モリンガの肝臓への作用は?栄養や効能と共に効果的な飲み方をご紹介!
近年、「モリンガ」を使った商品を見かけることが増えてきました。モリンガには「肝臓の健康を増進する作用がある」という報告もあり、注目の食材です。
本記事では、モリンガがどのような植物なのかを詳しく解説します。栄養や効能、副作用(デメリットと注意点)、モリンガパウダーやモリンガ茶の効果的な飲み方もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
モリンガとは?
モリンガ(和名:ワサビノキ、学名:Moringa olefera)とは、ワサビノキ科の常緑植物です。原産地はインド北西部のヒマラヤ山脈南麓ですが、現在はオーストラリアやインドネシアなどの温暖な地域で広く栽培されています。
モリンガは栄養が豊富で、さまざまな健康効果があることで知られています。別名「奇跡の木(ミラクルツリー)」と呼ばれていて、最近ではオーストラリア医師会から食用として推奨されています。
モリンガの種類
ワサビノキ属(Moringa)の植物は13種類が存在し、大きく3つのタイプに分類されます。
- Bottle treeタイプ(4種):水分を貯蔵するために茎が肥大・多肉化している
- Slender treeタイプ(3種):茎に膨らみがなく、硬い繊維質のイモ状根が出現する
- Small tree / Shrubタイプ(6種):肥大した貯水性のイモが形成される
一般的に流通しているものは、食用の「M. olefera(モリンガオレイフェラ)」と、観賞用の「M. stenopetals(モリンガステノペタラ)」です。なお、M. oleferaはSlender treeタイプに、M. stenopetalsはBottle treeタイプに分類されます。
モリンガの栄養や効能
モリンガにはさまざまな栄養素が含まれています。主な栄養素には次のものがあります。
- 炭水化物(食物繊維)
- タンパク質
- 脂肪
- ビタミン:A、B1、B2、B3、B5、B6、B9、C
- ミネラル:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、マンガン
モリンガの食物繊維はレタスの1.8倍、ビタミンB6は豚肉の1.6倍、ビタミンCはオレンジの1.3倍、カルシウムは牛乳の1.6倍、鉄分はホウレンソウの2倍、マグネシウムは卵の約36倍とされています。
このほか、赤ワインの約8倍のポリフェノールも含まれています。抗肥満効果や抗酸化作用、免疫機能を高める作用、抗ガン作用を有するほか、高血圧・心臓病・糖尿病などに効果が期待できるとされています。
※参考:平成29年度海外農業・貿易投資環境調査分析委託事業(アフリカ)最終報告書
「肝臓の健康を増進する作用がある」という報告も
日本農芸化学会2018年度大会において、株式会社ファーマフーズの研究チームは「モリンガ葉抽出物が脂肪肝を予防する効果を有する」と報告しています(※)。
人体で実験した研究ではありませんが、「ヒト肝臓由来細胞を用いたin vitro(試験管内における)脂肪肝モデル」と「高脂肪食摂取マウス」を用いた試験によって効果が確認されていて、今後の研究の進展に注目したいところです。
※参考:日本農芸化学会大会講演要旨集(2018年度版)
モリンガに副作用はある?|デメリットと注意点
モリンガは世界のさまざまな地域において食材として利用されてきた歴史があり、基本的に安全です。ただし、妊娠中や薬剤を投与されている方は、摂取を控えたほうが良いかもしれません。また、過剰摂取によるリスクもあるのでご注意ください。
妊娠中や妊娠の可能性がある女性は摂取に注意
「妊娠ラットに対して、高用量のモリンガ葉抽出物を経口投与したところ、流産がみられた」という報告があります(※)。
動物実験において高用量を投与した結果ではありますが、妊娠している方や妊娠する可能性がある女性は、モリンガの摂取を控えるほうが良いかもしれません。
※参考:厚生労働省「Moringa oleifera(いわゆるモリンガ、ワサビノキ)について」
過剰摂取により胃腸のトラブルにつながるリスクも
モリンガを過剰に摂取すると、体質によっては「胃痛」「便が緩くなる」「アレルギー」といった症状が出る場合があります(※1)。
そのほか、in vitroでの(試験管内における)実験結果ではありますが、薬物代謝酵素である「チトクロームP450 3A(CYP3A)」が阻害される可能性も示唆されています(※2)。薬の処方を受けている人は、モリンガを摂取しても良いかどうかを医師に相談するようにしましょう。
※1 参考:ロート製薬株式会社「栄養価に優れた世界のスーパーフード「モリンガ」の凄さとは?」
※2 参考:第43回日本臨床薬理学会学術総会「がん患者が使用する健康食品のCYP3A活性に対する阻害作用の検討」
モリンガパウダーの効果的な飲み方
モリンガの葉を乾燥させて粉砕し、粉末状に加工した「モリンガパウダー」は、緑茶や抹茶のような感覚で飲むことができ、強いクセやニオイは少ないです。1日の摂取目安量は3gです。
