
農業の大革命が進行中!?【食品企業のためのサステナブル経営(第15回)】
前回の記事を読む:日本でも有機食品が増えつつある理由とは?【食品企業のためのサステナブル経営(第14回)】
多くの食品原料は農業に依存しています。そして前回は、有機農業がこれまでの農業のやり方、いわゆる慣行農業に比べて環境負荷が低く、農水省も「みどりの食料システム戦略」の中で有機農業を2050年には25%(面積ベース)にまで拡大していこうと計画していることなどをお話ししました。また、健康のために有機農業に関心をもつ消費者も着実に増えています。しかし同時に、有機農作物は一般に価格が高く、供給も安定していないことから、使用する側としては一工夫必要です。また農家にとっても、有機農業は手間がかかる、面倒だという印象があるように思います。そして有機農業に切り替えることで農業に関わるすべての環境問題が解決するわけではありません。
では、結局どうしたらいいのか? 慣行農業と有機農業の程よいバランスを見つけるしかないのでしょうか…。日本では多くの関係者が長らくそんな悩みを抱えていたと思うのですが、実は有機農業をはるかに凌ぐとても素晴らしい農法があり、それがいま世界では大注目を浴びているのです。それが再生農業(regenerative agriculture)です。日本ではまだ聞き慣れないと思いますが、この10年ぐらいの間に北米や欧州などで急成長し、今や穀物メジャーや有名食品企業がこぞって移行を始めています。
再生農業(Regenerative Agriculture)の可能性

サステナブル経営アドバイザー。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部卒業、同大学院修了、博士(理学)。植物生態学の研究者としてマレーシアの熱帯林で研究をし、帰国後、国立環境研究所を辞して独立。その後は、企業と生物多様性およびサステナブル調達の日本の第一人者として、日本の食品会社、飲料会社、流通会社、総合商社等の調達を持続可能にするプロジェクトに数多く参画されています。2018年に拠点を東京から京都に移し、地域企業の価値創造や海外発信の支援にも力を入れていて、環境省を筆頭に、農水省、消費者庁等の委員を数多く歴任されています。