
テクノロジーで食にイノベーションを!「フードテックビジネスプランコンテスト」初代受賞者のアイデアを一挙ご紹介【シェアシマinfo】
テクノロジーを活用した食の新産業創出を目指す「フードテック官民協議会」(事務局:農林水産省)は2023年2月4日(土)、「未来を創る!フードテックビジネスプランコンテスト」の本選大会を、都内で初開催しました。日本初のフードテックビジネスコンテストで、一次・二次審査を通過した計11組が未発表のアイデアを7分間でプレゼンしました。
食品原料のB2Bマーケットプレイスを創り出そうとする当社(ICS-net株式会社)は、当コンテストに協賛の立場で参加。最優秀賞・優秀賞を含む受賞者5名の事業アイデアを、シェアシマinfoにて特別にシェアします!
【最優秀賞】地球環境にやさしい『宙(そら)ベジ』の普及 木村俊介さん(株式会社TOWING)
株式会社TOWINGのCOOを務める木村俊介さんは、もともと宇宙開発事業を行っており、宇宙のような極限の環境下でも自給自足可能な食料生産システムを作る研究をしていました。そこで活用していた独自の微生物培養技術を用いて、食べることで脱炭素・SDGsに貢献できる野菜『宙(そら)ベジ』を開発しました。
『宙ベジ』とは
『宙ベジ』は、株式会社TOWINGの独自技術で開発された『高機能バイオ炭』と有機質肥料を使って育てた野菜です。後述の『高機能バイオ炭』の特性から、環境貢献度の高い野菜としてブランディングされています。
『高機能バイオ炭』とは
『高機能バイオ炭』は、もみがらや畜糞など地域に余っているバイオマス資源を炭に変えたものに、硝化菌などの土壌由来微生物を定着させ、有機肥料で活性化させたものです。通常、農家が3年~5年かけて作る土壌微生物菌層を独自技術によりわずか1ヶ月で構築可能です。TOWING独自のバイオ炭の前処理技術、微生物培養等に係る技術を、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術と融合し、実用化しました。
『宙ベジ』が解決できる課題
CO2排出のない土壌構築を実現
通常のもみがらなどを土にすりこむと、バクテリアが分解してCO2が排出されますが、『高機能バイオ炭』は分解されることなく100年間残るので、CO2が排出されません。炭を埋めるほどCO2削減が可能で、結果的にカーボンクレジットという副収入源にもつなげられます。
化学肥料から有機肥料への転換を後押し
これまで、化学肥料の原料高騰が大きな課題でしたが、有機肥料は化学肥料に比べて収量が落ちるため、有機肥料への転換は容易ではありませんでした。『高機能バイオ炭』はむしろ収量を増やす効果が認められており、『宙ベジ』は無理に価格を上げる必要がありません。これにより農家の有機転換を実現しています。
『宙ベジ』の優位性
一般のバイオ炭を使用して育てた野菜は市場に出回っていますが、株式会社TOWINGでは独自の販路を提供可能です。また、『宙ベジ』は『高機能バイオ炭』により収量が向上するという点でも優れており、CO2削減量も3倍以上となっています。
『宙ベジ』の今後の展望
『宙ベジ』ビジネスは現在は愛知県を中心に展開していますが、2023年中には関東圏内へ進出し、2024年には全国展開、2026年には海外進出も計画しています。
関連URL:https://towing.co.jp/
問い合わせ先:info@towing.co.jp
【優秀賞】 すべての人の未来に寄り添う『AI食』 小山正浩さん(株式会社ウェルナス)
株式会社ウェルナスの代表取締役である小山正浩さんは、『AI食』という「栄養2.0」の世界に向けた技術を開発しています。『AI食』は日経トレンディ2023年ヒット予測100で11位にも選出されるなど、注目されているワードです。
『AI食』とは
『AI食』は、個人の食と体のデータを解析して体データを改善・改悪している栄養素を特定し、健康目標を実現できるよう栄養調整を行った”個別栄養最適食”です。実証実験では『AI食』を食べた人の96.3%が脳機能や運動機能の向上といった効果を実証しています。
『AI食』が提供できる価値
ユーザーひとりとりの栄養素の秘密を解明
例えばダイエットの場合、体重を減らす・増やす栄養素を個別に特定できるため、それらの調整によって体重を改善することが可能です。実際に『AI食』の体重改善効果を検証した結果、ひとりひとり異なる栄養素パターンを解明し、その調整により毎日3食AI食を摂った人の82%で体重減少が見られました。
