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パリ市、学校給食を「100%サステナブル」へ

2022年5月、パリ市は「学校給食を100%サステナブルまたはオーガニックにする」と発表しました。パリ市では、これまでにもサステナブルな給食の実現に向けた取り組みを進めてきました。この記事では、パリ市の過去の取り組みと共に、今回の発表の詳しい内容について紹介します。

2027年までに実施、パリ市議会で決定


2022年5月、パリ市議会は2027年までの新しい計画として「学校の食堂で提供する食事を100%サステナブルあるいはオーガニックにする」と発表しました。
この計画の中には、「学校給食に使われる食材の75%はオーガニックなものにする」「100%は季節の食材を取り入れた食事にする」「50%を市から250キロメートル以内で生産された食材にする」などの取り組みが含まれています。
パリ市が学校給食のサステナブル化に向けた取り組みは、2009年に始まりました。さまざまな試行錯誤により、サステナブルな食材の使用率は2008年の8%に対して、2019年には53%に到達。こうした経緯を踏まえて、今回の計画が発表されました。

ベジタリアンメニューの選択肢も全員に


2027年に向けて、多様な視点から取り組みが盛り込まれていることも、今回の計画の大きな特徴です。
例えば、常にベジタリアンメニューを選べるようにすることや、週2回はベジタリアンメニューを提供するという計画もあります。また、肉や乳製品、卵やアニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した生産者から購入し、魚などの魚介類は責任ある漁業で採集されたもの、チョコレートはフェアトレードのものを使用することが定められています。
他にも、健康に配慮したメニューづくりとして、食事に含まれる塩分や糖分の削減や健康に被害を及ぼす添加物を使わないこと、食品に触れる部分にはプラスチックを使用しないことも規定されています。
給食は栄養を摂取するだけでなく、地域の食文化を学ぶきっかけにもなります。給食を通してサステナブルな食習慣を身に付けておくと、その後の人生に大いに役に立つでしょう。しかし、サステナブルと呼ぶ基準があいまいであるという指摘や、ベジタリアン食について子どもの発育への影響から心配の声も出ています。
2027年に向けて、どのように取り組みを推進していくのかー。その革新的な取り組みに、世界中から注目が集まっています。
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