記事アイキャッチ

昆虫食のミライを語ろうvol.1【ゲスト:太田信吾さん(映画監督)】

昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。
「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。

自己紹介


内山)内山昭一です。毎日ではないんですが、結構頻繁に虫を食べながら暮らしています。季節的に今はセミが一番おいしい季節です。ミンミンゼミやアブラゼミなど、いろんなセミによって味が違います。そのほかにも最近はタケオオツクツクというかなり大きめな外来種のツクツクボウシが竹林で見つかることもあり、そんな新しい昆虫の食材を出会うことの楽しさに取りつかれてしまった20年です。昆虫食ってこんなにおいしくて環境的にもいいので、できるだけ大勢の方においしさや良さを知ってもらいたく、昆虫食普及ネットワークというNPO法人を5、6年前に立ち上げました。
太田)太田です。映画の監督をはじめ、テレビ番組などの映像のディレクターをしてます2017年にNHKのドキュメンタリー東南アジアの昆虫食を巡る旅を番組化したのが昆虫食との出会いです。このとき東南アジアの昆虫食を食べたことをきっかけとして、今に至るまですごく新しい食の魅力に引き込まれています。出身が長野県千曲市なので、振り返ると小さい時にイナゴを取った記憶がありまして、「どこか昆虫の味って懐かしいな」という昔の記憶が食を通じて蘇ってくることもあります。

昆虫食との出会い


内山)東南アジアでNHKの番組って、どのような番組でしたか。
太田)旅旅しつれいします」という世界各地を旅する旅人たちがどんなテーマを持って旅しているかを紹介する番組です。リサーチをしている段階で、昆虫食をテーマにしている佐藤裕一さんという旅人に出会いまして、なんだこれは!?と思って出ていただきましたタイの東北部、イサーン地方のコーンケンでしたね。
内山)あの辺りはでも昆虫食が結構残っていますね。
太田)コーンケン大学のユパ教授という昆虫食を専門とされている先生を訪問して、いろいろとタイの昆虫食事情を教えていただきながら、バンコクとコーンケン中心にいろいろ昆虫食を食べました。番組ではコーンケンコオロギ養殖農家さんを訪ねるところをドキュメントにしました。佐藤さんすごい活発な方で、昆虫エネルギー研究所というNPOを主宰されています。
内山)まさに昆虫エネルギーを一身に吸収した人ですよね。すごい頑張っていらっしゃる。太田さんは長野県出身ですが、昔から昆虫食に対してはある程度興味があったんですか。
太田)そうですね。小さい時にイナゴの佃煮が実家で出たなとか、そういう記憶もあってあまり抵抗もなかったんですが、東京に出てきてからあまり食べる機会がなくなっていて、その番組を機にまた思い出したという感じです。

映像作品『エディブルリバー』について


内山)本格的に昆虫食を掘り下げてみようと思ったのは、佐藤さんと出会ったその番組以降ということですか。
太田)はい。2020年、コロナでロックダウンの期間中に、実家のある長野県千曲市に半年ほど戻りました。映像の仕事も一時延期になり時間があって、長野県中を一人で旅した時にザザムシとか蜂の子とかいろいろな昆虫食を食べさせてもらえまして。
始まりはザザムシ漁の漁師さんでした。中村さんと今年引退された菅沼さんという漁師さんがいらっしゃるんですけど。まず漁師の高齢化課題だと知り、そこからどうやってその食文化が今後継承されていくのかと。ザザムシも食べたらすごくおいしかった。
内山)ザザムシは確かにすごくおいしいし良いんですけど。非常に(漁師は)高齢化してきているし、川が護岸工事され漁が非常に難しくなってきているというの現状です。そうした中であの上伊那農業高校の高校生はすごいですね。情熱ものすごい。
太田)去年(2021年)半年ほどかけて、上伊那農業高校の皆さんがザザムシを食べやすくふりかけにする取り組みをドキュメンタリー化しました。大月さんという主人公の女子高生は駒ヶ根出身で小さい時から給食でザザムシが出ていたそうで、ザザムシを食べるということが身近な体験としてベースにあったのだろうなと取材していて感じました。
この高校には、食を切り口に生徒の皆さんが自発的にいろいろなプロジェクトを立ち上げて運営するグローカルコース(グローバルとローカルをかけたユニークなコース)があります。例えばこうじを利用した甘酒など、地域の食品や食文化を扱っていろいろな商品開発をしようという取り組みをしていて、その一つがザザムシでした。
内山)給食というのはかなり大きなインパクトがあると思うんです。ただ、今ではなかなか給食で虫が出る学校ってそんなにはありません。いろんな人の意見を聞くと、小さい頃から経験した方がいいので、一番手っ取り早いのがまず給食だろうと。給食に出れば子供の頃から昆虫食に慣れてくるので、大人になっても継続していくんじゃないか、食品として捉えることができるんじゃないかという意見がかなり多いんですが、今では給食の安全面などから導入がかなり厳しくなってきていて、給食で虫を出すのは難しいようです。
この映画を見ると、伊那谷だけの文化っていうのを強調されていて、そういう局地的な文化って今もう消滅しそうなんですけど、ザザムシを養殖することまで考えている。これからの昆虫食に期待できる一つの方向るんじゃないかなと思いまして、この映画が非常に参考になりました。

