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明治の技術が可能にした業界初の生チョコ原料:「瑞練」のご紹介【meiji】

明治の技術が可能にした業界初の生チョコ原料:「瑞練」のご紹介【meiji】

通常の商品とは、比較にならないほど、スゴイ!「常温保存で賞味期限が1年」という生チョコ原料を、株式会社 明治が取り扱っています。賞味期限が長くなることでこれまでは実現できなかった方法で加工することができ、デリケートで扱いづらかった生チョコの活用の幅が大きく広がります。同社イチオシの原料商品「瑞練(みずねり)」の特徴を、業務用商品担当の粉川さんに聞きました。(シェアシマinfo編集部)


賞味期限12か月:瑞練のここがすごい①

それが商品名に入っているだけで、お客様に魅力に感じてもらえるという、魔法のような響きを持ったパワーワードの「生チョコ」。ただし、生クリームが多く使われていて、水分を多く含むため、賞味期限が短いことがネックでした。


生チョコはチョコレート業界の規約により、「チョコレート生地が全重量の60%以上、かつ、クリームが全重量の10%以上、かつ、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上」であることが定められています。(※)


「お土産等で販売されている一般的な生チョコは長く保っても、賞味期限は2〜3週間程度・・・・・」という生チョコ。では、どうしてmeijiの瑞練は、12カ月という圧倒的に長い賞味期限を実現できたのでしょうか。その理由を粉川さんは、「特許申請中の明治独自の製法で、水分活性が低い生チョコ原料を開発することに成功したから」と、説明します。


水分活性とは、「食品中で微生物が生育するために利用できる水分割合」を示すもので、食品の賞味期限に深く関わる数値です。食品に含まれる水分量にかかわらず、この水分活性が1に近いほど細菌が繁殖しやすく、食品が腐りやすくなります。

水分活性を0.5以下に抑えることができれば、あらゆる微生物の繁殖を防ぐことができると言われています。瑞練はこの水分活性値が0.65と極めて低く、生チョコのしっとりとした口当たりを保ちながら「ロングライフで常温保存可能」という独自の強みを併せ持っています。


※:生チョコレートは材料2つでできる⁉賞味期限や保管方法、レシピも (https://www.meiji.co.jp/hello-chocolate/basic/11.html


保存料・アルコール不使用:瑞練のここがすごい②

「チョコレートは明治」のmeijiが開発した生チョコは、もちろん味や香りでも、他社に引けを取らない“自信作”です。実際に口にすると、濃厚なカカオの香りが印象的でした。


常温保存ができる生チョコは、他社でも一部で発売されています。しかしその場合、日持ちを良くするためアルコール度数の高い洋酒が使われていたりします。瑞練は保存料も、アルコールも不使用。詳しくは後述しますが、冷凍や冷蔵という管理面の制約にも縛られないために、加工用途の幅が大きく広がります。


しかし、瑞練はそれに留まらず、原料品質にも徹底的にこだわった生チョコ原料でもあるそう。


「国内で流通しているチョコレートはガーナ産のカカオ豆が主流ですが、瑞練はベネズエラ産カカオ豆を使用しています。将来にわたって持続的にカカオ豆を生産していくための活動として、大手では使用例の少ないミルクと相性のよいベネズエラ産をあえて採用しています」(粉川さん)


加工の幅の広さ:瑞練のここがすごい③

生チョコといえば、四角いブロック状の形が典型的ですが、ナッツやピューレとの混合や、包餡(ほうあん)や練り込み、サンドといった困難とされていた多用途での活用が可能となります。


「実は長く保つということ以上に、この多様な加工適性が、瑞練のポテンシャルの高さを示しています」と粉川さん。生チョコらしい味わいをそのままに、これまでの常識を覆してしまうユニークな生チョコ原料に、ますます期待が高まります。


商品概要

名称:チョコレート

原材料名:生クリーム、 果糖、カカオマス、砂糖、全粉乳、ココアバター、ココアパウダー、植物油脂、脱脂粉乳/乳化剤、酸化防止剤(V.E、ローズマリー抽出物、チャ抽出物)、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)

内容量:5kg×2袋バルク/ケース (20mm×17mm×15mmキューブ状)

賞味期限:12ヵ月(保管条件: 23℃以下)


執筆者プロフ シェアシマ編集部

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