
調味料メーカーとは?調味料製造会社の特徴と種類を一覧で解説
この記事では、調味料メーカーの特徴と種類、代表的な企業を一覧でご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
- 調味料メーカーとは
- 調味料メーカー一覧
調味料メーカーとは?
調味料メーカーとは、食品の風味や香り、食感、保存性を向上させるための調味料を製造・販売する企業です。調味料には、しょうゆや味噌、酢、塩、砂糖といった基本調味料から、ソース、たれ、ドレッシング、だしなどの加工調味料、さらには食品加工用の機能性調味料まで多岐にわたります。
調味料事業|家庭用から業務用(外食・中食・原料)まで
家庭用調味料事業では、健康志向や時短ニーズに応えるため、液体だしやオールインワン調味料など、調理工程を簡略化できる調味料が増加しています。
業務用調味料事業では、外食産業や中食(惣菜・弁当)向けに大量供給される調味料が該当します。飲食店チェーンや食品メーカーからのOEM受託生産も行われており、レシピに合わせたカスタマイズ調味料の開発が盛んです。
加工食品向け原料事業は、食品メーカー向けに加工食品の原材料として調味料を供給しています。例えば、レトルト食品や冷凍食品に使用されるソースやタレなどが該当します。
調味料製造のポイント
調味料の製造工程は、製品ごとに異なります。その中でもポイントとなる技術を3つご紹介します。
発酵・熟成技術
まずはしょうゆや味噌、酢などの発酵調味料に用いられる「発酵・熟成技術」です。発酵・熟成には、微生物(麹菌・酵母・乳酸菌など)を用いて製造されます。発酵と熟成の期間や温度管理が味や風味を左右します。近年では、発酵期間を短縮しつつ、熟成感を再現する技術が進化しています。
濃縮・乾燥技術
続いて、だしやスープ調味料で用いられる「濃縮・乾燥技術」です。濃縮・乾燥技術は、原料を濃縮・乾燥することで保存性を高めます。フリーズドライやスプレードライ技術により、風味や香りを損なわずにパウダー状に加工する技術が進化しています。
ブレンド・乳化技術
最後は「ブレンド・乳化技術」です。ドレッシングやソースでは、油と水を均一に混ぜ合わせる乳化技術が用いられます。風味の均一性を維持するために安定剤や乳化剤が使われることが多く、植物由来の添加物を使用する動きが広がっています。
調味料の市場
市場の変化としては、日本食ブームを背景に、しょうゆやみそ、だしなどの和風調味料は海外での需要が拡大しています。特にアジア圏や北米市場では、現地の嗜好に合わせたアレンジ製品や現地生産体制の強化が進んでいます。
更に、代替肉や植物性食品の普及に伴い、植物由来の調味料が増加しています。例えば、肉の旨味を再現した植物由来のだしや、発酵技術を応用した代替調味料が登場しています。
ここからは、調味料メーカーの代表的な企業をご紹介します。
調味料メーカー一覧
会社名 | 特徴 |
---|---|
キッコーマン株式会社 | 国内最大手の醤油メーカーで、世界各国に展開。 |
ヤマサ醤油株式会社 | 伝統製法を活かした醤油の老舗メーカー。つゆ、たれ、調味料など幅広い製品を展開。 |
ヒゲタ醤油株式会社 | 江戸時代から続く老舗で、品質にこだわりを持つ。 |
ミツカン株式会社 | 食酢で国内トップシェアを誇る食品メーカー。調味料、たれ、スープなど幅広い製品を展開。 |
味の素株式会社 | 日本を代表する総合食品メーカー。アミノ酸を核とした調味料事業をグローバルに展開。 |
フンドーキン醤油株式会社 | 大分県に本社を置く、醤油や味噌の製造で知られるメーカー。 |
マルコメ株式会社 | 味噌製造最大手。長野県に本社を構え、最近では、麹や大豆派生商品を製造・販売している。 |
イチビキ株式会社 | 愛知県の醤油・味噌メーカーで、赤味噌製品が特徴。 |
キユーピー株式会社 | 食材の物性をコントロールし、食べやすさを追求。ベビーフードから介護食まで幅広い世代に対応する調味料メーカー。 |
日の出みりん株式会社 | 兵庫県の伝統的なみりんメーカー。 |
ヒガシマル醤油株式会社 | 兵庫県の醤油メーカーで、うどんスープなども手掛ける。 |
株式会社サンジルシ醸造 | 醤油・味噌・たれメーカー。特に「料亭赤だし」など、だし入り調味料に強みを持つ。 |