新作『イナゴンピック』の撮影背景


内山)イナゴンピックの映像を撮られて、どうでしたか
太田)僕も昆虫食の魅力に取りつかれてしまったところがあって、どうやったら広げていけるかなっていう思いはずっと持ってます。環境にいいからという切り口では自分でもそんなに食べたいなとは思えないので、やっぱり娯楽性とかおいしさを切り口にしないといけないなと。楽しくておいしいってところにまず出会いたいなというところで、ザザムシのふりかけと出会いました。
イナゴンピックに関しては、オリンピックとイナゴンピックをかけて、イナゴ取りをゲーム、行事としてみんなで楽しく捕ろうっていうイベントの趣旨がすごく親子の交流の時間でもあり、都会の子どもたちがなかなか経験できない田んぼ自然とふれあう時間でもあり、そのエンターテインメント性にすごく引かれました。
内山)僕も同感です。これは群馬県の中之条町が始めて、もう10年以上やってると思うんですけど、前に一度参加しました。すごくみんな楽しそうにやってるんですよ。親子でとても仲が良くて、親子のつながりや触れ合い、話もたくさんできてすごく面白いんだけど、なかなか東京じゃ難しいかなと思っていたら、たまたま家の近くに田んぼがあって、そこでやれちゃった。イナゴがいないとできないわけですから、本当に幸運でした。東京でできたことは本当に良かったなと思います。
映画の中にもありましたが、毎年優勝する男の子、シュン君に「捕まえるコツは?」って聞いた時に、彼は「感じること」だと答えていたんですよね。確かにそうだなと思って、すごく印象に残りました。やっぱり五感をフルに活用して捕まえることが狩猟の原点だけれど、そういう五感というものが全然使われない環境になっている中、人間が本来持っている動物的な勘をもう一度自分で感じ直していく機会があることはすごく良い。しかも子どもの頃のこの経験が強く印象に残って大人まで継続していくとしたら、イナゴンピックはすごく意義があるんじゃないかなって。有機の田んぼっていろんな生き物があふれてるじゃないですか。世界にはこんなにも生き物があふれているということを実感する楽しさ、それから捕って食べるという命をいただくような実感。そういう喜びが、あのコンパクトな映像の中にきっちり詰まっていて、昆虫食にとっては最高のドキュメンタリーじゃないかなと思っています。

映像作品として伝えたいこと


内山)太田さんにとって、昆虫食を映画にする意味とは何ですか
太田)一つは食の新しい可能性です。小さな時から慣れた食事が当たり前の食事という風に思ってしまっていますけれど、まだまだ世界を見渡すといろんな文化があって、さまざまな感覚の体験、食の多様性可能性そういったものが秘められています。旅する中で食べたことないいろんなものを食べることが好きなので、そういう新たな体験としての可能性を伝えていきたい。また昆虫食文化を知ることで、地球環境持続可能性再認識できればいいのかなって思いますね。入り口はやっぱり美味しかったり楽しかったりというところを軸に伝えていきたいです
twitter
facebook

