
つくるvol.03|開発・製造(近野編)〜値頃感と驚きを織り込む「つくる」現場の思考法〜【想いを形にする商品開発】
全国には、特別な想いを持ってユニークな活動をしている企業が数多く存在します。しかし、その想いや活動が、お客様や社会にうまく伝わっているかというと、残念ながらそうではないケースがほとんどです。
そこで、100社を超える企業のブランディング支援を行う株式会社ビスポークが、支援の現場で企業にお伝えしている「想いを形にする商品開発」の方法を連載することにいたしました。ビスポークが企業とともに実際に行っている商品・ブランド開発の流れに沿って、事例も交えてお伝えしていきます。
ヒット商品は、単に良いものを作れば生まれるわけではありません。重要なのは、消費者が「この価格でこの品質なら買いたい」と感じる値頃感、そして競合にはない独自性と驚きをどう組み込むかです。今回は、近野が実際の開発現場で積み上げてきた経験をもとに、値頃感を起点とした商品設計のポイントを解説します。
広告会社を経て、ビスポークを設立。クライアントとの丁寧なヒアリング(対話)を重視しながら、組織の理念作成からBI(ブランド・アイデンティティ)開発、内外に向けたクリエイティブ開発まで、クライアントが対面している状況、市場環境を加味し、企業に合わせた隅々までフィットするコンサルティングを提供。世界三大広告賞のカンヌライオンズ、The One Showをはじめ、D&AD、NY ADC、iF デザイン賞、グッドデザイン賞、毎日広告デザイン賞など国内外の受賞多数。著書に『ブレイクスルーブランディング』(クロスメディア・パブリッシング)、『うまいを上手く伝えて売れるを作る』(ダイヤモンド社)がある。
前職: 株式会社 セブン‐イレブン・ジャパン入社。中国商品開発部長、商品部インフラPJ・CMD等を歴任。大手スーパー株式会社ヤオコーの商品開発担当部長歴任
【代表的な商品】
◎セブンイレブン・ジャパン 金のハンバーグ 金の海老チリ(金のシリーズ初の冷食) セブンP高地栽培バナナ(社長賞を受賞) 極尽おせち料理(初のミシュラン店コラボ) 中国セブンプレミアム(中国立ち上げ)
◎ヤオコー イベリコ豚ハンバーグ 北海道産蜂蜜使用 甘熟紅優甘®のカリカリ大学芋 北海道蜂蜜使用カステラ 北海道蜂蜜きなこ棒 丸ごと1個分の冷凍マンゴー 直輸入海老フライ
商品開発は「作り手の魅力を最大限に引き出す商品開発」を16年実行
現地で、作り手に出会い、買い付け、商品開発をする為に、世界62ヶ国+日本全国を訪れている。著書に『うまいを上手く伝えて売れるを作る』(ダイヤモンド社)がある。
ビスポークの商品ブランディングフロー
「つくる」とは?
「考える」段階で定めたコンセプトを実際の形に落とし込むのが、「つくる」の工程です。ここでは、まず試作品を作成し、プロトタイプとして具体化していきます。
試作品を手に取ることで、デザインや機能(食品であれば味や食感など)がコンセプト通りに仕上がっているかを検証。さらに、量産時の課題や現場での再現性を見極めながら、調整と修正を重ねることで、最終的に市場で選ばれる商品へと磨き上げていきます。
試作から製造ラインへ
見えない落とし穴

食品業界に携わる方々に向けて、日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。