
昆虫食普及の現場から~3年間の取り組みを振り返って~【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.7】
『昆Tuberかずきです!』そういって活動をはじめてはや3年となりました。初めましての方も、いつもお世話になっている方も、ありがとうございます。「清水和輝」です。YouTubeやSNSで昆虫食を発信したり、商品の企画・開発・販売や、各地での講演活動などを行ったりする傍ら、大学では後輩たちと『NEXT GENERATION FOOD』を立ち上げて、関西万博を視野に取り組みを行っています。高校生の頃から、自然豊かな地元・奈良県斑鳩町の山でいろんな昆虫を採って食べるような奇妙な学生生活を送っていました。思えば、コロナ前に、内山昭一さんに出会い、なんとなく昆虫食の魅力を発信したいと始めたのが遠い昔のようです。
この3年、本当にいろんなことがありました。田舎の大学生が、自分で商品を作るなんて考えたこともなかったし、大勢の人の前で講演したり、東京や大阪で出展したりするなんて夢にも思っていませんでした。最近、転機となったのが、株式会社NEXT NEW WORLD(NNW)の高嶋耕太郞さんとの出会いでした。NNWはAmazon JapanやTOKYO BASEで要職を歴任された高嶋さんが、石油由来のプラスチック商品を、シルク(蚕)由来の製品に置き換えることで、気候変動対策を行いたいと立ち上げたスタートアップ企業で、現在はシンガポールを拠点に「シルク」を活用した様々な製品をBtoBを中心に取り組みをしています。「君はこの『シルク』という素材を使って自分の思うような食品をつくってみるといい」そこから、僕の昆虫食普及の第2章が始まりました。今回は、カイコのサナギのパウダーではなく、繭に含まれる「セリシン」に着目しました。そのセリシンを含んだ「シルクパン」と「シルクソーセージ」が年明けにはできあがる予定です。僕のこれまでの活動の全てを想いにして記事を書いていますので、ぜひ読んでみてください。
最近は、コオロギの話をしても、あまり驚かれなくなったように思います。しかし、本当に普及したのでしょうか?「認知」だけが広がり、肝心の「消費」が進んでいないように思うのは僕だけでしょうか?以前、ご縁があり、小泉進次郎さんとライブ配信をして、議員会館で昆虫を振る舞ったことがありますが、TwitterやYahoo!コメントはかなり荒れました。「フードテック」と言えば聞こえは良いですが、「培養肉」に「遺伝子操作」、そして「昆虫食」と得体の知れないものへの不安や拒否反応が根底にあるのではと思います。そして、そのたびに出てくるのが、「陰謀論」や「国策」のようなものです。ただ、小泉さんの件は、本当に、議員の皆さん興味・関心があるということでご紹介したもので、皆さん純粋に楽しんでいただいていました。そんな意図は一切ないとこの場で断言させていただきたいと思います。
さて、『昆虫を食べる』ということを通じて、様々な経験を積ませていただきました。その中で、最も大きな財産は、個性豊かで人間味にあふれた魅力的な人たちとの交流だと思っています。後輩だけでなく、社会人の皆さんも、様々な方に迷惑をかけ、支えられてここまで来たなと、皆さんの応援に感謝しています。そういえば、2年前に経済思想家・東京大学准教授の斎藤幸平さんにコオロギを振る舞ったことがあります。その様子が最近、書籍になりました。今まで、皆さんから見えないところで、つらいこともたくさんありましたし、何度も普通の学生に戻りたいと思ったこともありますが、「続けてきてよかった」と思っています。よければ手に取っていただきたいです。「資本主義経済」が曲がり角を迎える今日の世界において「昆虫食」を切り口に考えることで、いろいろな示唆を与えてくれると思います。 そろそろ僕自身、将来の進路を真剣に考えないといけないなと思っていますが、これまでの成果をしっかり後輩たちに引き継いでいきたいと思います。
春には昆虫食普及ネットワークと共同でのイベント開催を予定しています。関西圏、首都圏の読者の方にぜひお会いできる機会があれば幸いです。これからも「正しく」「美味しく」、そして何より、自分自身が「楽しく」 活動できるように頑張っていきたいと思います。一緒に活動したいという方もぜひ、ご連絡お待ちしています。

(清水和輝/近畿大学・昆Tuberかずき)
ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。