おすすめ記事

記事サムネイル
食品原料

牛乳に含まれるカゼインとは?含まれる食品とカゼインプロテインについても解説

カゼインは牛乳や乳製品に含まれるタンパク質の一種ですが、どのような物質なのか、よく知らない人も多いでしょう。そこで今回は、カゼインとは何かと共に、カゼインの栄養や健康効果、牛乳アレルギーとカゼインの関係や腸に対する影響、乳製品などカゼインが含まれる食品、話題のカゼインプロテインについても詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。カゼインとはカゼインがどのような物質かを説明した上で、栄養や健康効果について紹介します。カゼインは牛乳や乳製品に含まれるタンパク質の一種カゼインとは、牛乳や乳製品に含まれるタンパク質の一種です。牛乳には直径30nm~300nm程度のカゼインミセルが存在していて、牛乳に含まれる全タンパク質の約80%をカゼインが占めています。なお、カゼインミセルとは、数百個~数万個程度のカゼイン分子のほか、カルシウム、リン酸などから構成される球状の粒子のことです(※1)。※1:石井哲也(2005年)「総説 カゼインミセルの構造および性質に関する最近の研究動向」ミルクサイエンス、54巻、1号、pp.1-8カゼインの栄養と健康効果牛乳に含まれるタンパク質の8割程度は「カゼイン」で、残りの2割程度は「ホエイ」です。ホエイは、体内に素早く吸収されるため、「ファストプロテイン」と呼ばれているほか、「乳清タンパク質」と呼ばれる場合もあります。一方で、カゼインは酸性となる胃内で凝集し、腸内でゆっくりと吸収されることから「スロープロテイン」と呼ばれています。血中アミノ酸濃度を長時間維持できることが特徴です。そのほか、カルシウムの吸収を促進する働きや、血圧を降下させる作用、抗血栓作用を有することが知られています(※2)。このようにカゼインには高い栄養的価値があり、さまざまな健康効果を期待できるので、カルシウム不足や血圧が気になっている人は、摂取してみてはいかがでしょうか。※2:神田淳ほか(2020年)「吸収性に優れ,カラダ作りに最適な革新的乳タンパク質飲料の開発研究 」化学と生物、58巻、1号、pp.54-58/梅谷かおりほか(2018年)「カゼイン由来ペプチド-ペクチン複合体の調製」三重県工業研究所研究報告、42号、pp.62-67牛乳アレルギーとカゼインの関係カゼインは一般的に健康に良い効果があるとされています。その一方で、牛乳アレルギーとの関係も指摘されています。腸のバリア機能を低下させる場合がある牛乳に含まれるカゼインは分解されにくいアミノ酸配列をしています。未消化のまま腸に入ると粘膜が傷つき、炎症が起こる場合があります。炎症が繰り返し発生すると次第に粘膜の目が粗くなって、腸のバリア機能が低下します。本来であれば取り込まれることのない異物が体内に侵入する状態になります。これにより、アレルギー反応を引き起こす「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」になる可能性があるとされているので、気を付けるようにしましょう(※3)。※3:宮澤医院「カゼインフリーの重要性と知っておくべき牛乳の弊害」/岩田明(2021年)「分子栄養補充およびグルテン・カゼイン除去による認知症・発達障害治療」認知症治療研究会誌、8巻、1号、pp.11-16カゼインが含まれる食品カゼインを含む食品について紹介します。牛乳生の牛乳には、カゼインが大量に含まれています。牛乳は、世界のさまざまな地域で大量に生産されている食品で、日本においてもスーパーなどで簡単に入手可能です。「そのまま飲む」というシンプルな摂取方法もおすすめですが、毎日続けていると飽きてしまうかもしれません。そこで、スープやシチュー、デザートなどの材料として使うと摂取しやすくなるでしょう。ちなみに、シチューなどの形に調理すれば、牛乳が温められ、ほかの食品と一緒に腸管に入るため、乳糖不耐症の人であっても、お腹がゴロゴロしにくくなります。チーズやヨーグルトなどの乳製品牛乳を加工して製造される「チーズ」や「ヨーグルト」といった乳製品も、カゼインが豊富です。ちなみに、チーズの主成分は、カゼインと脂質であり、製造プロセスにおいてホエイが除去されています。また、ヨーグルトは、乳酸菌が生産した乳酸によって牛乳が酸性となり、等電点でカゼインが沈殿する性質を利用して生産されています。なお、等電点とは、最も溶解度が低くなり、タンパク質が沈殿しやすくなるpHのことです。プロテインパウダーやサプリメントカゼインは、「プロテインパウダー」や「サプリメント」という形で摂取することも可能です。タンパク質が不足している場合や運動後すぐに食事がとれない場合に、補食として利用してはいかがでしょうか。睡眠中の筋タンパク質の回復のために、就寝前に摂取するのも良いでしょう。なお、製品によっては、カゼインのほかにビタミンやミネラル、糖質などが含まれている場合もあります。話題の「カゼインプロテイン」とは市販の「プロテイン」という名称の商品は、ホエイプロテインを主成分とするものが多数です。しかし、以下に示す特長があることからカゼインを主成分とする商品が話題になっています。吸収されるまでに要する時間がホエイプロテインの3~4倍程度(おおよそ7~8時間)満腹感が持続するため、ダイエット中の栄養補給源に適している「筋トレ後に、速やかにタンパク質を補給したい」という場合はホエイプロテインを、ダイエットをしている場合はカゼインプロテインを選ぶのがおすすめです。まとめ牛乳に含まれるタンパク質の8割を占める「カゼイン」は、体内でゆっくりと吸収されます。「スロープロテイン」と呼ばれていて、ダイエットに適しています。また、カルシウムの吸収を促進する働きや、血圧を降下させる作用、抗血栓作用を有することも知られています。カルシウム不足の人や血圧が高めの人は、カゼインを摂取すると良いでしょう。ただし、アレルギーを引き起こす可能性があるので、心配な方は事前に医師にご相談ください。カゼインは、牛乳のほか、チーズやヨーグルトなどの乳製品にも含まれています。気になる方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

