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OEMで叶える飲料開発|ドリンク製造の成功の秘訣とポイント

OEMで叶える飲料開発|ドリンク製造の成功の秘訣とポイント

「あの有名カフェのようなオリジナルドリンクを作りたい」「健康志向の高まりに応える機能性飲料を開発したい」「自社ブランドで飲料市場に参入したいけれど、製造のノウハウも設備もない…」。

飲料業界は常に新しいトレンドが生まれ、消費者のニーズも多様化しています。そうした中、独自のアイデアを形にして市場で存在感を示すことは決して容易ではありません。高額な設備投資や専門知識、複雑な製造プロセスなど、参入へのハードルは決して低くないのが現実です。

しかし、これらの課題を解決し、想いを実現する選択肢として挙げられるのが飲料のOEM(受託製造)です。OEM(OriginalEquipmentManufacturer)とは、他社のブランド製品を製造すること。OEMを活用することで、人件費やリスクを抑えてオリジナルドリンクの製造を委託することができます。

この記事では、OEM製造がなぜ今、多くの企業やブランドに選ばれているのか、そのメリットから、成功への道のりに潜む「難しい点」とその具体的な対策、最適なパートナー選びのポイントまで、食品業界で20年以上の現場経験を持つプロが徹底的に解説します。

今、なぜOEMが選ばれるのか?飲料開発を委託製造するメリット



飲料のOEM製造が注目される背景には、次のような明確なメリットがあります。

■ 初期投資とリスクの大幅削減

飲料製造には、原材料の調達から調合、充填、殺菌、パッケージング、品質検査まで、多岐にわたる工程が必要です。これらを自社で行うには、広大な敷地、高度な製造設備、そして専門知識を持つ人材への莫大な初期投資が不可欠です。

しかし、OEMを活用すれば、これらの設備投資や工場建設、人件費といった固定費を大幅に削減できます。すでに製造体制が整っているOEMメーカーに委託することで、設備投資のリスクを回避し、最小限のコストで市場参入が可能になるのです。特に新規事業を立ち上げる場合や、中小企業にとっては、このコストメリットは計り知れません。

■ 専門知識と技術力の活用

飲料開発は、単に「おいしい」だけでなく、「安全」で「安定した品質」を保ち、さらに「法規制をクリアする」必要があります。OEMメーカーは、長年の経験と実績に裏打ちされた、飲料開発と製造のプロフェッショナルです。特定の原材料の特性を熟知し、複雑な成分配合技術、各種殺菌方法や充填技術にも精通しています。また、常に変化する市場トレンドや消費者のニーズを把握していて、新素材の提案や、既存のレシピに対する改良案など、開発段階から具体的なアドバイスを提供してくれます。これにより、自社だけでは到達し得なかった、より高品質で魅力的な飲料の開発が期待できます。

■ 多様なニーズへの対応力と開発期間の短縮

「まずは少量からテスト販売したい」「季節限定のドリンクを作りたい」「特定の容器にこだわりたい」など、飲料開発には様々なニーズがあります。OEMメーカーは、多品種少量生産から大規模生産まで、クライアントの要望に応じた柔軟な生産体制を持っています。PETボトル、缶、瓶、紙パック、パウチなど、多種多様な容器への対応も可能です。さらに、企画から試作、製造、納品までの一連の流れを熟知しているため、自社でゼロから手掛けるよりもはるかにスピーディーな商品化が実現します。市場投入までのリードタイムを短縮することで、トレンドをいち早く掴み、競合に先駆けて商品を展開するチャンスが広がります。

■ 本業への集中とブランド力強化

飲料の製造をOEMメーカーに委託することで、自社の限られた経営資源を、本来のコアビジネスであるマーケティング、営業、ブランド戦略、商品企画といった分野に集中させることができます。商品の魅力を最大限に引き出すための戦略立案や、顧客との関係構築に注力できるため、企業全体の生産性が向上し、より強力で競争力のあるブランドを築き上げることが可能になります。

飲料開発のOEMを成功に導くための課題と対策



飲料のOEM製造には多くのメリットがある一方で、成功への道のりには「難しい点」も存在します。

■ 高い品質管理・安全性のハードル

飲料は、直接口に入る食品の中でも特に厳格な衛生管理が求められます。

課題

水分が多く微生物が繁殖しやすいため、徹底した殺菌・衛生管理が必須です。また、時間経過や温度変化による味、香り、色、成分の劣化を防ぐ技術も求められます。さらに、食品衛生法、食品表示法、景品表示法など、多岐にわたる複雑な法規制への適合も非常に重要です。

処方(水分活性・pHなど)によって微生物の増殖度合いが変わり、また容器(PET・紙容器・缶・ガラス瓶・スパウトパウチなど)によって充填可能な物性や殺菌方法・賞味期限も変わります。

一般的に殺菌強度をあげると微生物リスクは下がりますが、官能面や色合いに影響が出やすくなります。

対策

OEMメーカーがHACCP、ISO22000、FSSC22000といった国際的な食品安全規格の認証を取得しているか、品質管理体制とトレーサビリティ(追跡可能性)を徹底的に確認しましょう。

