
過剰な肥料にご用心【食品企業のためのサステナブル経営(第17回)】
前回の記事を読む:どうする、カカオの暴騰?【食品企業のためのサステナブル経営(第16回)】
一つ前の回でいま世界が注目する「再生農業」を紹介しましたが、再生農業が従来の農業と大きく異なる点の一つに、肥料を基本的に使わないことが挙げられます。(農業の大革命が進行中!?【食品企業のためのサステナブル経営(第15回)】)
これは、土壌生態系が豊かであれば、人間が肥料を追加しなくても必要な養分が土壌に存在するという考え方に基づいています。そして、再生農業は養分が十分に供給されるように土壌を豊かに再生することを目指しているのです。もしこのやり方が機能するとすれば、肥料を施す手間やコストを削減できるため、農家にとっては大きなメリットとなります。しかし、メリットはこれに留まりません。実は、肥料そのものにもいくつか重大な問題があるからです。
肥料の問題点から再生農業を考える

サステナブル経営アドバイザー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部卒業、同大学院修了、博士(理学)。植物生態学の研究者としてマレーシアの熱帯林で研究をし、帰国後、国立環境研究所を辞して独立。その後は、企業と生物多様性およびサステナブル調達の日本の第一人者として、日本の食品会社、飲料会社、流通会社、総合商社等の調達を持続可能にするプロジェクトに数多く参画されています。2018年に拠点を東京から京都に移し、地域企業の価値創造や海外発信の支援にも力を入れていて、環境省を筆頭に、農水省、消費者庁等の委員を数多く歴任されています。