記事サムネイル
食品原料

原料紹介|アサイーとは

スーパーフードとして、近年注目を集めているアサイー。ポリフェノールなど高い栄養価を誇り、抗酸化作用やメタボ予防などさまざまな効能が期待されています。この記事では、アサイーの特徴、栄養価、効果と利点のほか、流通しているアサイー原料の種類と美味しい食べ方についてご紹介します。アサイーについて知りたい方、アサイーの豊富な栄養素を、日頃の食生活に取り入れてみたい方は、ぜひ参考にしてください。アサイーの味と特徴アサイーとは、アマゾン地方の、主にブラジルを原産とするヤシ科の植物です。熱帯雨林に自生するアサイーは、成長すると高さ25mにもなる細長い木にたくさんの実をつけます。アサイーは1年中収穫することができますが、主な収穫時期は乾季の8月〜12月です。アサイーは、直径1.5cmほどの黒紫色の果実で、外見はブルーベリーによく似ています。しかし、可食部分(果皮と果肉)は全体のわずか5%ほどしかなく、実のほとんどは種です。ブルーベリーのような見た目から甘酸っぱい味を想像する人もいますが、意外にも、甘みや酸味はほとんどなく、ポリフェノール特有の渋みとオリーブのような風味が特徴です。アサイーの栄養価と期待される効果アサイーがスーパーフードと呼ばれる理由は、その栄養価の高さにあります。特にポリフェノール(アントシアニン)の含有量が多く、アサイーの果肉100g中に含まれるポリフェノール量は、ブルーベリーの約18倍と言われています。他にも、鉄分はほうれんそうの約2倍、食物繊維はごぼうの約2倍、カルシウムは牛乳の約3倍、アミノ酸は18種類も含まれていることがわかっています。ビタミン類や良質な脂質もバランス良く含まれており、まさにスーパーフードです。アサイーに特に多く含まれるポリフェノールには、体に悪影響を及ぼす活性酸素を抑える働きがあります。この高い抗酸化作用により、アンチエイジングや美肌効果、アレルギーの抑制や花粉症予防、メタボ予防など多くの効果が期待されています。また、アサイーの持つ高い栄養素には、疲労回復作用、造血作用、抗炎症作用があるとの研究も進められています。アサイーの食味は、クセが強くなく他の食材とも合わせやすいため、さまざまな料理や飲み物と一緒に摂取することができます。いつもの食事にプラスして、手軽に栄養を補えるのもアサイーの利点と言えるでしょう。アサイーの活用例と食べ方アマゾン地方原産のアサイーですが、生の果肉は傷みやすいため、日本には冷凍品やピューレなどに加工された状態で輸入されています。また、ピューレ状のアサイーを二次加工して、フリーズドライパウダーや、濃縮エキス、アサイーオイル、クラリファイなどにしたものも流通しています。海外では、アサイーの豊富な栄養成分に着目し、食用だけでなく化粧品の原料としても活用の幅が広がっており、さらなる需要拡大が期待されています。海外で親しまれているアサイーの食べ方には、以下のようなものがあります。アサイーボウルアサイーボウルは、ブラジル発祥の食べ物ですが、ハワイで火がつき、その後日本にも上陸しました。シャーベット状のアサイーにバナナやイチゴ、シリアル、ハチミツなどをトッピングしたアサイーボウルは、おしゃれなカフェなどで提供され人気を集めています。スムージースムージーは、アサイーの栄養素を丸ごといただくのに適しています。パウダーを他の食材と合わせて、手軽にアレンジできるのも利点です。大手コンビニやコーヒーチェーン店等からも新商品が続々と販売されており、身近な場所で手に取れるのも魅力です。他にも、アサイージュースやヨーグルトのトッピング、ドレッシング、ソース、パンやお菓子の素材として重宝されています。ちなみに現地では、肉の付け合わせなど定食スタイルで食すことが多いそうです。アサイーの2次原料のラインナップ栄養成分が豊富でかつ飲みやすいアサイーはこの数年間で認知度は上がり、免疫力が必要な時代となり、あらためて重要性が高まり、現在各流通チェーンにおいてもアサイーコーナーや企画が設けられるなど、流通市場においてもアサイーは広がりを見せています。株式会社フルッタフルッタでは、冷凍パルプアサイーの形態で輸入し、そのまま自社商品(ジュース、アイスクリームなど)で利用し、日本国内でフリーズドライパウダー、エキスパウダー、5倍濃縮エキスを製造しています。また、アサイーオイルは化粧品の原料や食用油として広く使用されています。 ブラジル産濃縮クラリファイアサイーは、アントシアニンを豊富に含んでいて、飲料市場でのニーズを満たしています。活用法としては、各種ドリンク形態から、ヨーグルト、アイス、デザート、さらにパンやクッキー、グミなどと、バリエーションが豊富です。また、さまざまなレストランやカフェのメニューにも利用されています。まとめアサイーは、アマゾン地方を原産とするヤシ科の植物。栄養価が高く、ポリフェノールをはじめ、ビタミン、鉄分、食物繊維、カルシウム、アミノ酸、脂質などがバランス良く含まれる、まさにスーパーフードです。特に抗酸化作用が高く、アンチエイジングや花粉症予防、メタボ予防に効果が期待できます。日本では、冷凍品やピューレ、パウダーなどに加工されて流通しています。他の食材と合わせやすく、豊富な栄養素をバランスよく摂取できるアサイーを、日頃の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