株式会社トモエ | 北海道の味噌メーカーで、地元産の原料を使用。 |
日本食品化工株式会社 | 東京都に本社を置き、でん粉や糖化製品を製造。 |
キング醸造株式会社 | 兵庫県の老舗みりんメーカーで、みりんや料理酒を主力とし、業務用調味料も多数展開する。 |
タカラ食品工業株式会社 | 愛知県の調味料メーカーで、焼肉のたれなどが主力商品。 |
盛田株式会社 | 愛知県の醤油・味噌メーカーで、「ねのひ」ブランドの酒類も製造。 |
焼津水産化学工業株式会社 | 魚介類を原料とする天然調味料、機能性食品用の素材の製造販売を行っています。 |
株式会社ブルドックソース | ウスターソースをはじめとするソース類で高い知名度を持つ老舗メーカー。 |
理研ビタミン株式会社 | 海藻を原料とするアルギン酸やビタミン類を強みとする食品素材・調味料メーカー。 |
ユウキ食品株式会社 | 中華調味料のリーディングカンパニー。「化学調味料無添加」シリーズなど品質にこだわる。 |
カゴメ株式会社 | トマト加工品で国内トップシェア。トマトケチャップをはじめ、ソース、調味料も展開。 |
日清オイリオグループ株式会社 | 食用油の大手。マヨネーズ、ドレッシングなど油脂関連の調味料も展開。 |
株式会社創味食品 | だしの素「創味のつゆ®」をはじめ、外食産業向けに高品質な調味料を提供。 |
日本食研ホールディングス株式会社 | 業務用調味料の大手で、焼肉のたれやドレッシングなど多彩な製品を展開。 |
日本ハム食品株式会社 | ハム・ソーセージだけでなく、食品メーカー向けの業務用調味料も提供。 |
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | 飲料以外にも業務用スープや調味料を供給。 |
日本丸天醤油株式会社 | 兵庫県の老舗醤油メーカーで、業務用の醤油やつゆを製造。 |
ハチ食品株式会社 | カレー粉・スパイスを主力とし、業務用レトルト食品も展開。 |
富士甚醤油株式会社 | 大分県の老舗で、醤油、味噌、だし、つゆなどの受託製造に対応。 |
チョーコー醤油株式会社 | 長崎を拠点に、無添加醤油や味噌、たれ類を製造。 |
ヤマモリ株式会社 | 醤油・つゆ・和風調味料を主力とし、業務用の製造にも対応。 |
赤穂化成株式会社 | 塩を中心に製品展開し、業務用の塩加工品も提供。 |
ハナマルキ株式会社 | 業務用味噌市場で高いシェアを持つ味噌・糀製品の大手メーカー。 |
ひかり味噌株式会社 | 有機味噌のパイオニア。「こだわりの有機」シリーズなど、安全・安心な味噌づくりに注力。 |
正田醤油株式会社 | 「正田のしょうゆ」で知られる醤油・味噌・加工調味料・惣菜を提供する。 |
タマノイ酢株式会社 | 酢、すし酢、合わせ酢、飲むお酢、調味酢、ドレッシングなど食酢の総合メーカー。 |
オタフクソース株式会社 | お好みソース、たこ焼きソース、焼きそばソースのほか酢も製造販売を行う。 |
エスビー食品株式会社 | スパイス、ハーブ、カレー粉で高いシェアを持つ老舗メーカー。調味料、レトルト食品も展開。 |
ハウス食品グループ本社株式会社 | カレー、シチューなどのルウ製品、スパイス、調味料も豊富に扱う総合食品メーカー。 |
株式会社 ダイショー | 味噌、スープ、鍋つゆなど幅広い調味料を製造。簡便性の高い製品が特徴。 |
エバラ食品工業株式会社 | 焼肉のたれ「黄金の味®」をはじめとするたれ・調味料のトップメーカー。業務用製品も充実。 |
監修|小池祥悟プロフィール
ICS-net株式会社 代表取締役社長。食品メーカーに約20年勤務し、商品企画、開発、営業、品質管理、原料調達、新規事業、海外取引に至るまで、食品開発に関わるあらゆる業務を経験。労働生産性の低い食品開発のスキームは深刻な問題であり、進まない業界の構造変革には、デジタル化、情報のオープン化と一元化が必要であると考え、 ICS-net株式会社(シェアシマ事業運営)を創業。食品開発にフォーカスしたWebプラットフォームの構築に邁進している。
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