「粉末」という特性を活かして、何かに混ぜて飲むのがおすすめです。水やお湯に溶かして飲むことも可能ですが、ミルクに混ぜると美味しく飲めるでしょう。寒い季節は、ホットミルクやラテに溶かしてみてはいかがでしょうか。
スムージーやプロテインなどに混ぜて飲むのも良い
スムージーにモリンガパウダーを混ぜて飲むのも、選択肢のひとつです。筋トレをしている人は、プロテインに混ぜて飲むのもおすすめです。
そのほか、ホットケーキやクッキーの生地に混ぜて焼き上げると、抹茶スイーツのような感覚で栄養を摂取できます。プレーンヨーグルトにモリンガパウダーをふりかけるのも良いでしょう。
モリンガ茶の効果的な飲み方
モリンガパウダーのほかに、「モリンガ茶」も流通しています。ティーバッグタイプになっている製品であれば、手軽に飲むことができます。
モリンガ茶は、比較的飲みやすいお茶です。食事の際に、緑茶やウーロン茶、ほうじ茶の代わりに、モリンガ茶を飲んではいかがでしょうか。
モリンガパウダーは、オートミールとの相性が抜群です。オートミールについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
モリンガはワサビノキ科の常緑植物であり、食物繊維、タンパク質、脂肪、各種ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどの栄養素が含まれています。
抗肥満効果や抗酸化作用、免疫機能を高める作用、抗ガン作用を有し、高血圧・心臓病・糖尿病などに効果があるほか、「肝臓の健康を増進する作用がある」という報告もあります。日々の食事にモリンガパウダーやモリンガ茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、モリンガパウダーの購入を検討している方は、以下のページもご覧ください。現在、3種類の商品を取り扱っています。
・モリンガパウダー USDA認証(インド産)/ トレッサ株式会社
・有機モリンガ粉末(滋賀県産)/ 株式会社ふる里食効研究所
・フィリピン産モリンガパウダー/ (株)スタースーパーフーズ・インターナショナルジャパン
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食品の安全性を証明する規格のひとつである「FSSC22000」。名前は聞いたことがあっても、規格の概要や規格を取得するメリット、ISO22000との違いがよくわからないという人もいるかもしれません。そこで、今回はFSSC22000の特徴やメリットを詳しく解説します。ISO22000との違いやver6日本語版の変更についても紹介します。この記事を読むことでFSSC22000の全体像について理解できます。ぜひ参考にしてみてください。FSSC22000とはFSSC22000は「Food Safety System Certification 22000」の略称で、オランダのFSSC22000財団が開発した食品の安全性を証明するシステム規格です。ここでは、FSSC22000の特徴と取得するメリット、規格の対象事業者を解説します。FSSC22000の特徴FSSC22000の特徴として、高いレベルの食品管理が求められることと、国内の食品製造業者743事業者のうち5.3%が認証を取得していることが挙げられます。FSSC22000は、ISO22000をベースに、2つの食品関連事業向けの前提条件プログラムを統合した規格です。具体的な要求事項が明確でないHACCPや、要件基準の具体的な内容を認証取得予定の事業者に一任しているISO22000とは違い、FSSC22000は要件基準を明確に定めています。HACCPとISO22000の要件基準に加え、追加要求事項を定めていることから、認証を取得するのは容易ではありません。また、国内の食品製造業者が取得する食品管理規格の中で、FSSC22000は2番目に取得率が高くなっています。トップは地方公共団体によるHACCPの6.8%、FSSC22000は5.3%で2番目です。自社商品の安全性を証明するハイレベルなシステム規格を求める企業は多く、今後も増え続けることが予想されます。取得するメリット2つFSSC22000を取得するメリットは以下の通りです。社外の人に自社商品の安全性を証明できる業務の効率化が狙える一般的に、企業・消費者ともに、安全性が疑われる食品を進んで購入する人はいないでしょう。原材料の調達から食品の製造まで、各工程で高いレベルの食品管理を実施していると説明すれば、安全性を評価して購入につながる可能性が高まります。とはいえ、原材料の調達から製造までの流れを詳しく説明すると時間がかかってしまいます。製造工程の中に企業秘密が含まれている場合は、すべてを明かすこともできません。FSSC22000の認証を取得することにより、社外の人に自社食品の安全性の高さを証明できます。認証があることで、詳細な説明をしなくても、自社の食品管理について簡潔かつ明快に相手に示すことができます。