記事サムネイル
食品原料

サイリウムハスク(サイリウム)の効果|栄養成分や健康効果、副作用、食べ方をご紹介!

低糖質ダイエットなどで注目を集めている「サイリウムハスク(サイリウム)」。通販サイトなどで見かけた経験をお持ちの人もいるかもしれません。サイリウムハスクはオオバコ科の植物の種皮です。食物繊維が豊富で、血糖値の改善やコレステロール値の低下といった効果が期待されています。この記事では、「サイリウムハスクについて詳しく知りたい」という人に向けて、栄養成分や健康効果、副作用、注意点、食べ方を詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。サイリウムハスク(サイリウム)とは|オオバコ科の植物の種皮サイリウムハスク(psyllium husk)とは、オオバコ科の植物「サイリウム(psyllium)」(学名:プランタゴ・オバタ(Plantago ovata))の種皮(husk)です。「ハスク」を付けず、単に「サイリウム」と呼称される場合もあります。なお、プランタゴ・オバタはインド原産の植物であり、日本で見られるオオバコとは種類が異なります。サイリウムハスクの栄養成分サイリウムハスクの栄養成分は、90%以上が食物繊維で占められています。食物繊維以外の栄養成分としては、タンパク質や脂質などが挙げられますが、ごく微量です。食物繊維が豊富食物繊維とは「食物中に含まれている物質で、人の消化酵素で消化できないもの」を指します。「水に溶けるかどうか」によって、水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維(不溶性食物繊維)に分類されます。サイリウムハスクは、水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維の両方をバランス良く、かつ、豊富に含みます。このうち、水溶性食物繊維は、高い保水能(吸水作用・膨潤作用)を有することが特徴です。サイリウムハスクを加えると粘凋性のあるゲルを形成する(※)ことから、質感を改善する目的で、さまざまな食品に添加されています。※参考:日本栄養・食糧学会誌第52巻第6号365-372(1999)「サイリウムはハイアミロースコーンスターチのラット大腸内発酵を制御し遠位結腸および糞便中の酪酸濃度を高める」、Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. 46, No. 11, 704~709(1999)〔報文〕「成人女性に対するサイリウム粉末飲料の摂取によ る便への影響」サイリウムハスクの健康効果以下、サイリウムハスクの効果として「便秘解消」「血糖値の改善」「コレステロールの低下」が期待されています。便秘解消サイリウムハスクには食物繊維が大量に含まれています。「便量の増加」「便の水分保持」「腸内通過時間の短縮」といった作用があるので、便秘解消を期待できるでしょう。なお、1日にサイリウムハスクを4g以上摂取すると排便量が増加し、8g以上摂取すると排便回数が増加することが報告されています(※)。※参考:Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. 46, No. 11, 704~709(1999)〔報文〕「成人女性に対するサイリウム粉末飲料の摂取によ る便への影響」血糖値の改善2016年10月に公表された論文において、「2型糖尿病患者に対してサイリウムハスクを摂取させたところ、血糖値が改善された」という主旨の結果が報告されています(※)。サイリウムハスクには血糖値の改善効果も期待されています。ただし、糖尿病の人は摂取する前に医師に相談するようにしてください。。