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天然水産物を持続可能に利用するには?(前編)【食品企業のためのサステナブル経営(第11回)】

天然水産物を持続可能に利用するには?(前編)【食品企業のためのサステナブル経営(第11回)】

前回は水産養殖にまつわる様々な問題点について、そしてそうした問題がない持続可能な養殖水産物を見分けて利用する方法として、養殖認証を活用することをお話ししました。こうした認証マークがある原料や商品を買えば、養殖に起因する様々な環境や社会問題を回避することができるので、安心であり、また食品産業の持続可能性を担保するためにも役立つのです。

それでは天然水産物の場合はどうしたら良いのでしょうか? 天然水産物には養殖水産物とは異なる問題が多々あります。特に気をつけなければいけないのが、資源量が毎年減っている問題です。連載第9回(これで問題解決?!ウナギの完全養殖)で紹介したように世界の漁獲高は成長を続けているのですが、天然水産物のそれは1980年代後半からはほとんど成長していません。もうそれ以上は獲れなくなってしまったので、それを養殖水産物が補っているのです。

減り続ける天然水産物、影響は日本にも

執筆者プロフ 足立直樹

サステナブル経営アドバイザー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部卒業、同大学院修了、博士(理学)。植物生態学の研究者としてマレーシアの熱帯林で研究をし、帰国後、国立環境研究所を辞して独立。その後は、企業と生物多様性およびサステナブル調達の日本の第一人者として、日本の食品会社、飲料会社、流通会社、総合商社等の調達を持続可能にするプロジェクトに数多く参画されています。2018年に拠点を東京から京都に移し、地域企業の価値創造や海外発信の支援にも力を入れていて、環境省を筆頭に、農水省、消費者庁等の委員を数多く歴任されています。

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