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食品業界で話題の「アップサイクル」、フードロス対策の切り札になるか

食品業界で話題の「アップサイクル」、フードロス対策の切り札になるか

持続可能な循環型社会を目指し、リサイクルが活発化しています。リサイクルでは製品を別の製品の原料にして別の製品を生み出します。しかし、古紙が再生紙になるように、どちらかと言えば価値の低い製品に変換されるケースが大半です。古いタオルやシャツを雑巾として再利用するのも同様で、これらは「ダウンサイクリング」と呼ばれます。
これに対し、副産物や廃棄物を新たな価値を持った製品に生まれ変わらせるのがアップサイクリングです。「創造的再利用」とも呼ばれ、これまではアートやファッション、インテリアの分野が主でした。しかし、今や食品の分野にもこのアップサイクリングの波が来ています。アメリカでの動きを中心にレポートをお届けします。

食品のアップサイクルの流れはアメリカから


アメリカでは、コーヒーの果実の皮を原料にした紅茶飲料や、ビール醸造の際に出る穀物廃棄物を原料としたプロテインバーなど、食品廃棄物を活用したアップサイクル食品への関心が高まっています。
米国企業を中心に70社ほどが参加して設立された業界団体「アップサイクル食品協会」(本部=コロラド州デンバー)は、市場拡大を受け、2020年5月アップサイクル食品の定義を定めました。「本来は人間の食用とならなかった食材を使用して、検証可能なサプライチェーンにより調達・生産され、環境に良い影響をもたらす食品」ということで、実際に食品廃棄物の削減につながるものだけを「アップサイクル食品」と定義しました。
アップサイクル食品という言葉の持つ良いイメージだけを利用して売り込む偽物との差別化を図り、フードロスを削減し持続可能な社会を実現したいという強い意図が感じられます。

世界では100兆円超の期待のマーケット


食品廃棄物による世界経済のロスは年間でどれほどになるかご存じですか。なんとその額は100兆円を超えるという試算もあります。アップサイクル食品への取り組みにより、この膨大な経済損失を削減できる可能性があるのです。
日本には昔から「もったいない」という言葉がある通り、廃棄物削減の意識は比較的高いと言えるでしょう。しかし米国は廃棄物に寛容な風潮があり、供給された食料のうち3~4割がロスとなっているとも言われているのです。
ただ、米国でも時代は動いてきているようで、ミレニアル世代(1980年代~1995年生まれ)やZ世代(1996年~2012年生まれ)は消費者としての意識が高く、芯のある理念やメッセージを発する企業・ブランドの商品を購入する傾向があるのだそう。今後、世代交代が進むにつれて、フードロス削減を掲げるアップサイクル食品市場はどんどん拡大していくことが予想されます。

国内でも発売相次ぐアップサイクル食品


アメリカの動きをお伝えしましたが、日本でもアップサイクル食品は続々と増えています。従来は廃棄されていた米やパン耳を使ったビール、規格外野菜や規格外フルーツを原料とした加工食品など、味わってみたい魅力的な食品が目白押しです。
アップサイクル食品の登場は、廃棄を前提とした大量生産・大量消費の社会から、持続可能な循環型社会へと変化が生じていることの兆しとも言えそうです。時代は変わり、動きます。その只中にいるのだと思うと少し不思議な感じもしますが、この大きなうねりを楽しむ気持ちを持ちたいものですね。

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