※参考:National Library of Medicine(アメリカ国立衛生研究所)"Soluble fibers from psyllium improve glycemic response and body weight among diabetes type 2 patients (randomized control trial)"コレステロール値の低下1966年から1996年の30年間に発表された論文をチェックし、信頼度の高い報告を69報選び出して検証する「メタアナリシス」の結果、「サイリウムハスクには、血清総コレステロール(LDL-コレステロール)を低下させる効果がある」と結論付けられています(※)。高コレステロール血症の人は、摂取する前に医師に相談するようにしてください。※参考:日本食物繊維研究会誌Vol.4 No.1(2000)総説「食物繊維と脂質代謝」サイリウムハスクの副作用、注意点ここからは、サイリウムハスクの副作用や、摂取する際に注意するべき点をご紹介します。鉄の吸収障害が懸念されるサイリウムハスクには、「フィチン酸」が含まれています。フィチン酸には、鉄分の吸収を妨げる作用があるのでご注意ください。実際に、過去にボランティアにサイリウムハスクを摂取してもらった実験の結果、貧血が認められた事例が報告されています(※)。※参考:日本補完代替医療学会誌第5巻第1号、2008年2月、総説「機能性食品の安全性と有効性の評価」リチウムの血中濃度を低下させる可能性も国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)安全情報部は、「リチウムの血中濃度を低下させる可能性のある食品」として、サイリウムハスクを挙げています。リチウムを含む薬剤の投与を受けている人は、血中濃度のわずかな変化が重大な臨床結果をもたらす場合があります。サイリウムハスクの摂取を避けるほうが良いかもしれません。参考:国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)安全情報部「NIHS 医薬品安全性情報 Vol.15 No.23(2017/11/15)」水分を補給しながら食べることが大切水分なしでサイリウムハスクを摂取すると、消化管内の水分を吸収して膨張し、お腹が張ってしまう可能性があります。充分な量の水分(1回あたりコップ1~2杯分程度)を補給しながら、サイリウムハスクを食べましょう。サイリウムハスクが使われている食品以下は、サイリウムハスクが添加されている場合がある食品などの例です。シリアルグラノーラバーパンクッキーパンケーキミックス健康食品サプリメントサイリウムは、水分を吸収して膨張する性質があるため、食品に添加されると「もっちりとした食感」が得られるでしょう。また、多くの食物繊維を摂ることが可能になります。サイリウムハスクの食べ方以下、サイリウムハスクの食べ方を2つご紹介します。水に浸してから飲む粉末状に加工されたサイリウムハスクの食べ方として、「水に溶かして飲む」という方法があります。なお、1日に摂取する量は、5g~10g程度が目安です。手軽に作れますが、おいしいといえる食べ方ではなく長続きしないかもしれません。お菓子の材料として使用お菓子の材料としてサイリウムハスクを使用すると、もちもちした食感になります。例えば、ホットケーキの生地に粉末状のサイリウムハスクを混ぜて焼き上げてみてはいかがでしょうか。まとめサイリウムハスクには、大量の食物繊維が含まれています。便秘解消や血糖値の改善、コレステロール値の低下につながります。また、食物繊維は熱量が低く、カロリーを抑えることができるため、ダイエットにも役立つでしょう。お菓子の材料として使うなどして、いつもと異なるもちもちした食感を楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事サムネイル
食品原料

