明治時代以降は、食卓に上る機会が減少しました。しかし、さまざまな栄養を含み、健康に良い効果もあることから、近年再び、ムクナ豆が注目され始めています。

ムクナ豆の栄養成分



以下、ムクナ豆の栄養成分をご紹介します。


タンパク質やミネラルなどが豊富

ムクナ豆は、肥沃な土地ではなくても収穫量が多く、ほかの豆類(大豆やソラマメなど)と同様に、タンパク質やミネラル、食物繊維、ビタミンといった栄養素を豊富に含んでいます。「食糧難を解決する食物」として、期待が集まっています。

以下は、ムクナ豆100gに含まれる栄養価です。

  • エネルギー:379kcal
  • 炭水化物:57g
  • タンパク質:25g
  • 脂質:5g
  • カリウム1g
  • ナトリウム:1.4mg
  • 鉄分:4.5mg


上記以外に、ビタミンなども含まれています。なお、産地によって含まれる栄養素の量が異なる場合があるのでご注意ください(※)。

※参考:ムクナ会「ムクナ百科

ドーパミンの前駆体「L-ドーパ」を含有

ムクナ豆には「L-ドーパ(L-DOPA)」が多量に含まれています(種子の乾重量の約3~9%)。

L-ドーパは、神経伝達物質である「ドーパミン」や「アドレナリン」の前駆体として重要であり、パーキンソン病の治療薬の補助として用いられる場合があります(※)。

※参考:日本調理科学会誌Vol. 50、No. 5、174~181(2017)「ムクナ豆味噌の調製および調製過程における抗酸化活性の変化

ムクナ豆の健康効果



ここからは、ムクナ豆の健康効果を3つご紹介します。

アンチエイジングや、動脈硬化・ガンなどの予防に役立つ

ムクナ豆に含まれる大量のL-ドーパは、フェノールアミン類の一種です。抗酸化物質であり、活性酸素の発生や働きを抑制したり、活性酸素を取り除いたりする働きが期待されています。

体内で活性酸素が多量に生成されると、老化や動脈硬化、ガンなどの原因になります。しかし、ムクナ豆を食べることで、L-ドーパの働きによるアンチエイジングや、動脈硬化・ガンなどの予防に役立つことが期待されています(※)。

※参考:科学研究費助成事業研究成果報告書「ムクナ種子の抗パーキンソン病および抗酸化性に関する機能評価

パーキンソン病の症状の抑制効果

パーキンソン病は、ドーパミンという神経伝達物質が減少することで発症する病気です。そのため、治療のためにドーパミンの前駆物質であるL-ドーパの投与が実施される場合があります。

ムクナ豆には多量のL-ドーパが含まれているため、パーキンソン病の症状を抑制する効果が期待されています(※)。

※参考:日本学術振興会科学研究費助成事業研究成果報告書「ムクナ種子の抗パーキンソン病および抗酸化性に関する機能評価

男性不妊への効果も

ある研究によれば「男性不妊に対する効果がある」という報告も出ています。インドのKing George's Medical Universityの研究チームが、不妊症の男性に対してムクナ豆を接種させたところ、精液中の精子濃度と精子の運動性が増加しました。

※参考:National Library of Medicine(アメリカ国立衛生研究所)"Effect of Mucuna pruriens on semen profile and biochemical parameters in seminal plasma of infertile men"

ムクナ豆の副作用、注意点



ムクナ豆を摂取する際には、副作用、注意点もあることを把握しておきましょう。

吐き気やめまい、筋肉のけいれんが現れることも

ムクナ豆を食べ過ぎると、「吐き気」「めまい」「筋肉のけいれん」といった症状が現れることがあります(※)。

一度に大量に摂取するのではなく、煮たムクナ豆であれば、1回あたり3粒~4粒、1日3回程度を目安に食べるようにしましょう。

また、煮汁にもL-ドーパが含まれているため、飲みすぎないようにご注意ください。ティースプーン1杯程度の煮汁を、豆と一緒に摂るのが目安です。

※参考:日本家政学会誌 Vol.71 No.5 280~288 (2020)「ムクナ豆の歴史と色の特徴

降圧剤を服用している人は医師に相談を

ムクナ豆には、血圧を下げる作用があります(※)。高血圧などの治療のために、降圧剤を服用している場合は、相乗効果によって血圧が急降下する可能性があるのでご注意ください。

降圧剤を服用している人は、事前に医師に相談するようにしましょう。

※参考:National Library of Medicine(アメリカ国立衛生研究所)"Evaluation of Hypotensive and Antihypertensive Effects of Velvet Bean (Mucuna pruriens L.) Hydrolysates"

ムクナ豆の食べ方

ムクナ豆の食べ方を3つご紹介します。

豆乳やスムージーとして飲用

ムクナ豆の食べ方として、「粉にして、豆乳やスムージー、スープに加えて飲む」という方法があります。

また、ムクナ豆を粉状にしたものを、ホットケーキの生地に混ぜて焼き上げるのも良いでしょう。

大豆の代わりに「味噌」などに加工

通常、味噌は大豆や米、麦から作られますが、ムクナ豆を使用して作ることもできます。

なお、ムクナ豆を主原料として味噌を製造すると、発酵過程でL-ドーパが消失することにご注意ください。

※参考:日本調理科学会誌Vol. 50、No. 5、174~181(2017)「ムクナ豆味噌の調製および調製過程における抗酸化活性の変化

サプリメントとして摂取

錠剤の形に加工された「サプリメント」も流通しています。摂取する際は、製品の注意書きを確認した上で、定められた用量を守りましょう。

まとめ

ムクナ豆の栄養成分や効果、副作用、食べ方をご紹介しました。栄養が豊富で、健康に良い効果もあるので、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

さまざまな食べ方があるので、この記事を参考にして、ご自身に適した方法を見つけてください。

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