対応できる処方や物性と充填可能な容器をセットで確認する必要があります。

■ 小ロット生産の難しさとコスト問題

「まずは少量で市場の反応を見たい」というニーズは多いですが、飲料のOEM製造においては小ロット対応が難しい場合があります。

課題

飲料の製造ラインは大規模で、稼働させるまでに時間とコストがかかるため、少量生産では生産効率が著しく低下し、1本あたりの製造コストが非常に高くなる傾向があります。また、原材料や容器、ラベルなどの資材も、小ロットでは調達が困難であったり、単価が割高になったりすることがあります。

対策

複数のOEMメーカーに問い合わせ、それぞれの最小ロットとそれに伴う単価、初期費用を比較検討しましょう。小ロット対応を強みとするメーカーを探したり、テストマーケティング用と割り切って、ある程度のコスト増を許容するなどの戦略的判断が必要になることもあります。

■ 容器・パッケージ選定とデザインの複雑さ

飲料は中身だけでなく、容器やパッケージもブランドイメージを形成し、消費者の購買意欲を左右する重要な要素です。

課題

PETボトル、缶、瓶、紙パック、パウチなど、飲料には多種多様な容器があり、それぞれ充填設備やコスト、物流効率が異なります。また、容器の材質と内容液の相性(例えば、光による劣化を防ぐ容器の選定)も考慮が必要です。

対策

OEMメーカーが推奨する容器や、過去に実績のある容器の中から選定することで、トラブルやコスト増のリスクを軽減できます。パッケージデザインについても、製造工程や資材の特性を理解しているメーカー担当者と、デザイナーが密に連携しながら進めることが成功の鍵です。

飲料のOEM(製造委託)の開発フロー



1.企画・コンセプト設計

ターゲット層、飲料のコンセプト(味、機能性、飲用シーン)、競合分析などを明確にします。この段階で、どのような「特別な価値」を消費者に提供したいのかを具体的に言語化することが重要です。


2.OEMメーカー選定・詳細打ち合わせ

複数の候補メーカーから情報を収集し、上記の選定ポイントに基づき絞り込みます。企画内容を詳細に説明し、メーカーの技術力や提案力、費用などを比較検討します。


3.試作・評価・改良

選定したメーカーが企画に基づき試作品を製造します。味、香り、テクスチャー、成分、保存性などを評価し、フィードバックをメーカーに伝えて改良を重ねます。この段階で、表示に関する法規制(食品表示法、景品表示法など)への適合性も確認します。


4.製造準備・資材調達

最終的なレシピとパッケージデザインが決定したら、原材料、容器、キャップ、ラベルなどの資材調達と製造ラインの準備を進めます。


5.量産・品質管理・納品

厳格な品質管理のもとで量産が開始されます。定期的な製品検査、出荷検査を経て、安全で高品質な製品が指定の場所へ納品されます。


6.販促・販売戦略

完成した商品を市場に投入するためのプロモーション活動や販売チャネルの構築を行います。OEMメーカーによっては、この部分でマーケティング支援を提供してくれる場合もあります。


まとめ|OEMで拓く新たなビジネスチャンスと未来への展望



飲料のOEM製造は、現代の飲料市場において、新たな商品開発を効率的かつ効果的に進めるための強力なソリューションです。高額な初期投資や製造リスクを抑えつつ、専門的な知識と技術を活用し、柔軟な生産体制で市場ニーズに迅速に対応できるという、計り知れないメリットを秘めています。

もちろん、品質管理の厳しさ、小ロット生産の難しさ、物流コスト、そしてノウハウ蓄積の課題といった「難しい点」も存在します。しかし、これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑え、成功への道を切り開くことは十分に可能です。

最適なOEMメーカーと手を組み、あなたの理想とするオリジナル飲料を市場に送り出してみませんか?シェアシマなら、信頼できるパートナー選びから原材料の調達、商品化まで、食品業界で20年以上の現場経験を持つプロが全てサポートします。調味料のOEMにお悩みがある方は、ぜひお問合せください。

シェアシマを使うメリット

OEMのポイントを押さえたサポート

食品・飲料の企画開発、OEM委受託を数多く経験したスタッフや微生物管理に詳しいスタッフが工場探索から商品化まで効率的にサポートします。

情報漏洩防止

商品開発案件、特に新商品ともなれば、その情報は外部に知られたくないものです。直接問い合わせを行っても、結局委託に至らないことは多々あり、委託者の情報だけが拡散されてしまうリスクがあります。

シェアシマが社名非公開でOEM先の探索、交渉を行いますので、不必要な情報漏洩を防ぐことができます。

3,000社を超える企業からお探しします

HP等でOEM受託をPRされていない工場は検索してもヒットしません。シェアシマなら3,000社を超える会員企業から情報を集めることができます。


執筆者プロフ シェアシマ編集部

食品業界に携わる方々に向けて、日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。

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