需要拡大中の機能性食品素材とは|中高年向けの「カツオエラスチン」の活用方法【林兼産業】

近年、機能性食品の需要が拡大しています。そのなかで、中高年を対象にした機能性食品の原料となる素材「カツオエラスチン」で注目を集めているのが、林兼産業株式会社です。こうした素材には具体的にどんな魅力があり、どのような活用方法があるのでしょうか。この記事では、時代のニーズに合わせた商品開発を進めるための、機能性食品の原料となる素材の活用についてお伝えします。総合食品メーカーならではの時代のニーズを捉えた事業展開林兼産業は1941年1月に設立し、飼料の生産から食品の販売までを一貫して行う企業として、良質な製品を提供することで豊かな食文化の実現を支えてきました。多様な事業で「おいしさ」を根本から支える林兼産業では、飼料事業(養魚要・畜産用)や霧島黒豚、魚肉ねり製品、食肉加工品、機能性食品などの多様な事業を行っています。食品の「おいしさ」は、楽しい生活と愉快な人生を実現する上で大切です。多様な事業を通して永年培ってきた技術力により、高品質な商品づくりや「おいしさ」を追求しています。機能性素材を通して社会に貢献する現代を生きる人々だけでなく、未来の社会にも貢献できることを目指しています。具体的には、水産・畜産資源を有効活用することを軸に、機能性素材の研究開発にも積極的に取り組んでいます。自然から生まれた機能性素材は、美容や健康を保つ上でとても重要です。高品質な商品を作るために、大学との共同研究も進めています。機能性素材の商品ラインナップ林兼産業は健康食品の原料メーカーとして、機能性素材の研究開発・製造・販売を一貫して行っています。現在の取り扱い商品としては、機能性表示対応素材の「カツオエラスチン」のほかに、「アスコフィランHS」や「ヒシエキス」があります。カツオエラスチンカツオエラスチンは、中高年の方の加齢に伴うお悩みに寄り添う素材です。エラスチンは全身の臓器・組織に広く分布する「弾力性の高いタンパク質」のこと。体構成タンパク質としてはコラーゲンの次に多いタンパク質です。エラスチンは血管・肌・膝などの弾力性が必要な組織には不可欠です。さまざまな研究結果から、カツオエラスチンはひとつの素材で血管・肌・膝の悩みに対応できることが証明されていています。すなわち「ダブル・トリプルヘルスクレーム」が可能な素材として注目されています。林兼産業では約20年前からエラスチンの研究を行っていて、国内のエラスチンシェア率は50%~60%を占め、業界トップシェアです。アプリケーション事例のご紹介カツオエラスチンは、サプリメントやドリンク、パウダー、ゼリーなどの機能性表示食品にも利用されています。機能性表示情報として、「血管状態改善」「肌状態改善作用」「膝関節痛軽減」などがあります。林兼産業では、こうした機能性表示食品の届出サポート実績も多数あります。また、カツオエラスチンの推奨摂取量はすべての訴求で「75㎎/日」とされています。低用量なので、味や匂いに影響を与えにくく、さまざまな剤形で利用できるという特徴があります。会社概要商号:林兼産業株式会社(Hayashikane Sangyo Co., Ltd.)本社:山口県下関市代表者:取締役社長 中部 哲二設立年月日:1941年1月15日会社ホームページ:https://www.hayashikane.co.jp/8/30シェアシマセミナーに登壇!<こちらのセミナーは受付終了しました>2023年8月30日(水)に予定しています、第32回のテーマは「需要が拡大される機能性食品素材の効果的な活用方法」です。近年、益々需要が拡大されている機能性食品。その中でも原料となる素材に焦点を当て、その効果的な活用方法を各社より説明します。機能性食品について勉強している方、機能性食品を配合した商品開発を検討している方、機能性食品の効果的な活用方法を知りたい方は是非ご参加ください。【セミナー開催概要】テーマ:需要が拡大される機能性食品素材の効果的な活用方法日時:2023年8月30日(水)13時30分~方法:ZOOM(ウェビナー)定員:200名(先着順)参加料:無料お申込締切:2023年8月30日(水) 13時【プログラム】1.シェアシマ事務局より(13時30分) セミナーの注意事項など2.製品・サービス紹介(各社20分) ー 林兼産業株式会社 ー 三和酒類株式会社 ー 株式会社日本生物.科学研究所3.その他<15時30分終了(予定)>※時間は目安ですので多少前後します。都合により、内容が変更になる場合がございます。【「シェアシマセミナー」とは】食品原料のプラットフォーム「シェアシマ」を運営するICS-net株式会社(本社:長野県長野市南石堂町1972、代表取締役:小池祥悟)は、商品開発に役立つオンラインセミナーを定期開催しています。継続して参加される方も多く、毎回大好評のセミナーです。

