
世界初!味をデータ化する「フードNFT」とは
最近、いろいろな分野で「NFT(エヌエフティー)」という言葉を聞くようになりました。食品業界では「フードNFT」が登場し、注目を集めています。とはいえ、まだ一般にはなじみの薄いフードNFT。その言葉の意味や現状について、こちらの記事でわかりやすく解説していきます。
フードNFTって何?
フードNFTとは、誰もが「食べてみたい」「作ってみたい」「伝えたい」と思う世界中の魅力的な料理のレシピや味をデータ化したものです。、株式会社味香り戦略研究所(東京)が有する味覚データ分析技術を活用しています。
フードNFTという名称は、料理や食品という意味を持つ「Food」と、「Non-FungibleToken」の略称である「NFT」を組み合わせたものです。NFTは直訳すると「非代替性トークン」で、「世界にひとつしかない物やデータ、技術」「作成者や所有権などを証明できる仕組み」という意味を持ちます。
フードNFT市場を創出するために設立された「NFTコンソーシアム」には、企業や学校、個人などさまざまな主体が参加しています。同コンソーシアムのホームページによれば、ミッションは「レシピ味をデータ化した『フードNFT』市場を世界に創出すること」。彼らは「世界中の味の記憶遺産(資産)」、「未来に残すべき伝統の味」、「文化として価値ある味」を後世に残していくことをヴィジョンに掲げています。
「味の著作権」の運用が可能に
レシピや味をデータ化した「レシピデータ」と「味覚データ」を、強固な安全性を誇るブロックチェーンの技術を活用して保存し、NFT化します。こうすることで、データが永久的に保存・証明され、効果的な活用が可能になり、「味の著作権」の運用が可能になります。
そして日本で2022年4月、世界初のフードNFTが誕生しました。セディカル株式会社(山口県周南市)が同年発売した健康志向と食の楽しさを両立するチョコレート「ケトサポート」のレシピデータと味覚データがNFTコンソーシアムに提供され、海外からも注目を集めました。
フードNFTはまだ新しい概念ですが、その先にはさまざまな可能性が広がっています。今後もその動向に注目していきたいものです。