健康目標達成のために最適化した食を提案可能
『AI食』の技術ではひとりひとりの目標に沿った関与栄養素を見える化できるので、健康目標達成のために個別栄養最適化した、その人だけのための食を提案できます。
AI食アプリ『NEWTRISH』
株式会社ウェルナスでは、『AI食』を提案し、健康目標達成をサポートするアプリ『NEWTRISH』を1月に発売し、1ヶ月半で10,000ダウンロードを達成しました。。自身の食事や体重などの必要なデータを入力すると関与栄養素などが分かるサービスで、食事管理アプリ『あすけん』と提携を結び、そちらからの流入で現在も順調にユーザーを増やしています。
『AI食』の今後の展望
現在はアスリートなど健康リテラシーの高い人を対象にサービスを展開していますが、今後は一般の若年層から高齢者まで多くの人が利用できるサービスを目指します。現状ではデータ入力の手間がかかることが課題としてあるため、それらが不要なサービスも開発中です。
また、外食・中食・コンビニ食などで手軽にAI食を手に入れられるような実食提供サービスにも力を入れています。
関連URL:https://wellnas.biz
問い合わせ先:info@wellnas.biz
【学生賞】米 Time for Your Health 安孫子眞鈴さん(山形大学大学院)
山形大学大学院生の安孫子眞鈴さんは、大学で5年間米の研究をし、米粉の弾力の調整技術を獲得しました。もともとグミが好きだったこともあり、日本人に合ったグミを作れないかと考え、米を使ったグミ『米(まい)Time』の開発を始めました。
『米Time』とは
『米Time』は原料に米を使った、モチモチとした食感と強い弾力が特徴のグミです。はちみつなどの濃厚溶液に漬け込むことで浸透圧により弾力を変えられるので、食べる人の年齢や健康状態に合わせた食感の調整が可能です。
『米Time』が解決できる課題
口腔機能の改善により健康寿命の引き上げ効果
『米Time』は咀嚼を促し、唾液を増加させることでオーラルフレイルと呼ばれる口腔機能の低下を防ぐ効果があります。「人は口から老いる」といわれており、口腔機能を改善することが要介護状態に陥るのを防ぐのに重要です。
また、咀嚼を増やすと虫歯の予防につながるだけでなく、認知症や肥満の予防にも効果があります。
未利用資源の活用でフードロス削減
『米Time』には粉末化した野菜を添加できます。高齢者に不足しがちなビタミンや食物繊維も摂取できる上、野菜の根や葉などの未利用資源を活用すればフードロス削減にも貢献できます。
『米Time』の優位性
『米Time』は米から作られているため、既存のグミよりも高弾力で満足感が得られやすいのが特長です。粉末を添加できる点でも優れています。また、動物性のゼラチンを不使用とした『米Time』を開発できれば、ヴィーガンの人でも食べられます。
『米Time』の今後の展望
『米Time』は現在、通販サイトでの販売を行っています。今後は硬さの異なる3種類のグミを開発すると同時に、製造委託先・販売会社の見当を行っていきます。2024年にはテストマーケティングをスタートし、2025年からは店頭販売も予定しています。海外展開も視野に入れており、主にヴィーガン市場への参入を目指しています。
また、他社での食品開発のアドバイスやレシピ開発も計画しています。
関連URL:https://trycago.thebase.in/
問い合わせ先:marin.a@ipy.jp.net
【特別賞】全国の蔵元から厳選した日本酒缶ブランド 玄成秀さん(株式会社Agnavi)
株式会社Agnaviの代表取締役である玄成秀さんは、缶による日本酒の消費物流および生産のアップデートを目的とした事業を行っています。蔵元から日本酒の充填委託を受けており、ブランディングから加工・販売までアウトソーシングで行うことで相互利益を得ています。
日本酒缶ブランドとは
日本酒缶ブランドは、これまでビンでの販売が主流だった日本酒を180mlの缶にしたもので、現在『ICHI-GO-CAN®』『Canpai』の2つのブランドを展開しています。
日本酒缶ブランド①『ICHI-GO-CAN®』