記事サムネイル
食品原料

トレンドを意識した選ばれる商品とは|健康分野における植物乳酸菌の活用支援【DM三井製糖】

健康への意識の高まりから注目を集めている「乳酸菌」。そのなかで、古くからの基盤とネットワークを活かして植物乳酸菌の活用支援を行っているのが、DM三井製糖株式会社です。実際にどのように事業を展開し、どのような乳酸菌を取り扱っているのでしょうか。この記事では選ばれる商品を生み出すための、健康分野における植物乳酸菌の活用についてお伝えします。古くからの基盤とネットワークを活かした事業展開2022年10月に三井製糖と大日本明治製糖が合併して、DM三井製糖が誕生しました。DM三井製糖ホールディングスの中核企業として全国に事業所を構えていて、独自のネットワークを活かして事業を展開しています。安心・安全から栄養と健康、そして幸せへDM三井製糖の主な事業は「精製糖・砂糖関連商品」の製造・販売です。前身である会社は自然の恵みから生まれた「砂糖」を事業の軸として始まり、創業してから130年が経過しました。現在は国内だけでなく、中国やASEANなど海外にも事業を展開しています。これまで最優先してきた食品の「安全、安心」に加えて、最近は事業の領域を「栄養」「健康」に広げて、「幸せのちからになる」ことを目的に事業を推進しています。新たな柱となる「ライフ・エナジー事業」栄養と健康をキーワードにした事業として新たに展開しているのが「ライフ・エナジー事業」です。良質のエネルギー源である砂糖だけでなく、健康状態やライフステージに応じた人々のくらしや生命の活力になるような食品素材・栄養補給食を提供するための事業です。誰もがいつまでも同じ一つの食卓を囲む”OneTable”の世界を目指しています。この事業は、栄養や栄養補給に知見のある「ニュートリー」や、色素ゲル化剤・食品添加物を提供する「タイショーテクノス」などの関連会社と一緒に取り組んでいます。多様なネットワークを活かして、独自の商品づくりを行っているのが特徴です。 その素材のひとつに「植物乳酸菌」があり、注目を集めています。植物乳酸菌は日本人が漬物や味噌などの発酵食品を通して古くから摂取してきたものです。その意味では、植物乳酸菌は日本人の体質に適していて、お腹の健康を支えてきた乳酸菌といえます。植物乳酸菌の商品ラインナップ植物乳酸菌は、2018年から広島大学と共同で研究を行い、その後、産学連携で企業4社による「未病・予防医科学共創研究所」を設立して開発を進めてきました。現在、DM三井製糖で取り扱いのある植物乳酸菌は4種類あります。ここでは「LP28」と「G-15」を紹介します。植物乳酸菌は培地に果汁を使用していることと、原料には乳酸菌の菌体だけでなく、有用な生理機能がある乳酸菌(殺菌体)の代謝産物も含んでいるのが大きな特徴です。LP28(Pediococcus pentosaceus)龍眼(ロンガン)という東南アジア原産の果物から採取した乳酸菌をパイナップル果汁で培養した後、粉末状にしたものです。研究結果によれば、L28 には抗肥満作用(BMI、体脂肪、腹囲低減)と肝脂肪蓄積抑制効果が期待されています。G‐15(Enterococcus avium)にんじんから採取した乳酸菌をみかん果汁で培養後、粉末状にしたものです。GABAを高産生する能力を備えています。G-15には免疫賦活作用やGABA高産性、GABAによる高血圧の改善やリラックス作用が期待されています。アプリケーション事例のご紹介アプリケーション事例として、植物乳酸菌G-15と竹由来の不溶性食物繊維(バンブーファイバー)を組み合わせたグミを提案しました。このグミで使用している植物乳酸菌G‐15(Enterococcus avium)にはGABAによるリラックス効果、バンブーファイバーには食感や繊維感を出す効果がそれぞれ期待できます。会社概要商号:DM三井製糖株式会社(Mitsui DM Sugar Co.,Ltd.)本社:東京都港区代表者:代表取締役社長CEO 森本 卓代表取締役副社長執行役員CEO補佐 佐藤 裕代表取締役副社長執行役員 野村 淳一設立:2020年10月16日 三井製糖吸収分割準備株式会社設立2021年4月1日 三井製糖株式会社に商号変更2022年10月1日 DM三井製糖株式会社に商号変更会社ホームページ:https://www.msdm-hd.com/jp/

記事サムネイル
食品原料

昆虫食のミライを語ろうvol.3【ゲスト:牧田豊さん(郷土研究家)、大槻海伶さん(大学生)】

昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。【本編はこちらからご覧ください】

人気記事ランキング

PR

シェアシマセミナー
日研フード株式会社
食品環境検査協会

おすすめ記事

記事タグ