
食品開発のDX促進で業務効率化を目指す【セントリックソフトウェア】
多くのビジネス現場で進むDX化。食品業界でも業務効率化は大きな課題ですが、食品産業では製品企画・開発において、スピードと品質、安全性がとりわけバランスよく求められます。今回は、食品の開発に特化したDXプラットフォームを提供するセントリックソフトウェア株式会社の取り組みをご紹介します。
※こちらの記事は同社の提供で、シェアシマ編集部が制作しています。
食品業界に求められるDX化とは?
ビジネスにおけるDX(デジタル技術を活用した業務効率化)の中でも、食品や小売業界で導入が進む仕組みに「PLM(Product Lifecycle Management)」があります。PLMとは製品のライフサイクル全体を管理するシステムのこと。食品の場合は、商品企画から原材料の調達やコスト管理、レシピ開発、パッケージやラベル制作、品質管理まで、まさに食品の企画を発案して実際の形にするまでの全工程を指します。統一したプラットフォームで全体の流れを一元管理し、商品開発の効率化と品質向上を支援する管理システムがPLMです。
まずは食品開発フローの課題を知る
そもそも、なぜ食品業界にPLMシステムが求められるのでしょうか。その答えは、食品の企画開発という長期間かつ多岐にわたるプロセスの中で生じるさまざまな課題にあります。
● 社内外の煩雑なコミュニケーション
社内で縦割りの部門間や、サプライヤー企業とのやり取りメールが膨大に発生し、過去の経緯を含めて齟齬が起こりがち。
● 統一化されない情報フォーマット
PowerPoint、Excel、Word、PDF……商品開発情報の保存形式がバラバラで、必須項目の欠如に対する問い合わせが頻発。
● ヒューマンエラーの危険性
属人的な作業が多く、情報の誤認や消失、異なるシステム間での重複管理、ミスの原因所在不明などが発生。
● 進捗や承認状況が不明
同時開発している複数製品について、担当のアサイン、進捗管理方法や承認プロセスが確立しておらず、問題の所在が不明。
従来の業務プロセスで生じていた人的・時間的コストを一元管理システムによって改善し、商品開発期間の短期化・利益向上・品質向上を目指す。それこそがPLMに期待されている効果です。
業界No.1規模、セントリックソフトウェアのPLM
このPLMシステム構築において、グローバル規模で業界最大級の導入実績を誇るベンダー企業がセントリックソフトウェア株式会社(東京都港区)です。シリコンバレーを拠点とする同社は世界25カ国に拠点をもち、日本法人は2016年に発足。消費材開発の業務モデルを熟知した同社のPLMシステムは、アパレル小売り業界を皮切りに世界で2万以上のブランドに導入されています。
食品・小売り業界に特化したPLMを提供
セントリックソフトウェアが提供するPLMシステム「Centric PLM」は、その優れた機能性により「Just Food エクセレンスアワード2024」で3部門を受賞。食品・小売り業界では味の素株式会社(ブラジル現地法人)やイオントップバリュ株式会社などでの導入実績があります。
「Centric PLM」の着目すべき主なポイントは、
- 食品・小売り業界の業務に特化したデータモデルを採用
- 食品企画・開発の全プロセスの情報を同一データベースに統合
- 直感的で分かりやすい操作画面
といえます。ここでは、食品企画・開発の各フェーズで「Centric PLM」が価値を発揮する主な場面をご紹介します。
「Centric PLM」により、食品企画・開発の多段階プロセスの効率化・見える化が可能に。
商品の全データを集約できる「Centric PLM」
【1】市場トレンド分析
たとえば「オーガニック」「機能性」など、さまざまなテーマ別で食品市場規模やトレンド(売上前年度比)、自社での成功率などの分析を通してヒット率の底上げを図ることができます。
【2】商品情報の可視化
直感的に使いやすいインターフェイスで、全ての商品のマスター情報を一元管理。「開発中・発売中・改訂中・終売」などステータス別に絞り込みが可能で、販売エリア(国/地方)、価格帯、顧客セグメントなど、さまざまな商品属性に沿った商品グルーピングも簡単にできます。
【3】見積の一括依頼と比較
原材料に関する見積もりを、「Centric PLM」上のWebフォームから複数社に一括リクエストできます。管理画面上での横並び比較も自動的に行えます。サプライヤーが入力した見積単価などの数値は、原材料マスター管理やレシピ情報に自動的に適用されます。
【4】原材料管理
製品に使われる原材料のあらゆる情報をマスター管理。各原料の利用商品や調達コスト、代替材料とも紐づけできるため、原料の急な欠品や不良品などが生じた際もスムーズに対応できます。
【5】サプライヤー情報管理
原材料メーカーや生産者などのサプライヤー情報を一覧化できます。施設情報や生産能力がひと目で分かり、商品の生産量や品質維持に関わる情報を把握できます。
【6】レシピ情報の管理
商品レシピの原材料やその構成量を登録することで、原材料の量やコスト、環境への影響面などの情報を集約できます。レシピの改善点やバリエーションを考案する際の判断材料にもなります。また、生産系システムへのBOM連携が可能です。
【7】パッケージやラベル情報の管理
商品容器の意匠や展開図などの仕様を登録し、容器のサプライヤーとも画面を共有できます。また、商品の栄養成分やアレルギー成分の登録情報に基づき、商品ラベルのイメージを画面上で生成・チェックを行えます。
この他、特定保健用食品やハラルなどの申請手続きとその進捗、品質評価の結果データ一覧など、商品の品質管理や各種申請に関する情報も管理画面上で集約できます。
導入にかかる期間は?
「Centric PLM」を導入する際、各社のニーズに沿ったカスタマイズを含めた開発期間は最短で半年前後、大規模なものでは数年単位での開発事例もあります。マスター情報の登録は各社に委ねられますが、こちらもデータ形式によっては既存のデータベースから流用可能です。
「Centric PLM」は、円安傾向の中で注目される食品の海外輸出に対応した機能も備えています。近日公開予定の後編記事では、食品の海外輸出事業に特化した「Centric PLM」の活用法をご紹介します。ぜひご覧ください。
セントリックソフトウェア株式会社の「Centric PLM」について >>
食品開発向けのPLM活用ノウハウが読めるeBook(無料) >>
シンガポールで「NRF 2025 Asia Pacific」に出展します!
セントリックソフトウェアは6月3日~6月5日、シンガポールで開催される「NRF 2025 Asia Pacific」に出展いたします。ブースでは「AIを活用した製品コンセプトから商品化まで、小売戦略にイノベーションを!」をテーマに、最新のAI技術を活用したエンドツーエンドソリューションをご覧いただけます。詳細はこちらをご覧ください。

セントリックソフトウェア株式会社
<会社説明>
Centric Softwareは、食品・飲料メーカー、食料品店、ブランド、総合小売向けに、AIを活用した製品ライフサイクル管理プラットフォームを提供しています。製品コンセプトから在庫補充に至るまでの最適なソリューションを提供し、製品ポートフォリオの最適化、製品提供の統一、製品開発の効率化を実現することにより、市場投入までの時間短縮、イノベーションの促進、品質管理の強化、規制遵守を実現します。

食品業界に携わる方々に向けて、日々の業務に役立つ情報を発信しています。食品業界の今と未来を示唆する連載や、経営者へのインタビュー、展示会の取材、製品・外食トレンドなど話題のトピックが満載!さらに、食品開発のスキルアップや人材育成に寄与するコンテンツも定期的にお届けしています。