『ICHI-GO-CAN®』は国内の全世代向けに作られたブランドで、蔵元の代表酒を多品種少量生産しています。価格は500~900円で、高級スーパーや百貨店での販売がメインです。
日本酒缶ブランド②『Canpai』
『Canpai』は海外向けのブランドで、よりトレンド志向で若年層をターゲットとした商品です。数種類を大量生産しており、スーパーやコンビニなどの量販店で販売しています。価格は400円です。
日本酒缶ブランドが解決できる課題
リサイクル可能でCO2排出量をカット
缶はリサイクル率が98%と高く、CO2の排出量も他のビン類に比べて70%削減できるため、環境にやさしい素材であるといえます。
酒米の消費に貢献
ご飯では1合食べるのがやっとですが、日本酒であれば1合缶を2~3本飲める人も多いのではないでしょうか。そういった点で、日本酒缶ブランドは酒米の消費に貢献できます。
日本酒缶ブランドの優位性
前述の環境にやさしいという点で日本酒缶はビンよりも優れていますが、重さもビンの半分ほどであるため、輸送費を削減でき、持ち運びにも便利です。缶はUVを100%カットできるので品質も担保できます。また、少量の缶にすることで高価格な日本酒も手に取りやすい価格に設定できるなど、様々な魅力があります。
日本酒缶ブランドの今後の展望
日本酒缶の生産数が1億本に到達すると酒米の消費量が5%アップするという試算から、2023年は100万本の生産を目指します。現在、香港やシンガポール、アメリカやブラジルなどへ輸出していますが、今後はヨーロッパへも拡大予定です。
将来的には、日本酒缶を知ることでその地域に実際に訪れてもらう仕掛けづくりも検討しています。
関連URL:https://agnavi.co.jp/services_sake_jp.php
問い合わせ先:sgen@agnavi.jp
【特別賞】シン・ゴハン『まあるいご飯のおやつ』小南藤枝さん(衣笠屋)
「衣笠屋」の小南藤枝さんは、自身の経験から「子供たちに栄養のあるおやつを提供したい」と考え、『まあるいご飯のおやつ』の開発を始めました。
『まあるいご飯のおやつ』とは
『まあるいご飯のおやつ』は、ミルフィーユ状にしたご飯の間に具材を挟み、薄皮で包んだお饅頭のような見た目のおやつです。2014年にはその製造技術で特許を取得し、2017年には商標登録もしています。様々な具材を組み合わせて入れることができるため、1個でたんぱく質も野菜もバランス良く摂取できます。また、薄皮で包むことでカレーなどの粘度の低い具材も入れられるため、組み合わせのバリエーションは無限にあります。
『まあるいご飯のおやつ』が解決できる課題
米の消費量アップ・フードロス削減に貢献
『まあるいご飯のおやつ』は材料に米を使用した手軽に食べられるおやつであることから、米の消費量アップに貢献できます。また保存性に優れており、冷凍しても味が変わらないことからフードロスも削減でき、サステナブルであるといえます。
貧困層の子供たちの栄養改善
『まあるいご飯のおやつ』は1個でバランス良く栄養が摂れる上、おにぎりなどと同程度の価格で購入できます。食事をしっかりと摂ることが難しい、貧困状態にある子供たちがこの食品で栄養を摂ることによって心身が健康になり、勉学に集中できるようになれば、将来の生活を安定させて貧困の連鎖を断つ可能性が広がります。
『まあるいご飯のおやつ』の優位性
『まあるいご飯のおやつ』の競合食品として、おにぎりやサンドイッチがあげられます。
おにぎりは野菜との相性が悪く、反対にサンドイッチは具材が生野菜に偏りがちですが、『まあるいご飯のおやつ』はバランスの良さが強みです。また、サンドイッチが平均300円程度に対し130円という手に取りやすい価格であることも魅力です。さらに、おにぎりやサンドイッチと比べて形を自由に変えられるため、子供が好きな形にすれば苦手な食材でも喜んで食べられます。
『まあるいご飯のおやつ』の今後の展望
現在、『まあるいご飯のおやつ』はInstagramにてマーケティングを行っていますが、今後はライセンスの販売を進めていき、コンビニなどで気軽に買える商品にすることが目標です。また、栄養価が高く味のバリエーションも豊富で飽きにくく、保存性に優れているという点から、災害食としての活用も視野に入れています。
関連URL:https://www.instagram.com/kinugasabachan/
問い合わせ先:nz954q78@yk.commufa.jp