また、FSSC22000は食品製造の工程を可視化するので、業務効率の向上が期待できます。一連の工程を可視化すれば、「無駄な工程がないか」「簡略化できる作業はないか」を確認することが可能です。無駄のないスムーズな工程を作り出せば、業務が円滑に進んで社員のモチベーションもアップするでしょう。FSSC22000の対象事業者認証を取得できる対象事業者は以下の通りです。食品製造業レストランやホテルなどへのケータリング業食品包装や包装材の事業畜産業水産業流通や輸送業化学製品の製造業規格取得のメインとなるのは食品製造業やケータリング業ですが、流通や輸送業、化学製品の製造業も取得可能です。このほか、食品を包む包装材を製造する事業も取得できます。食品の安全性が証明されていても、食品を包む包装材に不可解な点があれば、消費者は購入しづらくなります。安全な包装材を使っているとわかれば、食品への信頼性はより高まるでしょう。認証取得の難易度FSSC22000は厳しい要求事項が設定されているものの、必ずしも「難易度が高い」というわけではありません。取得に求められる要求事項には、食品を安全に作るための取り組みが記載されています。原材料の入手先から製造まで、安全面に配慮している企業であれば、すでに要求事項を満たしている可能性もあります。認証取得を検討している方は、まずは要求事項を確認することを推奨します。その上で、要求事項を満たしていない部分があれば、改善して申請を行いましょう。FSSCとは?ISOとの違いについてFSSC22000は、食品業界で注目を集めているシステム企画です。しかし、「そもそもFSSCとは何か」と疑問を持っている人もいるでしょう。同じ食品関連の規格であるISOとは何が違うのかや、どちらを取得すべきなのかを迷っているケースもあるかもしれません。ここでは、FSSCとISOは何が違うのかを解説します。FSSCとISOの違いFSSC とISO (International Organization for Standardizationn)は、どちらも食品の安全性を証明する国際規格です。FSSCはオランダの財団、ISOはスイスの民間機関が開発しています。ちなみに、食品安全基準として初めて誕生したのは、HACCPです。食品の製造過程における危険性や、危険を避けるための対策がガイドライン化され、食品の安全性は飛躍的に向上しました。しかし、HACCPは企業がどの国にあるのかによって基準が異なっていて、衛生管理部分が不明瞭であることが指摘されてきました。そこで、HACCPのマイナス部分を改善した国際規格として誕生したのが、ISO22000です。ISO22000は国際規格なので、国や認証団体によって要求事項が変わることはありません。ISO22000は安全面や衛生面のシステム規格として幅広く普及しましたが、一部の内容が原因で食品の事故が発生することもありました。こうした事故をなくし、さらに安全性を高めるために開発されたのがFSSC22000です。FSSC22000はISO22000要求事項よりも厳格ISO22000とFSSC22000を比べると、後者のほうが内容が厳しくなっています。ISO22000では、具体的な内容の認証を企業の判断に任せている面があり、企業によって取り組み内容に差異が生じていました。その点において、FSSC22000はISO22000のあいまいな部分を明確にしています。認証を取得する企業によって安全面・衛生面に差異が生じないため、消費者の信頼を獲得しやすくなると期待できます。FSSC22000ver6における要求事項の変更点FSSC22000は誕生してから数回バージョンアップしていて、2023年4月にはver6が発行されました。すでに認証を取得している企業は、変更内容を確認した上で、新しい内容に対応することが求められます。ver6の変更点は以下の項目についてです。容器包装にリサイクル原料を使用トレーニング・申告・検証・確認を含む全体的なアレルゲン管理製品ラベル・包装の情報管理デザイン管理と印刷管理食品防御・偽装の要求事項の供給者への要求輸送タンカーの清掃異物の管理品質管理の体系的なアプローチ設備管理食品ロスと廃棄物コミュニケーションに対する要求事項要求事項のバージョンアップに伴い、認証を取得している企業には監査が入ります。監査の時期までに変更点を確認し、食品管理体制を整えましょう。まとめFSSC22000は、ハイレベルな食品管理が求められる国際規格のひとつです。同じ国際規格であるISO22000よりも要求事項が厳格なため、どんな企業でも簡単に取得できるとはいえません。しかし、認証を取得すれば、国内だけでなく、海外にも食品の安全性をアピールできます。消費者からの信頼向上が期待できるので、企業とユーザーの双方にメリットがあります。今回の記事を参考に、認証の概要やメリットを知り、理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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